岩波明のレビュー一覧
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ネタバレ会社をやめてもうほぼ人と関わらない生活をしているから、大人の発達障害を学ぶ必要はもうないのだが、個人的に結構興味がある内容なのでつい買ってしまった。
・ADHD、ASDは病気ではない
ADHDとASDは生まれつきの脳の機能の偏りであり、病気とか育て方が悪かったとか発症したとかではない、とのこと。
病気というより、今の社会に合わない性質が多いという感じがする。
ADHD、ASD共にとりあえず自分は該当しない気がする。これまでの学生生活や職場ではADHDっぽい人はいた。
ADHDは薬で治療が可能だが、ASDは薬がないらしい。薬物療法でどうにかなるのだろうかと思ったが、「不注意や衝動性などの特性を抑える」らしい。空気が読めないとかはさすがに薬では対応できないよな… 衝動性が抑えられれば、会話での問題も減りはするか。
・スケジュールが苦手
ADHDが遅刻したり準備が間に合わないのは、「衝動性」から今やらなくていいことをやってしまいがちだから。出かける前に急に何かを調べたり、ドラマを見たりしてしまうらしい。
この対応として、準備を始めないといけない時間と、出かける時間それぞれにアラームをかけておく。これは普通に役に立ちそう。
・周りとの会話が下手
相手の会話を遮って自分の話をしてしまう、もしくは思いついたことをすぐ話してしまうという人に、「話を最後まで聞いてから発言しよう」とか「頭の中で一度リハーサルしてから発言しよう」とかアドバイスしてどうにかなるものなのか…?
リハーサルしても、その発言が相手や周りにどう影響を与えるかがわかっていないのでは。
・電話は高難度業務
電話応対は
1. 相手の声に集中する
2. 相手の話していることを理解する
3. 聞いたことを正確にメモする
の3つの動作を同時に行う必要があるため、かなりの高難度アクション。
「電話応対は「誰でもできる基本業務」とみなされていますが、発達障害の人にとっては難しい業務です。」
とあるが、全然そんなことないと思うが… 普通の人でも苦手だよ。
・指示は詳細に
「できるだけ早く」とか「◯◯してきて」みたいなあいまいな指示は良くないという話があるが、これは発達障害関係なくちゃんとやるべきアクションだと思う。
・ASDへの対応
物事を順番守ってこなしていかないと我慢できないとか、パーソナルスペースが近いとか周囲の刺激に敏感とかのASDの人にはおそらく会ったことがないが、ADHDよりも社会人としては大変そう。本人も、周りも。タイピングの音が気になって仕事ができない人には別室で仕事をさせてあげることを検討しましょうとか言われても…
・まとめ
実際に解決するかどうかはかなり怪しそうなところがあるが、実践しやすそうなアクションがわかりやすく例示されてるので、困ってる人には役立つ本だと思う。
あとはまあ、本人の自覚、職場の理解、対応する人の我慢力や包容力だろうな。結局、ADHD/ASDの人達に対応する作業というのはだいたい仕事そのものではなく、会社がその時間を捻出させてくれるか、対応する人が捻出できるかというのは結構別の話だからなぁ。
そして、もちろんこれらの対応で解決するかどうかはわからず、というかおそらくそう簡単に解決する問題ではないので、結局上司や同僚が大変という気がしてしまう。
・とはいえ…
時代が進んだことで、発達障害への理解は高まったとは思うし、そういう人達へのサポートは増え、周りの人たちはこう対応しましょう!という資料はやたらと増えたと思う。
が、「ADHDっぽい人」に対して周りがどうすればいいのかという悩みは未だに全然解決する兆しが見えないのではないだろうか。
その人がADHD/ASDだとはっきりわかっているのならともかく、そう診断されてないけど厄介な人、というケースの方が圧倒的に多い気がする。過去の同僚にもそういう人達たくさんいた。
特に、相手が話し終わる前に自分の話をするとか、空気が読めない人に「君、ADHD診断してきてくれない?」と言えるわけもなく、そういう場合はどうすればいいんですかNHKさん! -
Posted by ブクログ
2020年に刊行された本書は、米英有力紙の書評で絶賛されベストセラーとなった。
米国では2010年代以降に10代の少女たちの間でトランスジェンダーとしてカミングアウトし、男性名への改名、性別・人称代名詞の変更、テストステロンの投与、乳房切除、甚だしくは陰茎形成手術などを行うケースが急増した。
