河島弘美のレビュー一覧

  • 復刻版 ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本

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    "料理もまたその手順の一つ一つが科学的に研究されるべきであり、決して成り行きまかせの人生の一コマなどと見なされてはならない。"

    冒頭からいきなり暑苦しい。にも関わらず、実際のレシピでは "精いっぱい工夫して、ひたすら巻きあげる"(オムレツ)などアバウトな表現が見られるし、果物をもいでくるところから料理が始まるわんぱくなものもあるし、 "お茶の時間のためのポケットブックス(みんなの大好物)" なんていうお茶目な名前の料理も。

    とにかく全体的に突っ込みどころ満載の最高に面白い料理読本。小泉八雲の新たな一面と出会える。

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    2019年01月08日
  • 嵐が丘 下

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    ヒースクリフの最期は全く想像していなかった
    負の感情だけでここまで面白くなる小説は稀有 バッドエンドかと言われると全然そんなことはないから後味も良い 何もかも面白かった

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    2018年02月11日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    この小説の素晴らしいところをわたしなりに3つあげてみよう。

    ひとつ、設定が優れてよい。物語の舞台となるのは、ヒースクリフ咲く丘の一件の屋敷。その丘は遮るものがなにもないために、一年中強い強い風が吹く。ゆえに「嵐が丘」とあだ名される。荒涼とした大地と空。それでも秩序よく暮らす領主一族のもとに、ある日ひとりの少年がひきとられることとなる。「ヒースクリフ」と名付けられた少年と領主の娘。彼らは強く惹かれあうが、互いを愛すれば愛するほどに憎しみが増す。憎むことでしか愛を表現できない悲しい恋は、やがてこの一族を破滅へと導く。嵐のような愛。

    またひとつ、作者の語り手の人選がよい。この物語をわたしたちにき

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    2016年12月07日
  • 嵐が丘 下

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    第2部は、第1部にも増して、登場人物らの強烈な言動で読者を戦慄させながらも、悲劇的結末と未来への希望を残す終盤へ、物語は無窮動的に進んでいきます。まさに名作。

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    2016年04月29日
  • 嵐が丘 上

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    この強烈な物語をもっと早く読むべきだった。新訳で読みやすくなっていることもあり、まさにページを繰るのがもどかしいと思いつつ、一気にラストを迎えました。

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    2016年04月29日
  • 嵐が丘 下

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    いまさら何を言うべきかという名作。「想い死に」というものの実在を予感させるような、一方でその不可能性を立証するような小説。再読を自らに課したい。

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    2014年01月25日
  • 嵐が丘 下

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    ページを捲るのももどかしいほど、といわれた通り本当におもしろかった!
    死ぬほど愛するとはこういうことか。

    キャサリンとヒースクリフは似た者同士。愛は相手そのものを見ていない幻想だと福永武彦が書いていたことを思い出す。二人ともお互いのもはや偶像化した魂を愛していたように思える。命をかけた崇拝、執着、憎悪。愛によって生きるがそれによってまた命が削られていくようなエネルギーを感じた。

    下巻p336から、ヒースクリフの人間的な感情が初めて流れだしたシーンがすごい。あーーーーもう感想文なんか書いていられないです。素晴らしいです。全く意味は違うけれど、ハリーポッターのセブルスの真実を知ったときのような

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    2013年09月03日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    19世紀前半、ロンドンから田舎のヨークシャーに療養のため、ロックウッドはスラッシュクロスの屋敷に越してくる。
    そのスラッシュクロスと嵐が丘という2つの屋敷の間で2代にわたって起きた復讐劇。
    そのことについて、家政婦であるネリーがロックウッドに話し、その後回想を経て物語の鍵となる悪童ヒースクリフが他界しロックウッドがその墓を訪れるまでを描いた作品である。

    ヒースクリフは嵐が丘へ拾われてきてそこの娘であるキャサリンと恋に落ちる。
    しかし、キャサリンはヒースクリフとの身分の違いからスラッシュクロスに住む長男エドガーと結婚する。
    そこからヒースクリフは2つの屋敷を自らの手中に収めようと復讐劇を企てる

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    2021年08月29日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    文庫だし、字が大きめで読みやすい。「世界名作全集」みたいのだと字が小さいので読みにくいと思う…。
    いやーこれ、面白いです。なんかこゆ「古典の名作」って難しそうで敬遠しがちですが、なんというか昼ドラっぽいというか、良い意味で俗っぽい面白さがあるんですな。展開が読めなくて目が離せなくなる。
    ヒースクリフの性格が最後までつかめなくて、憎まれ役なのに憎めない。キャサリン(母)も無茶苦茶な性格なんですが憎めない。他にもみんなちょっと友達にはなりたくないタイプの人々ばかりなんですがそれでもなんだか面白いんだよなあ。
    ふしぎ。

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    2012年06月27日
  • 嵐が丘 下

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    ホラー!?ってぐらい怖かった。ヒースクリフの憎悪がハンパやない。出てくる登場人物が全員ヤバイ。まともな人間はこの物語の聞きてであるロックウッドと、話してであるディーンさんぐらい?ディーンさんも時々間抜けでイラつくけど。イヤ~な物語なんだけど、めちゃくちゃ面白いからグングン読める。タイトルは知ってるけどまだ読んだことないって人はぜひ読んでみてほしい!

