岡本さとるのレビュー一覧
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第七弾。
毎度お馴染み毒舌女将・お夏と、苦み走った料理人・清次が切り盛りする居酒屋を巡る、人情噺連作四話が収録されています。
他所から目黒にやってきた、実直だけど訳アリな父娘・禄次郎とお京。(第一話「杯事」)
七日に一度訪ねてくる息子家族との夕餉を楽しみにしていたのを、愛娘の久々の訪問によって気がかりなことを抱えてしまう足袋職人の弥兵衛。(第二話&表題作「明日の夕餉」)
不幸な過去を持つ母娘を気遣いつつ、自身もある秘密を抱えている菊次郎。(第三話「白飴」)
悋気が過ぎる恋人に束縛されている弟子を気遣う剣客・坂村信二郎(第四話「年取りそば」)
・・・といった、悩める方々が抱える問題を、お夏&清さんwith昔からの仲間が、裏で色々動いたり仕込んだりして解決していく、お約束の流れとなっております。
個人的にお気に入りは第三話「白飴」かな。
若かりし菊次郎とお夏たち“魂風一家”の思わぬ“縁”の話も粋ですし、タイトルにもなっている“白飴”のアイテムとしての使い方が心憎いですね。
複雑な因縁があっても、菊次郎とおつるちゃんの恋がうまくいくと良いなぁと思いました。
今回も各話、安定の“ええ話”で心温まる読後感でした。辛い思いをした優しい人が、ちゃんと幸せになれる(で、悪は成敗される)という展開が好きなんですよね。
次巻も楽しみにしております~。 -
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第六弾。
毒舌女将・お夏と、料理人・清次が切り盛りする居酒屋を舞台にした、人情噺連作四話が収録されています。
これぞ安定の読み心地。今回も居酒屋を訪れるお客たちが巻き起こしたり、巻き込まれたりする騒動を、お夏と清さんが影でこちょこちょ動いて解決してくれています。
表題作の第三話「根深汁」では、お夏の昔からの仲間・“河庄の旦那”こと河瀬庄兵衛さんのご近所の研ぎ師・合田喜右衛門が大身旗本の屋敷に仕事にいくも、そこの殿様がヤバイお方だった・・という話なのですが、剣吞な事に巻き込まれそうな喜右衛門の事を、居酒屋ではお夏&清さん、自宅付近では河庄の旦那と、ダブル態勢で見守ってくれるので心強いかぎりです。
前シリーズの時のように、お夏たちに“敵”がいるわけではないので、もしかして“お夏ファミリー”はちょっと暇なのかな・・と思ったりしてしまう私です。
他にも、第一話「青物夫婦」に登場した仲良し夫婦が抱えるお悩みや、対照的に、すれ違い夫婦に絡んだ騒動が起こる第四話「おこげ」。思わぬ形で生き別れの父娘が再会する第二話「酌取り父娘」など。様々な家族の在り方や悲喜こもごもが、“ええ塩梅”に書かれております。
ということで、葱たっぷりの根深汁のように、ぽかぽかに温まる一冊でございました。 -
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シリーズ第二作。楽しみにしてました!
人情あふれる作品だが、今回胸にぐっとくるのが、長太と粂三のコンビ。
お竜を姐さんとしたう姿が可愛らしい。
初登場は小物感ありすぎ。
そこでぺちんとやられるのは、時代物の「お約束」。
心を入れ替えた2人の危なっかしい活躍は、どうも母親目線になっていけない。
もうひとつのエピソードが、孫兵衛の敵討ち。
これがメインのエピソード。
いやいや、これも目新しい展開ではないのに、時代劇らしい展開で。
悪人退治に大立ち回り、それぞれの思いを抱えて裏稼業。
なんだかてらそままさきのナレーションまで聞こえてきそうだ。
三作目はあるだろうか。
3部作で終わってくれるなら収まりがいいのになぁ -
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内容(ブックデータベースより)
表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕!
第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれます。幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。
とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。
お竜の庇護者となる仕立屋の主・鶴屋孫兵衛、鶴屋の碁敵で謎のご隠居・文左衛門、そして鶴屋の用心棒で、ちょっととぼけた吉岡流剣術の使い手・井出勝之助など、お竜の脇を固める登場人物たちも魅力たっぷり。そして何よりの読みどころは、お竜の艶やかさと痛快アクションシーンです!
