日経コンピュータのレビュー一覧
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2019年に満を持してリリースされた新システムが2021年2月からの1年間で計11回のシステム障害を引き起こしてしまったみずほ銀行。その事後検証報告からの学びを目的として書かれた一冊。前著に当たる『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』がプロジェクトの進め方の話が中心だったのに対して本書はかなり技術寄りの内容。非エンジニア職の人にはハードルが高いと思われる。その分エンジニアには多くの学びを提供してくれる。また、後世に残す記録としても重要。冷笑・嘲笑でネタ的に消費するのではなく(みずほ銀行を笑えるITエンジニアは真に優秀か超の付く能天気のどちらかだろう)自身の担当システムで本質的に同じ原因の問題が起きないか考えながらじっくり読みたい。
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Posted by ブクログ
専門用語も多く、システム素人の私には難しいところもあったが、システム障害の全体像・問題点が分かりやすく整理されている。いくらみずほFG・みずほ銀行が対外公表している資料を読み込んでも、理解はできないだろうが、本書のおかげですっきり分かった。
旧3行のシステム駆け引きから、すでに不幸が始まっており、何度も障害を繰り返しながらも抜本的なアクションがとられなかった。唯我独尊で、他のメガバンクや海外の動向から学ぶことはあろうに、忖度や馴れ合いの結果、不確実性を増していったということだろう。
私が一昨年まで暮らしたシンガポールのネットバンクは、UIが良く統一感があり、大変利用しやすい。一方、みずほ銀行(だけでなく他の邦銀)は、非常に操作しづらい。みずほの歴史は日本の停滞の20年と重なり合う。
本書「おわりに」で紹介されている、みずほの窓口でのやりとり。令和の時代に昭和を引きずり、一部IT機器が出てきたかと思えば、iPadではなくMINORIタブレット。。。そんなみずほもGoogleと提携したとのこと。しがらみをかなぐり捨てて、飛躍してほしい。(一口座保有者として希望。) -
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2020年にみずほ銀行システム統合史を上梓した日経コンピュータが、2021年から起こったみずほ銀行のシステムトラブルを整理した一冊。IT業界にみをおくものとしては読んでいて居た堪れなくなってしまうが、前書よりも価値のある一冊と言える。
みずほで起こったトラブルを淡々とインシデント分析を繰り返し、問題の本質に迫ろうとしている。往々にして、みずほのトラブルは三行の体制によるガバナンスの効かなさが生み出したものと語られがちだが(場合によってはドロドロの情念を絡めた読み物として)、情実的な部分を排除してあくまでシステム的観点から分析している。
この書は、みずほのトラブルに学ぶことはもちろん、インシデント分析の実施の仕方についても深い見識を与えてくれる。 -
Posted by ブクログ
みずほ銀行で1年に11回発生したシステム障害の内容、原因と再発防止策がまとまった一冊。冒頭から、読んでいると具合が悪くなる大規模障害の話題で、五千件を超えるカード・通帳がATMに取り込まれていく経緯が緊迫感あふれる様子で描かれる。
直近の大規模システム改修に問題があったというより、運用手順が不明確、組織の連携が遅い、障害レベルを人が判断…など障害発生後の対応が後手に回ったことが障害影響を拡大させたことが分かる。
特に恐ろしかったのが、為替送金の取引遅延障害で、遅延を取り戻すためにAML(資金洗浄防止)システムを省略しても問題ないと最高コンプラ責任者が判断し省略した結果、外為法違反した一件。現場だけではなくコンプラ責任者がこの判断をしたということで、他の業務でもちゃんと法令遵守しているか疑いたくなる。
100を超える再発防止策が形骸化しないことを願う。 -
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みずほフィナンシャルグループは、メガバンク史上初めてシステムを新たに再構築した。MINORIと呼ばれるシステムは、事務作業を大きく削減し、新しい機能を付加させるための開発費用を減らし、オープンイノベーションを促進する事が期待され、システムが寿命を迎える2025年の崖から転落しないよう各企業が見習うべき良いケースである。と思われていた。しかし結果は今の通りである笑
不具合続きの今から振り返ると、第1部の成功ケースよりも第2部・第3部の失敗学の方が遥かに有益であるように感じる。そもそも、失敗の原因として「システムのブラックボックス化」「風通しが悪く、責任者への報告が遅れ、対応が後手に回る」「経営陣のIT軽視」が述べられていたが、今回のシステム障害の再発防止報告書にも同様の内容が列挙されており、みずほ自体が過去の失敗から何も学んでいない事がよく分かる。トップが失敗を反省し、リーダーシップを持って再発防止に努めなければ、同様の問題が必ず再発するであろう。「再発防止チーム」みたいな組織をその場凌ぎで作り、放任しているようでは先は無い。
成功を収める企業から学べる事は多いが、再現性に乏しい事が多い。一方で失敗した企業から学べる事は、再現性が強いため、こうしたら失敗するという良い学びを得る事が出来る。多くのケースを吸収し、経営判断を迫られた際に失敗しない様にしたいと感じた。 -
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タイトル惚れ。
