小野一光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレフィクションのエンタメもや純文学も好きなんだけど、
ノンフィクションも好きなんだよね。
東電OLや婚活殺人、
オンナが起こした事件が、あたしは特に気になるのだ。
「ホラー小説も逃げ出すくらいの気味の悪い本だった!」と
百田尚樹が帯によせているが、まさにその通り。
鬼畜の所業としか思えない。
何十年も平和に生きて暮らしてきた家族が
あっという間に他者に破壊され、駆逐され、
乗っ取られていく。
小説でもこんな陰惨な話なかったことだろう。
つまり、本来の情を持つ人間には
思いもよらない恐ろしいことばかり。
婚姻や養子縁組で縁戚関係になっている人たちとの
トラブルは
『民事不介入』といって警察は助けてくれないそうだ。。。
恐ろしい。。。
恐ろしすぎて結婚なんてできない。。
惚れた相手すらほんとうに正しい人間かもわからないのに
その遠縁すべてをたどって全員が
まっしろな人間だって言い切れる?
だってここに出てきてこなごなにされた人々は、
あたしのように毎日、
めんどくさいなあと思いながらも会社に行って、働いて、
そんな人々のはずだ。
やっぱり他人と関わるのはコワいわあ・・・ -
Posted by ブクログ
主犯の美代子は子供の頃からネグレクトの中で育った。
現在服役中の実弟も、彼女と同じく非常に暴力的なことから、
おそらく暴力は日常的だったのだろう。
誰にも愛されない孤独な寂しさと不条理な暴力が、人間形成に大きく作用し、
負の感情だけがとてつもなく増殖してしまったようだ。
乗り込んだ家の子供を引き取る際、
不当な暴力に立ち向かえない情けない親の姿を見せつけ、
親への失望を子供の心に植え付け、互いに殴り合いを命じる。
このやり口は、子供の頃自分が感じた辛さを同じように体感させることで、
自分の気持ちを誰かに解って欲しかったのではないか?
そして優しさを装い手なずけて、ファミリーに加えた後は絶対的な忠誠を求めた。
彼女をよく知る人は口を揃えて、「本当は寂しがりや」だと言うそうだ。
留置場で同房だった30代の女性には、気持ち悪いほど甘えたらしい。
これは勝手な推測であり、もとより弁護する気など毛頭ないが、
美代子の心に空いた底なしの穴のような寂寥と、家族に対する狂おしいほどの渇望が、
この事件の根源ではないだろうか。
自殺という卑怯な手段で全てから逃げたことが、
弱く憐れな本当の彼女を物語っているように思った。 -
購入済み
かなしい事件
お金と暴力によって、多くの一族を崩壊させ、命が失われた。これは日本人の家族や一族への強い連帯感(悪くいえば世間体)をうまく利用したほんとうに可哀想な事件だった。
もちろん警察がどこまで介入できるか?という問題もあるが、悲しい事件としかいいようがない。
ただ、おな助ような境遇の人がまだいるのではという締めくくりに社会の歪みを感じずにはいられない。 -
Posted by ブクログ
一般人が事件のその後を知る機会はないので、死刑囚への面会、その周りの関係人物に話を聞いたノンフィクションは興味深かった。
あとがきを読んでハッとしたが、
『人は誰でも人を殺してしまう可能性はあるが、複数を、大量に一人ずつ人を殺すことができる人(=連続殺人犯と)は、ある種の条件が揃った人だけだろう』という内容があり、確かに怨恨で1人殺めるのと、無差別に何人も殺め続けらるのとは違うだろうなと思った。
筆者も殺人犯には何か共通性があって事件を起こしたのではないか?という疑問から様々な死刑囚に会っていたようだけど、結局"共通性"というのは見つけられなかったという。
個人的には、自己中心的な考え方が強い人や、出会った人の影響を受けやすい人が事件に関係しているなと感じた。 -
Posted by ブクログ
小説「家族」を読んで気分が悪くなったにも関わらず、実際の事件を下敷きにしていると知り、「毒をくらわば皿まで」で着手。
※読んだのは単行本の旧版です
地縁がない土地で足で情報を稼ぐ筆者。
ずるずると悪意が明るみになる中で、なにかを声高に主張するではないけれど、事実と思われることを淡々と綴っている。
被害者に思いが至らなかったと内省するところなど、真摯に向き合っていることが感じ取れる。