令和4年11月22日~23日 -
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腕の良い仕立て屋お竜。
男に食い物にされ、命からがら出会ったのが武芸の師匠。
彼に仕込まれ、お竜は殺し屋家業を営んでいる。
決め台詞は、「太ももに彫り込まれた竜、こいつを拝んだものには死んでもらう」だ。
艶っぽいセリフだこと…
暴力的な父から逃れるため、母はお竜を連れて逃げた。
母亡き後、悪徳金貸しから守ってくれた林助は悪事の片棒を担がせ、拒めば折檻。
そこから逃げ、自分のように苦しむ女たちのため、お竜は鬼となった。
悪者を手際よくいなしていくさまは、必殺仕事人が好きな読者なら応援したくなるはず。
最終話では人身売買の元締めと対峙する。
物語はそれで終わるが、この後もシリーズとして続いて…いるみたいだ。
武芸の師匠との物語ももっと知りたい。
テンポも良いので、特別ドラマもよさそう。 -
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第五弾。
毒舌女将・お夏と、料理人・清次が切り盛りする居酒屋を舞台にしたシリーズ。人情味あふれる連作四話が収録されています。
息子の死で鬱になり、寺男として暮らすようになった夫と彼の元に通い続ける妻の復縁に、お夏たちが一肌脱ぐ表題作の第一話「鯰の夫婦」。
お夏や清次と“相模屋”時代の仲間である、髪結いの鶴吉の元に腹違いの弟が訪れ、生き別れの父への複雑な思いと向き合うことになる第二話「焼き茄子」。
駕籠舁き・源三の相方で、無駄が嫌いで理屈屋の助五郎。駕籠舁きとしての腕は申し分ないのに、如何せん“ひろゆき”ばりの論破男で可愛げのない彼の長屋に幼馴染のおようが引っ越してきて・・・第三話「焼飯」。
第四話「やけ酒」は、第三話の続きで、助五郎とおようの話の、おようサイドで語られる展開です。
しっかりしているように見えて、実はかなり間が悪く、いつも嫌な思いをしてしまう、おようの悩みと彼女が巻き込まれた(というか自分から突っ込んでいった)騒動と助五郎との関係の変化が描かれています。
各話、爽やかな読後感に浸れるええ話です。四話はちょっとハラハラしましたが、丸く収まって何よりでした。
お夏と清さんと、居酒屋の常連たちの関係性が心地よく、こんな場所があったらいいな・・と思います。と、言いつつ私は下戸なのですけど(笑)。 -
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父の本。
お竜さんがとりあえず取り掛かるのは、自分の人生を壊した元亭主かと思ったら違ってたのが意外でした。まぁ、結果として元亭主も出てくるけれどもなんとなく棚ぼた感があふれるというか… シリーズものならもっと引っ張るかと思ったら違ってましたね。
個人の判断で善悪を決めたり、罰を与えるのはしょせんは私刑なんだなぁと1話を読んだときに思いました。言い方は色々ありますが、世間に対する八つ当たりというか、自己満足の方が強そうな感じ。2話以降にバックアップ体制が出来て、なるほどこれで始末屋みたいな感じになるのかな、と思いましたが。でも個人の感情で人の生死を決めるのはやはりおこがましいというか、ちょっと違うんじゃないのかなぁなんて思いました。 -
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「お勝手のあん」の作家の新しいシリーズの開幕!
一刀流の祖、伊藤一刀斎の弟子、小野次郎右衛門忠明という剣客がいてやがて小野派一刀流の祖となるのだが、やがて柳生家と共に徳川将軍家の剣術指南役を代々務めることになる。その後継者を選ぶ時に、敗者となった物ではあるがその実力をかわれ「影武芸指南役」となった一派が善鬼。その子孫が将軍家御用達の扇屋「善喜堂」。その主人をはじめ家族や従業員全て武芸を極めた影の姿があった。
その娘、千秋の初恋から話が始まる。
将軍家からの依頼で幕府の安寧を妨げる輩の排除に動くのが善喜堂のものたち。
主人は娘には危ない仕事をしてほしくはない。
大きな商家に嫁がせたいと思っているが千秋は八丁堀の定町周り同心の「芦川柳之助」に一目惚れをして嫁いでしまう。かねてから千秋の腕を高くかっていた老中青山もこの婚姻を応援。
千秋とその女中お花と、二人を応援する叔父の勘兵衛も力になり、芦川家一丸となって奮闘! -
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居酒屋お夏・セカンドシリーズ“春夏秋冬” 第二弾。
居心地の良さと旨い飯が魅力の、お夏の居酒屋を巡る四話が収録されています。
前シリーズでは、お夏の母親の敵討ちという、通しテーマがあったのですが、セカンドシリーズでは特にそれはなく、それぞれ一話完結の人情噺となっております。
各話悲喜こもごもの味のある内容ですが、個人的には第二話「雑煮」が良かったです。筆師の父子の不器用ながらもお互いを思いやる姿と、息子の成長を実感する父の想いが心に染みました。ラストのサプライズも予測はできましたが、何とも粋な計らいで、気持ちの良い話でした。
一見、お客と距離を置いているようですが、裏で色々気にかけてくれる、お夏と清さんが素敵なこのシリーズ。今後も楽しみです。 -
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ネタバレ202111/若鷹武芸帖シリーズ第9弾。今回は将軍より番方の武芸の腕を調べるよう命を受ける。そして調査の報告と共に、将軍の前で調査対象者との勝負を披露。タイトル「五番勝負」なのに、収録は「一章:一番勝負、二章:二番勝負、三章:三番勝負、四章:四番勝負」迄。鈴姫の件が本巻での五番勝負目をさしているようだけど、それゆえに番方との五番勝負目を端折って終わっているのか、続刊で残りの番方との勝負が描かれるのかわかりにくい終わり方だった。そして水軒と鷹之介の亡父とのかかわりが匂わされてるのは今になって?なとこもあるけど、ここから最終巻に向けて動き出す感じかしら。
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ネタバレ202109/シリーズ3作目。一話目「不死身の男」のラスト(駕籠内の宗兵衛の涙声、かきけす新三と太十の掛け声)、こういうドラマのエンディングのような情景が浮かぶ描写がうまいな~。二話目「帰ってきた男」はおとぎ昔話のようなほら吹き爺さんの話。作者の筆ものってる道中話で笑わせて泣かせる展開、そしてゾクっとさせる余韻あるラスト、という構成のお手本のような物語だった。表題作でもある三話目「雨やどり」、身投げしようとしていた訳あり女性・おそのを助けた太十。おそのを守り救うべく、新三や駕籠留の面々も協力して…という話。今回はエピソード的にも、新三と太十の性格の違いがより際立って描写された印象。このおその、やたら「苛々する女」「困った女」と評されるキャラなんだけど、駕籠留のお龍お鷹姉妹もなんだかんだ彼女に気遣い、二人の人の好さが出てるのも良かったし、周囲の人達による優しい結末も良かった。