黒田基樹のレビュー一覧

  • 国衆

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    時代に関する背景知識がある程度あるので、国衆の捉え方や一円支配の実例が乗っていて理解がしっかり深まった。
    北条家を具体例にした取次との関係のあり方と、由良家と真田家を例にとった国衆として拡大していく過程が特に興味深い。


    個人のわがままで言うなら、上杉家とあったので越後の国衆に踏み込んでほしかった…けど勝手な期待なのと、資料面等で難しいんだろうとはそうぞうする。

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    2022年10月09日
  • 真田信之 真田家を継いだ男の半生

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    近世真田家を築いた生涯のうち、主に関ヶ原から大坂の陣を経て本拠を上田に移すまでの半生を追う内容。政治的な事跡と並行し、領国統治に苦心する姿や、政権や身内との交流なども詳しく紹介されていて、社会の転換期に対応する為の苦労が偲ばれる。

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    2022年07月16日
  • 戦国大名・北条氏直

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    小田原北条氏最後の当主、氏直の評伝。小田原合戦までの叙述は同著者の「北条氏政」の内容と多く被る。独自の動向としては滅亡後のものとなり、本来予定されていたと思われる政治的復活や、遺領を継いだ狭山北条氏成立の過程が興味深い。

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    2022年07月10日
  • 下剋上

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    戦国時代において主要な下剋上と見なされる事例を取り上げ、その経緯や背景をたどることで実像を示そうという一冊。失敗事例も含めて検討されており、戦国時代を特徴づける一つの社会動向を理解する入り口になる内容。

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    2022年06月15日
  • 国衆

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    戦国時代に誕生した、領国を独自に統治する領域国家、国衆。
    その存在の成立と戦国大名との関係、動向とその後について、
    詳細に解説する。
    はじめにー戦国を特徴付けた国衆という存在
    第一章 国衆とは何か     第二章 国衆の成立と構造
    第三章 北条家の「他国衆」  第四章 上杉謙信と国衆
    第五章 上野の横瀬・由良家  第六章 信濃・上野の真田家
    第七章 戦国大名になった国衆
    おわりにー戦国の終焉と国衆の行方
    主要参考文献有り。
    戦国大名の領域内部にいたのは、大名家の一族にあたる一門、
    家中構成員にあたる家臣。そして外様にあたる国衆の存在。
    乏しい史料からの研究と考察が主体で、
    難解な文章ではあるけ

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    2022年06月05日
  • 北条氏康の妻 瑞渓院

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    ↑万人にとって4ではないと思う。
    個人的に戦国女性史を趣味で勉強してるので、やっぱり面白いなぁということで4。

    しかし戦国が好きだと言いながらも北条家は詳しくなく、上杉景勝と跡取り争いになった信虎が北条氏康の子どもだったことや、本主人公の瑞渓院が北条攻めで自害していたことなどは全く知らなかった。まだまだ勉強不足を痛感。
    いやそれにしても、史料にすらなかなか残らない人たちにも人生があって、これだから戦国女性史は面白いんだよなぁと改めて思ってしまいました。
    瑞渓院、早川殿、黄梅院、勝頼妻辺りで2時間ドラマくらい作れそうだけども。

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    2022年01月03日
  • 今川のおんな家長 寿桂尼

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    ネタバレ

    寿桂尼、大河で女大名直虎の時はあまり知らなかった
    本書の「おんな家長」とは男性家長との対比で家妻と
    言う意味(家の主婦権)と別に代行の意味で「おんな
    家長」と称する
    寿桂尼の役割は、当主(=息子)の妾を含む「奥」の
    統括、子供たちの処遇の差配、台所の管轄、近親一族
    の菩提の弔い、他大名との外交での内意の伝達
    但し、家長としての決裁も男性家長が保証するまでの
    一時的なツナギという制限があるようと著者は言う

    この数年で歴史の中の女性が主役を務めるのが当たり
    前という感覚になってきたので、本書ではまだガラス
    の天井があると知り新鮮だった
    奈良・平安時代で女子が政府高官でもあると分かった
    時の驚きに

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    2021年11月21日
  • 下剋上

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    下克上といえば、社会の変革を牽引した最大の要因と思っていたけど、それでも「身分制社会の枠組み内にあった」というのは新鮮だった。
    下克上を狙う人間も、上の地位を利用しようとしていたし、上の地位に就かなければ、社会を統べることはできなかったわけだ。当然ながら地位と身分は不可分の関係だったのだから。
    身分まで考えると、レールがあったとは言え、最大の下克上は豊臣秀吉ってことになるよなぁ。

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    2021年10月02日
  • 戦国大名・北条氏直

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    戦国北条氏5代目の伝記、小田原合戦で父の氏政は切腹したものの氏直は、徳川家康の娘との婚姻関係のおかげで高野山への追放後取り立てられた(がすぐ30歳で病死)。北条氏は、関東統一を目指すが、今川、武田、上杉家などとやりあっているうちに織田が台頭、これには従うが本能寺で一旦離脱し羽柴秀吉とはうまく結べず、家康を通じてしか交渉できなくて、最終的に敵対に至る。

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    2021年09月01日
  • 今川のおんな家長 寿桂尼

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    我が子をふたり失いながらも、今川家を支えた寿桂尼。京都のお公家さま中御門家の娘さんと知り、更に驚きました。

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    2021年05月14日
  • 戦国大名・伊勢宗瑞

