熊代亨のレビュー一覧

  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    社会が自由さを求めた結果、自動的に成熟した大人になるシステムは崩壊した。つまり、大人になるも、ならないも自由というわけだ。

    しかし、生物的にはどうしても老いていく訳で、その流れに沿わず成熟しなかった場合、矛盾が生まれる。今の社会は若者重視。そこに迎合して、若者ぶると痛い目を見るぞって感じかな?

    著者は不惑の年齢。

    確かにそのあたりで、人生の方向性というものは見えてくることが多いように思える。

    若い世代に向けたメッセージの色合いが強い一冊に思えた。私のように年長者には同調はあっても、行動を変えるほど響く言葉はなかった。

    差し当たって、いろいろな世代から学び続けられるようにコミュニケーシ

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    2024年09月07日
  • 「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド

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    ネタバレ

    「推し活」についての本ではなく、サブタイトルにもあるように「推し活による心の満たし方」についての本。心理学者マズローや精神科医コフートの理論を下敷きに解説されている。


    以下、概要。

    2000年代にSNSが流行りだしたころは「いいね」を集めることが注目されていたが、東日本大震災のあたりから「リツイート」や「シェア」の情報を広める効果が認識されはじめた。それをうけて、2010年代後半には「推し活」は手軽になり、大規模に行われるようになった。

    「いいね」の時代は承認欲求ばかりが注目されていたが、「推し」の時代は所属欲求が盛り返してきたことを意味する。承認欲求は他人から認められたいという欲求で

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    2024年05月16日
  • 「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド

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    【目次】

    第1章 承認の時代から「推し」の時代へ
    ―21世紀の心理的充足のトレンド

    「推し」ブームの2020年代
    「いいね」と「萌え」の00年代
    SNSが「推し活」を簡単に、大規模に
    「推し」だから簡単・安全とは限らない
    「推し」と「推し」がぶつかり合う世界

    第2章 推したい気持ちの正体
    ―SNS時代のナルシシズム

    「推し」は人生を左右する?
    承認欲求が薄れ、所属欲求が息を吹き返す現代
    推し上手・推され上手が得るアドバンテージ
    承認欲求・所属欲求の取り扱いが下手な人
    承認過剰も「推し」過剰もナルシスト
    「推し」に慣れるとはどういうことか
    ナルシシズムの成長が難しい家庭環境
    承認欲求や所

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    2024年05月04日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    大人の条件
    世代や立場が違う人に、違いを踏まえて対応すること
    大人の役割=他人の世話をすること

    若者のうちはなんでもやってみることが有効な場合が多いけど、中年になって時間や体力が限られてきたら守備範囲を絞ってエネルギーを自分にとって大切なことに集中投下することで中年以降楽に生きることができる

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    2024年04月14日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    とりあえず、著者はCLANNADが心から好きなことはわかった。

    前半にかけては、年をとるあるあるみたいな気持ちで読んだ。一方で、歳をとることに対する打ち手は結構少ないようにも感じた。大人を始めるというよりは、そうだよね、そんなもんだよね〜みたいな感じで進んだ印象。
    個人的には、歳をとるってもっと自由で、もっと楽しいことなんじゃないだろうかとも思う。劇的なことはないし、自由が効かないことも、新しいことを始めるのが億劫なのもあるけど、制限がないのも大人だと思った。

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    2024年02月29日
  • 何者かになりたい

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    何者かになりたい、何者でもないという気持ちはアイデンティティとほとんど同義だと分かった。また、どんなにすごい地位の人でも自分で長期間そう実感し続けることは少ないと分かった。何者かになりたいという気持ちはモチベになるから無理に消そうとする必要はないけれど、それなら、何者でもないと卑屈になったりネガティブになって行動できなくなるのではなく、今ある構成要素を見つめて一旦満足し、更に伸ばしていけばいいのではと思えた。
    自分の構成要素を増やしていくことやコミュニケーションを積極的に取ることを今後も頑張りたい。

