熊代亨のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現代におけるアイデンティティにおける概論。
目新しいと思ったのは、良く行くラーメン屋とか、健康な自分の身体、とかもアイデンティティとして分類していたこと。
そういったものはもっと下位の概念だと考えていたので。
まあ、これをそのまま真に受けてアイデンティティとするつもりは無いが。
逆に足りないと思ったのは、過去の出来事だったり、
あの時の記憶、思い出、経験なんかもアイデンティティとして成立するのでは?と思った。
筆者はあまりにも今にフォーカスし過ぎてる気がする。
例えばいろんなものを喪失した老人が、
幸せで他人の世話をできるのは、達観している訳では無くて、あの時の思い出、積み重ねてきた時間 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会である日本。でも、幸福度ランキングはとても低い。なぜか。その理由がこの本から見えたと思う。
健康的で清潔で道徳的でないと社会的に認められない世の中では、認められる自己実現の手段があまりにも狭められているのではないだろうか。
例えば、不健康で不潔なおじさんの幸福は社会的に認められないのがいまの日本なのではないだろうか。
その文脈で、かわいいが語られることは面白いと思った。ただルッキズムが、と批判するより日本におけるかわいいの存在価値について考えた上でルッキズムを批判した方が面白い。
そのほかには、ADHDの話やIQと炎上、建築と道徳の話がとても -
Posted by ブクログ
ネタバレ何者かになりたいという欲求は、1度日の目を見たとしても、それが続いていくものであって、一過性のものではない。自分が何者であるかの証明書のような位置付けとしてアイデンティティというものがあり、得意なことや趣味などの構成要素が多いほど獲得しやすいが、失うことで何者でもないとの不安が募るもの。
昔見た知恵袋で、田舎のヤンキーは限られたテリトリーの中で仲間と相互に認め合う環境が築けている点で自己肯定感が高いのではないか、というQ&Aがあった。本著でも、周囲の人に認められる環境で育っていった人は、そもそも自分は何者でもないとか、何者かになるということを考えないのだという旨がある。
特に幼少期 -
Posted by ブクログ
「何かで一番になりたい」と言っていた元恋人や、「人に影響力を与える人になりたい」という友人をを見て、なぜそんなにも承認欲求を抱えているのだろうかと日頃から考えていた。その気持ちが知りたくて手に取った一冊。人間誰しも、生きているのだから意味を見出したい、それが内なのか外なのかの違いだと思った。私はどちらかというと、自分で価値を決めたいし、周りから評価されても自分が納得できなければ意味がないと考える人間であるから、そういった見方もあるのかと学びになった。誰かに認められたいってのは一生続くんだと思ったし、それが人間なんだと思った。何者かになりたいというよりは、わかってほしい誰かをずっと探している自分
-
Posted by ブクログ
現代では、社会に参加して活躍するために必要なコミュニケーション力などのスペックが、数10年前に比べても急激に高度になってきており、そのために、生得的にスペックの低い人は、社会に参加できず、また、日本の、特に東京などの都会では、社会構造や物理的な空間設計などにより、かつてのように、社会からドロップ・アウトして生きる余地も狭まってきており、社会福祉に組み込まれる以外の選択肢は極めて限られている。というのが、主な主張。
直感的には、そうかな、とも思わせるのだが、肝心な根拠があまり確かではない。
数値的な分析が難しい内容なので、新規の研究に基づくデータの提出が困難なのは、致し方ないかもしれないが、もう -
Posted by ブクログ
本書の長いタイトルにある通り、著者は現代日本を、健康的で、清潔で、秩序維持も図られている、そのような社会が相当程度実現した時代と捉えている。
著者は、昭和の時代と令和の時代の対比をラフスケッチで描きながら、何が、どのように変わってきたかを説いていく。
はみ出しっ子がADHDやASDと診断され、医療や福祉のサポートの対象となってくる、喫煙がかつては格好良かったのに、今では忌み嫌われるようになってしまうなど、健康が何よりもの価値とされる、子育ては地域の中で行われていたし、なにより子供に寛容だったのに、今では子供が悪いことや迷惑をかけないかに心配で、子育てがリスクに感じられるようになってきた -
Posted by ブクログ
いくつになっても、シミしわ白髪もなく
完璧なプロポーションを保つ女性たち・・・
そんな女性たちがもてはやされる様になった頃から
昔のアイドルがTVに出ると
すぐに劣化だなんだと騒ぐ輩が出現するようになった。
それは劣化じゃなくて、単なる老化だ。
そして老化は罪でもなんでもない極々当たり前のことで、
齢を重ねているのに
つるんつるんの顔をしている方がよっぽど怖いじゃないかと常々思っていた。
著者はそんな今の日本の若作り社会について
分析を試みる。
齢のとり方がわからくなってしまった我々は
一体どうやって無理な若作りすることなく老いさらばえていけばいいのだろうか。。。
その見本となれるような老人