ノーム・チョムスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みたかった本の一つだったが今回の文庫化でたった1000円で読めるようになった。必読。
日本で生活しているとシンプルにアメリカのプロパガンダにやられるのでほぼ無条件にアメリカに対して親しみを覚えると思うが、そういう人こそ読むべきだろう。
世界の構造が分かると身近な問題の解像度も上がる。たとえばクルド人問題もこの本から読み解けばアメリカのせいであるし、日本人がクルド人にヘイトを向けるのはサダム・フセイン支持の親米イデオロギーと地続きなのがわかる。
地球温暖化問題への取り組みの極端な忌避も世界の構造がわかれば簡単に見えてくる。電気自動車はまだ早いなんて言ってる知り合いは多いだろうが、そういう -
3.8 (5)
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Posted by ブクログ
ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンといった政治学教授、発明家、経済ジャーナリスト、建築家、数学者といった知の先端をいく人たちへのインタビュー集。
AIが指数間的に成長していく未来を描くレイ・カーツワイルの話が一番面白かったし再読したい。
どの人たちも専門分野以外にも深い知識を持っているのが参考になる。
インタビュアーの吉成さんの質問が全部的確で勉強量も含めて頭の良さがにじみ出ていると思う。あとがきの見解の「不確実社会では感情に訴えるようなシンプルストーリーはプロパガンダだと思ってファクトチェックを重ねて熱狂を避ける」というと -
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Posted by ブクログ
学生時代に生成文法を学んだ身でありながら、誠に恥ずかしいことに、チョムスキーのこの記念碑的著作を読んだことがなかった。文庫が出たのを好機として読んでみた。
文法の形式的側面の自律性、構造依存性、変形部門の必要性など、言語学の入門書に必ず書いてあるような議論はこの著作で示されたものだったということを知った。
チョムスキーが1975年に書いた文章と、訳者による解説が付されており、生成文法が誕生した時代背景やその後の発展過程をリアルに感じ取ることができる。訳者の福井氏も解説で述べているように、生成文法は当初から、チョムスキーがたった一人で理論を構築したのではない。むしろチョムスキーの学問的貢献は、 -
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2025/10/6(水)
まだ読み始めて20ページ。チョムスキー氏のような高名な知識人をして、アメリカ自体の知的衰退を相当に気にしている様子が伺える。まずそこが興味深い。
50ページ辺りまで。米国の"正義"による"暴挙"にはいとまが無いのか?どれとも、いくつかの事例を異なる視点から何度も書き出していることなのか?、整理しないと米国の近現代史に詳しくない小生には理解が追いつかない。2度目以降で読むときに整理しながら読まないと、と思う(この事象・事件は、前に書いていたことの焼き直しだな?など)。自らの蛮行は、それが正義だと思っているので、調べもしないし、法 -
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Posted by ブクログ
知識人の責任
著:ノーム・チョムスキー
訳:清水 知子
訳:浅見 克彦
合衆国が、既得権益保護のために世界規模の反革命運動の指導者になったことを本書は嘆いている。
ベトナム戦争のみならず、南米においても、第2のベトナム戦争を展開しようとしていることもだ
気になったのは以下です。
■知識人と学校についての考察
権力と権力を合理的に行使しようとするために忠義を尽くそうとしている、アメリカの知識人について、率先して、その政策の実行を支援していることについて恐ろしいと語っている。
アメリアのそれら知識人を批判するとともに、啓蒙と自らを導いていくための指針をもとめてさまようことになるだろうと -
Posted by ブクログ
チョムスキー氏と言えば、人間は生得的に文法を身につけるものとした生成文法理論が有名だと思うが、ベトナム戦争への反戦活動で54回も逮捕されたという逸話もある。私はこれを宇沢弘文の書により知ったのだが、そもそもベトナム戦争すら、私にとってはよく知らぬ事。しかし、そうした反戦の含意をもって『知識人の責任』とは、我田引水、商業主義的な識者の戒めにも通ずる、良心に訴えかける啓発書だ。
ー かつてジャン゠ポール・サルトルは、一つの時代のなかで、ヴェトナム戦争に反対する人間が知識人なのだ、といった。その意味では、チョムスキーは「知識人中の知識人」だといえるだろう。そしていま、私たちは、ブッシュ政権の「大義 -
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3.8 (5)
Posted by ブクログ
テーマは利己性と利他性、社会性。集団によってどのように暴力性は生まれるかといった考察は興味深い。
エドワード・O.ウィルソン
高度な社会性を形成する真社会性は、生物進化の歴史上、少なくとも17回実現している。テッポウエビで3回、スズメバチで2回、キクイムシで2回、ハダカデバネズミで2回など。人類では、300~100万年前にグループ間の競争があった。競争を好む性質は、群選択によってもたらされた。社会的生物では、グループの中では利己的な個体が有利になるが、グループ全体として行動する場合は利他的なグループが有利になるという法則がある。宗教信仰は部族主義から生まれてきた。哺乳類のバイオマスのうち、人 -
3.8 (5)
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