黒田基樹のレビュー一覧

  • 戦国大名・北条氏直

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    北条氏について誤解していたことの多かったことを痛感した。1590年の小田原落城後に氏直は秀吉に赦免され、領地も与えられたこと。彼が若くして死亡した後は、叔父・氏規の子孫がその領地を受け継いでいったことなど。これまでは北条氏は全く孤高の存在として世の動きに取り残されたため、全く滅亡してしまった戦国大名と理解していた。氏政の時代から信長と結ぼうとしたこと、氏直が家康の娘婿となり、秀吉と対抗しようとしたこと、その後は秀吉の妹婿家康との繋がりから豊臣家に繋がろうとしていたが、偶発的に秀吉の怒りを招いて小田原攻めが行われたことなど。優秀な北条一族その配下の人たちが滅亡後も多くの大名たちに仕えることになっ

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    2021年10月14日
  • 下剋上

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     後北条氏の研究などで近年の戦国時代研究を活性化してきた著者が、戦国時代と言えば皆がイメージする「下剋上」をテーマとした一般書。

     一般読者が思い描く下剋上は、江戸時代の軍記物語などで形作られたものも多く、比較的近年の研究によって史料に基づいた史実の確定が出来てきているようである。そう言った意味で、最新の研究成果に基づいて著された一般書というのは大変ありがたい。

     本書で取り上げられているのは、まずは、享徳の乱で名前が知られてきた長尾景春から始まって、伊勢宗瑞(北条早雲)、朝倉孝景と尼子経久、長尾為景・景虎の父子二代、斎藤道三、陶晴賢、三好長慶、織田信長、そして信長死去後の秀吉・家康の天下

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    2021年06月21日
  • 戦国大名

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    歴史学者が戦国大名、主に後北条氏の統治体系について記した一冊。

    後北条氏に偏るのはともかくとして、やや学術的で難しく感じた。

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    2021年01月24日
  • 戦国大名・伊勢宗瑞

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    小田原北条氏の初代伊勢宗瑞の一代記。戦国大名として著名だが、あまり知られていない生涯を、実証的に記述している。

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    2020年03月27日
  • 今川氏親と伊勢宗瑞

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    今川家の親族的な立場で活動していた伊勢宗瑞が、どういう経緯で今川と別れていくのか、という点が気になっていたが、その一定の結論が「みんな忙しかったから」というのはなんというか面白い。

    歴史の真実がいつも緻密に計算されたダイナミックなものだと考えるのはすべてを俯瞰する後世の人間が想像を膨らませているだけで、リアルな理由なんて実は大したことない、ってことのほうが多いんだよなぁ。

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    2019年07月25日
  • 関東戦国史 北条VS上杉55年戦争の真実

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    北条氏と「上杉」氏の55年史を、戦国大名と国衆たちの文書を読み解きながら描いていく。平板な記述が繰り返され退屈な部分もあるが、面白かったのは、甲相駿三国同盟の14年間だ。

    当時、三国は武田晴信、今川義元、北条氏康の下で、広域の戦国大名へと成長する過程にあった。侵攻方向を定めてその後背を固めるのが常道とすれば、この3人にとって答えは明らかだったのだろう。武田は北の信濃へ、今川は西の三河へ、北条は北関東や東関東へと領土拡大を進め、やがて北方の「上杉」謙信が共通の敵として現れてくる。

    これは国際関係論的に言えば、信義や共通の価値観に基づく同盟ではなく、打算による攻守同盟である。よって、利害関係が

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    2017年02月26日
  • 真田信之 真田家を継いだ男の半生

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     真田信之の単独での評伝はおそらく本書が史上初であろう。父の昌幸と弟の信繁の名声に比して「地味」な扱いをされがちだが、近世大名としての治績でははるかに優れていたことがわかる。中近世移行期、幕藩体制初期の農政・民政の実状(たとえば生産力確保のために身売り百姓の債務を肩代わりすることさえあった)、「兵農分離」の実態(たとえば関ヶ原や大坂の陣の時点でも軍役人員を確保するため百姓の臨時被官化が行われていた)を知る上で有益であった。50代以降の後半生(信之は93歳まで生きている)が全く手つかずだが、今後の課題であろう。

