熊代亨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学生は年齢を鑑みると大人に分類されるけど、若者だ。若者の定義はアイデンティティの確立途中であり、守るべき義務や社会的責任がなく、自分のことを自分でせずにいられる人。他人の成長を喜べるより、自分の成長欲求を満たしたり、自分の趣味に頭が一杯な人。近年メディアにはおひとり様や個人の持つ自由が誇張された動画が多いが、考えるべきものなのだと思った。自由を求めて個人主義が進みすぎた結果、大人になる機会を見失ってしまう現代。
SNSを開けば、いまをときめくためにリソースを惜しまない人たちがたくさん出てくるし、ドラマチックな恋愛や刺激的なコンテンツがたくさんある。
でも大人としての生活はきっといまをときめくためにリソースを惜しまない生活はできない。そんなことをしていたら生活が成り立たない。いまをときめくのが若者だとしたら、いまがときめかないとも社会的な責任や他人の成長のためにがんばれる人が大人なんだと思った。
若者から大人になれない「成熟困難時代」...!!ほんとそうだと思います。
他人を気にせず自分の生きたいように生き、彷徨い続けることは、大人を始められない要因なのだと学んだ。。
18歳から大人だけど、若者でもある。モラトリアムにはその両方の要素がある。若者から大人になるには、他人の成長を喜び、異なる年代の人から学び、ステータスなどのわかりやすいものではなく様々な視点から人と関われるソーシャルスキルが必要だ。
まだまだハードルが高いし理解できない考え方もあるけど、時間をあけて読み直したい一冊になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもろかった。めっちゃ自分の事書かれてた(笑)
「推しを推したい気持ちが強くなり過ぎるあまり、大きすぎる期待をしては裏切られたと感じたり、買い集めたグッズを焼却炉に放り込んだり」←私すぎ(笑)
「でも、そこまで推し活に不器用な人、理想化自己対象をとおしたナルシシズムの充たし方の苦手度が高い人は少数派でしょう」←え……?私少数派だったの……?
自分はこの本の通り、鏡映自己対象をとおしたナルシシズムの充足が足りずに理想化自己対象をとおしたナルシシズムの充足も不器用になっている片翼飛行の状態だと思います。
とても腑に落ちます。
でも上記のように私は少数派であるようで、この本では多数派に向けて語られている部分が多かったので少し物足りなさもありました。
最後に書かれている通り、私に必要なのは多数派向けの本ではなく病院なのかもしれないですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレウシやブタ、イヌやネコが家畜化したのと同じように、人間もまた家畜化が進んでいる。それは、ウシやブタのような人為的家畜化ではなく、イヌやネコが人間の生活環境に自ら適応し、生物学的な性質を穏やかで協力的な方向へ変えてきた、自己家畜化であるといえる。
自己家畜化とは何か、その歴史から始まり、現代社会が家畜化と言われる所以、それに適応できない人について、最後に未来はユートピアかディストピアかについて語られている。
現代を生きる人間は自己家畜化を経てきた、それは現在進行形であると言い切るなんて野蛮な、という第一印象をタイトルから抱いていてとても興味がある本でした。
家畜というとウシやブタのことを指し、それが人間に当てはまるなんてと思っていましたが、確かに人間の歴史を紐解き、現代社会の構造について読み進めていくと家畜化されていると思えました。
取り分け最も私の見解をガラリと変えたのは、現代社会は出産も死も医療化されそれが習慣となっているという部分でした。そんな今では当たり前のことと捉えている医療の進歩が人間の文化的な自己家畜化の一因を担っているという考え方は目から鱗でした。
本作では、過去を美化したり現代社会を批判したりすることを主旨とは決してしておらず、文化的な自己家畜化の恩恵を受けるその陰には生物学的な自己家畜化が追いついておらず、社会の変化についていけない人がいる、それを踏まえた上でこの先どうやっていくのかを語られていて、思想や感情的でないところがとても良かったです。
