日経コンピュータのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
・みずほ銀行のシステム刷新までの過程と2度のシステム障害の背景について詳細に解説している一冊
・エンジニアとして一応読んでおくかと思い手に取った
・みずほ銀行の新システムがいつまでも完成せずにサクラダファミリアと呼ばれてることは知ってたけど大きいシステム障害を2回起こしてることをまず知らなかった
・金融というお金が密接に関係する業界で大きなシステムを統合するのはさぞ大変だろうと関係者を労いたい
・みずほFGは2度の失敗から学び、システム刷新という大仕事を乗り越えて組織として強くなったんだなと思う
・1度目のシステム障害については3行統合後の内部での争いが結果としてシステム障害に繋がっていて -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半はみずほこんなことやって頑張ったぜ!ドヤ!みたいな内容。生のコードを書けなくして属人化を防ぐ超高速開発ツールなど、なかなかおもろい仕組みを使っていたのが興味深かった。しかし、ツール名が「超高速開発ツール」というのがダサい。
コロナが流行る前からWeb会議を使っていたのは先進的だと思う。(とはいえ、私もIT企業に勤めていて、コロナ前からWeb会議使ってたから、IT企業的には普通なのかしら)
後半がめちゃくちゃ面白かった。2011年と2002年のシステム障害の発生の原因について細かく描写している。仕様書やデータフローがなかったり、合併時のシステム統合の際に役員の中に有識者がいないなどとにかく -
-
-
Posted by ブクログ
日経コンピュータは"みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」"を出版してしまったという黒歴史も踏み台に、120%の検証報告書を見事に作りあげて出してきました。
「マルチベンダーが必ずしも悪いわけではない」とはあるけど、やっぱりマルチベンダーは悪だよね。
でも根本原因は第一勧銀と富士の間で「どっちのシステムが良いか」を現場でベンダーも巻き込んで延々と議論させた挙句に政治的決着で処理した当時の上層部じゃないか?というのが感想。
にしても通帳やカードを飲み込んでも吐き出せない仕様のATMとか英国かよ!?と。 -
Posted by ブクログ
みずほ銀行のコンピュータ障害の事後検証報告書。日経コンピュータの記者が執筆。ふ~ぅ。読みでがあった。なぜみずほ銀行のコンピュータ・システムが何回も障害を起こしたのかの謎をひも解く。読んでみて、みずほ銀行のシステムは他行のシステムとはずいぶんと異色であることが分かった。システムが疎結合でマルチベンダー・システムであることだ。他行はシングル・ベンダーで緊密結合システムが多い。そのため、システムが複雑になり運用でも難しさがある。その運用をみずほ銀行は軽視していたようだ。エラー・ログの抽出検索システムもなく、障害時には生のエラーログを画面で逐一調べていたというのは驚きだった。
-
Posted by ブクログ
昨年幾度もニュースを賑わした、みずほ銀行のシステム障害の事後検証報告をまとめた一冊である。
著者にあたる日経コンピュータは、今回問題が発生したみずほのMINORIシステム稼働直後に開発の経緯をまとめた本を出しているが、そちらは未読。どうやらMINORIシステムの開発過程を高く評価するスタンスだったようで、障害が発生してから手のひら返しかよと批判もあるようだけど、ひとまずそれは脇に置いて、本書に絞った感想を書いてみようと思う。
本家の報告書を読んでいないのであくまで印象だが、基本的には公になってる事実以上の障害の「真因」には直接的に踏み込んでいないように読める。
一応日経コンピュータ編集部の「 -
-
Posted by ブクログ
2019年に満を持してリリースされた新システムが2021年2月からの1年間で計11回のシステム障害を引き起こしてしまったみずほ銀行。その事後検証報告からの学びを目的として書かれた一冊。前著に当たる『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』がプロジェクトの進め方の話が中心だったのに対して本書はかなり技術寄りの内容。非エンジニア職の人にはハードルが高いと思われる。その分エンジニアには多くの学びを提供してくれる。また、後世に残す記録としても重要。冷笑・嘲笑でネタ的に消費するのではなく(みずほ銀行を笑えるITエンジニアは真に優秀か超の付く能天気のどちらかだろう)自身の担当システムで本質的に同じ原因の問
-
Posted by ブクログ
専門用語も多く、システム素人の私には難しいところもあったが、システム障害の全体像・問題点が分かりやすく整理されている。いくらみずほFG・みずほ銀行が対外公表している資料を読み込んでも、理解はできないだろうが、本書のおかげですっきり分かった。
旧3行のシステム駆け引きから、すでに不幸が始まっており、何度も障害を繰り返しながらも抜本的なアクションがとられなかった。唯我独尊で、他のメガバンクや海外の動向から学ぶことはあろうに、忖度や馴れ合いの結果、不確実性を増していったということだろう。
私が一昨年まで暮らしたシンガポールのネットバンクは、UIが良く統一感があり、大変利用しやすい。一方、みずほ銀行( -
Posted by ブクログ
2020年にみずほ銀行システム統合史を上梓した日経コンピュータが、2021年から起こったみずほ銀行のシステムトラブルを整理した一冊。IT業界にみをおくものとしては読んでいて居た堪れなくなってしまうが、前書よりも価値のある一冊と言える。
みずほで起こったトラブルを淡々とインシデント分析を繰り返し、問題の本質に迫ろうとしている。往々にして、みずほのトラブルは三行の体制によるガバナンスの効かなさが生み出したものと語られがちだが(場合によってはドロドロの情念を絡めた読み物として)、情実的な部分を排除してあくまでシステム的観点から分析している。
この書は、みずほのトラブルに学ぶことはもちろん、インシデン -
Posted by ブクログ
みずほ銀行で1年に11回発生したシステム障害の内容、原因と再発防止策がまとまった一冊。冒頭から、読んでいると具合が悪くなる大規模障害の話題で、五千件を超えるカード・通帳がATMに取り込まれていく経緯が緊迫感あふれる様子で描かれる。
直近の大規模システム改修に問題があったというより、運用手順が不明確、組織の連携が遅い、障害レベルを人が判断…など障害発生後の対応が後手に回ったことが障害影響を拡大させたことが分かる。
特に恐ろしかったのが、為替送金の取引遅延障害で、遅延を取り戻すためにAML(資金洗浄防止)システムを省略しても問題ないと最高コンプラ責任者が判断し省略した結果、外為法違反した一件。現場