小野一光のレビュー一覧
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小野一光『連続殺人犯』文春文庫。
21世紀の10大連続殺人事件の闇に迫るノンフィクション。『殺人犯との対話』を改題し、新章に『筧千佐子 近畿連続青酸死事件』を増補。
同じ人間とは思えない残虐非道の凶行を繰り返した連続殺人犯たち。余りにも身勝手な犯人たちの声には反省や後悔は全く感じられない。
『CASE 1 北村孝紘 大牟田連続4人殺人事件』。金銭目的で4人もの人びとを簡単に死に至らしめた狂った家族。 家族ぐるみで凶悪犯罪に手を染めるなど有り得ない。
『CASE 2 松永太 北九州監禁連続殺人事件』。自らは手を下さずにマインドコントロールにより7人の一族を監禁し、殺し合わせた悪魔の所業。 -
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風俗というのが、日常の裏にある未知の世界で面白かった。本書はルポルタージュ形式で、この時をこういう人が生きていたことを記録する、ってスタンス。
風俗に関する社会学の本とか読んでからまた読み直したら抱く感想や本書から読み取れる世界が広がる気がする。本書でも書かれてる通り、風俗嬢が担うことはセックスワークだけでなく、「癒し」という精神的ケアの提供。実際利用してる男性も多い。だけど、その割に世間では風俗嬢という仕事はおおっぴらには言えないものだし、風俗を利用して恩恵を被ってるはずの男も風俗嬢のことを風俗に「堕ちた」って馬鹿にする風潮がある。本書ではそこらへんの社会的な矛盾には触れてないし、そういう -
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未曾有の怪事件「尼崎連続変死事件」の真相を追うノンフィクション。
事件現場に密着した執念の取材により、新たに発覚した真実を文庫化にあたり追加編集。
・・・つーか、こんなに入り組んでたのね~。。。
頭、こんがらがるわ!マジで!!
んで、主犯の角田美代子が留置所で自殺って・・・マジ、ありえね~!警察なにやっとるんじゃ!?って感じだし。
この本の中で、一番心に残ったのが、谷本さん。
谷本さん一家は、壮絶な運命をたどる。
谷本さんは奥さんと離婚させられたうえ、奥さんと長女を殺され、実の兄も殺され、高校生だった次女は角田に取りこまれ、加害者として服役中なのだ。
それでも谷本さんは、事件を知る者と -
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わたしは今慄然としている。少なくとも10人以上の連続変死事件が起きたこの尼崎事件の内容を読めば読むほど、わたしが事件を知るキッカケになった北九州監禁連続殺人事件との関連性があぶり出されるのである。北九州は7人の死者を出している。ただ、わたしが気に入らないのは、主犯角田美代子の自殺を隠れ蓑にして、角田ファミリーの7人が、果たして強制されて殺人したのか、或いは進んで自らの親族を殺したのかわからないことだ。その全容の解明がまだ明らかにされていないまま、どうやら次々と結審しているらしいことだ。
この本は、尼崎事件について書かれた詳しいルポの中の一冊である。それでも著者の認めている通り、事件の全容は不 -
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★角田美代子がみせた「民事不介入」と「集団心理」の闇
尼崎連続変死事件のルポ。ルポライターの著者が、手探りで事件の情報を集め断片がどんどん繋がる形で話が展開するので、臨場感はあるが、解釈や学術的な観点はない。ルポなので当然と言えば当然だが、期待していた部分もあったので少し残念。
主犯格である角田美代子を中心にした家系図、すなわち親族の誰がどう関係して誰が誰を殺したのか、を整理して説明されているのが良い。この事件は、それが複雑すぎてその闇の深さがなかなか見えない側面があるが、この本を読むことで家系図がある程度頭に入った状態になるので、話を読み進めたり他の記事を見るとさらに理解が深まりやすくなる -
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とりあえず人物関係図見て下さい。どんな大河小説にも勝てるよこの奇っ怪さ。
