吉本隆明のレビュー一覧
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吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。
けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。
ものごとには両面があり、必然がある。
人の多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。
気になったのは以下です。
・いじめるほうもいじめられるほうも両方とも問題児だ、ということだ。
・いつも明るいところばかりを見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまいます。そもそも、暗いところにこそ、真実が隠されているのではなにでしょうか。
・いくら科学技術が発達しても、人間の魂、精神が発達するわけではあ -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後に載っている「転位のための十篇」でやっと読書となった。それまでは文章の隙間に居る暗号のような(僕の学力不足による)思想を感じるに留まった。ある一文に目が留まっても、なぜ留まってるのかはさっぱりみたいな。
「転位のための十篇」は、戦後になって失ったものがあるのにへらへらとしているのか、わたしはわたしを持って今を絶対に把握しながら生きていく、というようなつよい思想を受け取ることができた。
荒地派という言葉が読みながら浮かんだが、どれくらい関係があるのだろう。解説にはちらと荒地派についての言及もあった。
ちひさな群れへの挨拶とメモした。今改めて頁をめくったら、一行目からオッというような気持ちに -
Posted by ブクログ
ネタバレ画期的な言語論。
言語をウィットゲンシュタインのように本質的な起源から構想したというよりは言語を意味論的なものとし、表現形式としての単語を解体し、それを文法表現から自己表出(最も自己表出性を帯びたのは感嘆詞)と指示表出(前略 名詞)に分けている。また、彼の美意識によって日本文学から引用しながら作られた表出史なるものは文語体と話体で区別し、前者を自己表出性のある文学と区分し、それぞれ表出史に出てくる文学を解説する試みであるが、これはスゴい。しかし、一読しただけなので、私はまだ、半分も理解できてないだろう。
これは素晴らしい言語論だ。 -
Posted by ブクログ
・「平家は明るい。明るさは滅びの姿であろうか。」太宰治
→明るいからいい、暗いからだめ、の二元論ではなく。
・倫理的にいいことしか言わないのはおかしい。安藤昌益
天然自然を主体に考えたら、いいことも悪いこともあるのが当然。
→いいことを言うやつが増えたら、時代が悪くなってきた証拠。
・本にも、お金にも、毒がある。
・いい作品とは。
そこに表現されている心の動きや人間関係というのが、俺だけにしか分からない、と読者に思わせる作品。
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読んだ人ぜんぶが、俺だけにしかわからない、と感じれば、普遍性があるということ。
・「歩きながら書かれた文章でなければ読む気がしない」似ーチェ
=運動性を -
Posted by ブクログ
ネタバレひきこもっていることを悪いことだとみなして、そういった人を表に無理にひっぱりだそうとする行いを、たとえば吉本さんがテレビで見たといいます。それは、スーパーの店長がひきこもり傾向の人々を集めて、その気質を矯正しようとする行いでした。そして番組では、それを善いことだ、とする文脈で語っていたそうで。著者はそれは違うよ、と丁寧に、中学生でもわかるような言葉で語ってくれます。「分断されない、まとまったひとりの時間をもたないと、人は何者にもなれない」というところから始まって、不登校について、いじめについ、死について、自分の引きこもり気質について、世間の風潮についてまで、おしゃべりの感覚で語ってくれています