河島弘美のレビュー一覧

  • ジェイン・エア (下)

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    ジェーンの怒涛の人生を一緒に駆け抜けて、面白かった、ジェーンが好きになった。多くの人に愛されるのが分かる小説。この時代のハッピーエンドは結婚だから、最後はロチェスター氏と結ばれるけれど、それは完全に独立した女性としての彼女の意志で、しかも男は身体も不自由にされているという作者の徹底したジェーンの精神の自由への配慮に感心した。貧しくて不器量で身分が低くても毅然としたジェーンの生き様を見習いたい。

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    2023年03月21日
  • ジェイン・エア (下)

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    ネタバレ

    とにかく地の文ーー語りが良い。油断して意識が語りにふっと吸い込まれて、何ページも何時間も経ってしまったこともあった。途中、3度くらい「このパートナー運の(男運とはいうまい、彼女の果敢な魂に懸けて)なさは何なの!?」と本を置いて溜め息を吐いたものだが。全体は主人公ジェインの、「その自由な魂のほんとうに充ち足りる『愛』」を指向して、大きく波立ちうねりながら進み、その愛に呼応したものの述懐が示すところによって閉じられる。前巻導入部に勝る「美」はない、けれど、ふたりが場所を越えて感応する箇所はまさしく完成されたもので、とても、うつくしい。

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    2022年01月23日
  • ジェイン・エア (下)

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    自分の考えを直球で相手に投げるジェインは感情的だけど、その一方で穏やかに過ごす術も知っている。どんな状況でも自分がどうあるべきかを考えて自分で決めていく姿はカッコいい。すべてがシンプルで、無駄がない。必要なものが必要な分だけあれば、人はこんなに活動的に生き生きとしていられるんだと思う。
    貧しく境遇にも恵まれないなかでも、前向きでいることができることをジェインは教えてくれる。自分のやるべきことを知り実践していたら、嘆いたり不貞腐れたりしている暇なんてない。
    ロチェスターとの結婚は、そんなジェインの唯一と言っていい望みだったんだと思う。何が自分の幸せなのかを知るジェインの夢が叶ってよかったなぁ

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    2017年04月08日
  • ジェイン・エア (上)

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    ヘレンとの別れが悲しかった。小さな子どもなのに年上としてジェインをしっかり導く姿に感心する。子どもだけど十分、大人だ。ジェインがヘレンを抱いたまま、最後の時を過ごす場面はひどくもの悲しかった。
    ロチェスターとの関係、ジェインに幸せが訪れることを期待して上巻を読み終えた。

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    2017年04月02日
  • 嵐が丘 下

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    陰気くさいメロドラマとしか言いようがない。
    訳者にこだわったので、読みやすかったのが幸い。名作だとは思う。

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    2016年09月28日
  • 嵐が丘 上

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    ネリーの語りまでが長い。
    登場人物がとらえにくい。
    皆狂っていて、嵐が丘にとりつかれている。心を尽くしても贅をつくしても
    満たされない寒々しさが苦しい。

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    2016年09月28日
  • 嵐が丘 下

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    流石に最後の、ヒースクリフがなにものかにとりつかれたような死を遂げるシーンは圧巻。彼の一生は本当に孤独だったんだろうなぁ、と今回、しみじみ彼に同情しました。

    他者から傷つけられた痛みや、キャサリンとの失恋を、外で別の方法で癒やすことができていたら、彼の人生も変わっていたんだろうなぁ、と思います。
    でも、それだけキャサリンの存在が彼にとっては大きかったんだろうな。

    決して幸せではないけど、不幸せでもない死に方だったのでは。
    読んでいて切なくなりました。

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    2016年01月10日
  • 嵐が丘 上

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    十年以上ぶりに読み返した名作。
    印象度としては初めて読んだときの方が強烈だったかな、とは思いますが、ぐいぐい引き込まれてあっという間に読んでしまいました。簡潔な表現なのに、人物の感情描写がずはずば!と心の中に切り込んでくる感じはさすが。

    キャサリンが、自分の選択について「魂と心では思うのよ、私は絶対にまちがっているって」と言う下りがありますが(160ページ)、こういう直感を絶対に無視しちゃいけないんだよな、と、この歳になってつくづく思います。
    「この選択は間違いだ」と魂がはっきり言ってくれる場合は勿論、「なにかおかしい、引っかかる」というレベルでも、そのシグナルを無視しては駄目。とくに人生を

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    2015年11月19日
  • 嵐が丘 上

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    サマセット・モームが"世界の十大小説"の中で名を挙げている、エミリー・ブロンテが1847年に発表した唯一の長編小説。個人的には1939年のローレンス・オリヴィエ主演のものが好きですが、何度も映像化されています。今までにも原作に何度かチャンレジしたのですが、いつも挫折してました。ということで、念願の原作読破に成功しました。なぜ、今まで読み終われなかったのかわからないくらいに、今回はスラスラと読めました。大人になったということですかね?

