熊代亨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これかなり面白かった!
自分は社会不適合だからダメだ…と思ってる人にぜひ読んでほしい。あなたはきっと悪くない。
内容としては、生物学的な自己家畜化が、文化や環境の変化スピードに追いついてない人が医療や支援の対象となっているのではないのか、このままで良いのか、という話だったように思う。
前半は、そもそも自己家畜化ってなんぞ?という話で、ここがめっぽう面白い。動物の自己家畜化の事例や、人間が進化のうえで穏やかにより社会的な人間になってきたことが明かされている。ここが面白すぎて、読みたい本がめちゃくちゃ増えた。笑
そして後半は現代の話にうつる。他人を不快にさせない、長寿で、健康で、効率的であるべ -
Posted by ブクログ
YouTubeのPIVOTというチャンネルで、著者の説明を聞いて、無茶苦茶面白い!と思い手にした本。読書により更に理解が深まった。我々は家畜であり、飼い主である。それが悪いことかどうかを動画では少し議論していたが、概ね良いこと、というのが結論だろうか。
自己家畜化が起こったさまざまな動物たち。有名なのは実際に家畜化を試みたベリャーエフのギンギツネ。小型化する。のちに大型の品種がつくられる動物でも、最初は野生種から小型化する。野生種よりも顔が平面的になり、前方への突出が小さくなる(=彫りの深い顔から平たい顔になる)。犬歯をはじめ、歯が小さくなり、顎も小さくなる。野生種に比べて性差が小さくなる。 -
Posted by ブクログ
そんなつもりで手に取ったわけではなかったが、まさかの育児に活かせそうな知識。
幼児期に子どもを程よく推し、推されるような関係はナルシシズムの成熟に非常に作用するとのこと。
そこから子どもは親を承認欲求を満たしてくれる、また目標となる存在と変わらず感じながらも、親の欠点も見えてきて、それでも関係が続けられることで他の人にも同じように期待しなさすぎずしすぎず、程よい距離感で付き合いやすくなるとのこと。確かにそうだろうなと。
遠い「推し」にはもちろん自分が養分となっている自覚を持ちつつ、身を滅ぼさないように程よく推すには良いが、自己のナルシシズムの成長的には先輩後輩だったり家族だったり、ライバルだ -
Posted by ブクログ
本書では、日本社会を「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会」とし、その社会の在り方を肯定はしつつも、人のあり様が社会に規定されていること、そして、その社会の枠に入ることのハードルが時代とともに高くなっていること、枠に入ることが難しい人が増えていることを指摘しています。
私は日本以外の先進国と後進国、それぞれにおいて数年暮らした経験があります。その中で感じたことは、自分自身の中に内面化されている習慣、秩序、価値観はなんて脆いのだろう、ということです。他国に行った当初は、日本のように街が秩序だっていないこと、その国に暮らす人が自分のことしか考えていない振る舞いをしているように思えること、それらに