2000年初頭からITを高々と掲げ、ハードとソフトの両面で国民がITのメリットを享受できる社会を作る方向を示した日本政府。
民間企業の努力でハード・インフラ面では大きな実績を残したが、ソフトウェア・行政手続きの面については全く進まなかった。各官庁が縦割りで作るシステムについて、横串をさして俯瞰する監督者がいなかったからだ。
しかしここ数年、民間のIT技術を持った担当者を採用することで、少しずつ整備が進んでいる。国の行政手続きの一体化、またそれをいかに地方自治体まで降ろして浸透させるかが鍵となるだろう。
そしてそれは、マイナンバーカードが鍵になるのかもしれない。 -
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新型コロナウィルス対応であらためて明るみになった政府のデジタル施策ですが、実は2001年に策定された「e-Japan重点計画」以降、失敗の連続でした。
縦割り組織、丸投げ体質(と、そこに起因する政府/自治体の発注能力低下)などが主な要因として考えられます。
加えて、中央と地方自治体との間に横たわる壁(横割り)であったり、政府内に優秀なIT人材が不足していたなど、問題点を挙げればキリがありません。
こうした課題を解決すべく2021年9月に発足する「デジタル庁」には、自ずと大きな期待が寄せられます。
各省庁がバラバラで動いていたデジタル施策をデジタル庁が横串で関与することで、デジタル化予算を効果的かつ効率的に活用してほしいものです。
今後の政府/自治体のデジタル施策に要注目です。 -
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特別定額給付金のマイナンバーカードを使うオンライン申請、感染者情報管理「HER-SYS」、接触確認アプリ「COCOA」の相次ぐ不具合を皮切りに、年金システムや特許庁システムなど過去の失敗プロジェクトを振り返り、入札から開発そして検収のプロセスを検証する。移動の多い公務員ならではの理由で発注側(行政)の力量が不足しているとのことです。自分のシステム開発を振り返っても顧客側の力量不足は致命傷であることは間違い無いところですが、こちらでRFPを書いていると豪語する大手SIerが受注して顧客側の力量不足に帰結するのもなんかもやもやします。デジタル庁にもその期待を込めてページが割かれてますが、約73億円のオリンピックアプリなど前途多難のようです。また、渋谷区のLINEを使った住民票取得にも言及していて、総務省が「セキュリティ、法律の観点から問題がある」と指摘したようですが、あんな事件があったにも関わらず渋谷区は改める気が無いようです。これは総務省が正しい、さっさと止めさせて欲しいものです。渋谷区民としてもまったく情けない限りです。。。
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ホラー小説より恐ろしい 。SE必読の快作!- 「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」 ★★★★☆
恐ろしい。心底おそろしい。私もシステム開発を仕事として行っているので、こんなプロジェクトに配属されたらダウンする自信がある。
大きく3章で構成されており、1章は新システム「MINORI」の機能と開発秘話になります。大して面白くないです。SOA開発なんて普通じゃんか。
2章は「MINORI」の開発を始めるきっかけとなった東日本大震災直後のシステムトラブルの原因になります。恐ろしい。
3章は2章を引き起こすことになった真因である2002年の3行合併のいざこざと、合併直後のトラブルについて。まぢ恐ろしい。
お笑い芸人の「こんなシステムは嫌だ」に使えそうなネタ満載でたまりません。・3社合併だと思ってたら4社だった。
・一番大きい会社のシステムが一番ゴミ
・ゴミだってわかっているけど、コンサルさんは引き分けって言うしかない
・偉い人の中では決まっているけどそれは部下に伝えない
・障害は手作業で復旧
・障害が障害を呼ぶ(マドハンド状態)
・振込できてないのに残高が減る
・他支店の口座にアクセスするには成り代わりが必要
・偉い人はシステムに無知
一番ダメなのは、「合併直前のみずほFGの経営会議のメンバー、旧三行の頭取、副社長6人、CFO、CSO、CRO、CCOであった。後ろ3つの役職は馴染みがない。最重要課題なのに、情報システム責任者のCIOがいない。」これよね。銀行なんてシステムがなきゃなんもできないんだから。
システム開発を行っている人は是非読んでください!統合を考えている経営者は必読でお願いします。 -
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日経コンピュータなどの日経系雑誌に掲載された記事を「IoT」というキーワードで拾って編集したムック本。したがって、まとまりにはやや欠ける。しかし、事例についてひとまず知るという点では、日経のIT系雑誌の取材でもあり、まずよいかと思う。
レオパレスのSTBの事例は、自分のやっている仕事の観点から興味深かったし、Preferred Networkについては知っておかないといけない話だと感じた。そういう事例がそこそこにある。LPWAの動向も必須アイテムにすでになっている。
また、IoTのセキュリティの事例はtelnetポートが危険であるとか、ダークネットを使って検体を集めるとか、特定のアドレス空間で感染率が高い場合があるとか、比較的リアルタイムで具体的な話でこれもまた知っていなければならないことであろう。
ムック本なりの本かな。
IoTが広げる活用分野ということで、VR、チャット、生体情報、ロボットが挙げられているが、IoTと使って何ができるかではなくて、IoTを組み合わせるとさらに広がるという発想が大事なんだろうな。