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Posted by ブクログ
好きなところは書ききれないけど、ささやかなところでいえば、ハイジが夢遊病になったためにフランクフルトから帰るとき、クララがハイジに白パンをたくさん持たせてあげたこと。そして後日、クララのおばあさんが「のみものも入用でしょうから」とコーヒーも送ったというクララからの手紙。
なんてことない書き方なのに、この部分を読んですごくコーヒーが飲みたくなった。
それはアルム山の人々にとってコーヒーや白パンが貴重で有り難いのがわかるからでもあるし、クララとハイジの優しさがよく伝わるからでもある。
そのコーヒーは、作中に登場するアルムのハムやチーズと同じぐらい食欲をそそるのだ。
アルムの風景の美しさはおそらくグーグルアースで旅するよりずっと、作中の文章のほうがより深く味わえるし、その美しいアルム山で食べるソーセージやチーズがいかに美味しいかということはハイジたちのセリフを通じて、念入りに書かれている。
それなのにさらっと書かれた「コーヒーも送りましたから」というおばあさんの言伝が、それに匹敵する芳しさなのだ。
作者のシュピーリがいかに天使の心の持ち主だったかがわかる、今の時代にぜひとも読みたいお話。
Posted by ブクログ
読んでる間も、読み終わった後も、とても幸せな気分にさせてくれる一冊。ハイジの無垢で純粋な言動は、物語の中の人々を魅了するだけでなく、読み手も楽しまさせてくれます。ゼーゼマン氏、その母、アルムじいが素晴らしい!傷心の医師、貧しいペーターやおばあ、彼らの痛みをきちんと描いており、ちゃんと救いがある。そして病弱なクララに起こる奇跡!登場人物と美しいアルプスの山に心を洗われる、そんな素晴らしい本でした。読んで良かった。
Posted by ブクログ
一見何不自由ないフランクフルトのお屋敷で暮らしながら、アルムの山に焦がれ、憔悴していくハイジの姿が胸を打つ。何度読んでも「ああ、おじいさんのところへ戻れてよかったなあ」としみじみ思う。
ハイジは「本当に大切なものは何か」がよくわかっている子だ。そのうえ、つらい経験からも前向きな教訓をひきだすことができる。りっぱな子だな…。アルムにくる前にも、愛されて育ったにちがいない。