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「番方の武芸の腕を調べよ」――公儀武芸帖編纂所頭取の新宮鷹之介は、久しぶりに将軍からの命を受ける。将軍の身の回りを警固する番方。将軍家斉はそれに「我が旗本達は、頼みとなるのか」と不安を募らせているという。対象は一癖ある者ばかり。調べ始めた鷹之介の前に浮き彫りになってきた事実とは――。大迫力の剣戟と鷹之助の優しさ溢れる、シリーズ第九弾。
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前途洋々の新宮鷹之助
武芸帖編纂所頭取、新宮鷹之助は、今回、若年寄・京極周防守より幕府の番方、即ち大番、小姓番、書院番、小十人組でそれぞれで一番上位の剣客の腕前調査を命じられた。 早速、小姓組番の増子啓一郎から調べ始め、次に書院番方、子上礼蔵そして大番方の剣持十兵衛を自宅訪問して取材すると、番方侍は将軍を護るという重役を...続きを読む担うことから、役目に忠実で自宅で日々剣術稽古を行い腕を磨いて怠りなかった。 増子啓一郎と子上礼蔵については、取材して報告書を書き上げて周防守に報告したが、将軍家斉の御前試合が開かれて、鷹之助は両者との仕合で両者を破った。家斉は、両者に武芸の鍛錬に怠りなくと申し付けた。 大番方組頭、剣持十兵衛は、他の番士からは神仏と崇められるほどの剣豪だ。十兵衛が役目を果たすために大切にしてきた信念がある・・・侍は何処にあっても戦場に居る 従って稽古にあっても命を賭けるのが信条だった。非常に過激な考え方である。十兵衛の道場に通う番方たち、その数は多数に上っている。 しかしながら、侍にとって強くなることが優先されるのだが、自らの生活がそれに縛られる障害が出る場合もある。だから門弟の中にも十兵衛の信念に賛同しつつも、不満を抱く者もいる。人によりけりだが・・・十兵衛は自身の信念を他の弟子たちに強制して、その為稽古中に死者を出したり、怪我をして隠居に追い込まれた番方が出た。十兵衛には、少しも反省の態度が無く自分の信条をを曲げなかった。 将軍家斉は、鷹之助と十兵衛との御前仕合の後、負けた十兵衛に厳しい処分を下したのである。生きる者は十人十色、人其れ其れが違って当たり前で、それを勘案してこその組頭であろうと。十兵衛に厳しく自省するように警告した。 この物語は、鷹之助が仕事をそつなくこなし成長著しく、27歳の立派な男性になった姿が浮かぶ。それほどまでに鷹之助の華々しい手柄が目立つ内容の物語になっている。さらには、お家の繁栄のために嫁取りの話しが出るほどの彼の人となりに好感を持てる物語である。だが、もっともライバルもいるのだが・・・
#アツい #カッコいい
Posted by ブクログ
202111/若鷹武芸帖シリーズ第9弾。今回は将軍より番方の武芸の腕を調べるよう命を受ける。そして調査の報告と共に、将軍の前で調査対象者との勝負を披露。タイトル「五番勝負」なのに、収録は「一章:一番勝負、二章:二番勝負、三章:三番勝負、四章:四番勝負」迄。鈴姫の件が本巻での五番勝負目をさしているよう...続きを読むだけど、それゆえに番方との五番勝負目を端折って終わっているのか、続刊で残りの番方との勝負が描かれるのかわかりにくい終わり方だった。そして水軒と鷹之介の亡父とのかかわりが匂わされてるのは今になって?なとこもあるけど、ここから最終巻に向けて動き出す感じかしら。
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