熊代亨のレビュー一覧

  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

    Posted by ブクログ

    普段の生活の中で、子育てを通じて、ここ15年くらい息苦しさを感じていたものの正体を、ハッキリと体系的に自覚させてくれた。
    マイノリティの視点で、今の社会への気付きを与えてくれるが、では自分はこれからどう生きていきたいと考えているのか、あらためて考える機会となった。違和感に蓋をして秩序ある社会の恩恵に浴していくのか、不自由さを正面から捉えて声を上げていきたいのか、しばらく答えはでない気がする。

    0
    2020年12月01日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

    Posted by ブクログ

    この本を読んでまだ自分は若者であると思った。
    アイデンティティがまだ確立できていないし、恋に恋しているし…将来自分がなりたくない大人像にならないために読んでおいてよかった。多くの気づきを得られる良書でした。

    0
    2020年11月15日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

    Posted by ブクログ

    若い時と同じく趣味などを続けることに困難があるのは仕方がない
    年下やこどもが成長することにこそ満足する時が来る
    →そしていつかは追い越される
    若いうちに〇〇しておけ、はぐちのようなもの。しかし、聞くべきものはある
    悪い大人にしろ、そうなるべき人生があるわけで、生きているだけで価値がある
    若者には敬意を持って接する
    揺るがない自分を作ると、成長する若者に満足できる大人になれる

    0
    2019年01月06日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ああ、こういう事を書く人がサブカルチャーの中から出てくるんだな。面白いことだ。それでも、世話することが、育てることが母性に近そうなのがなんともゲッソリするけれども。

    0
    2018年04月19日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

    Posted by ブクログ

    若者(子供)と大人の精神的な境界はかなり曖昧
    それ故、悩ましい

    本著の主張にあった周りの他人の育成に目を向けるのが大人というのは共感できた
    周りの子育てに苦戦している人を見ると育成に対して乗り気じゃない人が多い気がする

    年齢と共に可能性が閉じていくことについて良いことと捉えられるようになった
    年齢を重ねる=悪いことと考えていると年々苦しくなる一方なので、どうにか前向きに考えられるようにする必要がありそう

    0
    2025年11月29日
  • ないものとされた世代のわたしたち

    Posted by ブクログ

    タイトルに目を引かれて手に取ったが、馴染みやすい文体で興味深く読み通した。特にインターネットの黎明期から現在に至るまでのオタクたちのネットとの関わりは初めて認識させられることも多かった。高い知識欲を持ち、自分の考えや知識を書き表したいという表現欲を持つオタクたちが、収益など全く考えずに情報交換する幸せな空間を作っていたことを再認識し、改めて感銘を受けた。収益目的で真偽のわからない刺激的な情報を垂れ流し、強い言葉での誹謗中傷を拡散する現在の堕落したユーチューバーにも読ませたい。

    0
    2025年05月13日
  • ないものとされた世代のわたしたち

    Posted by ブクログ

    まずタイトルが良いですね。
    同じ就職氷河期世代として軽く懐かしむ気持ちで読み始めたが、心理学専攻の精神科医ならではの切り出し方で半世紀を振り返っていてリアルなエピソードに心踊る思いだった。

    0
    2025年02月14日
  • 何者かになりたい

    Posted by ブクログ

    趣味をもっと極めようと思った。
    ラスト、
    「何者かになる」ということは「他の何者かになれない」ということでもある

    と書かれていてハッとした。

    0
    2025年01月03日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    社会からの押し付けに生きづらさを感じつつも、社会によって生きやすくもなっている。生きやすさに傾斜しすぎて生きづらくならない観点を持ちたい。また思考停止のまま社会からの押し付けに流されないよう個人も考えていく必要がある。

    0
    2024年12月23日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    面白かった
    最近気を使えない奴が増えたなとか思っていたが、そうではなくて社会のルールが厳しくなっているのか
    考えてみれば電車のマナーとかは喫煙OKな時代のことを考えると厳しくなっているわ
    社会不適合者的な人も増えたと思っていたがこれも同じ理由かもしれない

    快適な社会のためには厳しいルールは必要であるが同時についてこれない人間も増えるという意味で微妙なのか

    0
    2024年11月26日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

    Posted by ブクログ

    分析は鋭いが,著者も認めるようにスケッチに留まり,結論がぼやっとしている。まぁ,「ディスカッション」のとっかかりと言うことだろう。
    資本主義・社会契約・個人主義が根本にあるが,社会契約というのが何を意味するのかがイマイチクリアではないように思う。
    現代日本における自由を考えるテーマを与えてくれる。

    0
    2024年10月21日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    これかなり面白かった!
    自分は社会不適合だからダメだ…と思ってる人にぜひ読んでほしい。あなたはきっと悪くない。

    内容としては、生物学的な自己家畜化が、文化や環境の変化スピードに追いついてない人が医療や支援の対象となっているのではないのか、このままで良いのか、という話だったように思う。