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    伊勢宗瑞(いわゆる北条早雲)の評伝。その生涯を追うと共に、家臣団の形成過程や、領域支配の経緯なども研究成果を元に詳述されている。今川家との関わりの深さや、伊豆・相模経略の経緯、伊豆諸島支配の展開など興味深い点が多かった。

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    2020年11月04日
  • 戦国大名・伊勢宗瑞

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    北条氏研究の第一人者による北条早雲=伊勢宗瑞の評伝。
    第一章 伊勢宗瑞の登場    第二章 伊豆経略の展開 
    第三章 伊豆国主となる    第四章 相模への進出
    第五章 両上杉家への敵対へ  第六章 相模の領国化
    第七章 政治改革の推進
    主要参考文献有り。関連年表有り。
    家系図、地図、古文書の画像等、適宜有り。
    応仁の乱の余韻を残す室町幕府にいた、伊勢宗瑞が駿河今川家の
    一員となり、後見役として働いた後、領国を持つ領主へ、
    更に伊豆国主、そして相模も領国化して大名となるまでの評伝。
    数少ない史料、発給文書や書簡、本(後世のものも)を
    整理・整合し、推測して詳細に説明しています。
    幕府直臣の立場

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    2020年01月13日
  • 戦国大名・伊勢宗瑞

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     小田原北条家の始祖となる北条早雲の物語である。戦国の幕開けともなる時代で限られた資料のなかでとてもわかりやすくストーリーが構成されています。
    伊勢宗瑞が今川氏親の後見人として今川家を盛り立て、伊豆一国を納めたあとに相模の西部の小田原城の大森家を倒して相模の国を領国として成り上がっていく戦国時代の魁とされる。
    ここでの重要な役者としての扇谷上杉・山内上杉と古河公方、堀越公方との関係は複雑であり、それだけ戦国時代の人間関係、領域権力問題など悩める要素がたくさんある。 そしてその納めた領土をどのように支配、運営していくかなども斬新であり興味深かったし、実はかなりの倹約家であるとは意外であった。 こ

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    2019年12月14日
  • 戦国大名・伊勢宗瑞

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    最初期の戦国大名・北条早雲こと伊勢宗瑞がいかにして伊豆・相模二か国の大名となっていったかを数少ない史料(だが”初代”にしては残存しているほう)をもとに詳細に解説。今川氏に嫁した姉・北川殿の生んだ今川氏親を盛り立てるため関東に下向した宗瑞が、今川家の名代として遠江方面に活動しながらも東の両上杉家と角逐していった結果、配下に加えて行った地元の国衆を越えて村落の言い分を聞く新たな支配体制を確立する独立した勢力となった。

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    2019年11月19日
  • 百姓から見た戦国大名

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    前半が深刻な飢饉を背景として、戦争や戦争中の略奪が頻発する話。後半は検地、裁判、楽市など大名が領国経営を発展させていく話が北条氏におもに注目して論じられている。
    著者は明言してないが、深刻な飢饉・戦争が経営ノウハウを発展させる土壌になったということだろうか。「では、なぜそれができたのか」ということがさらに気になった。

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    2019年05月16日
  • 井伊直虎の真実

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    少ないながらも徳政に関する当時の一次史料を網羅的に読み込んでいて、これだけでもだいぶ井伊家と領内での出来事や雰囲気がわかり、期待していたより面白かった。通説や一般的なイメージとはだいぶ違う視点を得られて、読んでよかった。

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    2017年07月05日
  • 百姓から見た戦国大名

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    戦国の百姓ってなるほど、戦争と背中わせだったのねと。そういう世の中を終わらせたのが信長から家康に至る三傑の偉大さであり、かつ自由をも奪ったのがわかる。

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    2017年05月22日
  • 真田信之 真田家を継いだ男の半生

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    真田藩祖となった信之の関ヶ原以降、大坂の陣までの事績を発給文書をもとに紹介。
    関ヶ原後に父の所領をスムーズに継承したり、遠慮して改めたという信幸の名前を一時期復活させたりと、幕府とは上手くいっていた印象を受けた。病気で江戸から動けない信之と国許で政治にがんばる某家老のやりとりが面白い。

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    2016年06月24日
  • 戦国大名

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    近年の戦国大名論をまとめた良書。文書がよく残存している北条氏の事例を中心に、戦国大名家の活動(外交・政治・戦争)と統治体制について細かく記述している。新書としてはかなり専門的であり、一般の戦国ファンが読むのはちょっとキツいかも。

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    2016年04月24日
  • 真田信之 真田家を継いだ男の半生

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    真田信之の存在は、大坂の陣で華々しい活躍をした弟・信繁の存在の影に隠れがちであった。信繁の驚異的な奮闘は真田一族の名声を高めたが、それは江戸時代に真田家の正統が存在していたからこそであった。戦いから平和への時代転換のなかで、信之はいかにして真田家の存続を図ったのか。政治的な動向と領国支配の実態を明らかにしつつ、沼田城から上田城に本拠地を移すまでの半生を、史料に基づき丹念に追いかける。(2016年)
    ・はしがき
    ・第一章 関ヶ原合戦までの信之
    ・第二章 徳川政権との関係
    ・第三章 領国と家臣団の再編成
    ・第四章 親しき人々との交流と別れ
    ・第五章 領国支配の再編成
    ・第六章 大坂の陣における信之

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    2016年04月16日