ノンフィクションというものは、あくまで誰かのフィルターを通して届いてきており、この筆者の作品は読みやすいと感じました。
事件については怖すぎて論外です。小説が思ってた以上に事件そのままでほんとだったんだ、、と実話怪談を読んだような心持ち。ただただ、こういう人と出会いたくないと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むまでに、こんなに時間がかかった本は多分、ないと思う。半年くらい、積読状態の本だった。一気に読んでしまう。
この事件は多くの人が覚えていると思う。SNSの危険性をこれでもか、というくらい詰め込んだ事件だった。被害者や遺族の無念は計り知れない。
しかし被害者自身が、この犯人に会いに行ったことで、承諾殺人なのではないか、という議論が起こり、弁護人もその方向で弁護をしている。そしてそれは犯人の意志ではないという。
「金銭と性的欲求のため」と徹頭徹尾、犯人は犯行の動機を話していた。
金銭が長く搾り取れそうだったら、生かしてヒモになろうと思ったが、それが出来なさそうだと、レイプして今持っている所持金を奪うという。別に心神耗弱でもなく、発達障害でもなく、IQが低いというわけでもない。心理的外傷があったということも見つかっておらず、両親は離婚していたが特段犯行に繋がるようなことが起こった訳でもない。
売春のスカウト行為で逮捕されたのが、きっかけなのか、分からないが、「楽して生活したい」という、もうどうしようもない動機で事件に手を染めたようだ。
唯一の男性被害者は最初の被害者とカップルだった、と聞いたことがあったが、この本ではそうではなく、自殺を考える仲間?みたいな感じだったように思う。
また解体シーンを見ているのに、殺されなかった女性がいた。その方は何故、通報しなかったのだろうか、疑問に思うが、通報しても信じてもらえないような気がしたんじゃないかなと、勝手に思ってしまった。
事件の全容は解明されたと思うけれど、本人の言ったようなことが動機だったのなら、その事件の大きさから、納得できない人々が多数いると思う。私もその一人だ。え、こんなに人を殺して解体してゴミとして遺棄しているのに、自分の性欲解消と金銭目的だけだったの?他に何か理由があるんじゃないの?と思ってしまう。けれど、実際に犯人が語ったこと以上のものは出てこないだろうし、もう刑は執行されているから新たな心境が語られることもない。
人が人を殺すのは、そんなに特別な感情が必要なものではなく、ただなんとなく、で殺してしまう場合もあるのではないだろうか、そんなことを考えた。 -
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日本の犯罪史上、最も凄惨だとさえ言われている本事件。そのあまりの凄惨さに、報道すら控えられていたとも言われている。
別の書籍で以前、事件概要を読んだことがあり、その比類ない悍ましさに戦慄をおぼえていたのだが、何かの本を読んでいたときに本書に言及があったのをきっかけに読んでみた。
別の書籍で読んだような、吐き気を催すような陰惨な描写は少ないとはいえ、やはりそもそもがそういう事件なので、そこは避けて通れない。それでも、事件の中身そのもの以上に、丁寧に周辺事情や人物を取材して書き記してくれているので、事件に纏わる様々な背景や事情、被害者や犯人らの人物像がよく伝わってきて、別書籍で読んだ時ほど怖気はなかった。まあ、ある程度知ってはいたからかもしれないけど。
それにしても、主犯の松永はどこまでも恐ろしい人間だなと。おそらく人格障害なのだと思うが、そういう人物に、天性の詐欺師というか、人心掌握の才能が備わったとき、それがなんと恐ろしい結果をもたらすものなのかと。終盤で言及があったが、オウムの麻原彰晃を思わせるような、弱みにつけ込み言葉巧みに人を操り、自分の思い通りの行動をさせ、いざそれがバレた時にはあいつらが勝手にやったと臆面もなく言ってのけるという非道さ。
たぶんまだ死刑執行はされていないのだと思うけれど、はなから死刑は嫌だ、助けてと訴え、最後の最後まで、自分はやってない、無罪だ、と主張していたというのだから、もはや憤りを通り越して呆れる他ない。
7人もの被害者が亡くなり、何人もの人に心に深い傷を負わせたという痛ましい事件。
生き残った人々が、せめて少しでもその傷を癒やし、少しでも幸せに生きていけるよう願うばかりだ。 -
