吉本隆明のレビュー一覧
-
心がひきおこすさまざまな現象に、適切な理解線をみつけだし、統一的に、心の動きをつかまえようとして書かれた本である。
あの人はなぜあんなことをしたのだろうか?
この人はどうしてそんなことを言うのだろうか?
わたしが悲しいのはどういうわけか?
人に心があることはどうにも否定し難い事のように思われ、心...続きを読むPosted by ブクログ -
思想界の巨人吉本氏の語り。とっつきやすい形でまとめられており読みやすい。この人は自分の体験したことを元に考えたり、自分が得た情報から考えたりとはっきりしているのが良い。Posted by ブクログ
-
「3年寝太郎」とか「ものぐさ太郎」とか、日本には昔から民話として
引きこもりが語られてきたのではないか?
と感じることがある。
そこには、やはりイレギュラーな人ではあるが、それを
認めないということは感じられないおおらかさがある
と思う。
本書は、引きこもっていて何が悪いのか、
という現在の世の風...続きを読むPosted by ブクログ -
吉本隆明、読んだことないと思って読んでみた、恋愛論。めずらしい。内容は、夏目漱石や芥川龍之介の文学に含まれる日本社会の特殊性、後進性の話が中心かな。ネタとしては面白い。それにしても、吉本隆明って、東工大出身だったんだ。知らなかった。Posted by ブクログ
-
完全に読書の秋である。薄くて一気に読めるのがいい。
なかなか色々参考になる。
誰かが宗教と政治の繋がりに興味を持っていると言っていた気がするが、結婚制度について書かれている、宗教→法律→近代国家みたいな流れは、そんな気がすると思わされた。Posted by ブクログ -
「日本語における芸術的価値とは何か」というテーマ自体を日本語として理解できない自分がいる。「における」はどう意味なのか、言葉が分解してしまう。「日本語にとっての」なのか?詩人が用いる言葉の意味の厳格さが新鮮であり、興味深くある。Posted by ブクログ
-
6年前に行われた対談。両者がともに小林秀雄賞を受賞しているということもあって、この対談が企画されたのだろうか?
フーコーに関する吉本の言及を引き出しているのが、この対談の白眉だと感じられた。フーコーはマルクスを「19世紀の風景の中に埋まってしまう」と言ってのけてあっさりと相対化した上で、人間の...続きを読むPosted by ブクログ -
偶然、古書店で見つけ購入。出逢い方もいかにもな感じ。
書物に含まれている世界。
吉本隆明はそれを
「書き手が幾度も反復して立ちどまり、また戻り、また歩き出し、
そして思い煩った場所」
と捉える。
そこに迷い込んだり、
佇んだりすることが読書の楽しみである。
「実際は広場のようなものではな...続きを読むPosted by ブクログ -
思想以前に、戦中戦後を生きた方の話は、その考え方の違いを触れられるという意味でも面白い。
とても易しい文書で書かれているので、おそらく深い示唆があろう内容であっても今の私にはあまり読み取れなかったのは残念。もっとこの方の文章を読んでみようと思う。Posted by ブクログ -
概ね共感したが、昔の人だなぁ、という感じは拭えなかった。
心の病気の人とそうでない人ときっぱりと二分したり、
家族を持てば働く気にもなるだろうというような楽観視、
これらの発想はやはり昔の人のもので、
現代は、もっともっと複雑に入り組んで繊細で、
昔ほど単純ではないと反発したくなってしまった。Posted by ブクログ -
著者はやや他者を煽りながら、マルクスの「疎外」の概念が彼の経済学からではなく自然哲学から発生したものだと述べる。
メモ:p61最終行からがよくまとまっている。Posted by ブクログ -
吉本隆明さんと茂木健一郎さんの過去の対談をまとめたものです。
正直、理解できて、その上で自分の実になったのは四割、ぐらいな気がしました。むずかしかったです。
吉本さんの思想については、けっこう昔から理解したいとは思っているのだけど、いかんせんむずかしくてついていけない。いろんな著作にあたってみて、感...続きを読むPosted by ブクログ -
よかった!ところ。
「ひきこもりが生み出すもの。
他人とコミュニケートするための言葉ではなく、自分が発して自分自身に価値をもたらすような言葉。感覚を刺激するのではなく、内臓に響いてくるような言葉。ひきこもることによってそんな言葉を持つことができる。」
「ひきこもって、何かを考えて、そこで得たもの...続きを読むPosted by ブクログ