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    2015年08月24日
  • 嵐が丘 下

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    エミリー・ブロンテが1847年に発表した唯一の長編小説。イギリスのヨークシャーにある2つの館"嵐が丘"と"スラッシュクロス"を舞台に、ヒースクリフの愛と復讐を描いた作品です。ヒースクリフ以外にも、一癖も二癖もある登場人物ばかりで魅力的なキャラクターが皆無な気もするのですが、それでも続きが気になっていまい、ページをめくる手が止まらなくなります。作中でヒースクリフ自身もネリーに語ってますが、ラストまで読むと彼が道化師に見えてきてしまい、少し可哀想になってしまいました。ある意味ハッピーエンドの作品かな。

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    2015年08月24日
  • 嵐が丘 上

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    狂気狂気の復讐劇。狂人ばかり出てくるので、そのテンションでいろいろ進むが、視点が常識人の女中のものなので、それがバランサーになり、物語を成り立たせている。恨み憎しみの悲劇は芸術として長く語り継がれる。反対に美談に芸術性を語る人は少ない。共感できる側面がないからだろうか。そんな単純な問題ではないようだが、今日はあまり深く考えるには疲れすぎた。

    ヒースクリフの次の言動が気になってしまう。お互い独善に酔い、相手をののしり合いながら結びつくヒースクリフとキャサリンの関係に人間の悲しさを見る。本能と理性と良心に股をかけた悲しき姿である。ヒースクリフの怨みのエネルギーが強すぎる。それに当てられ次々に登場

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    2014年08月22日
  • 嵐が丘 上

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    性格が悪い登場人物だらけで虐待、ヒステリー、復讐と読むのがしんどくなる。と思いきや続きはとても気になりついつい読んでしまいました。
    下巻も楽しみです。

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    2014年03月15日
  • 嵐が丘 上

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    登場人物全員が濃い。まともな人間が一切出て来ないのがとても面白い!とにかく狭い世界でゴチャゴチャな人間関係を織り成す物語。キャサリンはめちゃ性格悪いがモテる。きっと美しい人なんだろーなー。キースクリフもかなりヤバイ。続きが気になります。

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    2012年02月05日
  • ラフカディオ・ハーン 日本のこころを描く

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    『怪談』で有名な小泉八雲、ラフカディオ・ハーンの足あとを辿る。恵まれない幼少期、日本での教員時代、幸せな結婚生活…。
    妻セツと「ヘルンさん言葉」でやり取りする様子は、恋愛小説を読んでいるようで、特に面白かった。
    『小・カワイ・ママサマ』『シンセツノパパサマ、セカイイチバンノパパサマ』こんな調子だもの。

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    2012年01月22日
  • 嵐が丘 下

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    互いに憎しみ合って、いやな話なのに、惹きつけられる。

    特に残り1/3はそれこそ頁を繰る一瞬も惜しい程のめり込んでしま

    った。

    復讐の完遂間近にしてヒースクリフを襲う苦悩と、カタストロフに

    胸を打つと同時に、最後に残った希望の光にほっとした。

    またいつか、やむにやまれぬ衝動に、嵐が丘を手する日がくるのだ

    ろう。

    この岩波版は1847年初版のものをテキストにしているので、1850年

    の、エミリの死後姉シャーロットによって文章整理が行われたテキ

    ストのものも読んでみたい。

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    2011年11月22日
  • 嵐が丘 上

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    ずいぶん昔に読んだので、内容はほとんど忘れてしまった。

    ただ、方言のせいかやたらと言葉遣いが乱暴であったのと、胸を引

    き裂かれるようなラストの印象だけが残っている。

    最近になって、無性に読み返したくなって手に取ってみた。

    不幸に向かってせっせと糸を縒り合わせているようにしか見えない

    登場人物にいらいらしながらも、物語に引き込まれる。

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    2011年11月22日
  • ワシントン・スクエア

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    財産しか取り柄のない女の子が、財産めあてらしきイケメンに言い寄られ、結婚を決意するものの、お父さんに猛反対されてどうするどうなる?という話。皮肉で殺伐としたストーリーのようでもあり、その一方で、人間のゆたかさや奥深さも伝わってくる感じがして・・面白いです!

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    2011年11月19日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    結局誰も彼も救われない。
    死は平等に降り注いで、そこに善良なのか等関係なく降り注ぐ。それだけ待って生き長らえたヒースには賛辞を。

    狂おしい程の執着と愛と憎しみが面白い。

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    2011年09月11日
  • 嵐が丘 下

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    この本に出てくる登場人物はほとんどの人が感情がむき出しで、とにかく激しい。なんなんだこの人たちと思うが、その分登場人物一人ひとりの気持ちにも感情移入しやすい。
    また結構長い話だが一気に読ませる力があって何回読んでも様々な楽しみ方ができる。

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    2011年04月14日
  • 嵐が丘 上

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    この本に出てくる登場人物はほとんどの人が感情がむき出しで、とにかく激しい。なんなんだこの人たちと思うが、その分登場人物一人ひとりの気持ちにも感情移入しやすい。
    また結構長い話だが一気に読ませる力があって何回読んでも様々な楽しみ方ができる。

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    2011年04月14日