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    2023年11月28日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    普段ぼんやり思っていることが言葉にされていたので、共感するところも多かった。
    まだ30代半ばなのでわからないところもあるか、概ね理解できたので私もそれなりには大人なのかなと思えた。
    似通った内容が繰り返されるというか、強調されて別の言い方で書かれている箇所が少しあったように思い、章の途中で飽きてしまい読むのに時間がかかってしまった。
    『金しか見ていない女性、胸しか見ていない男性はなんにもみていない』とゆうパワーワードは的を射ていて面白くニヤッとしてしまった。

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    2023年08月16日
  • 何者かになりたい

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    中学生高校生の自分におすすめしたい本でした。
    アイデンティティの拡散などで苦しんでいる人は考え方の参考になると思います。

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    2023年06月18日
  • 何者かになりたい

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    「アイデンティティ」「自分自身の構成要素」という観点から見ていくというのが興味深く、おもしろかったです。

    年代別に見ていくことによって、イメージしやすかったです。

    この本の考え方を知っておくことで、自分との付き合い方や人との付き合い方も少しラクになっていきそう、と思いました。

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    2023年05月30日
  • 何者かになりたい

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    ネタバレ

    人が人生の各段階で、どういう理由から、何者かになりたいという欲求を持つのかを解説してくれた本。
    特に以下の点が面白かった
    ・中年になっても何者かになりたい欲を持つ人は多いこと
    ・シニアはアイデンティティを喪失していきながらも生きているサバイバーだということ
    ・作者のように出版するような何者かになってもそれを維持していくのにまた努力が要ること

    以下気になった点
    ・何者かになりたい人がどのようにその気持ちに対処したらいいのか?どういう風にうまく使ったらいいのか?について具体的な対処法があまり書かれていなかった
    ・精神科医の観点から専門的に分析するというよりかは、1人の人生の先輩が経験を含めて語る

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    2023年03月04日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    【感想】
    現代は、全てをリスクに基づいて物事を判断するようになった。健康と喫煙、結婚生活と独身生活、育児にかかる費用と自らの収入。人々が自らの暮らしを計算し、危険で無駄な要素を省くほど、生活の質は上がっていく。そしてこの「生活の質」は、個人的な範疇に収まらずに、公共空間にまで領域を拡大している。ゴミひとつない美しい街、秩序正しく運行する電車、マナーに敏感な市民、ルールを守って人に迷惑をかけない子ども。
    日本は本当に健康的で、清潔で、道徳的な秩序がある国だ。だが裏を返せば、そこに住む人がその街にふさわしい行儀良さや道徳的振る舞いを身に着けなければ、この街は成り立たない。
    そして、一握りの「ルール

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    2022年10月17日
  • 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?

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    個人の能力は個人のものとされる世の中で、子どもや後進を育てることに好き嫌いや義務感以外の動機が存在するとは想像しづらい。しかし別の動機が実は存在するという。それは他人の成長に自分が関与することで得られる充実感である。大人になればなるほど、自分の成長にかかる労力は増え、リターンは減る一方だが、子どもや未熟な人には大きな伸びしろがある。そこに労力を投入することは、成長への寄与感(喜び、嬉しさ)という形で、実は自分へのリターンも大きくなるのである、ということが書いてある。
    そういうことはその立場になってみないと分からない事実であろう。実際、私も目からうろこであった。結構、衝撃的ですらあった。私は可愛

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    2022年06月29日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    きれいになった結果生きづらくなったという話の本
    わかるんだけどなんか冗長で読みにくかった

    医療、精神科、健康、子育て、不審者、可愛さ、清潔社会、コミュニケーション、あたりについて良くなった結果として行きにくくもなっているよねということを話している。
    それは資本主義だったり個人主義だったりを元にある程度上から下まで社会合意をもって勧めてきたものでもあるので新しい社会とも呼べる。

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    2022年06月18日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    ネタバレ