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    2016年10月14日
  • 真田昌幸 徳川、北条、上杉、羽柴と渡り合い大名にのぼりつめた戦略の全貌

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    武田氏滅亡から小田原合戦までの真田氏の動きを史料で検証する。
    昌幸は、北条、上杉、徳川間を裏切りを伴いつつ立ち回ったわけだけど、この時代の小領主は皆んな同じだった。真田家が生き残ったので(嫡男;信之のおかげだ)、資料が散逸せず真田氏の活躍が注目されやすいのだろう。
    タイトルでは戦略の全貌としてるけど、昌幸の行動につき、時代を読んでのものではなくその場しのぎの出たとこ勝負でしかないとする著者の意見に、とっても同意。

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    2016年10月01日
  • 真田昌幸 徳川、北条、上杉、羽柴と渡り合い大名にのぼりつめた戦略の全貌

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    大河ドラマ「真田丸」の時代考証者が書き下ろす知恵者の戦国サバイバル。北は上杉、南は徳川、東は北条に囲まれた、戦国の草刈り場・信濃の国衆から、主君を次々と乗り換えて、ついに豊臣大名にまでのしあがった昌幸の調略。(2015年刊)
    ・はじめに
    ・第一章 「国衆」から「大名」へ
    ・第二章 真田昌幸の沼田領経略
    ・第三章 天正壬午の乱における真田昌幸
    ・第四章 秀吉・家康の対立のなかの真田昌幸
    ・第五章 秀吉への従属と「沼田領問題」の展開
    ・第六章 「沼田領問題」の帰結と小田原合戦
    ・終  章 豊臣大名となった真田氏
    ・参考文献
    ・おわりに
    ・巻末付録 真田氏発給文書

    平山先生の真田が、信濃からみた真

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    2016年01月02日
  • 百姓から見た戦国大名

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    小田原北条氏の統治が結構進んでいたのか。◆◆室町時代から、知行地を封されても、実力で知行しなければならなかったとか。そういう意味で、信長がまだ分捕っていない国の知行を与えるというのは、別に非情というものではない。これは初めて知った。

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    2020年07月27日
  • 戦国大名

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    戦国大名と言えば…
    メジャーなところで武田信玄に、上杉謙信に…
    今川義元や毛利元就や北条早雲などなど…
    もちろん織田信長やあとを継いだ豊臣秀吉、徳川家康などもいる…

    教科書で名前を目にしたり、歴史小説やテレビなどで、誰が何をどうした、誰と誰が戦った、勝った負けた、というのは知っている人も多いはず…
    武田信玄や豊臣秀吉や徳川家康などいろんな武将のエピソードも知っているぜ、って方も多いかと…

    しかし…
    その実態を…
    例えば、家臣団がどういうように構成されていたのか、とか…
    どのような行政機構だったのか…
    どのように戦争を行っていたのか…
    どういう税を課していたのか…
    どういう流通政策をとってい

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    2014年02月18日
  • 百姓から見た戦国大名

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    飢餓に常にさらされる戦国時代、国としての領国から豊臣秀吉による国家権力の成立まで。非常にクリアに語られる。これは「どのように中世は終わったのか」の解説本でもある。

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    2011年10月14日
  • あらすじで読む「信長公記」 一級史料に記された織田信長の合戦・城・道楽

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    固定レイアウトで最悪

    本書の内容は信長公記をざっくり読めて良い、入門書的な。

    最悪なのは“固定レイアウト”画像の集まりで、単語選択できない事。
    その為、Webで追加検索できず、利便性が皆無である。
    そして作品内容紹介に、その旨の記載が無い。

    Booklive! の実用書、”固定レイアウト“の書籍には普通注意書きがあるのだが。
    紙の本を買えば良かったと後悔している。

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    2019年11月11日