吉本隆明のレビュー一覧

  • 定本 言語にとって美とはなにかII

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    ー わたしたちが立場というとき、それは世界をかえようという意志からはじまって世界についてさまざまな概念をかえようとするまでの総体をふくんでいる。文学(芸術) についてのさまざまな概念をかえるためにも、立場はなければならないし、またどうしてもあることになってしまう。文学(芸術)についての理論は、すべて無意味なスコラ的なものにすぎないという見解は、たんに創造家の側だけからばかりではなく、理論じしんのがわからもたえずいわれている。その理由は、文学の理論がほんとうは個体の理論であるにすぎないのに、普遍的であり共同的であるかのように振舞い、また、たんに主観であり政策であるにすぎないのに立場であるか のよ

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    2022年04月03日
  • 改訂新版 共同幻想論

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    在野の思想家という意味では戦後最大と思われる著者の主著のひとつ。共同幻想ー対幻想ー個人幻想という概念は知っていたが,時代性を考慮しなければその価値はよく分からないでしょうね。
    対幻想という概念が独特だと思うのだが,これは性であり家族であるということなので,性の多様性と家族の変容を見る現代においてどう考えるべきか。どこかで誰か(本人?)が書いていたけれど,意外と「きょうだい」がポイントになるのかもしれない。

     
     

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    2021年12月31日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    人と話すことが第一の言語だとすると、
    自分との対話をするのが、
    第二の言語であると作者言ってます。

    この第二の言語を通して自分の価値を広げていく。
    孤独や引きこもりは大人の言語を深め自分の価値を広げるために必要なのだとわかりました。

    しかしただ引きこもっていればいいと
    言うことではなく
    他者に違和感を持ちながらも学校に行くこと
    違和感を持ちつつも外と交わることに意味がある
    という話も心に残りました。

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    2021年06月30日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    ・言語には2種類ある。他人に伝える言語と、自分にだけ通じれば良い言語。
    ・引きこもり、考え、得たものは「価値」と呼んで良い

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    2019年05月22日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    1924年生まれの著者は、自分の父母よりさらに10歳年長。ひきこもりは時代を超えて存在していた。ひきこもりを肯定的に表現した書名に惹かれた。しかし、21世紀の今、著者が言うようにひきこもりの人が深く考えて生活しているか? 昼夜が逆転し、ネットやゲームの世界に逃避する若者が多くはないか? 本書が、ひきこもっている人達が自立して生きる指針になってほしいと願う。

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    2019年03月19日
  • フランシス子へ

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     昔、吉本隆明という詩人がおりまして、ネコのわたしと、女房と娘と一緒に暮らしておりました。やたら、こだわる人でした。なにせ、ほととぎすは、とか、親鸞は、とか。いい年をして気になったら止められない、しようがない性分で、ネコのわたしは、あほらしいので取り合わないようにしておりましたが、それはそれで気にかかるらしく、どうもこっちを見る目が変だと思っていたら、ネタにして本など出されてしまって、これで、もう、三冊目ですかね?
     残念ながら、どうも、どこかに行ってしまったようで、女房もいなくなって、今は娘さんと暮らしておる次第で。

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    2019年02月12日
  • なぜ、猫とつきあうのか

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    ある猫好き作家くんが、この本についてどこかで語っていましたが、まだまだなんだそうです。なかなか、厳しい。まあ、しかし、猫が好きな人は読んで損はないと思いますね。

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    2019年02月04日
  • 開店休業

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    思想でも、文芸批評でも、状況論でも、五十年間出ずっぱりで、巨人だのカリスマだの、でも死んじゃった、吉本隆明の、最後の著作かも。まあ、誰でも死んじゃうんですが。ほとんど要介護老人のわがままと、食いしん坊と、家族のヤレヤレ感がなかなか良い。吉本って、最初の頃から、貧乏生活の料理レシピを書いてたって知ってますか?

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    2019年02月03日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    評論としてなら数ページでまとめられそうなことを
    うまくかみくだいて1冊に仕立てた本
    内容はともかく考えというものをひとに伝える手段として
    これはこれで良い方法なのかよくわからない

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    2018年12月08日
  • 真贋

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    インタビューを書き起こしたものなので、吉本の本にしては
    簡単に読める。

    利と毒、の話と小説論が印象的。

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    2018年11月24日
  • 真贋

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    インタビューを元に編集者がまとめた形になっていて読みやすい。全面的に同意できる内容とは思わなかったけれど、「善悪二元論の限界」はよかった。
    善悪二元論を推進しているのは間違いなくアメリカで、アメリカ発のソーシャルネットワークサービスだって二元論。ソーシャルと言いつつ、フレンドやフォロワーは好きな人、あるいは関心のある人。そうじゃない人はフレンドやフォロワーにはしない。そう言えば、Facebookも出発点は女子学生の二択だったよなぁ…などと今回は本の主題から大きく外れてみたり。