本書は当事者本人、母親、教師、医者、活動家、反対派、成人した経験者などに幅広く取材し、その背景を多面的に分析したもの。
発行後、活動家界隈からは激しい非難を受けたというが、内容は極めてバランスの取れた常識的なもので、翻訳版を角川書店が発行しようとした際にも爆破予告だかの脅迫を受け断念したらしいが、産経新聞が出してくれたおかげで本邦でも日本語訳を入手できることとなった。
活動家界隈は自分の主張は声高に唱えるが、他者の言論・思想の自由の侵害には何ら気を留めないという習性が、この一点にもよく現れている。
著者の結論は、第二次性徴を迎えた思春期の少女に特有の精神的不安定さにSNSのインフルエンサーや活動家がつけ込みカルト的に洗脳されているケースが大部分で、両親は娘の反感を買うことになっても断固としてインターネットから遮断するなど、影響を及ぼす媒体、環境から本人を切り離すべきというもの。
カミングアウトし、薬品投与までした子どもを長期旅行に連れ出すなとして周囲の影響を断ち切ったところ、生来の女性としての性自覚を取り戻した実例も複数あげ、活動家がいう思春期の性自覚は正しく、一生変わらないという主張を退けている。
リベラルな親は子どもを理解したいと思うあまりカミングアウトした我が子の気に障らないようにしようとするが、薬品投与、手術をしても本人の自己肯定感が上がることはまれで、むしろ生活の質が下がる悪循環に陥る。
思春期の自己認識が不安定なのは経験した者には自明だが、それだけを根拠に専門家としての客観的な診断を怠り、改名や薬品投与、手術などの後戻りの効かない身体侵襲をむしろ後押しする医学会、大学を含む教育界などのなんと無責任なことか。
本書で紹介された少女たちは時を経て親子関係や精神や生活の落ち着きを取り戻しているようだが、こういう悪夢のようなスパイラルに陥る少女たちがいなくなることを願ってやまない。
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多様性を標榜する某界隈からの執拗な抗議に屈して発行すら断念したKADOKAWAのお陰で、発売前から出版が待ち望まれ、強力な宣伝効果があったその本。
この本が「差別」だと言う方々が、LGBTQ活動の中心であると言うことが、答えだと思った。
どこが差別なのか、さっぱり理解できない。
どこを差別と言ってるのか、全く分からない。
いわゆるLGBTQは、昔からその個人の問題を抱えて来た人たちと、今大騒ぎしている活動家界隈と、この本が対象にしている思春期の女性と、全く問題が異なる。
そもそも、生まれながらの性とジェンダーが違うんだと、何十年も前から言い出して来たことが、ここに至る罠ではなかったのかとすら思う。
ヒトの性は、男性と女性しかない。
つか、その男性と女性を、極めて狭い定義に押し込めてるのはその多様性を謳っている方々やろうに。
ヒトの性は、生まれながらに決まるが、社会によって育っていく。
思春期がやばいと言うのは太古の昔から言われてるわけで、疾風怒濤とかなんとか言うわな。
大半の人は悩みながら、答えを見つけてきた。
なのに今は、それを逃げることができる。逃げることを推奨する。
自我が芽生えて来た子供が、色々悩むのは当然だが、今は、簡単に、安易に、知識だけが目に入る。経験も、思慮もなく、最初に見たものに飛びつく。そこで賞賛される。ああ私は間違ってないと思う。
否定されれば、頑なになる。
それを、そうだよ、君は間違ってないよ、こっちにおいでという。出て行ってはいけないよと言う。
カルト宗教と変わらん構造やんか。
判断力が無いうちに、取り込んでしまう。
いわんや、肉体的な施術や投薬で、気がついても帰れない状況に追い込んでしまう。
それを問題視している。
本当の「性同一障害」で悩む人を一言半句も否定していないし、活動家の「活動」自体にも、一言も言及していない(と記憶しているが)。
問題提起として、極めて良書だと思います。
それが困るんだろうが。
なんで困るんだろう。 -
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2020年にアメリカで出版され、賛否両論の騒動を巻き起こした本の全訳版。当初はKADOKAWAから出版される予定だったが、発売前からタイトルや帯、内容を巡って批判が殺到し、謝罪と刊行中止に追い込まれた。それを引き継いだ産経新聞出版や書店に対しても脅迫が行われた。
