河島弘美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの小説の素晴らしいところをわたしなりに3つあげてみよう。
ひとつ、設定が優れてよい。物語の舞台となるのは、ヒースクリフ咲く丘の一件の屋敷。その丘は遮るものがなにもないために、一年中強い強い風が吹く。ゆえに「嵐が丘」とあだ名される。荒涼とした大地と空。それでも秩序よく暮らす領主一族のもとに、ある日ひとりの少年がひきとられることとなる。「ヒースクリフ」と名付けられた少年と領主の娘。彼らは強く惹かれあうが、互いを愛すれば愛するほどに憎しみが増す。憎むことでしか愛を表現できない悲しい恋は、やがてこの一族を破滅へと導く。嵐のような愛。
またひとつ、作者の語り手の人選がよい。この物語をわたしたちにき -
Posted by ブクログ
ページを捲るのももどかしいほど、といわれた通り本当におもしろかった!
死ぬほど愛するとはこういうことか。
キャサリンとヒースクリフは似た者同士。愛は相手そのものを見ていない幻想だと福永武彦が書いていたことを思い出す。二人ともお互いのもはや偶像化した魂を愛していたように思える。命をかけた崇拝、執着、憎悪。愛によって生きるがそれによってまた命が削られていくようなエネルギーを感じた。
下巻p336から、ヒースクリフの人間的な感情が初めて流れだしたシーンがすごい。あーーーーもう感想文なんか書いていられないです。素晴らしいです。全く意味は違うけれど、ハリーポッターのセブルスの真実を知ったときのような -
Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀前半、ロンドンから田舎のヨークシャーに療養のため、ロックウッドはスラッシュクロスの屋敷に越してくる。
そのスラッシュクロスと嵐が丘という2つの屋敷の間で2代にわたって起きた復讐劇。
そのことについて、家政婦であるネリーがロックウッドに話し、その後回想を経て物語の鍵となる悪童ヒースクリフが他界しロックウッドがその墓を訪れるまでを描いた作品である。
ヒースクリフは嵐が丘へ拾われてきてそこの娘であるキャサリンと恋に落ちる。
しかし、キャサリンはヒースクリフとの身分の違いからスラッシュクロスに住む長男エドガーと結婚する。
そこからヒースクリフは2つの屋敷を自らの手中に収めようと復讐劇を企てる -
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Posted by ブクログ
「ヒースクリフは、わたし以上にわたしだからなの。 魂が何で出来ているか知らないけど、 ヒースクリフの魂と私の魂は同じ」
「いつかわたし、天国へ行った夢を見たのよ。 ただ、その夢の中で天国にはなじめない感じがして、 地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、 天使達が怒って、私を荒野に放り出したんだけど、 落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、 嬉し泣きして目がさめたわ。」
この時に天国から放り出されたキャサリンが (下巻)でヒースクリフの前に現れたのでしょうか。
天国すら霞むほど、地上のたった一人を愛してみたいものです。
著者エミリー・ブロンテは 家からあまり出たことのないおとなしい -
Posted by ブクログ
上巻から物語は怒涛の展開を見せる。ロチェスター様については、事情があったとはいえ、重婚は許される行為ではないな。彼の孤独や苦悩に同情するが、その選択はあまりにジェーンにとって失礼。
ジェーンが彼のもとを去った後に出会うセント・ジョンは、怖すぎる。理性的でおだやかで普通にしていたら完璧な人だが、その内側には他者を自分の理想や目的に従わせようとする冷酷さがあり、支配的な存在として恐ろしさを感じた。ジェーンが彼に説得されてインドへ行ってしまうのではないかと、読みながら不安になった。
最終的にジェーンがロチェスターのもとへ戻ったことですごくよいラストで幸せな気分になった。 -
Posted by ブクログ
伯母に疎まれていたと描かれているが、幼少期のジェーンは、正直なところ本当に育てにくい子どもだったのではないかと感じた。もちろん、いとこたちの態度もかなりひどいのだが。
時代背景を考えれば仕方ない部分もあるのだろうが、ローウッド学校の生活はあまりに厳しく感じられた。特に食事に関しては、子どもたちにはきちんと食べさせてあげてほしいと思ってしまう。ただ、そのような環境の中でも、ヘレンや人格的に優れた教師と出会えたことは、ジェーンにとってはよかったと思う。
ロチェスター様の態度は終始思わせぶりで、その振る舞いについてはどうなのかと思った。それがおもしろいのかもしれないが。