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葉真中顕さんの『家族』を読み本作へ。
『家族喰い』を先に読んでいたら
角田ファミリーを始め多くの人名に混乱したと思う。
家系図に書かれている(死亡)の表記が悲しい。
角田美代子は周到に計画を練り実行に移った。
罪の無い多くの人が財産と家族を奪われ
人生を狂わされた。
苦しみの中で助けを求める声。
それは警察により消されてしまった。
挙げ句の果て美代子を死なせてしまう失態。
悔しさが悲しさが痛いほど伝わってくる。
この事件は、ドラマでもなく実際に起こったこと。
葉真中顕さんの『家族』
小野一光さんの『家族喰い』
2冊を読み終え、複雑な思いでいる。
身内に手を挙げざる得なかった人たち。
残された遺族のその後が穏やかでありますように。
そう願わずにいられない。 -
Posted by ブクログ
葉真中顕さんの「家族」を読んで、実際の事件の詳細を知りたくなり手に取る。
小説の方の人物相関図だけでも把握するのに難儀したけれど、実際の「角田ファミリー」なるものの方が何倍も複雑で軌道を逸していることがわかる。
怪物・角田美代子が作り上げた「家族」。そのほとんどが血縁関係になく、彼女の都合で作り上げられた虚構の繋がり。その中で繰り返された恫喝と暴力と殺人の数々。事実は小説より何倍も恐ろしかった。
唯一の救いは、美代子によってマインドコントロールされ加害者側に立っていた者たちが、少しずつでもその支配から目覚めて、自分たちの罪を認め、反省と悔恨の情を示していること。
この新版文庫本には「家族」のその後が補筆されている。そこに描かれた父と娘のやりとりは切ないが、未来へのほんの少しの光が見えるのが救い。
それにしても、「民事不介入」
を理由に手を差し伸べなかった警察の総括はどうなったんだろうと疑問。今、同じような事件が起こったとしたら、少しは改善された行動をとってくれるのだろうか…。 -
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日本を震撼させた座間9人殺害事件。その犯人である白石隆浩死刑囚の人格に迫る面談と裁判の記録。事件の詳細が明らかになると、あまりの凄惨さゆえに一気に報道されなくなったため、事件の真相を知る良い資料である。
印象的なのは理路整然と語る能力や著しい行動力を持ちながら、死刑に対して「もの凄く痛そう」とか表層的で刹那的な感想しか持ちえず、死刑宣告に対してあっさり淡々と受け入れる様は我々とは別の生き物と捉えざるを得ず、うすら寒い印象を受ける。
利己的で全て他人事な白石死刑囚のサイコパス具合と、残虐な手口の生々しさは伝わるものの、事件の深層まで掘り下げているかというとやや弱い。この本によって世に問う何かには欠ける。 -
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ネタバレ職場の人に「はい!」と渡された本。今回はなかなかきつかったー。
まず,渡された時のビジュね。分厚い!!鈍器かなと思った。年表入れると575ページ。
北九州監禁連続殺人事件って、なんとなくそんな事件あった気がするなーって感じだった。内容はあんまり覚えてなかった。
報道も少なかったのでは?って思ってたんだけど、あまりにも凄惨な事件すぎて報道規制がかかってたとか。
昨今,報道の自由がどうちゃやいうのに、報道規制に甘んじれるってどうよ?って思ったら、これはマジで朝の情報番組や夕方アニメの後にニュースで迂闊に流せられないヤツだった。かろうじて,深夜だな。
17歳の少女が監禁?(この場合軟禁かな?)から逃げ出したことで発覚した、最狂な事件。
松永太と緒方純子が監禁し、凄惨な虐待ののち少なくとも7人を殺した。17歳少女と、もう一人は逃げた(PTSDに現在も苦しんでいる)。そして、おそらく、自殺者も。
逃げた少女の父も、体に通電され、食べ物や排泄を制限、風呂場で寝起き,昼間は立ちっぱなし、ご飯の時間も決められて・・で,衰弱ののち、電気ショックで死亡。その遺体を隠すために解体して煮込んで、排水に流したり、数箇所の公衆トイレにながしたり、フェリーに乗って海に投げたり。
その後、緒方の家族、父,母、妹、妹の夫、妹の子どもたちを互いに殺させ、同じ様に解体,煮込んで遺棄させる。もうそれは凄惨すぎる。
