吉本隆明のレビュー一覧

  • 真贋

    Posted by ブクログ

    吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。
    けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。
    ものごとには両面があり、必然がある。
    人の多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。

    気になったのは以下です。

    ・いじめるほうもいじめられるほうも両方とも問題児だ、ということだ。
    ・いつも明るいところばかりを見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまいます。そもそも、暗いところにこそ、真実が隠されているのではなにでしょうか。
    ・いくら科学技術が発達しても、人間の魂、精神が発達するわけではあ

    0
    2023年03月30日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

    Posted by ブクログ

    非常に面白く読むことが出来ました。
    なぜなら私も吉本氏と同じく、「ひきこもり傾向が極めて強い人間」だからです。
    今日も一日、ずっと本を読んで過ごしました。
    仕事以外では人と会う事はほとんどないです。
    1人暮らしなので、仕事以外ではほとんど誰とも話しません。
    休日に友人と会う事も極めて少ないです。
    そんな私の生活を肯定してくれるよな内容でした。

    0
    2023年02月09日
  • 今に生きる親鸞

    Posted by ブクログ

    もうただ唸るしかない。これまで何冊も仏教に関する書物を読んできたが、このわかり易さは別格である。並ぶものなし、まさに無双だ。
    一念義も悪人正機もその直接意味するところは知っていたが、どうしてそのような思想に行き着いたのか、これを読んで疑問が氷解した。今までなんと浅い理解しかできていなかったのかと愕然とする。
    親鸞が浄土門の最終解だとすれば、この本は彼の思想解釈の最終解であると言える。

    0
    2023年02月04日
  • 吉本隆明初期詩集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後に載っている「転位のための十篇」でやっと読書となった。それまでは文章の隙間に居る暗号のような(僕の学力不足による)思想を感じるに留まった。ある一文に目が留まっても、なぜ留まってるのかはさっぱりみたいな。
    「転位のための十篇」は、戦後になって失ったものがあるのにへらへらとしているのか、わたしはわたしを持って今を絶対に把握しながら生きていく、というようなつよい思想を受け取ることができた。
    荒地派という言葉が読みながら浮かんだが、どれくらい関係があるのだろう。解説にはちらと荒地派についての言及もあった。

    ちひさな群れへの挨拶とメモした。今改めて頁をめくったら、一行目からオッというような気持ちに

    0
    2022年05月25日
  • 吉本隆明初期詩集

    Posted by ブクログ

    17の青年の私には深く刺さる作品だった。考えることを諦めないで、一人の自立した人として生きていこうと思う。

    0
    2022年04月03日
  • 定本 言語にとって美とはなにかI

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    画期的な言語論。
    言語をウィットゲンシュタインのように本質的な起源から構想したというよりは言語を意味論的なものとし、表現形式としての単語を解体し、それを文法表現から自己表出(最も自己表出性を帯びたのは感嘆詞)と指示表出(前略 名詞)に分けている。また、彼の美意識によって日本文学から引用しながら作られた表出史なるものは文語体と話体で区別し、前者を自己表出性のある文学と区分し、それぞれ表出史に出てくる文学を解説する試みであるが、これはスゴい。しかし、一読しただけなので、私はまだ、半分も理解できてないだろう。
    これは素晴らしい言語論だ。

    0
    2022年01月24日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

    Posted by ブクログ

    stayhomeも在宅勤務も、コロナ禍ではひきこもざるを得い状況になったからこそわかること…。ポジティブなひきこもりは、むしろ、人生には必要で。ひとり時間をもつことも必要で。このタイミングでであえてよかった本。

    0
    2020年06月23日
  • 真贋

    Posted by ブクログ

    本書が刊行されてから12年余り。日本の状況は、吉本氏が最低と評してから留まるところを知らず落ち続けているようにみえる。おそらく吉本氏の言う、本質を考えなかった結果なんだろうと思う。現政権がここまで民意を無視してやりたい放題なのも、私達が考えなかった結果に違いなく、私達が育て上げた政権なのだろう。ではどうすればいいのか?やはり考え続けることでしか解決法は見つからないのだ。
    思考停止状態から脱するには、或いは底の底まで行く必要があるのかもしれない。
    失わないと気づけないところまできてしまった。

    0
    2019年12月14日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

    Posted by ブクログ

    ひきこもりがち気質の自分には、こういう考え方でもいいんだ!という安堵が得られる内容でした。非常に共感できる内容が多かったです。

    自分なりの社会との付き合い方を考えるきっかけになりました。

    0
    2017年06月28日
  • 開店休業

    Posted by ブクログ

    単行本の時から読みたくて仕方がなかった本。文庫になったので、購入。楽しく読めました。吉本隆明さんという方はもっと難しいことをたくさん書くようなイメージがあったのですが、エッセイという形だからか、読みやすくて驚きでした。ハルノ宵子さんの文章も非常に読みやすくて、他の作品も読みたくなってしまいました。