私としては、筆者が提示した近未来はやむなしと思いますし、超未来はSF漫画などで見た未来は現在と地続きで起こりうることだと捉え、そこまで悲観的、ディストピアとも思わなかったです。 -
Posted by ブクログ
推しがいるオタクにはぜひとも読んでほしい1冊であった…
SNSが生まれ、推し活がより大規模に気軽になったことで「萌え」から「推し」に変わり、社会も変化してきたなかで「推し活」が個人にどのような影響をもたらすか、どういった欲求を満たしているのか。その功罪と「推し」や「推し活」と上手く付き合っていくための心がけがまとめられている
現在の「推し」や「推し活」は承認欲求と所属欲求を満たすものでもあり、つまりそれは自己愛(ナルシシズム)を満たすものであるとしている。しかしながら、それら自己愛(ナルシシズム)や承認欲求と所属欲求を悪いものだとはせず、あくまでも付き合い方が重要であると熊代氏はこの本で書いている
自己愛(ナルシシズム)を過度に求めすぎても求めなさすぎても、それはそれでその人自身のモチベーションや人生の幸福度が低下するというのだ
現代人は他者とのつながりが必要最低限となり、他者を通じて承認欲求と所属欲求を満たす経験や、また他者を完璧なものとせず、ある程度の意見の相違や完璧ではないという幻滅経験を積むことも少なくなり、また合わない人間とはいつでも気軽に縁が切れるようになったことから、人間関係を継続していくことも困難な環境に置かれている
そのうえで、「推し」や「推し活」と通じて他者との関係を深めていくことの重要性を説き、それが「推し」へ清廉潔白さや完璧さを求めないことや「推し」は同じでも考えや価値観が違う人と人間関係を継続して、承認欲求と所属欲求を満たし満たされ、双方自己愛(ナルシシズム)を満たしていくことが人生において幸せなのではないかという本であった
「推し」には3次元の存在もいれば2次元の存在や作品そのものが「推し」ということもあると思うが、「推し」へ完璧さを求めることも、意見が異なるオタク仲間と関係を切りたくなる、訂正してやりたくなるというのも、自己愛(ナルシシズム)を上手く満たせないというところに帰結するような気がした
また資本主義においては「推し活」は経済と結びつきやすく、自己愛(ナルシシズム)を満たしたいという欲求を上手く利用されてしまうことも考えられることであり、「養分」と見なされていないかを考えることが必要になるということであった
昨今のSNSで激化する「推し」や「推し活」への否定的な意見を認めないというのも、この1冊を読めばだいたい説明がつくと思う
『推し」とは「推し活」とは何かを考えた人は読む価値があると思う -
Posted by ブクログ
「私という自分は何者であるのか」という自問
に対して、「私は〇〇が好きで」「こういう趣
味があって」などの答えが出てくると思います。
これはアイデンティティーという言葉に置き換
えることができます。
つまり、その人を構成している要件や要素なの
でしょう。
この要件は生まれながらにして備わっているも
のではありません。思春期や大人になってから
身につくものです。
人生100年時代と言われる現代では、60歳
を過ぎてから身につけることもあるらしいです。
「自分のアイデンティティーってなんだ?」と
自問自答する機会はそうはないと思います。そ
のきっかけを与えてくれる一冊です。 -
Posted by ブクログ
タイトル通りのことが何回も繰り返して書かれていました。引用を多用しているので仕方ないのかもしれないですが、頑張れば1/3の厚さにできると思いました。
内容に関しては、他の方がおっしゃっているようにレイヤーが一層上がる視点をくれる良書だと思います。
日々、便利だし他者から見たら幸せな環境なのに生きにくいと感じるのは何故だろう、と思っている部分に関して、答えをくれている気がします。
私も昭和終盤生まれなので、暴力や理不尽が横行していた昔に戻りたいとは絶対思わないけれど、今のキチンとしすぎている令和が苦しいのはそういう過去を知ってるからなのかなーと思えました。私より上の世代が今でも昭和的な横暴な考えを振りかざすのは、本気でアップデートできない(能力的に)のかもしれないですね。
ディスコミュニケーションが拡大しているという指摘が1番ハッとしました。人間の多面性を受け入れないと成立しないのが、恋愛や結婚、子育てだから、衰退していってるんだなぁ。。。