21世紀に入ってから「自分はトランスジェンダーだ」と主張する思春期の少女が急増した(この時点でなにか異常な事態が起きていることがわかる)。本書は彼らや家族を中心にインタビューし考察した、まっとうなノンフィクションである。
インターネットやスマホの普及でどんな情報にも簡単にアクセスできる時代の功罪か。自由すぎるアメリカ社会にも問題がありそうだ。 -
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発達障害、主にAEHD、ASD、LDの定義や症状、発達障害を抱える子どもたちが世界をどのように見ているかを書いた本。
発達障害別の特性だけでなく、どのような支援が効果的か、得意なことは何か、向いていることは何か等も書かれており、マイナス面だけでないのがよい。内容は知っていることばかりだったが、概要を理解するのにはおすすめ。ただ本書でも繰り返されるように、発達障害といっても抱える問題や特性はひとりひとり異なっており、自分に合った適応の仕方を身につけていくしかないのだと感じた。AEHDに服薬治療を勧めているのも現状では最も現実的なのではと思った。 -
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ある日突然、自身はトランスジェンダーだと主張する10代の女性が増えている。
そうした少女たちを取り巻く問題について、様々な証言を通して、取り上げている。
読んでいて、決して差別的な本でもないし、むしろ、公平な立場から、問題は問題であると主張している本だと感じた。
実際、10代の少女にとって、テストステロンやトップ手術などは身体に与える健康リスクも大きく、その決断が取り返しのつかないものとなりうることは確かだろう。
(原題の通りIRTEVERSIBLE DAMAGE となりうる)
権利を求める活動は別に悪いことばかりでもないだろうが、
それにより起きている医療的な問題を棚上げにして、それを問題として指摘する本書のような主張が迫害されるというのもおかしなことだと思う。 -
Posted by ブクログ
トランスジエンダーとは何なのか?。著者の膨大な時間と取材により様々な実例を下に考察を深めて多くが少女であると言うことは非常に興味深い。そもそも性同一性障害が進んだものかと思っていたが、これはある種の洗脳なのではないかとさえ思う。トランスジェンダーは・・という前に、アメリカという大国の病というものを非常に強く感じた。教育現場、医療機関など親の知り得ない場所で侵食するイデオロギーは恐怖すら感じた。彼らの主義主張はイデオロギーなのか、金儲けなのか・・。少女達の手のひらに収まるデバイスの先に広がるインターネットの世界の様々な情報の犠牲者。思春期の多感な少女たちを食い物にするために巧妙に仕掛けられた、様々な情報や罠にどう立ち向かっていくか非常に悩まされる内容だ。人の成長の速度とコンピュータの進化のギャップが生んだ悲劇。それを金儲けネタにした仕掛けた人々。
手術にまで至った少女たちを思うと心が痛い。 -
Posted by ブクログ
以前TV放映された「透明なゆりかご」「お別れホスピタル」の作者、沖田✕華さんの対談を読んでみたくて手にとる。
沖田さんの対談はとてもわかりやすかった。
・場面緘黙状態の時、ご本人としてはどういう状況なのか。
・怒られると眠くなる
・変質者の見分け方を教えてほしかった
など、とても具体的で率直な内容。
岩波さん(精神科医)の話運びもよかった。
・周りは認めたくなくても、意外と本人は、〝自分はそうなんじゃないか〟と思っており、むしろ「はっきり知りたい」という人が多いという話。
・発達障害は生まれつきだから、発達障害を「治す」という表現も適切ではない。
・「発達障害」という言葉を用いていながら、実際のところは、知的障害や身体障害における「障害」とはかなり意味合いが異なることが、事態をわかりにくいものにしている。
健常者のひとつのバリエーションとして理解するのが適切。
・しかし現在のところ、行政が法律的にサポートする都合上「障害」という言葉を用いざるを得ないということ。
などなど、いろいろと勉強になった。
沖田さん以外にも20代絵画講師の方、2人の子を育てた50代女性のお話があります。
なぜ女性縛りなのかというと、女の子の方が子供の頃、発達障害が表面化しにくいという点。
日本社会の「空気を読む」文化、「空気が読める女性をことさら良しとする」文化が、さらに生きづらくさせるため、とのこと。
女の子の方が統計的に多いから、ではない。
岩波さんはとても素敵なお医者さんだった。