黒田基樹のレビュー一覧
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戦国時代に誕生した、領国を独自に統治する領域国家、国衆。
その存在の成立と戦国大名との関係、動向とその後について、
詳細に解説する。
はじめにー戦国を特徴付けた国衆という存在
第一章 国衆とは何か 第二章 国衆の成立と構造
第三章 北条家の「他国衆」 第四章 上杉謙信と国衆
第五章 上野の横瀬・由良家 第六章 信濃・上野の真田家
第七章 戦国大名になった国衆
おわりにー戦国の終焉と国衆の行方
主要参考文献有り。
戦国大名の領域内部にいたのは、大名家の一族にあたる一門、
家中構成員にあたる家臣。そして外様にあたる国衆の存在。
乏しい史料からの研究と考察が主体で、
難解な文章ではあるけ -
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ネタバレ寿桂尼、大河で女大名直虎の時はあまり知らなかった
本書の「おんな家長」とは男性家長との対比で家妻と
言う意味(家の主婦権)と別に代行の意味で「おんな
家長」と称する
寿桂尼の役割は、当主(=息子)の妾を含む「奥」の
統括、子供たちの処遇の差配、台所の管轄、近親一族
の菩提の弔い、他大名との外交での内意の伝達
但し、家長としての決裁も男性家長が保証するまでの
一時的なツナギという制限があるようと著者は言う
この数年で歴史の中の女性が主役を務めるのが当たり
前という感覚になってきたので、本書ではまだガラス
の天井があると知り新鮮だった
奈良・平安時代で女子が政府高官でもあると分かった
時の驚きに -
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北条氏研究の第一人者による北条早雲=伊勢宗瑞の評伝。
第一章 伊勢宗瑞の登場 第二章 伊豆経略の展開
第三章 伊豆国主となる 第四章 相模への進出
第五章 両上杉家への敵対へ 第六章 相模の領国化
第七章 政治改革の推進
主要参考文献有り。関連年表有り。
家系図、地図、古文書の画像等、適宜有り。
応仁の乱の余韻を残す室町幕府にいた、伊勢宗瑞が駿河今川家の
一員となり、後見役として働いた後、領国を持つ領主へ、
更に伊豆国主、そして相模も領国化して大名となるまでの評伝。
数少ない史料、発給文書や書簡、本(後世のものも)を
整理・整合し、推測して詳細に説明しています。
幕府直臣の立場 -
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小田原北条家の始祖となる北条早雲の物語である。戦国の幕開けともなる時代で限られた資料のなかでとてもわかりやすくストーリーが構成されています。
伊勢宗瑞が今川氏親の後見人として今川家を盛り立て、伊豆一国を納めたあとに相模の西部の小田原城の大森家を倒して相模の国を領国として成り上がっていく戦国時代の魁とされる。
ここでの重要な役者としての扇谷上杉・山内上杉と古河公方、堀越公方との関係は複雑であり、それだけ戦国時代の人間関係、領域権力問題など悩める要素がたくさんある。 そしてその納めた領土をどのように支配、運営していくかなども斬新であり興味深かったし、実はかなりの倹約家であるとは意外であった。 こ -
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真田信之の存在は、大坂の陣で華々しい活躍をした弟・信繁の存在の影に隠れがちであった。信繁の驚異的な奮闘は真田一族の名声を高めたが、それは江戸時代に真田家の正統が存在していたからこそであった。戦いから平和への時代転換のなかで、信之はいかにして真田家の存続を図ったのか。政治的な動向と領国支配の実態を明らかにしつつ、沼田城から上田城に本拠地を移すまでの半生を、史料に基づき丹念に追いかける。(2016年)
・はしがき
・第一章 関ヶ原合戦までの信之
・第二章 徳川政権との関係
・第三章 領国と家臣団の再編成
・第四章 親しき人々との交流と別れ
・第五章 領国支配の再編成
・第六章 大坂の陣における信之