小野一光のレビュー一覧
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★角田美代子がみせた「民事不介入」と「集団心理」の闇
尼崎連続変死事件のルポ。ルポライターの著者が、手探りで事件の情報を集め断片がどんどん繋がる形で話が展開するので、臨場感はあるが、解釈や学術的な観点はない。ルポなので当然と言えば当然だが、期待していた部分もあったので少し残念。
主犯格である角田美代子を中心にした家系図、すなわち親族の誰がどう関係して誰が誰を殺したのか、を整理して説明されているのが良い。この事件は、それが複雑すぎてその闇の深さがなかなか見えない側面があるが、この本を読むことで家系図がある程度頭に入った状態になるので、話を読み進めたり他の記事を見るとさらに理解が深まりやすくなる -
Posted by ブクログ
とりあえず人物関係図見て下さい。どんな大河小説にも勝てるよこの奇っ怪さ。
「脳が殺す」の、被虐待経験と精神疾患が殺人鬼を生む論をちらりと思い出したり。ただ角田美代子は自分で殺さないし、殺すのが目的じゃないから違うのだけど…でもネグレクトで被暴力な中で育てば素養はあろう。愛着に多大な問題があるのだろうね。人格障害に近いのかもしれない。そのへんの原因を追究できなかったのは本当にもう…中で散々語られてるけど言わせて下さい。兵庫県警。呆れる。すべてがなんつーかもう…抑止する気があるならこんな顛末にはならないよ。
総じて、ルポとしての語り口はあまり肌に合わなかったし凄惨すぎて読み苦しかったけど、悪を知る -
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ネタバレフィクションのエンタメもや純文学も好きなんだけど、
ノンフィクションも好きなんだよね。
東電OLや婚活殺人、
オンナが起こした事件が、あたしは特に気になるのだ。
「ホラー小説も逃げ出すくらいの気味の悪い本だった!」と
百田尚樹が帯によせているが、まさにその通り。
鬼畜の所業としか思えない。
何十年も平和に生きて暮らしてきた家族が
あっという間に他者に破壊され、駆逐され、
乗っ取られていく。
小説でもこんな陰惨な話なかったことだろう。
つまり、本来の情を持つ人間には
思いもよらない恐ろしいことばかり。
婚姻や養子縁組で縁戚関係になっている人たちとの
トラブルは
『民事不介入』といって警察は助け -
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主犯の美代子は子供の頃からネグレクトの中で育った。
現在服役中の実弟も、彼女と同じく非常に暴力的なことから、
おそらく暴力は日常的だったのだろう。
誰にも愛されない孤独な寂しさと不条理な暴力が、人間形成に大きく作用し、
負の感情だけがとてつもなく増殖してしまったようだ。
乗り込んだ家の子供を引き取る際、
不当な暴力に立ち向かえない情けない親の姿を見せつけ、
親への失望を子供の心に植え付け、互いに殴り合いを命じる。
このやり口は、子供の頃自分が感じた辛さを同じように体感させることで、
自分の気持ちを誰かに解って欲しかったのではないか?
