日経コンピュータのレビュー一覧
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みずほフィナンシャルグループは、メガバンク史上初めてシステムを新たに再構築した。MINORIと呼ばれるシステムは、事務作業を大きく削減し、新しい機能を付加させるための開発費用を減らし、オープンイノベーションを促進する事が期待され、システムが寿命を迎える2025年の崖から転落しないよう各企業が見習うべき良いケースである。と思われていた。しかし結果は今の通りである笑
不具合続きの今から振り返ると、第1部の成功ケースよりも第2部・第3部の失敗学の方が遥かに有益であるように感じる。そもそも、失敗の原因として「システムのブラックボックス化」「風通しが悪く、責任者への報告が遅れ、対応が後手に回る」「経営 -
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タイトル惚れ。
2000年初頭からITを高々と掲げ、ハードとソフトの両面で国民がITのメリットを享受できる社会を作る方向を示した日本政府。
民間企業の努力でハード・インフラ面では大きな実績を残したが、ソフトウェア・行政手続きの面については全く進まなかった。各官庁が縦割りで作るシステムについて、横串をさして俯瞰する監督者がいなかったからだ。
しかしここ数年、民間のIT技術を持った担当者を採用することで、少しずつ整備が進んでいる。国の行政手続きの一体化、またそれをいかに地方自治体まで降ろして浸透させるかが鍵となるだろう。
そしてそれは、マイナンバーカードが鍵になるのかもしれない。 -
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新型コロナウィルス対応であらためて明るみになった政府のデジタル施策ですが、実は2001年に策定された「e-Japan重点計画」以降、失敗の連続でした。
縦割り組織、丸投げ体質(と、そこに起因する政府/自治体の発注能力低下)などが主な要因として考えられます。
加えて、中央と地方自治体との間に横たわる壁(横割り)であったり、政府内に優秀なIT人材が不足していたなど、問題点を挙げればキリがありません。
こうした課題を解決すべく2021年9月に発足する「デジタル庁」には、自ずと大きな期待が寄せられます。
各省庁がバラバラで動いていたデジタル施策をデジタル庁が横串で関与することで、デジタル化予算を効 -
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特別定額給付金のマイナンバーカードを使うオンライン申請、感染者情報管理「HER-SYS」、接触確認アプリ「COCOA」の相次ぐ不具合を皮切りに、年金システムや特許庁システムなど過去の失敗プロジェクトを振り返り、入札から開発そして検収のプロセスを検証する。移動の多い公務員ならではの理由で発注側(行政)の力量が不足しているとのことです。自分のシステム開発を振り返っても顧客側の力量不足は致命傷であることは間違い無いところですが、こちらでRFPを書いていると豪語する大手SIerが受注して顧客側の力量不足に帰結するのもなんかもやもやします。デジタル庁にもその期待を込めてページが割かれてますが、約73億円
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ホラー小説より恐ろしい 。SE必読の快作!- 「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」 ★★★★☆
恐ろしい。心底おそろしい。私もシステム開発を仕事として行っているので、こんなプロジェクトに配属されたらダウンする自信がある。
大きく3章で構成されており、1章は新システム「MINORI」の機能と開発秘話になります。大して面白くないです。SOA開発なんて普通じゃんか。
2章は「MINORI」の開発を始めるきっかけとなった東日本大震災直後のシステムトラブルの原因になります。恐ろしい。
3章は2章を引き起こすことになった真因である2002年の3行合併のいざこざと、合併直後のトラブルについて。まぢ恐 -
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日経コンピュータなどの日経系雑誌に掲載された記事を「IoT」というキーワードで拾って編集したムック本。したがって、まとまりにはやや欠ける。しかし、事例についてひとまず知るという点では、日経のIT系雑誌の取材でもあり、まずよいかと思う。
レオパレスのSTBの事例は、自分のやっている仕事の観点から興味深かったし、Preferred Networkについては知っておかないといけない話だと感じた。そういう事例がそこそこにある。LPWAの動向も必須アイテムにすでになっている。
また、IoTのセキュリティの事例はtelnetポートが危険であるとか、ダークネットを使って検体を集めるとか、特定のアドレス空間 -
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銀行が、Fintechをどう見ていて、どういうアプローチを考えているのか、各行のインタビューや、既存事例が載っており、銀行業に詳しくない自分には非常に勉強になった。
海外勢のアプローチも流通業のデータをベースに信用度合いを測っていることがベースになっているなど、銀行のコアスキルの一つが新しい方式で取って代わる可能性も面白い。
合わせて、リアルタイムで不正検知が出来たりといった仕組みなども興味深い。
話題のブロックチェーンについても、解説があり、サイドチェーンについての説明がわかりやすくまとまっていた。
ざっくり今の銀行を取り巻く動きを知ることが出来た。