黒田基樹のレビュー一覧
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戦国時代を、底辺(とよく言われる)の農民の目線で見てみる。「村」という単位で見てみる。
戦国時代は、飢饉の連続の時代だったという。それに加えて(なのか、こっちが鶏なのか?)大きな権力がなかったので、戦争が頻発する。
大河ドラマでは描かないけど、どの大名も、戦争となると、戦場地域を荒らし、農作物を略奪、女性はレイプ。
それどころか、ニンゲンを、その昔の黒人奴隷のように「商品」として拉致して売りさばいている。
北朝鮮の拉致問題どころの騒ぎじゃない(笑)。
というか、そういう、「簒奪」という経済活動だったと言っても良い。
その戦争=紛争をブレイクダウン。細分化してクローズアップしてみると。
結局のと -
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≪目次≫
序章 戦国大名の概念
第1章 戦国大名の家臣団構造
第2章 戦国大名の税制
第3章 戦国大名の流通政策
第4章 戦国大名の行政機構
第5章 戦国大名と国衆
第6章 戦国大名の戦争
終章 戦国大名から近世大名へ
≪内容≫
戦国大名北条氏研究の第一人者による「戦国大名」論。近年の研究成果から、織豊期が特別で、近世の始まりとする史観は「おかしい」として、戦国大名は室町期と江戸期(元和偃武以降)の過渡期の存在であり、近世大名と戦国大名の大きな差は、「平和なのか戦争なのか」が大きいとした。織田信長も豊臣秀吉も基本的には戦国大名であり、北条氏や武田氏などとの差はない。秀吉政 -
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守護と戦国大名の違いは一円的な領国支配をしているか否か。中世と近世の社会をわけるのは自力救済か、より上位の権力に紛争解決権を預け自力救済を凍結するか。織豊大名と戦国大名に質的違いはない。統一政権ができてからの違いは戦争状態の停止によるもの。つまり国衆の家臣化による消滅。ただし、家老として自身の領国支配は続けて行く場合が多い。戦国大名の在り方を規定するのは村の在り方。中世後半は飢饉の時代。常に村は生き残るために紛争をかかえていた。戦国大名は村を持続可能にして治安を維持する代価としての年貢や夫役を徴収した。。国衆も同様に安全の代価として臣従して上納金を納めた。。だから敵の侵攻や飢饉に対応出来ない大
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ネタバレ武田、上杉、北条…数々の群雄が割拠し、しのぎを削った戦国時代。飢饉と戦争で疲弊した百姓は、社会的危機には公然と「世直し」を求めた。生き延びるために、ときに大名の戦争に参加し、また、隣村との境界争いなどにも武具を携えて参集した。いっぽう大名は、百姓に礼を尽くした施策を講じて領国の安定を図った。庶民の視点から乱世期の権力構造と社会システムをとらえなおす。(2006年刊)
プロローグ 代替わりと「世直し」
第1章 飢饉と戦争の時代
第2章 村の仕組みと戦争
第3章 地域国家の展開
第4章 大名と村が向き合う
第5章 戦国大名の構造改革
第6章 大名の裁判と領国の平和
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「『大名主体の社会構造』の下で搾取され蹂躙される『被害者』の百姓」という、一般的なイメージが今更ながら覆される。
村同士の争いに領主を巻き込み、飢饉が起きれば「世直し」としての大名の代替わりを要求…戦乱と飢餓の時代に生きるために戦う、そんな百姓の姿がよくわかっておもしろい。
大名は「支配者」として以上に「社会システムの器官」として存在し、領国支配が大名と百姓の双務契約で成り立っていた、というのは知らなかった。
それにしても、「ここ二十数年におよぶ戦国大名研究の成果の到達点として、また今後における研究の出発点」とまで筆者が言う本が新書で出るってのは、歴史好きにとって幸福だと思う。 -
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[ 内容 ]
武田、上杉、北条…数々の群雄が割拠し、しのぎを削った戦国時代。
飢饉と戦争で疲弊した百姓は、社会的危機には公然と「世直し」を求めた。
生き延びるために、ときに大名の戦争に参加し、また、隣村との境界争いなどにも武具を携えて参集した。
いっぽう大名は、百姓に礼を尽くした施策を講じて領国の安定を図った。
庶民の視点から乱世期の権力構造と社会システムをとらえなおす。
[ 目次 ]
プロローグ 代替わりと「世直し」
第1章 飢饉と戦争の時代
第2章 村の仕組みと戦争
第3章 地域国家の展開
第4章 大名と村が向き合う
第5章 戦国大名の構造改革
第6章 大名の裁判と領国の平和
エピローグ -
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著者は早稲田大学で学んだ日本中世史を専門とする駿河台大学教授。2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の時代考証を担当するため、情報整理と解明を目的として本書を執筆した。
膨大な量の先行研究や同時代史料を俯瞰して執筆している事がよく分かる。そのため、『誰?』と思える人物名が頻出した。新しく知る人物もたくさんいた。特に、“秀吉の血縁者”の配偶者やその親族まで出て来ると、複雑さは増大した。また、本人の通称が確定できない場合は法号(戒名)で記述している。なかなかハードルが高い。
そして、読み終わったその後に感じることは『やっぱりわかんないことだらけなんだなぁ』という当たり前の感想である。
現代の -
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北条五代のうち北条氏康の時代は、それなりの史料があることから領国支配の在り様がかなりの程度判明してきているらしい。
本書は、「氏康・氏政を支えた一門・家老に焦点をあてて、北条家の政治・軍事動向における、大名執行部にみられた人員構成とその変遷状況を述べてきたものである」(あとがき)。
扇谷・山内両上杉家の打倒、今川、武田、上杉、里見氏等と広域的に争った時代であり、各地の国衆の敵、味方が目まぐるしく変わるのが、いかにもこの時代らしい。
本書は一般書として著されたものなので、史料から判明したことが平易な文章で解かれているし、関係の系図も付されるなど工夫はされている。ただほとんど知らない人名 -
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<目次>
はじめに
第1章 国衆とは何か
第2章 国衆の成立と構造
第3章 北条氏と「他国衆」
第4章 上杉謙信と国衆
第5章 上野の横瀬・由良家
第6章 信濃・上野の真田家
第7章 戦国大名になった国衆たち
<内容>
一般には戦国大名と位置付けられているだろう、一国までいかないが、多くに地域を直接統治し、近くの戦国大名に仕えている(軍役など課されている)存在を「国衆」と呼ぶ。その事例を第3章以降、丁寧にまとめた論文系の新書。戦国期は必ずしも文献の残りは良くなく、でも学者は地道にまとめているようだ。かつてのように、「一土豪」となっていた感じから、領主的な顔の多くを紹介されている