そして優しさを装い手なずけて、ファミリーに加えた後は絶対的 -
購入済み
かなしい事件
お金と暴力によって、多くの一族を崩壊させ、命が失われた。これは日本人の家族や一族への強い連帯感(悪くいえば世間体)をうまく利用したほんとうに可哀想な事件だった。
もちろん警察がどこまで介入できるか?という問題もあるが、悲しい事件としかいいようがない。
ただ、おな助ような境遇の人がまだいるのではという締めくくりに社会の歪みを感じずにはいられない。 -
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葉真中顕さんの「家族」を読んで、実際の事件の詳細を知りたくなり手に取る。
小説の方の人物相関図だけでも把握するのに難儀したけれど、実際の「角田ファミリー」なるものの方が何倍も複雑で軌道を逸していることがわかる。
怪物・角田美代子が作り上げた「家族」。そのほとんどが血縁関係になく、彼女の都合で作り上げられた虚構の繋がり。その中で繰り返された恫喝と暴力と殺人の数々。事実は小説より何倍も恐ろしかった。
唯一の救いは、美代子によってマインドコントロールされ加害者側に立っていた者たちが、少しずつでもその支配から目覚めて、自分たちの罪を認め、反省と悔恨の情を示していること。
この新版文庫本には「家族 -
Posted by ブクログ
日本を震撼させた座間9人殺害事件。その犯人である白石隆浩死刑囚の人格に迫る面談と裁判の記録。事件の詳細が明らかになると、あまりの凄惨さゆえに一気に報道されなくなったため、事件の真相を知る良い資料である。
印象的なのは理路整然と語る能力や著しい行動力を持ちながら、死刑に対して「もの凄く痛そう」とか表層的で刹那的な感想しか持ちえず、死刑宣告に対してあっさり淡々と受け入れる様は我々とは別の生き物と捉えざるを得ず、うすら寒い印象を受ける。
利己的で全て他人事な白石死刑囚のサイコパス具合と、残虐な手口の生々しさは伝わるものの、事件の深層まで掘り下げているかというとやや弱い。この本によって世に問う何かには -
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ネタバレ職場の人に「はい!」と渡された本。今回はなかなかきつかったー。
まず,渡された時のビジュね。分厚い!!鈍器かなと思った。年表入れると575ページ。
北九州監禁連続殺人事件って、なんとなくそんな事件あった気がするなーって感じだった。内容はあんまり覚えてなかった。
報道も少なかったのでは?って思ってたんだけど、あまりにも凄惨な事件すぎて報道規制がかかってたとか。
昨今,報道の自由がどうちゃやいうのに、報道規制に甘んじれるってどうよ?って思ったら、これはマジで朝の情報番組や夕方アニメの後にニュースで迂闊に流せられないヤツだった。かろうじて,深夜だな。
17歳の少女が監禁?(この場合軟禁かな?)か -
Posted by ブクログ
マインド・コントロールではないかもしれないが、職場の無口で口下手な上司から、毎日否定をされ続け、最初は「何だよ口下手のくせに、否定する時だけ饒舌に喋りやがって」と心の中で反発していたが、毎日繰り返されることにより、いつの間にか「自分は成果の残せない、ダメな人間」「この世にいてもいなくても変わらない存在」だと思い込むようになり、仕事に行くのが辛くなり、配属を変えてもらうという体験をしたことがある。
この自分に起きた心の中の出来事を、言葉や文章で表すことは難しい。同じようにこの本でも、マインド・コントロールによって操作されていった大人たちの精神の経緯が、文章ではどうしても伝わりにくかった。
誰も -
Posted by ブクログ
世の中いろんな職業があり、何がきっかけでその仕事を選んだのか、昔から興味があるほうで、特に風俗嬢やセクシー女優をやろうと思う理由は、尚更気になるところである。
給料面で考えれば良いのかもしれないが、身体に負担がかかり、リスクの面を考えると私は絶対にやりたくないと思う。すごい不潔な人とか来たら「おえっ」とか普通に言っちゃいそうだし。あえて選ぶ理由は何なのか、理由を知りたくて読みました。
アヤメさんとカオルさんの章は印象に残った。自作の堕胎剤とか、排泄物とか‥。全てが私とは違う世界にいる人の様で、想像が全然できなかった。彼女たちの考えに理解も追いつかなかった。
ただ、たくましく必死で生きてい -
ネタバレ 購入済み
何のために
由起子はこんなくず旦那とさっさと離婚しなかったのはなんでだろう。
ATMにもならないんじゃ意味ないし、子供らからも軽蔑されてるのに。 -
購入済み
接し方
震災で家族を亡くした客への接し方なんて風俗マニュアルにないだろうしなぁ。
そもそも客の方も何を求めて来たのかっていう…
話だけなら最初に言ってくれればいいのに。