「脳が殺す」の、被虐待経験と精神疾患が殺人鬼を生む論をちらりと思い出したり。ただ角田美代子は自分で殺さないし、殺すのが目的じゃないから違うのだけど…でもネグレクトで被暴力な中で育てば素養はあろう。愛着に多大な問題があるのだろうね。人格障害に近いのかもしれない。そのへんの原因を追究できなかったのは本当にもう…中で散々語られてるけど言わせて下さい。兵庫県警。呆れる。すべてがなんつーかもう…抑止する気があるならこんな顛末にはならないよ。
総じて、ルポとしての語り口はあまり肌に合わなかったし凄惨すぎて読み苦しかったけど、悪を知る -
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ネタバレフィクションのエンタメもや純文学も好きなんだけど、
ノンフィクションも好きなんだよね。
東電OLや婚活殺人、
オンナが起こした事件が、あたしは特に気になるのだ。
「ホラー小説も逃げ出すくらいの気味の悪い本だった!」と
百田尚樹が帯によせているが、まさにその通り。
鬼畜の所業としか思えない。
何十年も平和に生きて暮らしてきた家族が
あっという間に他者に破壊され、駆逐され、
乗っ取られていく。
小説でもこんな陰惨な話なかったことだろう。
つまり、本来の情を持つ人間には
思いもよらない恐ろしいことばかり。
婚姻や養子縁組で縁戚関係になっている人たちとの
トラブルは
『民事不介入』といって警察は助け -
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主犯の美代子は子供の頃からネグレクトの中で育った。
現在服役中の実弟も、彼女と同じく非常に暴力的なことから、
おそらく暴力は日常的だったのだろう。
誰にも愛されない孤独な寂しさと不条理な暴力が、人間形成に大きく作用し、
負の感情だけがとてつもなく増殖してしまったようだ。
乗り込んだ家の子供を引き取る際、
不当な暴力に立ち向かえない情けない親の姿を見せつけ、
親への失望を子供の心に植え付け、互いに殴り合いを命じる。
このやり口は、子供の頃自分が感じた辛さを同じように体感させることで、
自分の気持ちを誰かに解って欲しかったのではないか?
そして優しさを装い手なずけて、ファミリーに加えた後は絶対的 -
購入済み
かなしい事件
お金と暴力によって、多くの一族を崩壊させ、命が失われた。これは日本人の家族や一族への強い連帯感(悪くいえば世間体)をうまく利用したほんとうに可哀想な事件だった。
もちろん警察がどこまで介入できるか?という問題もあるが、悲しい事件としかいいようがない。
ただ、おな助ような境遇の人がまだいるのではという締めくくりに社会の歪みを感じずにはいられない。 -
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葉真中顕さんの『家族』を読み本作へ。
『家族喰い』を先に読んでいたら
角田ファミリーを始め多くの人名に混乱したと思う。
家系図に書かれている(死亡)の表記が悲しい。
角田美代子は周到に計画を練り実行に移った。
罪の無い多くの人が財産と家族を奪われ
人生を狂わされた。
苦しみの中で助けを求める声。
それは警察により消されてしまった。
挙げ句の果て美代子を死なせてしまう失態。
悔しさが悲しさが痛いほど伝わってくる。
この事件は、ドラマでもなく実際に起こったこと。
葉真中顕さんの『家族』
小野一光さんの『家族喰い』
2冊を読み終え、複雑な思いでいる。
身内に手を挙げざる得なかった人たち。
残され -
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葉真中顕さんの「家族」を読んで、実際の事件の詳細を知りたくなり手に取る。
小説の方の人物相関図だけでも把握するのに難儀したけれど、実際の「角田ファミリー」なるものの方が何倍も複雑で軌道を逸していることがわかる。
怪物・角田美代子が作り上げた「家族」。そのほとんどが血縁関係になく、彼女の都合で作り上げられた虚構の繋がり。その中で繰り返された恫喝と暴力と殺人の数々。事実は小説より何倍も恐ろしかった。
唯一の救いは、美代子によってマインドコントロールされ加害者側に立っていた者たちが、少しずつでもその支配から目覚めて、自分たちの罪を認め、反省と悔恨の情を示していること。
この新版文庫本には「家族