熊代亨のレビュー一覧

  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

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    『人間はどこまで家畜か』もうタイトルにぎょっとする
    ここでいう人間の家畜化というのは、現代の人間はより穏やかで安全な文化に適応して生活しているのだけれど、
    この文化がより高度なもの、より礼儀正しく感情を荒げることなく他者と協力的なコミュニケーションを取れることを人間に求めるようになってくると
    不適応を起こし、文明からこぼれ落ちていく人間が増えていくばかりではないかという懸念ともっと動物としての人間にやさしい未来を考えるべきではないかという警鐘を鳴らす本であった。
    たしかに現時点で精神疾患が学生だと不登校、発達障害なんかも増えており、そういった判断や治療が行き届くこと自体は喜ばしいことだけれど、

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    2024年05月11日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

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    犬や猫は自己家畜化した動物。自ら家畜になった。人間も同じ。
    動物園の動物に似ている。動物園の動物は繁殖ができない。ホッキョクグマは、半年以上生きられたのは122頭中16頭。
    自己家畜化とは、人工的な環境でより穏やかで協力的な性質に自らを変化させること。
    『暴力の人類史』によれば、人間の暴力性や衝動性が減ってきている。
    現代人は理性的で合理的、感情が安定しているように強制されている。それができない人が精神病になるのではないか。
    アナール学派=社会が変わるとルールや生活習慣だけでなく感情や感性まで変わる。

    家畜化したギンギツネの実験。攻撃性が少ないキツネを交配することで、13代でペットとして買え

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    2024年04月15日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

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    人類は自己家畜化を図ることで社会の豊かさや清潔さを求めてきたが、それに伴い動物的な側面は切り捨てられている。

    例えるなら、ドラえもんでいうのび太(授業に集中できない子供)やジャイアン(暴力をはたらく子供)は治療や排他の対象になった。

    過剰な自己家畜化とそれに取り残される人々という現状把握。
    更にそこからの未来予測。

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    2024年04月08日
  • 何者かになりたい

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    潜在的に思うところがあったのだろう。

    頭の中の自分に打ち負かされることは減ったけど、言語化してモヤモヤを減らすのは大事。

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    2024年02月11日
  • 何者かになりたい

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    心を救ってくれるワードがちらほら。令和のこの時代のテーマとも言える内容。
    時々読み返そう。

    2025.5.6 再読

    【何者かになった】ということは【他の何者にもなれない】ということ。それが【若者】をやめて【大人】になるということ。

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    2025年05月06日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    この方向の議論をまとめてくださっている本。空間を使って人の行動を統制するところ、福祉とも関係が深い。結局、自由な選択が不自由を感じさせ、一見寛容な社会の中で、苛立ちが亢進する。選択や契約に関係のないものは、雑音であり、迷惑であるとなってしまう。

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    2023年03月14日
  • 何者かになりたい

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    当然ながら、何者かになりたいという気持ちにハッキリとした答えをくれるものではない。が、何者かになりたいという気持ちの不透明さや気味の悪さをやさしく言語化されており、自身の疑問を紐解くのに役立った。

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    2023年02月06日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    秩序が最適化された日本でどのような振る舞い、行動で生活しなくてはならないのか。昭和の時代と令和の時代(平成)と比較して描かれていた。

    行き過ぎた取り締まりは、反感を生むだろうし、行き過ぎた清潔は、不潔とする人がターゲットにならざるを得ない。

    しかし個人主義を尊重する余り、それが返って不自由になっているのであれば、改めて社会のあらゆる前提を問い、それぞれが思慮を深める必要があるなと思いました。

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    2023年02月01日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』というタイトル通りの内容。

    現役の精神科医である筆者が、現代社会の生きにくさについて語った本である。

    いまの日本は昭和の時代から比べれば、医療福祉、都市設計に至るまで、キッチリと整理の行き届いた社会となっている。
    発達障害など、現代の日本で暮らしていく上でサポートが必要なところには極力助けの手が差し伸べられるような制度も充実してきている。
    しかしながら、それは裏を返せば、これまで「そういう人もいるよね」という社会の一員だった人々を、サポートがなければ「一般的な」社会生活が送れない人々へと追いやったとも言えるし、サポートが必要だとみな

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    2022年11月25日
  • 何者かになりたい

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    何者かになりたいというのは、アイデンティティが足りないと自認している状態。自分自身の構成要素が不足しているときは、「危なくない」構成要素を手に入れる。すでに持っている手元にあるものいてもいい場所を手放さない。金と時間で居場所を買うとき、なくなった後何も残らないをちょっと検討。一発逆転、たった一つの冴えたやり方を避ける。最初の構えを広めにとる。
    構成要素を失ったときの組み換え。おおらかな幸せな高齢者は素晴らしい存在。確かに。

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    2022年07月04日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    大人とは?
    若者とは?
    僕は30代なので、世間からしたら大人なんだろうけれど、まだ、諸先輩方からしたら、若者部分もあったりするのだろう。

    様々な着眼点から「若者」と「大人」に対して論じられており、難しくは無く、なるほどと気付かされたり、考えさせられたり。そうそうと納得したり。

    非常に面白い人生論だった。

    また、歳をとってから読み直してみたい。

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    2022年05月19日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    日頃薄々感じていたことを言い当てられたようでドキッとしたタイトル。かつてないほど便利で快適で自由になったはずのこの社会で、私たちが感じてしまう疎外感や窮屈さ、息苦しさの正体は何なのか。
    かつては喫煙も体罰もハラスメントも、ホームレスの存在も普通だった。それらが規制されるようになったのは間違いなく良いことだ。しかしその反面「まともな人間」の基準は上がり続け、有形無形の社会規範から一歩でも踏み出すことは許されなくなっている。私たちは昔より幸せになれたのだろうか?

