岩波明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ精神科医で発達障害が専門の医学部教授による大人のADHDを紹介した本。ADHDが軽症の場合、学生の頃はなんとか過ごせてしまうので問題が顕在化されない。社会に出た時に対応できずうつ病など2次障害を発症してしまうとのこと。
私自身はADHDと診断されたことはないし、そもそもADHDかどうか診てもらったこともない。ただ、ADHDの不注意や過集中といった傾向は自分にもあるなと前から気にはなっていた。本書を読んだ理由である。
注意力に関する問題は、特性となって活かせるシーンもあるようだ。印象的だったのは「ADHDの人は人懐っこい」という記述(p48)。これは推測だが、不注意がゆえに相手の心情にも気づかず、不安になりにくいのかもしれない。良くも悪くも他人の緊張が伝わってこない、という感じ。
しかしながら、対人関係が複雑化していくにつれ、ADHDのマイナス面(約束を忘れる、話に集中できない、など)で信用を失い、人懐っこさがなくなっていってしまうケースが多いのだとか。それがなんとも切なく感じた。 -
Posted by ブクログ
たまたまメディアで岩波明氏のことを知り、本書『精神医療の現実』の著者として紹介されていたのをきっかけに本書を読んだ。精神医療に関して全く知識がなかったが、本書の明快な文章に引き込まれて、一気に読んでしまった。
まず、精神医療の歴史をたどって説明しているところが素晴らしい。精神医療は他の医療以上に、また他の科学以上に紆余曲折があった。例えば、フロイトの精神分析は「有効性がない」ことが明らかになり、現在は使われなくなっているが、多くの心理療法や臨床心理学のベースになっているのはフロイトの理論であり、最近はやっている「認知行動療法」は精神分析の実質的な後継であると喝破している。
また、精神医療をより大きな枠組みから捉え直しているところも面白い。実はフロイトの精神分析はマルクス主義と相性が良いと言う。フロイトは精神分析を科学にしようと試みた。つまり、精神を物質のように扱うことを試みた。そして、マルクス主義の唯物論はもちろん心や精神の物質的な説明を試みる。
フロイトの精神分析は人文科学系の分野にも影響を与えた。ミシェル・フーコーやジャック・ラカンなどの哲学に影響を与え、レヴィ・ストロースの構造人類学にも影響を与えた。
本書の全てを鵜呑みにする気はないが、大変勉強になる一冊であった。 -
Posted by ブクログ
これでもか、というほどの事例が提示され、それぞれの当事者や関係者の行く末が丁寧に描かれていました。この分量のデータを集め、形にされた筆者の熱意を感じました。
以下、印象的だった内容です。
・物理的には比較的不自由なく生きてきた中で、何らかの原因で周りに馴染めない自分に理由を見つけたくて、「自分は女の子じゃないのかもしれない」という思いに至るというケースが多いということでした。
・未成年からの一方的な主張だけで、身体改造に進んでしまうと、後戻りできなくなる、ということも書かれていました。
・そこまで熱狂的にTGになりたいと思う裏側には、「仲間が欲しい」「何者かになりたい、思われたい」という欲があるという分析もなされていました。
もしも当事者が読んだら、どんな気持ちになるのか様々な想像が膨らみました。個々人で状況も心境も違うという前提はありますが、図星だと感じた人は怒り、それこそ冷静を保てないのではと心配にもなりました。
ある程度恵まれている環境にいるからこそ、いろいろなことを考えてしまうというのは、ギリシャで哲学が生まれた理由(暇だから不要不急無事を考えてしまう)ともつながるのかと感じました。この本のテーマはトランスジェンダーでしたが、多かれ少なかれ、人がものや地位など何かを欲しがる理由としては、周りの目が関わるものだと感じています。
もし無人島で生きていても、そのブランド品のカバンを欲しがったか、出世のための試験を受けたか、性別違和を感じたか、、、などと考えるきっかけとなりました。
特別な自分でいたい、なんて思わされる世の中はしんどいです。 -
Posted by ブクログ
【書名と著者】
高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生
岩波明
【目的】
わたし自身ADHDっぽい。エリートでもなんでもないが、コースアウト気味の人生においてどう、自分の気質とつきあうべきかヒントにするべく手に取った一冊。
【印象に残ったポイント】
・発達障害とは
先天的な脳機能の偏りであり、本書執筆時点でメカニズムが明らかになっていない。
・ADHDとASDの見分け方
4つ(不注意、衝動性、コミュ障、こだわり)の観点で見分け方があるにはあるが、異なる特徴から類似する症状を見せることがあるそう。
本書では具体的な見分け方が示されていないが、専門家の著書であることからすると表面的な症状だけでは判断しかねるものと解釈した。
・本書の事例から年代ごとの再生ポイントは以下。
ASD
中高生の事例→特性の自覚、特性に合った環境設計
大学生の事例→デイケアと就労移行支援
社会人の事例→集団精神療法、自由度の高い職場
ADHD
中高生の事例→特性の自覚、専門外来の受診、束縛の少ない環境、正しい投薬
大学生の事例→過剰集中を生かした仕事をする、正しい診断と親離れ、適材適所
社会人の事例→適切な投薬、職業選択、ADHDを自認したうえでのセルフコントロール、服薬と生活リズムを整える
まずADHDなのか、ASDなのか判別したうえで自分の症状にあった投薬と環境設計につきる。
ただ、そもそも専門外来の門戸を訪ねる以前に、専門外来の存在そのものがあまり知られてないのではないか?