    清潔で道徳的、自由な生活を送っているはずの現在社会は、資本主義・個人主義・社会契約の3つの仕組みの中でがんじがらめに縛られ、その社会にふさわしい人間であることを義務付けられていてどんどん息苦しいものになっている、という内容。目新しい議論ではなく、昨今様々なところで指摘されている問題について著者の視点からまとめて問題提起にとどめているという感じ。
    社会の分断という論点ではもっと話し合うしかないという意見だったけど、世界的に見れば移民問題やBLM、コロナなどを経てきてそういった穏当な解決がかなう段階にとどまっているのかはかなり疑問ではある。日本においても分断が緩和するようなビジョンってなかなか想像

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    2022年01月21日
  • 何者かになりたい

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    何者かになりたい
    という、アイデンティティに対して抱えやすい気持ちに対しての心理傾向や対策の本。
    何かを追い続けてしまう、満ち足りないと感じてしまう傾向があるが、今あるものに目を向ける、当たり前を当たり前と思わないということは大切にしたい。


    ○以下内容
    何者かになりたいとはアイデンティティを獲得したい という気持ち
    →アイデンティティと呼べるものを獲得することが解決策

    麻雀やポーカーのような戦略
    →手が揃いきっていない時は手を広く受ける
    なりたい自分や目指したい自分を狭めず、手広く構えておくと、どれかになれやすい

    恋愛以外の構成要素を揃えることで依存しなくなる

    思春期までのプロセスが

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    2021年12月18日
  • 何者かになりたい

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    サクッと読める。何者問題について整理されている。自分も、何者かになりたいと未だに思うけど、そういうときは、「当たり前すぎるかけがえのなさを手放すな」と言い聞かせようかな。そして、高齢になるにつれ喪失を経験していっても強くいたいと思った。

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    2021年09月15日
  • 何者かになりたい

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    現代におけるアイデンティティにおける概論。

    目新しいと思ったのは、良く行くラーメン屋とか、健康な自分の身体、とかもアイデンティティとして分類していたこと。

    そういったものはもっと下位の概念だと考えていたので。
    まあ、これをそのまま真に受けてアイデンティティとするつもりは無いが。

    逆に足りないと思ったのは、過去の出来事だったり、
    あの時の記憶、思い出、経験なんかもアイデンティティとして成立するのでは?と思った。
    筆者はあまりにも今にフォーカスし過ぎてる気がする。
    例えばいろんなものを喪失した老人が、
    幸せで他人の世話をできるのは、達観している訳では無くて、あの時の思い出、積み重ねてきた時間

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    2021年09月09日
  • 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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    タイトルの通り健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会である日本。でも、幸福度ランキングはとても低い。なぜか。その理由がこの本から見えたと思う。
    健康的で清潔で道徳的でないと社会的に認められない世の中では、認められる自己実現の手段があまりにも狭められているのではないだろうか。
    例えば、不健康で不潔なおじさんの幸福は社会的に認められないのがいまの日本なのではないだろうか。
    その文脈で、かわいいが語られることは面白いと思った。ただルッキズムが、と批判するより日本におけるかわいいの存在価値について考えた上でルッキズムを批判した方が面白い。

    そのほかには、ADHDの話やIQと炎上、建築と道徳の話がとても

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    2021年08月29日
  • 何者かになりたい

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    思っていたほど深い内容ではありませんでしたが、かなりサラッと読める一冊でした。
    何者かになりたいと思う感情は普通で、それと同時に今の自分をしっかり認めてあげることも大切だと思いました。
    人間は様々な感情を持っていて忙しい。
    朝井リョウさんの[何者]をすぐにでも読もうと思います。

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    2021年08月15日
  • 何者かになりたい

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    ネタバレ

    何者かになりたいという欲求は、1度日の目を見たとしても、それが続いていくものであって、一過性のものではない。自分が何者であるかの証明書のような位置付けとしてアイデンティティというものがあり、得意なことや趣味などの構成要素が多いほど獲得しやすいが、失うことで何者でもないとの不安が募るもの。

    昔見た知恵袋で、田舎のヤンキーは限られたテリトリーの中で仲間と相互に認め合う環境が築けている点で自己肯定感が高いのではないか、というQ&Aがあった。本著でも、周囲の人に認められる環境で育っていった人は、そもそも自分は何者でもないとか、何者かになるということを考えないのだという旨がある。

    特に幼少期

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    2021年08月03日