    前半は、そもそも自己家畜化ってなんぞ?という話で、ここがめっぽう面白い。動物の自己家畜化の事例や、人間が進化のうえで穏やかにより社会的な人間になってきたことが明かされている。ここが面白すぎて、読みたい本がめちゃくちゃ増えた。笑
    そして後半は現代の話にうつる。他人を不快にさせない、長寿で、健康で、効率的であるべ

    1
    2024年09月23日
  • 何者かになりたい

    Posted by ブクログ

    様々な世代のアイデンティティの獲得や背景について書かれており、興味深かったです。

    何者でもない、何者かになりたい、誰しもが一度は思い悩んだことがあるのではないかと思います。とても勉強になりました。

    0
    2024年08月31日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    人間は動物である
    加速度的に発展していく現代、これからも人間的に幸せに生きることができるのか。
    ユートピアはなんなのか。
    考えさせられる一冊でした。

    0
    2024年08月26日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    YouTubeのPIVOTというチャンネルで、著者の説明を聞いて、無茶苦茶面白い!と思い手にした本。読書により更に理解が深まった。我々は家畜であり、飼い主である。それが悪いことかどうかを動画では少し議論していたが、概ね良いこと、というのが結論だろうか。

    自己家畜化が起こったさまざまな動物たち。有名なのは実際に家畜化を試みたベリャーエフのギンギツネ。小型化する。のちに大型の品種がつくられる動物でも、最初は野生種から小型化する。野生種よりも顔が平面的になり、前方への突出が小さくなる(=彫りの深い顔から平たい顔になる)。犬歯をはじめ、歯が小さくなり、顎も小さくなる。野生種に比べて性差が小さくなる。

    0
    2024年08月19日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

    Posted by ブクログ

    小難しい論理ではなく、サラサラと読みやすかった。なんとなく感じていた年齢至上主義、自己実現や成長継続至上主義と、そこからくる閉塞感は、おかしなものではなかったんだな、少なくとも他の人も感じてるんだな、ということがわかりホッとした。育つ世代から、育てる世代へと変わっていくことが怖いこと、残念なこと、さみしいこと、ではないし、一緒に育つことなんだなと、ミドルエイジの自分には前向きなエールになりました。

    0
    2024年08月17日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    精神科医でありながら人文社会学の視点からみた人類学。

    進化生物学的には自己家畜として繁栄してきた人間であるが、中世以降の文化による自己家畜化の加速により、それが恩恵であり人間疎外をもたらすという視点として現代社会を分析していて興味深く刺激的であった。
    人間は生物的な進化はゆっくりなのに、急速な文化に適応を求められている。中世と現代人では、別人種ともいうべき位の差があるだろうことに気がつかされた。
    過去の流れから推測されるSFも説得力がある。

    0
    2024年08月06日
  • 「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド

    Posted by ブクログ

    そんなつもりで手に取ったわけではなかったが、まさかの育児に活かせそうな知識。
    幼児期に子どもを程よく推し、推されるような関係はナルシシズムの成熟に非常に作用するとのこと。
    そこから子どもは親を承認欲求を満たしてくれる、また目標となる存在と変わらず感じながらも、親の欠点も見えてきて、それでも関係が続けられることで他の人にも同じように期待しなさすぎずしすぎず、程よい距離感で付き合いやすくなるとのこと。確かにそうだろうなと。

    遠い「推し」にはもちろん自分が養分となっている自覚を持ちつつ、身を滅ぼさないように程よく推すには良いが、自己のナルシシズムの成長的には先輩後輩だったり家族だったり、ライバルだ

    0
    2024年07月13日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

    Posted by ブクログ

    本書では、日本社会を「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会」とし、その社会の在り方を肯定はしつつも、人のあり様が社会に規定されていること、そして、その社会の枠に入ることのハードルが時代とともに高くなっていること、枠に入ることが難しい人が増えていることを指摘しています。

    私は日本以外の先進国と後進国、それぞれにおいて数年暮らした経験があります。その中で感じたことは、自分自身の中に内面化されている習慣、秩序、価値観はなんて脆いのだろう、ということです。他国に行った当初は、日本のように街が秩序だっていないこと、その国に暮らす人が自分のことしか考えていない振る舞いをしているように思えること、それらに

    0
    2024年07月10日
  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造

    Posted by ブクログ

    人間は文化によって進歩し、豊かな暮らしを実現させたが、その“文化的な自己家畜化”の過程は、ゆっくり進化してきた生物学的な自己家畜化をはるかに上回るスピードで変化しているため、それに適応できない人々が増え続けている。文化的な自己家畜化は、常々身体性から逃れる方向に未来を夢見てきたが、「人に優しい未来」を考えた時に、身体性を顧慮しないのは果たして優しいと言えるのか。

    0
    2024年06月07日