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    2012年02月08日
  • 嵐が丘 上

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    全二冊。必読。小説はこうでなくっちゃというかんじ。爽やかさに欠ける、癖だらけの登場人物たちを一人残らず好きになってしまう。作者ブロンテが生涯故郷を出なかったという事実が興味深い。

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    2011年12月03日
  • ワシントン・スクエア

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    わっ、ヘンリー・ジェイムズだ。

    映画にもなった『ある婦人の肖像』は、ひとりのイザベルという女性のいわく名伏し難い人生を表した作品でしたが、これもまた平凡な女性キャサリンに起こるさまざまな出来事を、人のこころの奥底まで見通した巧みな表現でドキドキはらはら見事に描いた秀作です。

    悲劇のヒロインを自分に感じて読むのも面白いかもしれません。

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    2011年10月27日
  • 嵐が丘 上

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    ネタバレ

    こんなまるで台風のような愛を注ぎ合ってしまったら、魂を燃やし尽くしてしまっても仕方ない。
    「僕の生命」という科白がヒースの愛と、そこから滲み出る切ない遣る瀬無い感情が一気に上巻終わりに読んでいる側に降り注いで、めちゃくちゃ面白かった。素晴らしい。

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    2011年08月16日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    嵐が丘を読んでいるときにキャサリン(母娘とも)とネリーに「何でそんかな余計ことするの!?」と何度言いたかったことか…。笑
    「ページを繰るのももどかしい」(当時の書評らしい)って本当。名作って名作って呼ばれるだけあるよねぇ、って改めて思った。
    ヒースクリフが最後までヒースクリフなのがよかった。

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    2010年12月19日
  • 嵐が丘 上

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    題名だけ知っていてなかなか手を出さなかった名作。
    実はあらすじさえ知らなくて正直こんな昼ドラだとは思わなかった。

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    2010年12月19日
  • 嵐が丘 上

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    タイトル通り、荒々しい作品だが、一気に読ませる力がある。
    これが処女作にして唯一の小説作品とは、恐ろしい。
    訳は断然河島弘美訳を推す。

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    2010年02月08日
  • 嵐が丘 下

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    「ヒースクリフは、わたし以上にわたしだからなの。 魂が何で出来ているか知らないけど、 ヒースクリフの魂と私の魂は同じ」
    「いつかわたし、天国へ行った夢を見たのよ。 ただ、その夢の中で天国にはなじめない感じがして、 地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、 天使達が怒って、私を荒野に放り出したんだけど、 落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、 嬉し泣きして目がさめたわ。」

    この時に天国から放り出されたキャサリンが (下巻)でヒースクリフの前に現れたのでしょうか。
    天国すら霞むほど、地上のたった一人を愛してみたいものです。

    著者エミリー・ブロンテは 家からあまり出たことのないおとなしい

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    2009年10月07日
  • 嵐が丘 下

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    リンバスカンパニー:ヒースクリフから購読。

    嵐ヶ丘は、単なる復讐劇ではない。
    ヒースクリフは運命に翻弄され、欲望のまま全てを手にする悪人に見える。
    最後のシーンで、自己の理想をヘアトンに投影するシーンがある。
    本当に望んだのは、キャサリンとただ一緒にいたかった事。
    復讐ではなく自分の想いを認めて死ぬ所が、たまらなく好きだ。

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    2024年06月30日
  • 嵐が丘 上

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    閉鎖的な世界で混ざり合う愛と憎しみ。
    終始暗雲たる雰囲気が立ち込めている。
    アーンショー家はどうしてこうも皆狂っているのか、、、。

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    2023年10月18日
  • 嵐が丘 上

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    18世紀イギリス片田舎のドロドロ愛憎劇。愛は独善的で人間関係は閉鎖的で、カップルとなりうる男女の組み合わせが循環しており純粋に恐いなと思う。そこが面白い。親世代のそれぞれの復讐心混じりの愛が目指していた、または目指せれば生前から安らぎを得られていた価値観が、下巻18章ラストでネリーが指した、19世紀に生きる若者二人の姿だったのかなという印象。主人公ヒースクリフが清々しいほどのヒール振りを発揮してくれていて、あくまで小説だからという前提の下、小気味よく感じられた。彼が心の恋人キャシーへの熱情を語るいくつかの場面は、作中屈指の暗い輝きを放っていて読み応えがある。

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    2023年06月19日