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    2022年02月24日
  • 何者かになりたい

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    「何者かになりたい」と願っていたと思う。それは、他者から認められたい欲求の表れなのかもしれない。『他者と働く』という本の「自分は自分とその周りからできている」というフレーズを思い出した。また、仏陀の教えに「無我」というものもある。自分さえないのだという考えだ。改めて、自分とはなにかを考え直す。家族、職場、友人、地域、趣味、仕事、SNSなど沢山のことが重なり合って【自分】と認識してるんだと思う。
    大人になって新しいことにチャレンジをしなくなることは、アイデンティティを選び終わったからである。これは納得した。チャレンジしている人って、アイデンティティを探している人、もしくはチャレンジすること自体が

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    2022年01月17日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    「大人」とは
    世代や立場が違う人にその立場を踏まえた上で対応すること。

    恋愛そのものに年齢制限は無いが、若者ならではの恋愛にははっきりとした制限時間があって、今の年齢で経験できる恋愛は今しか経験できない

    誰だってこれまでの諸事情や背景、歴史を背負って今日を精一杯生きてるのだから、生きてるだけで立派で素晴らしい

    読んでよかったなぁ
    22歳記録。

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    2021年09月13日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    タイミング的にピッタリな一冊だった。日頃、漠然と思い巡らせていたことをうまく言語化してくれていた。特に、昔の先輩ほど尊敬されようとすることに無理がある、という点に同意だ。環境は目まぐるしく変化しており、先輩として、後輩たちに自信を持って何を伝えることができるのか、考えてみると意外にないことを再認識できた。

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    2021年08月13日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    まろやかなマーク・フィッシャー。とても誠実な本。

    日本はモダンを経由せずプレモダンからポストモダンにジャンプしたというようなことは遅くとも80年代末くらいには言われていたと思うけれども、その頃はまだ日本の政治は保革対立で語られていたはず。「多分にプレモダン的な保守政党だった自民党は、従来の支持層のほうを向いた政党から、新自由主義的なロジックに基づいたブルジョワ的政党へと変貌し、これが若い世代に支持されるようになってきている」(p.258)というのには納得なのだが、どこがターニングポイントだったのだろう? 歴代首相を眺めれば森喜朗→小泉純一郎の2001年だろう、と今なら思えるが、このときはそう

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    2021年07月12日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    「つまり、現代社会の多様性や社会参加は、清潔で行儀が良く、落ち着きがあってコミュニケーション能力があり、効率的かつ持続的に経済活動ができる自立した個人を基本としているのではないか。」

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    2021年02月06日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    20歳の私にはまだ早いかなと思ったけど、そもそも大人ってなんだ?歳をとるってどういうことだ?「これだから若者は〜」と言われるあれはなんだ?などのモヤモヤが少しずつ解消されていく本。著者の熊代さんの経験則が強い部分もある。歳をとりたくない、いつまでも若者でいたいと思っている人には特にすすめたい。

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    2021年02月03日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    なかなかに尖ったタイトルの本書だが、題名から既に近頃考えていた問いに対して1つの指針であったと感じたため、間髪入れずに購入。精神科医の書ということで、個人的には身近に感じながら読むことができた。
    清潔や健康といった価値観が無条件に良いものとされ、それが窮屈感に繋がっているという論には納得だった。都内住宅街ではまさにそうなのだろう。私が住んでいる郊外にも10年前に比べて随分と街が綺麗になったように感じる。
    だが、この本は問いを提示しただけであり、その経過を観察しつつ私たちがどう行動していくかは自分自身に問わねばならない。

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    2020年12月18日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    ネタバレ

    ところどころでご自身でも書かれていたけど、やはり主観が多めの本だった。
    成熟しにくい社会のシステムになっていることを認識することは大切だと感じる。
    現在22歳の私からすると本当にこの感覚をこの先得る日はくるのか?という部分も多かったので、また数年後に読み直すと違う感覚を得られると思った。

    ===
    P.43
    乳児期(誕生~):信頼vs不信
    早期児童期(18ヶ月~):自律性vs恥、疑惑
    遊技期(3歳~):積極性vs罪悪感
    学齢期(5歳~):生産性vs劣等感
    思春期(第二次性徴~):アイデンティティ確率vs拡散
    初期成人期(20歳~):親密さvs孤立
    成人期(40歳~):生殖性vs停滞
    老年期(6

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    2020年10月20日