しかも、だんだん減っていく家族。虐待により感覚は麻痺し、正常な精神でなくなり、松永に言われたことをやらなくては通電(体に電流を流される)されるとなると、家族であろうとも殺らねばならなくなるし、遺体を解体しなくてはいけないと洗脳されていく。
生きてる方がしんどい。
10歳と5歳の子どもが亡くなるのはほんとにしんどい。最後が10歳の女の子。小学生3.4年。もう自分達の異常さもわかるし、自分が親や弟を殺した(加担した)ことも分かる。そこで自ら諦めて死んでいくのは地獄すぎる。
最終,松永は死刑、緒方は無期懲役となったのだけど、それが最良だったのかわからない。
死刑宣告され20年経った今も、松永は生きている。
栄養のあるご飯を食べて、お布団で清潔な部屋で,誰にも脅されることなく生きている。
子どもたちは5年、10年しか生きられなかったのに。
最終,死刑が執行されたとしても、おそらくさくっと絞首刑。
彼が殺した7人はそんな簡単じゃなかった。何日も何日もかけて、拷問ともいえる状態で、日中は立たされて、トイレも満足に使えず、まともなご飯も食べられず、お風呂場で数枚の新聞紙だけで寝かされていた。
いつ、体に電流が流されるのかを恐れながら。
文化的な日本でソレはありえないし,ダメなんだろうけど同じ目に合わせたい。そうでなければ遺族は割に合わないんじゃナないんだろうか?
それと。緒方が無期懲役なのは、彼女もまた松永の被害者でDVによる洗脳があっての、加害とみなされたから。ソレはわかる。分かるけどーっ!!
ただ、彼女は松永と違って、獄中で反省しているのが救いかもしれない。
のほほーんと私らが日々をすごしている今日、いまも、どこかでこんな酷い目に合ってる人がいるのかもしれないと思うと,やるせない気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
マインド・コントロールではないかもしれないが、職場の無口で口下手な上司から、毎日否定をされ続け、最初は「何だよ口下手のくせに、否定する時だけ饒舌に喋りやがって」と心の中で反発していたが、毎日繰り返されることにより、いつの間にか「自分は成果の残せない、ダメな人間」「この世にいてもいなくても変わらない存在」だと思い込むようになり、仕事に行くのが辛くなり、配属を変えてもらうという体験をしたことがある。
この自分に起きた心の中の出来事を、言葉や文章で表すことは難しい。同じようにこの本でも、マインド・コントロールによって操作されていった大人たちの精神の経緯が、文章ではどうしても伝わりにくかった。
誰も反発しようとしなかったのか、脱出しようとしなかったのか、大人5人で力を合わせて松永を押さえつけ、通電の反撃はできなかったのか、などなど、読み進めていくほど妄想が膨らんでいく。
原武さんや末松さんのように、女性の恋心を利用して騙していく流れはなんとなく想像できるのだが、大人、数人、全員がコントロールされていくことは、どうしても想像できない。通電などの暴行を受けて衰弱していき、抵抗できなくなっていく前に、どうにかできなかったのかと、どうしても思ってしまう。
解体も凄まじい。2017年に起きた座間9人殺害事件では、首から上の解体が難しいとの理由で、クーラーボックスに頭部を隠していたというのに、この事件では脳のチェックまでしていて、遺体の一部も残さずに捨てられている。並大抵のことではない、よっぽど支配されていたんだなと思うし、10歳の子が解体に関わっていたというのだから、つらくなる。
その10歳の子の殺害、解体のシーンが読んでいてしんどかった。学校にも行けず、友達とも遊べず、虐待されて、大人の死体の解体を手伝わされて、最終的には自分も殺される‥。通電のときの「ヒックヒック」というしゃっくりのような動きが可哀想で仕方なかった。怖かっただろう。
筆者と松永との面会でも、松永の悪あがきが見て取れる。筆者が自分の思い通りに動いてくれないと判断したら、連絡をスパッと切る態度。「こ、コイツ‥」と声が出そうになったし、性格が出てるなぁと思った。
まだ死刑執行がされていない。糖尿病になって、自分一人では生活できなくなっていると聞くが、寿命でこの世を去るようなことがあれば、報われない人がたくさんいると思う。早く執行されることを望む。