    0
    2016年01月08日
  • 真贋

    Posted by ブクログ

    ・「平家は明るい。明るさは滅びの姿であろうか。」太宰治
    →明るいからいい、暗いからだめ、の二元論ではなく。

    ・倫理的にいいことしか言わないのはおかしい。安藤昌益
    天然自然を主体に考えたら、いいことも悪いこともあるのが当然。
    →いいことを言うやつが増えたら、時代が悪くなってきた証拠。

    ・本にも、お金にも、毒がある。

    ・いい作品とは。
    そこに表現されている心の動きや人間関係というのが、俺だけにしか分からない、と読者に思わせる作品。



    読んだ人ぜんぶが、俺だけにしかわからない、と感じれば、普遍性があるということ。

    ・「歩きながら書かれた文章でなければ読む気がしない」似ーチェ
    =運動性を

    0
    2015年06月16日
  • 真贋

    Posted by ブクログ

    おこがましいけど、もし私がどんな考え方をする人間なのか知りたかったらこれを読んでって言えるくらい自分の分身みたいな本だった。

    0
    2015年05月26日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ひきこもっていることを悪いことだとみなして、そういった人を表に無理にひっぱりだそうとする行いを、たとえば吉本さんがテレビで見たといいます。それは、スーパーの店長がひきこもり傾向の人々を集めて、その気質を矯正しようとする行いでした。そして番組では、それを善いことだ、とする文脈で語っていたそうで。著者はそれは違うよ、と丁寧に、中学生でもわかるような言葉で語ってくれます。「分断されない、まとまったひとりの時間をもたないと、人は何者にもなれない」というところから始まって、不登校について、いじめについ、死について、自分の引きこもり気質について、世間の風潮についてまで、おしゃべりの感覚で語ってくれています

    1
    2015年03月06日
  • マチウ書試論 転向論

    Posted by ブクログ

    関係性の絶対性、不可避なそれは、体制に反逆することが、体制に加担している逆転、体制のなかにあることが、反体制である逆転、個の逆立を見事に分析した。もちろんその反対の現象も起こるという、一見、自由な選択に対して、関係の絶対性が先立つ人間のありかたは、真実をついている。

    0
    2013年12月22日
  • 15歳の寺子屋 ひとり

    Posted by ブクログ

    思想界の巨人と呼ばれるだけに、とっつけないでいたけれど、これならとっかかるのに良さげだと、ついにチャレンジ吉本隆明氏。


    •沈黙も言葉。
    •生きるとは、かわいそうなこと。

    深々と沁み入りました。
    ほんとうだ。

    0
    2013年11月24日
  • 定本 言語にとって美とはなにかI

    Posted by ブクログ

    『言語にとって美とはなにか』によって、文学の政治による抑圧から解放された。この著作に至る前に、日本共産党批判、社会主義リアリズム批判を著者は成し遂げている。「政治と文学」論争を通じて、「文学」の「自立性」を追求し、時枝誠記の言語理論、三浦つとむの言語理論を援用し、古代から、近代までの文学作品の評価軸を確立した。ただ、歴史社会学派からの批判的な継承に関して、立場は明確だが、記述から不分明な感もある。不思議なことに『平家物語』には一切触れていない。

    0
    2013年10月28日
  • 真贋

    Posted by ブクログ

    円熟した語りの中に、内省に内省を重ね、磨きに磨かれた思想が織り込まれているのが分かりました。

    こういう境地、憧れます。

    0
    2013年01月21日
  • 真贋

    Posted by ブクログ

    全ページおもしろい!
    読みやすく作者の実感に満ちている。
    自分の頭と足で考えようと思える全うな一冊だと感じた。

    0
    2013年01月12日
  • 定本 言語にとって美とはなにかI

    Posted by ブクログ

    「文学の作品や、そのほかの言葉で表現された文章や音声による語りは、一口にいえば指示表出と自己表出で織り出された織物だと言っていい」。

    『言語にとって美とはなにか』という命題は、
    長年、詩や文学に対峙してきた吉本が、
    これらを原理として上昇させようとした意気込みとある種の確信を表している。

    彼は、差異性をことさら強調するのではなく、
    共通性にこそ着目する。
    それは信じて疑わない。

    この態度は、しばしば断定的に現われるため、
    違和感を感じるかもしれないが、配慮してもなお余りある成果が在る。

    この理論に対する正当な批判は存在するのか?

    0
    2012年09月14日
  • 15歳の寺子屋 ひとり

    Posted by ブクログ

    ふわふわと考えていたいろいろに、言葉というかたちでヒントや答えを落としてくれた、宝物みたいな本だった。

    0
    2012年08月15日