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    2018年11月18日
  • 真贋

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    【要約】

    【ノート】
    ・珍しく本屋で気になり、そのまま購入した。読んでる途中(昨日)、吉本さんの逝去。
    ・今まで吉本さんの著作を読んだことはなかったが、糸井重里さんがエラく推すので気になり始めた。
    ・サラサラっと読めるけど、もっと深いんだろうな。

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    2018年10月28日
  • 真贋

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    時事、政治、人生、思想と様々な関心ごとについて吉本隆明の脳内をそのまま開陳したようなインタビュー。統計ではなく印象で語ると言いきっており、内容のほとんどが飲み屋のでのオヤジ談義のようで、吉本隆明だから活字になり出版されてるだけのことである。また、構成的に明確な主題もなく、話題がとんだりダラダラと続いたりしている。
    戦争という悪のもとでの庶民の暮らしは意外にも倫理的であった一方、平和な時代に暮らす者の方が比較的荒んでいるという指摘は、あくまで印象論であろうが多くの戦中派の世相の見方を特徴付けるものである。吉本隆明が三島由紀夫を述べるとき、外観上では自身と大きく信条が異なりながらも理解を示している

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    2019年06月16日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    何か自分の身を立てるようなことを身につけるためにはまとまった、地味な時間が必要というのは、その通りだと心から思う。地道で孤独かもしれない、自分自身の時間をもつことの大切さに気づいたのは随分大人になってからだったので、子どもの時にこんな本を読みたかった。

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    2018年04月18日
  • 真贋

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    ネタバレ

    高校の頃にはずいぶんとかぶれていた。ま、例の共同幻想論に。
    大学以降は肩の力の抜けた語りに魅せられた。
    生活する知識人、知識人的生活者、に。
    そんな吉本隆明による、大・放・言!
    きっと女性には受け容れがたいであろう母親責任論、戦中派の持つマチズモ、には苦笑い。
    そう、つい苦笑いしながら、またあの偉い爺さんがねぇ、と。
    ビジネス書的切り口の多さには辟易したが、やはりこの人の文芸評論は再度見直さなければ。
    ・物事の両面。
    ・人間の精神は悪くなる一方。
    ・本の毒。
    ・運命すなわち性格に素直に生きる。
    ・親鸞の逆説。天国は実体としてはない。宗教にとどめ。
    ・欲望自体が懐かしい。
    ・俺だけにしかわからな

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    2018年02月20日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    筆者は、ひきこもることは自分との対話の時間であり、これなしには自分自身の価値を作り出すことができない、と肯定的に「ひきこもり」を評価している。 個の力を信じ、むりやり何かをさせるのではなく自分で考えさせるということを基本に置いている。

    ひきこもった状態は、たしかに自分の時間かもしれませんが、これが「自分を深める対話の時間」になるのかどうかはその人しだいではないかと思う。社会に出ることで自分と対話できる人もいるでしょう。

    わたしは、この本は、ひきこもりの人たちにとって大きな力になるものだと思いますし、たまたま社会に出て生活している人たちにとっても振り返って自分を見つめなおすことの大事さを認識

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    2017年03月26日
  • 超恋愛論

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    後半はもはや文学論。
    著者の世代においては先進的な考えだったのだと思う。今の自分からすると、あまり目新しい感覚はない。

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    2016年06月16日
  • 超恋愛論

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    恋愛の本質や理想の結婚生活とその背後にある日本の社会的な特質について書かれている。また、文学が恋愛をどう書いているかについても考察しており、その最期に筆者は「いちばん重たい経験は簡単には書けない」としている。恋愛の形態は変わっても恋愛感情の核の部分はいつの時代でも変わらず、私たちが実際に経験する恋愛は、人生においても特別に重みのあるものなのだろうと思った。

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    2015年06月07日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    閉じた集団や閉じた考え方が大嫌いな吉本さん。
    大学生の頃、恩師の薦めで吉本隆明さんのぶあつくて赤いハードカバー「敗北の構造」を古書店で購入しました。きっと今よりも頭のよかったその頃でさえ理解するのが難しく読破することができませんでした。それはもう、プラトンなんかよりずっと難しく…
    この文庫は吉本隆明さんがひきこもりについて普段感じていることを普段の言葉で書いてくれていて、ワタシにとってはじめての吉本さんの読破となります。
    閉じた集団や閉じた考え方が大嫌いな吉本さん、その部分、おなじくひきこもり傾向のワタシにもよくわかりました。

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    2015年03月18日
  • 真贋

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    故哲学の巨匠が普通に世の中の良し悪しを語ってみたと。吉本さん普段だいぶひねくれてたけど、今回は落ち着いてますな。三島のことも優しく語ってくれてありがとうと。いつか子供に読み聞かせよう。

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    2014年08月13日