岩波明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
多様性を標榜する某界隈からの執拗な抗議に屈して発行すら断念したKADOKAWAのお陰で、発売前から出版が待ち望まれ、強力な宣伝効果があったその本。
この本が「差別」だと言う方々が、LGBTQ活動の中心であると言うことが、答えだと思った。
どこが差別なのか、さっぱり理解できない。
どこを差別と言ってるのか、全く分からない。
いわゆるLGBTQは、昔からその個人の問題を抱えて来た人たちと、今大騒ぎしている活動家界隈と、この本が対象にしている思春期の女性と、全く問題が異なる。
そもそも、生まれながらの性とジェンダーが違うんだと、何十年も前から言い出して来たことが、ここに至る罠ではなかったのか -
-
Posted by ブクログ
2020年にアメリカで出版され、賛否両論の騒動を巻き起こした本の全訳版。当初はKADOKAWAから出版される予定だったが、発売前からタイトルや帯、内容を巡って批判が殺到し、謝罪と刊行中止に追い込まれた。それを引き継いだ産経新聞出版や書店に対しても脅迫が行われた。
21世紀に入ってから「自分はトランスジェンダーだ」と主張する思春期の少女が急増した(この時点でなにか異常な事態が起きていることがわかる)。本書は彼らや家族を中心にインタビューし考察した、まっとうなノンフィクションである。
インターネットやスマホの普及でどんな情報にも簡単にアクセスできる時代の功罪か。自由すぎるアメリカ社会にも問題があり -
-
Posted by ブクログ
発達障害、主にAEHD、ASD、LDの定義や症状、発達障害を抱える子どもたちが世界をどのように見ているかを書いた本。
発達障害別の特性だけでなく、どのような支援が効果的か、得意なことは何か、向いていることは何か等も書かれており、マイナス面だけでないのがよい。内容は知っていることばかりだったが、概要を理解するのにはおすすめ。ただ本書でも繰り返されるように、発達障害といっても抱える問題や特性はひとりひとり異なっており、自分に合った適応の仕方を身につけていくしかないのだと感じた。AEHDに服薬治療を勧めているのも現状では最も現実的なのではと思った。 -
Posted by ブクログ
ある日突然、自身はトランスジェンダーだと主張する10代の女性が増えている。
そうした少女たちを取り巻く問題について、様々な証言を通して、取り上げている。
読んでいて、決して差別的な本でもないし、むしろ、公平な立場から、問題は問題であると主張している本だと感じた。
実際、10代の少女にとって、テストステロンやトップ手術などは身体に与える健康リスクも大きく、その決断が取り返しのつかないものとなりうることは確かだろう。
(原題の通りIRTEVERSIBLE DAMAGE となりうる)
権利を求める活動は別に悪いことばかりでもないだろうが、
それにより起きている医療的な問題を棚上げにして、それを問 -
Posted by ブクログ
トランスジエンダーとは何なのか?。著者の膨大な時間と取材により様々な実例を下に考察を深めて多くが少女であると言うことは非常に興味深い。そもそも性同一性障害が進んだものかと思っていたが、これはある種の洗脳なのではないかとさえ思う。トランスジェンダーは・・という前に、アメリカという大国の病というものを非常に強く感じた。教育現場、医療機関など親の知り得ない場所で侵食するイデオロギーは恐怖すら感じた。彼らの主義主張はイデオロギーなのか、金儲けなのか・・。少女達の手のひらに収まるデバイスの先に広がるインターネットの世界の様々な情報の犠牲者。思春期の多感な少女たちを食い物にするために巧妙に仕掛けられた、様
-
Posted by ブクログ
以前TV放映された「透明なゆりかご」「お別れホスピタル」の作者、沖田✕華さんの対談を読んでみたくて手にとる。
沖田さんの対談はとてもわかりやすかった。
・場面緘黙状態の時、ご本人としてはどういう状況なのか。
・怒られると眠くなる
・変質者の見分け方を教えてほしかった
など、とても具体的で率直な内容。
岩波さん(精神科医)の話運びもよかった。
・周りは認めたくなくても、意外と本人は、〝自分はそうなんじゃないか〟と思っており、むしろ「はっきり知りたい」という人が多いという話。
・発達障害は生まれつきだから、発達障害を「治す」という表現も適切ではない。
・「発達障害」という言葉を用い -
Posted by ブクログ
NHKの朝ドラ『らんまん』で牧野富太郎に関心を持ち(小学校の教科書に載っていた人物とのことだが、まったく記憶にない)、朝井まかての『ボタニカ』を読んだ。「類稀なる天才だけど、人間としてどーなのよ!」と思い、本書を手にした。
本書で、天才の能力が何らかの発達障害と結びついていることを知り、牧野富太郎について理解が深まった。確かに、映画『アマデウス』で描かれたモーツァルトも奇人であったし、テレビドラマ『風よあらしよ』で描かれた伊藤野枝も非常にエキセントリックであった。
(私は、サリンジャーの作品を読んだことはないが)著者は、作品の内容を精神医学の視点から読解しているが、味気無いと思った。著者は -
Posted by ブクログ
天才と馬鹿は紙一重と言われる。後世に偉大なる人物として名を残す政治家、文学者、芸術家、科学者たちが、社会から異端とされながらも大きな実績・成果を残してきた事実、その背景について精神面の研究と照らし合わせていく内容。
大半の人が自分にもそう言う面があると考えるうつ病や、幼い頃を振り返ると何処か当てはまる時があったなと感じるADHDやASD。
小さい頃は突然授業中に奇声を上げたり、変顔をしながら異常なハイテンションで周囲に話かけてた自分の事を未だ鮮明に覚えてる。現在の私は天才でも優れたビジネスマンでも何でもない人間(普通だと思っている)なのだが。そんな幼い頃がダメだったかと言えば、両親の教育のせい -
Posted by ブクログ
病跡学には興味があるので、最後までずっと面白く読んだ。
ここに取り上げられていた作家たちの中に、一般的な評価に少し違和感を感じていた作家もいたので、この本の解説で納得できた。
ただ、逆にもう少し深掘りしてほしかった作家もいるし、岩波先生の見解ではなくこれまでの説の方が妥当ではと思われる作家もあった。作家本人に直接会ったり行動を観察しているわけではなく、残された作品や資料から判断するしかないから、何をどう評価するかに幅が出るのは仕方ないと思うので、どの先生の説なら納得できるかは、読むこちらが何に重きを置いているのかにもよるのだろう。
今回収録されていなかった作家についても読んでみたいと思った。続