日経コンピュータのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2004年の3銀行経営統合時と、2011年の東日本大震災義援金振込時に起きた計2度の大規模システム障害について、技術的な側面からみずほの人物的な側面まで幅広く原因が述べられている良本だった。
特に印象的だった部分について述べる。
・4章
▶︎ MINORIへのシステム移行に伴い、実際にシステムを使う営業店で働く人々へ教育する機会を設ける必要があった。そこで、特定職(一般職?)の女性170名が講師となり、1人4店舗ほど受け持って講師として活動した点
▶︎日頃自分の指定したエリアを出ることがない一般職の人達に協力をお願いして、エリア外の地域の支店をも受け持ってもらっていたという事実から、みずほの -
Posted by ブクログ
問題提起の書。結果論として、みずほのたどった道は間違っていたのかもしれません。
護送船団方式で、MOFに横並びの経営を続けていたメガについて、みずほだけが、劣ったCIO,であり、ITシステムに昏かった頭取だったとはどうもおもえません。
バブル崩壊で、3次オンラインの継続開発が途絶えたことも、銀行業界にとっては大きな痛手となりました。
業務の継承とともに、システムを業務の思想にそって再構築できるエンジニアがそこで途絶えています。
一旦、エンジニアをリリースしてしまうと、もとのようにシステムを熟知した開発体制を構築することは難しく、教育や、仕様の振り返りに余分な費用がかかってしまいます。
-
Posted by ブクログ
前作でシリーズ完結っぽかったところ、新展開でまた新作が読めた。「気付かなかった」「見落とした」が何回出てくるのか、という所が個人的には今回ツボった。MINORIの各部の健康状態をリアルタイムでインフォグラフィクス化して公開、とかすると良いんじゃないかと思った。HDDの弾が死んで黄色になって、4時間後には交換して緑に戻って、みたいなの、インフラ屋はやるけど、世間の人、知らんだろうし。僕は、割と大きいシステムをベンダから引き継いだ時、それまで引き渡す立場だったので、これはブラックボックスで掌握感がないって感じて、それが後にLC4RIに繋がったりしてる。そこを運用現場がどう感じてたのか気になるかな。
-
Posted by ブクログ
ー 金融庁はこうしたシステム上やガバナンス上の問題点が発生する「真因」として、「①システムに係るリスクと専門性の軽視」「② IT現場の実態軽視」「③顧客影響に対する感度の欠如、営業現場の実態軽視」「④言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」があると指摘する。
この中でひときわ目を引くのは「④言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」だ。金融庁は具体的な例を2つ挙げている。1つはみずほ銀行でシステム障害が発生した際、経営トップが障害の第一報を受けても、具体的な指示を出さなかったことが問題だとした。もう1つはみずほFGの取締役会でシステム障害について提言や意見が述べ -
Posted by ブクログ
良書。読み終えたとき、銀行の勘定系システムを知るには、うってつけのテキストと感じました。情報システムの関係者へ向けたメッセージです。
表題のポストモーテムとは、事後検証報告書(直訳は、検視、死体解剖)、要は事後の振り返りです。
コンピュータの仕組みを知らない方は、読み進むのは、難しいかもしれないが、かじったことのある方であれば、IT用語のほうは、苦にはならないのではないか。むしろ、金融関連の用語を知らないと進みずらいではと感じました。
流れは、第3章で15の疑問、第4章でなぜ重大障害が頻発したかの結論に至ります。振り返りとはここまで。また再発防止策について、7章にまとめられています。
金 -
Posted by ブクログ
システム開発に携わる立場から見ると、要件定義やプロジェクト進行のみならず、リリース後の監視・運用保守体制がいかに重要であるか痛いほど伝わる事例集となっていた。
システム障害の事後検証報告ということもあり、IT業界の人間でなければ文中に出てくる用語や仕組みの理解を深めるのは難しいものと思われる。
しかしながら、本書では障害発生時における顧客対応・危機管理面において、みずほ銀行の組織態勢不備が大きな課題として挙げられている点にも注目したい。
「積極的に声を上げることでかえって責任問題となるリスクをとるよりも、自らの持ち場でやれることをやっていたといえるための行動をとる方が、組織内の行動として -
Posted by ブクログ
良著。読んでて胸が苦しくなるし、色々な案件がフラッシュバックする。
システム部門がなんとかするのだ、専門家の責務だ。と言って上は歩み寄らず理解しようとしないが、システムの重要さは肥大化する一方。肥大化すれば、作っている最中から腐り始める。進歩の早いITシステムではなおさらだ。
銀行以外の巨大システムでは、さまざまな手法が提案され採用され、そして棄てられていく。そのように新陳代謝させられる仕組みを模索し続けれられるシステムと、組織風土は銀行に限らず、システムを中心に据えているどんな企業も必要だろう。これは銀行に限らず、基幹システムを軽視している企業に対する警鐘を鳴らす本である。 -
Posted by ブクログ
金融は情報システム産業といっても過言ではない。
自分自身金融機関に勤めているが、初めの頃は「システムは常に正確に、滞りなく動くもの」と誤認していた。
先日まで新会社立上げ・新規事業立上げを行い、システムの開発・運用を横目に見ながら思ったのは、システムには人の手がかかり、緻密かということ。そして、いくつものシステムが複雑に連動して稼働しているかということ。
みずほFGはシステムに苦心し続けてきた。その末にシステムを全面更改して「MINORI」を開発した。しかし2021年、再び度重なる障害を起こした。
この度重なる障害は、システムの全面更改が失敗したということではない。全面更改したからこそ -
Posted by ブクログ
問題は発注側(政府)が発注側の責任を果たせていないことなのでしょう。何を作るべきかは自分たちで考えるところがおざなりになり、現行プロセスを単に電子化したものにとどまり、そこに加えてセキュリティの観点が加わるとまったくもって使えないシステムの出来上がり。ベンダーは言われたものを作るのでそこに変革はない。改善するのはHow。Whyを政府、自治体、役人があるべき論を外部リソース取り込んで考えて、障壁となる法律や組織を政治の力で考えていかないと、失敗し続けるね。
菅さん、平井さんのラインはそこが推進できそうな雰囲気でしたが、次の岸田さん、牧島さんはこれを進めるとこできるんだろうか。
1も2にも人材なん -
Posted by ブクログ
ネタバレ# 政府・自治体とデジタルの歴史とこれから
## 面白かったところ
- 新型コロナウイルスでによって対策された施策のうち政府のIT戦略はほぼ失敗したが、その原因や傾向などが事実ベースで分析されていたこと。特別給付金の給付が成功した自治体もあれば手こずった自治体も有り、その両者を分かつものが何だったのかや、根本的に問題だったマイナンバーへの提言などがあって面白かった。
- 国や地方自治体がシステムを開発してきた歴史があるが、失敗した理由や事由をもとに近年どのような対策が練られ、法整備のもと実施されている歌がわかること
## 微妙だったところ
連載記事の切り抜き・まとめみたいなものだった