(わたしは知らなかった)
自分がASDまたはADHDであることに、気づかず自然体で社会と関わると不都合が生じてしまうが、
そもそも気づくことのハードルが高いと感じた。
学生であれば親や教師が運よく気づいてくれたらいいが、ここをすり抜けると自覚するのがとても難しい。
また、専門性の低い外来に行ってしまうと誤診されて誤った服薬を支持されるリスクもある。
もし、受信する場合には専門性の高そうな外来を受信するのが必要と感じた。
(だがしかし、まともで自分に合った石を探すのも一苦労)
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久しぶりに岩波明の本を読んだ。
新書ということもあってか、ここまで毒舌家だったっけと感じるくらいの毒舌ぶり。
特に、
新型うつは医師でもあるタレントの香山リカが命名した
てなくだりは、思わず吹き出してしまった。他にも読んでいて失笑する場面が多々。
まあ素人の私ですら「トラウマ」とか「サイコパス」とか、巷では全く違う意味で用いられているよな、と常々感じているから、専門家の岩波先生にはその誤用が腹に据えかねているのでしょうね、きっと。
そうそう件のフジテレビの元女子アナの「トラウマ」が診断名として確立したときのそのままの心的外傷だったら、そりゃまごう事なき「性暴力」の被害者ですわなあ。(分かってくださる方々がいると固く信じています) -
Posted by ブクログ
高学歴と発達障害。
この二つの言葉は 私の中ではなかなか結びつかなかった。しかし“イーロン・マスク”や“エジソン” “スティーブ・ジョブズ”を引き合いに出されると納得。
学校に行っている間は なんとか成績も上位を保ち 他の目に余る行動は目をつぶってもらえた。
しかし社会に出ると世の中そんな甘いものではなく 綻びがあちこちに。挫折を経験し、そこから何とか立ち上がれる人と 長く抜け出せない人が。こんなに高学歴の人たちの例があるとは。
しかしADHD(注意欠如多動性障害)の特性を持つ起業家の一部には 新奇なアイデアと途方もない突破力で華々しい成功を収めている人たちも存在している
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もっとも読みやすい量、読みやすいレイアウト。
●考え方の癖
・ 極端な一般化。白が黒か。
・人と自分を比べる
・魔術的な思考、妙な自信
・「〜すべき」と決めつける
・公平さへのこだわり
・否定的な受け取り方
●やりがちな対策
・先延ばし、瀬戸際作戦
・目先のことをやって、やった感じでごまかす。本当にやらなければならないことを先延ばしする。
・期待しない
●長所
・積極的にコミニケーションを取ろうとする
・フットワークが軽い、エネルギッシュ
・チャレンジ精神がある
・瞬発力がある
・アイディアが豊富
・好奇心旺盛
・新しいことに気がつきやすい
・直感的で、柔軟な考え方ができる
・切り替えが早い、次の局面にすぐ適用できる
・根に持たない
●本人の気持ち
・できない自分を不甲斐なく感じている
・頑張っているのに、不本意な状況が続く
・不安や鬱々とした気持ちに陥る
・認めてもらえないことに怒りを感じたりする
●自己否定感、自信のなさによる不安障害
・パニック障害
・恐怖症
・全般性不安障害
・社交不安障害
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Posted by ブクログ
職場でどうにも仕事ができず、行動がおかしいなぁと思う。同僚がいたために興味がわいて、発達障害系の本をいくつか読んでいる。
発達障害にもASD、ADHD、統合失調症、アスペルガー通等いろいろあるが、まずはその違いを解説してくれている。p23の図がわかりやすい。
これらの症状は判定が非常に難しいということが読んでいてわかった。医師によっては違う診断をして、それによって患者や家族が苦しむこともある。(例えば甘えだから教育しなさいと言われる)
過去の殺人事件等で、これらの障害がクローズアップされてきたが、それまではこういった症状の方々はいたけれども、認識されていなかっただけ。
症状の診断が出た後は、グループワーク等で社会生活ができるように慣らしていくような団体もあるようだ。社会がまだこの分野にはついてきていないため、大多数のいわゆる普通の人用の社会になっているため、発達障害の方々はドロップアウトしがちで、生きるのが苦しい状態となっている。 -
Posted by ブクログ
厚くて長い本なので、最初だけ読みました。後はパラパラと。
いわゆる、トランスジェンダーと言う概念が広がる中で、本来は医学的には性不一致ではない子供たちが、メンタルの状況によって、トランスジェンダーを自認して、テストステロン投与や、手術に踏み切ってしまうと言うことに、警鐘を鳴らす内容。
そうですね、個人的な、感覚的には、何かファッションの一環というか、考え方1つで、LGBTQになるみたいなところはあるような感じは持っていました。全く否定するわけでは無いですが。
とは言え、LGBTQコミュニティーからは、割と内容的に糾弾された物議を醸した作品だったようです。
LGBTQと言うラベルをつけなくても、まぁ何でも自由に自分が思った通りに生きればいいんじゃない、別に男と女どっちが好きだっていいんじゃない?と言う感じもしますが、結構医学的にシビアな手術とかをして、後遺症が残るような事は、そっちに何か追い込まれていくのは、あまり幸せじゃないなぁとも思いました。親御さんとしては、自分の娘が何かそんな風になっていってしまうのは、止めたいなぁって思う気持ちもわかりますわね。