吉本隆明のレビュー一覧
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ー わたしたちが立場というとき、それは世界をかえようという意志からはじまって世界についてさまざまな概念をかえようとするまでの総体をふくんでいる。文学(芸術) についてのさまざまな概念をかえるためにも、立場はなければならないし、またどうしてもあることになってしまう。文学(芸術)についての理論は、すべて無意味なスコラ的なものにすぎないという見解は、たんに創造家の側だけからばかりではなく、理論じしんのがわからもたえずいわれている。その理由は、文学の理論がほんとうは個体の理論であるにすぎないのに、普遍的であり共同的であるかのように振舞い、また、たんに主観であり政策であるにすぎないのに立場であるか のよ
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時事、政治、人生、思想と様々な関心ごとについて吉本隆明の脳内をそのまま開陳したようなインタビュー。統計ではなく印象で語ると言いきっており、内容のほとんどが飲み屋のでのオヤジ談義のようで、吉本隆明だから活字になり出版されてるだけのことである。また、構成的に明確な主題もなく、話題がとんだりダラダラと続いたりしている。
戦争という悪のもとでの庶民の暮らしは意外にも倫理的であった一方、平和な時代に暮らす者の方が比較的荒んでいるという指摘は、あくまで印象論であろうが多くの戦中派の世相の見方を特徴付けるものである。吉本隆明が三島由紀夫を述べるとき、外観上では自身と大きく信条が異なりながらも理解を示している -
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ネタバレ高校の頃にはずいぶんとかぶれていた。ま、例の共同幻想論に。
大学以降は肩の力の抜けた語りに魅せられた。
生活する知識人、知識人的生活者、に。
そんな吉本隆明による、大・放・言!
きっと女性には受け容れがたいであろう母親責任論、戦中派の持つマチズモ、には苦笑い。
そう、つい苦笑いしながら、またあの偉い爺さんがねぇ、と。
ビジネス書的切り口の多さには辟易したが、やはりこの人の文芸評論は再度見直さなければ。
・物事の両面。
・人間の精神は悪くなる一方。
・本の毒。
・運命すなわち性格に素直に生きる。
・親鸞の逆説。天国は実体としてはない。宗教にとどめ。
・欲望自体が懐かしい。
・俺だけにしかわからな -
Posted by ブクログ
筆者は、ひきこもることは自分との対話の時間であり、これなしには自分自身の価値を作り出すことができない、と肯定的に「ひきこもり」を評価している。 個の力を信じ、むりやり何かをさせるのではなく自分で考えさせるということを基本に置いている。
ひきこもった状態は、たしかに自分の時間かもしれませんが、これが「自分を深める対話の時間」になるのかどうかはその人しだいではないかと思う。社会に出ることで自分と対話できる人もいるでしょう。
わたしは、この本は、ひきこもりの人たちにとって大きな力になるものだと思いますし、たまたま社会に出て生活している人たちにとっても振り返って自分を見つめなおすことの大事さを認識