熊代亨のレビュー一覧

  • 人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造
    人類は自己家畜化を図ることで社会の豊かさや清潔さを求めてきたが、それに伴い動物的な側面は切り捨てられている。

    例えるなら、ドラえもんでいうのび太(授業に集中できない子供)やジャイアン(暴力をはたらく子供)は治療や排他の対象になった。

    過剰な自己家畜化とそれに取り残される人々という現状把握。
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  • 何者かになりたい
    初めて知る概念やモデルが多かったけど、心理的なものなので経験と照らし合わせて読み進めることが出来た。もう一度読み返すとしたら、アイデンティティの頑丈さと恋愛の関係性だと思う。
    これから自分自身として、なりたい自分になるためにちゃんとした生活をしたい!
  • 何者かになりたい
    潜在的に思うところがあったのだろう。

    頭の中の自分に打ち負かされることは減ったけど、言語化してモヤモヤを減らすのは大事。
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    この方向の議論をまとめてくださっている本。空間を使って人の行動を統制するところ、福祉とも関係が深い。結局、自由な選択が不自由を感じさせ、一見寛容な社会の中で、苛立ちが亢進する。選択や契約に関係のないものは、雑音であり、迷惑であるとなってしまう。
  • 何者かになりたい
    当然ながら、何者かになりたいという気持ちにハッキリとした答えをくれるものではない。が、何者かになりたいという気持ちの不透明さや気味の悪さをやさしく言語化されており、自身の疑問を紐解くのに役立った。
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    秩序が最適化された日本でどのような振る舞い、行動で生活しなくてはならないのか。昭和の時代と令和の時代(平成)と比較して描かれていた。

    行き過ぎた取り締まりは、反感を生むだろうし、行き過ぎた清潔は、不潔とする人がターゲットにならざるを得ない。

    しかし個人主義を尊重する余り、それが返って不自由になっ...続きを読む
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』というタイトル通りの内容。

    現役の精神科医である筆者が、現代社会の生きにくさについて語った本である。

    いまの日本は昭和の時代から比べれば、医療福祉、都市設計に至るまで、キッチリと整理の行き届いた社会となっている。
    発達障害など、現代の日本...続きを読む
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    人間がよかれと思った善意の行動が社会を不自由にするというもの。納得しながら読んだ。道徳、秩序というのは範囲やグラデーションが人によっても異なるので、話はより複雑になる。

    最近読んだ「スマートな悪」や昨年読んだ「ネガティブケイパビリティ」にも通じる。

    では我々はどう生きるか?考えてもなかなか答えは...続きを読む
  • 何者かになりたい
    何者かになりたいというのは、アイデンティティが足りないと自認している状態。自分自身の構成要素が不足しているときは、「危なくない」構成要素を手に入れる。すでに持っている手元にあるものいてもいい場所を手放さない。金と時間で居場所を買うとき、なくなった後何も残らないをちょっと検討。一発逆転、たった一つの冴...続きを読む
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?
    大人とは?
    若者とは?
    僕は30代なので、世間からしたら大人なんだろうけれど、まだ、諸先輩方からしたら、若者部分もあったりするのだろう。

    様々な着眼点から「若者」と「大人」に対して論じられており、難しくは無く、なるほどと気付かされたり、考えさせられたり。そうそうと納得したり。

    非常に面白い人生論...続きを読む
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    日頃薄々感じていたことを言い当てられたようでドキッとしたタイトル。かつてないほど便利で快適で自由になったはずのこの社会で、私たちが感じてしまう疎外感や窮屈さ、息苦しさの正体は何なのか。
    かつては喫煙も体罰もハラスメントも、ホームレスの存在も普通だった。それらが規制されるようになったのは間違いなく良い...続きを読む
  • 何者かになりたい
    「何者かになりたい」と願っていたと思う。それは、他者から認められたい欲求の表れなのかもしれない。『他者と働く』という本の「自分は自分とその周りからできている」というフレーズを思い出した。また、仏陀の教えに「無我」というものもある。自分さえないのだという考えだ。改めて、自分とはなにかを考え直す。家族、...続きを読む
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?
    「大人」とは
    世代や立場が違う人にその立場を踏まえた上で対応すること。

    恋愛そのものに年齢制限は無いが、若者ならではの恋愛にははっきりとした制限時間があって、今の年齢で経験できる恋愛は今しか経験できない

    誰だってこれまでの諸事情や背景、歴史を背負って今日を精一杯生きてるのだから、生きてるだけで立...続きを読む
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?
    タイミング的にピッタリな一冊だった。日頃、漠然と思い巡らせていたことをうまく言語化してくれていた。特に、昔の先輩ほど尊敬されようとすることに無理がある、という点に同意だ。環境は目まぐるしく変化しており、先輩として、後輩たちに自信を持って何を伝えることができるのか、考えてみると意外にないことを再認識で...続きを読む
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    まろやかなマーク・フィッシャー。とても誠実な本。

    日本はモダンを経由せずプレモダンからポストモダンにジャンプしたというようなことは遅くとも80年代末くらいには言われていたと思うけれども、その頃はまだ日本の政治は保革対立で語られていたはず。「多分にプレモダン的な保守政党だった自民党は、従来の支持層の...続きを読む
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    「つまり、現代社会の多様性や社会参加は、清潔で行儀が良く、落ち着きがあってコミュニケーション能力があり、効率的かつ持続的に経済活動ができる自立した個人を基本としているのではないか。」
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?
    20歳の私にはまだ早いかなと思ったけど、そもそも大人ってなんだ?歳をとるってどういうことだ?「これだから若者は〜」と言われるあれはなんだ?などのモヤモヤが少しずつ解消されていく本。著者の熊代さんの経験則が強い部分もある。歳をとりたくない、いつまでも若者でいたいと思っている人には特にすすめたい。
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    なかなかに尖ったタイトルの本書だが、題名から既に近頃考えていた問いに対して1つの指針であったと感じたため、間髪入れずに購入。精神科医の書ということで、個人的には身近に感じながら読むことができた。
    清潔や健康といった価値観が無条件に良いものとされ、それが窮屈感に繋がっているという論には納得だった。都内...続きを読む
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?
    ところどころでご自身でも書かれていたけど、やはり主観が多めの本だった。
    成熟しにくい社会のシステムになっていることを認識することは大切だと感じる。
    現在22歳の私からすると本当にこの感覚をこの先得る日はくるのか?という部分も多かったので、また数年後に読み直すと違う感覚を得られると思った。

    ===
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  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて
    今の生活に感じる違和感を、歴史、社会史などを交えながら詳細に紐解いていく内容。感覚的に感じていた事に光が当たり、ハッキリとしていくような感覚。