矢川澄子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あーほんとにやきもちだけで☆4つ
すごいんだものー 女子として、この才能と、この才能がゆるされていた環境にやきもちやきまくる。散文的で、どこもみていないような、その先にあるものはしっかりととらえているような、散漫な文章の中で行き来する女子の楽しみ/女子らしさ そして血で汚れるものとしての女子のあざとさをしっかりとらえて見据えている そしてそこにくいを打ち込むようにしながら、女子の甘えに逃げ込みながら、そのどれもがただただ女子としてあって そこここの女子の日記をのぞきこんだとして、ここに見出せる女子らしさのいくつもが垣間見えるだろうけど、自覚的であっても自覚がなくてもそこここに女子としての読者と -
Posted by ブクログ
背表紙で著者のことを「不滅の少女」とかいてあってなんですかそれはとか思ってたら本当に澄子不滅の少女でした。
どんなに頽廃的になってみようとしてもいつまでも少女趣味から逃れられないのは女の業なのでしょうか
サンプリングが同年代しかないのに何いってんだですが
「『それではいま一度、あらためてきかせていただきたいのよ。いったいわたしは人間なの、それとも人間ではないの?このわたしという女は?』
『つまらぬことを、いつまでもくどくどと、くりかえさないでくれよ。だいたいきみはすこし幼稚すぎるんだな』男はいらいらして、そっけなく答えた。
『でも、そのつまらないことに、わたしは生涯こだわらずにはいられな -
Posted by ブクログ
「名前は知っているけど、有名だけど
ちゃんとは知らない本を読む!」
という今年の目標の一環で読んでみた。
子ども向けのシリーズなので読みやすい。
岩波少年文庫はよい。
テンペスト、お気に召すまま、
リア王、マクベス、ロミオとジュリエット、
ハムレット、オスロなどなど。
20編のうち11の物語を収録している。
喜劇も悲劇も両方ある。
物語としては複雑さはそんなにない。
また人間の愛憎をテーマにしたものが多い。
結局どの時代も恋愛や嫉妬や復讐…
根本的な人間の本性はかわらないのかも。
シェイクスピアの戯曲が
日本の江戸初期ぐらいの時期だと考えると
ロミオとジュリエットの
死んだようになる薬 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二二アンの終わり方は、虫が良すぎると思った。散々裏切って嘘をついた上に、ここぞという時に手伝ってもらってもまた文句をいい、数年経った頃になって謝りたいだなんて。ジェインが連れて行ってと言うと、いいや君はここにいるべきだ〜とかっこよさげな台詞を吐くが、どの面下げてそんなことを?と思ってしまった。アダムとモプシーはあっさりいなくなってしまって寂しい。アダム達の視点のラストも読みたかった。結局、生きることも魔法であり、魔法の小箱とは頭の中の記憶や想像のこと。頭の中でアダム達に会いたいと願った時、アダムのことだから空想ではなくて、おそらく本当に会ってるのだろうと思うと、凄くロマンチックだ。
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Posted by ブクログ
いくつかの喜劇、悲劇が簡潔にまとめられていて、小学校高学年なら理解できそう。
確かに長い戯曲をいちいち読むより手っ取り早くシェイクスピアを勉強できる。
(でも記憶力の衰えたわたしには、似たような話が多くて、もともと知っていたもの以外は読んだ端から粗筋を忘れてしまいそう。キャラクター名だけが記憶に残るようなかんじ。)
ハムレットにフォーティンブラスがいないなど、キャラクターもばっさり整理されている。
それはまあいいんですが、、、
何より気になったのは、訳者の古風な日本語。
わからんちん
お追従(=お世辞?)
御の字
訳者の生年を見てナルホドと思ったけれど、これが子供用に最適かと言えばな -
Posted by ブクログ
再読。
そういえばこれにもプラトンの『饗宴』的な話が出てきたなぁ、と。
謎が謎を呼ぶメタ構造。改めて読んでみるとまた新たな発見があって面白かった。
恥を承知で書くなら、これはわたしの物語。
もっとも、わたしは矢川澄子ではないし、ましてや兎でも翼を持った女でもないが、それでもこれは確かにわたしの物語なのだ。
度々使われる「赤裸」という言葉に、皮を剥がれた因幡の白兎の姿を象徴的に感じ取った。
女性としての哀しみ。
届かない想い。
あまりにも著者が登場人物に自己を投影しすぎていて、いたたまれない。
「神さまはまさしく兎のすべてでした。」
すでに失った世界を手にするように、あるいは欠けている何 -