永福一成のレビュー一覧
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面白かったです
全体の感想です。
この人の、他の真似でない個性的な絵が好きなのですが、少し念入りに描かれすぎて暑苦しい(ゴチャゴチャしている)と感じる事もあります。しかし今回は日本の時代物のせいか、筆で描いたような勢いのある線でシンプルに描かれていて、すっきりと無駄のない感じです。
遠近法を狂わせたような部屋の描き方、ピカソのような顔の輪郭からはみ出した目なども、斬新でありながら奇をてらった感じはなく、勢いにまかせて描けば自然にこうなるといった感じでとても良いです。
物語は王道のパターンですが、犬猫の会話や刀の幽霊などが面白いし、悪役が動物を愛したりして単なる悪者でない所にも奥行きが出ていると思 -
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面白い。
軍部独裁に走る前の日本は面白い。しかしだな、昭和帝が聡明であったなどというようなシーンはついぞ見たことがない。現実にはすっとぼけた池沼のイメージしかない。フィクションとして割り切って見ることをオススメする。
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意外と知られてない昭和天皇
まさかマンガで読めるとは。
昭和天皇といえば、私(35歳)世代なら、崩御のシャッター街とかアニメの延期のイメージしかない。でも親世代が持つ、親愛と敬愛は忘れられない。
この歳になり、色々と書籍を読み天皇を知り、改めて昭和、特に終戦の歴史を知れば天皇という存在の大きさに驚く。
まだ一巻は幼少期だけれど、このあとには摂政の経緯、即位、そして開戦が待っている。さまざまな思想やイデオロギーで幾らでも描かれる昭和天皇。この作者がどの様な切り口で描くかは分からないけど、それでも伏線はしっかりと積み上げている。
今上天皇の生前退位、女性(女系)天皇、女性宮家など、まさに国民と天皇の関係を問われる時代 -
購入済み
凛々しい陛下とか分かってない。
もっとすっとぼけた風貌だったろ。
あの何考えてるか分からない雰囲気が逆に得体の知れなさにつながって神格化に拍車がかかっていたのに・・・
まあそれでも内容は読ませるので、楽しみな作品と言っておこうか。 -
Posted by ブクログ
三男に生まれ、お家も継げず、かと言って槍の腕一つで名を成す場もなく、醜男で、恐らく金勘定が絡まないと男色の相手も得られず、神輿大三朗は閉じ込められた世界で生きるしかない中、木久地に挑んで潔く命を散らした様はあっぱれだ。それを見届けた中元の源次が、普段このバカ殿みたいな主人に振り回され、見目が良いからと馬鹿馬鹿しい衣装を着せられ、町内を連れ回され、大三朗の目の保養のためになるのが仕事みたいな自分の身を嘆いたりもしたが、最後、「いよっ、大三朗、日本一っ!」と彼の空を飛ぶ首を見上げて叫んだ彼の、どうしようもないけれど愛おしい主人へのはなむけの言葉が泣けた…大三朗の、源次への純愛に見えるんだよなぁ…自
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Posted by ブクログ
これは普通の漫画を描くGペンとかで描かれているんだろうか…イメージは竹を割り箸みたいに加工した木切れの先を色んな角度や太さに尖らせて描いている様に見える。
神輿大三朗と源次の関係性が切ないんだよねぇ…男色家で三男坊で醜男でさぁ、源次は根っからの女好きのノンケでさぁ、強要出来ないのに傍に置いておきたいとか、大三朗がせめて美男子だったらさぁ、他の事は運命変えられなくてもさぁ、って切なくなるんだよ。源次もさぁ、見目麗しさで雇われているようなもんで、ノンケだから大三朗の趣味嗜好に理解があるわけじゃないし、派手な服着せられていやいややってるし、心の中で毒づいてるし、給金がいいのでこうやってるんだろうけど -
Posted by ブクログ
ストーリー、絵、キャラクター、あらゆる点でツボ過ぎる。
ページのすみずみまで配慮が行き届き、かつそれをあざとく感じさせないユーモアと脱力感がスバラシイ。
読み終わった時の、満ち足りた、すがすがしい気持ちをまた何度も味わいたくなるに違いない、そんなマンガです。
登場人物すべてが魅力的で、その中でもさらに際立つ主人公宗一郎のキャラクター。
子どもたちの表情の豊かさと、人の生活に溶け込む動物たちのさりげない存在感。
ストーリーは軽快で、深くて、面白い。
宗一郎と矢場の看板娘お勝、二人のシーンが好き。
大人の女性たちにこそ、この情感を味わってほしい気がします。 -
Posted by ブクログ
これはすごいマンガだ、と驚きました。
ひとこまひとこまの絵に感じる、徹底したこだわりとセンスのよさ。筆ペンで描かれた世界には、力強さと温かさと繊細さが心地よく同居している。
なんというか、一般的なマンガの絵とはちょっと違う領域に属しているような。…うーん、見れば見るほどすごいなあ。
ある日、江戸の長屋に住みついた、キツネ顔の浪人、瀬能宗一郎。
実は凄腕の剣客なのだが、腰に差しているのは竹光。
飄々として間の抜けたような不思議な人柄と、その奥に潜む剣客としての禍々しいほどの性(さが)。
隣家の少年、勘吉との交流を描きつつ、何やら事件に巻き込まれそうな流れで1巻は終わる。
絵だけじゃなくてストー