吉本隆明のレビュー一覧

  • 読書の方法~なにを、どう読むか~

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    読書という行為についてや、具体的な本についての文章が収録されている。
    第1章と第2章はある程度興味深く読めたけど、具体的な本の話になりと不勉強故になかなか話についていけなかった。
    でも、太宰治が読みたくなりました。

    1番面白かったのは荒俣宏さんとの対談。
    テーマは恋愛小説。
    ラブ・ロマンスを「ほんとうのような嘘」という点で評価する部分が非常に面白く、荒俣さんが紹介している2冊の恋愛小説も読んでみたくなった。
    今の恋愛小説は内側に障害を設けなきゃいけないという話が不倫設定がやたら多いことに繋がるのかもしれないな…なんて考えたりもした。
    他のジャンルについても対談してくれないだろうか。

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    2014年04月09日
  • 超恋愛論

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    漱石先生の作品が書かれている、ということで知人から借りた本。

    漱石先生の作品と、明治という時代の男女の恋愛がどのような特殊性をもっていたか、の批評(とまでいかないけれども)は合点のいく内容であった。特に、漱石作品のなかで“三角関係”の恋愛模様が多いこと、その根底にあるものは、明治時代において西欧を目指しながらも西欧のような男女関係にはなれなかった当時の人間関係。つまり、「言えない」ことが男女の三角関係を更に複雑化させ、もうどうにもならないところまで追いつめられ三すくみの状況にまで陥ってしまう(その結果として、漱石の代表的作品『こころ』では、2人も自殺をしてしまう)。

    また漱石作品の同性同士

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    2014年02月11日
  • 15歳の寺子屋 ひとり

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    悩める中学生の息子に
    何か励ましの言葉をかけてやれないかと思って
    頼ってみた本。

    吉本さんは、
    中学生たちの質問に対して
    わりとのらりくらりとした感じでお話されます。
    こうしなさいよ、こうだよ、というよりは、
    もう少しあいまいな、
    ふわっとした、けれど自分が身をもって体験したからこそ言える言葉をかけてくれる感じ。
    そうすることで逆に考えさせられるというか、
    こういうことなのかな?と
    自分で考えてみる余白を残してくれている気がしました。

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    2014年02月11日
  • 真贋

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    当たり前のことをちゃんと言えるってすごいなぁーと思う。

    当たり前のことを堂々と言えないことって情けないけど沢山ある。だってなんとなく、とかだってそうなんだもん、としか言えないから。。

    自分に引き寄せて、でも独りよがりにならないように考えていくって素敵なことだなぁ。

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    2013年11月19日
  • 真贋

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    戦争の見方が戦中・戦後で大きく変わった、という話が非常に印象的。

    現在の改憲論争について、意見を聞いてみたい。

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    2013年07月28日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    ひきこもりは悪い。いじめは当事者の問題だ。自殺する人は自分勝手。
    そんな固定観念、やめにしましょう。

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    2013年05月10日
  • 改訂新版 心的現象論序説

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    心がひきおこすさまざまな現象に、適切な理解線をみつけだし、統一的に、心の動きをつかまえようとして書かれた本である。

    あの人はなぜあんなことをしたのだろうか?
    この人はどうしてそんなことを言うのだろうか?
    わたしが悲しいのはどういうわけか?

    人に心があることはどうにも否定し難い事のように思われ、心が現実に及ぼす影響もかなりなものがあると思われるので私もつねづね興味を持っていたので、つい手にとってしまったが、一度読んだだけではさっぱり解らなかった。それでも、食い下がって再読してみても後半に至るまで四苦八苦した。ところが不思議なことにある点を超えると何となくわかってくるような気がしてきた。たぶん

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    2013年04月21日
  • 真贋

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    ネタバレ

    善悪二元論批判等、物事の見極めについての氏の持論を展開。エッセイ風で読み易い内容。何か特別印象に残ったものがあるかといえば、そうでもないんですが…。

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    2013年04月21日
  • 真贋

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    思想界の巨人吉本氏の語り。とっつきやすい形でまとめられており読みやすい。この人は自分の体験したことを元に考えたり、自分が得た情報から考えたりとはっきりしているのが良い。

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    2013年01月03日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    「3年寝太郎」とか「ものぐさ太郎」とか、日本には昔から民話として
    引きこもりが語られてきたのではないか?
    と感じることがある。
    そこには、やはりイレギュラーな人ではあるが、それを
    認めないということは感じられないおおらかさがある
    と思う。

    本書は、引きこもっていて何が悪いのか、
    という現在の世の風潮とは逆のことが語られている。
    だが、なんだか違う気がするのは、現在の引きこもりは、どうも
    すべてが居ながらに手に入るというところと密接につながっている
    気がして、なにかの準備期間ととらえることができない点だ。

    引きこもりの客観的な原因が、ある程度わかっているのか?
    ひきこもっているものが必ずしも

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    2012年12月24日
  • 真贋

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    ネタバレ

    追悼で一読。吉本にしては、読みやすい。解りやすいなかで、吉本思想にふれることができる。本格的に読んでみたくなる。

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    2012年12月21日
  • 超恋愛論

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    ネタバレ

    吉本隆明、読んだことないと思って読んでみた、恋愛論。めずらしい。内容は、夏目漱石や芥川龍之介の文学に含まれる日本社会の特殊性、後進性の話が中心かな。ネタとしては面白い。それにしても、吉本隆明って、東工大出身だったんだ。知らなかった。

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    2013年07月27日
  • 超恋愛論

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    完全に読書の秋である。薄くて一気に読めるのがいい。
    なかなか色々参考になる。
    誰かが宗教と政治の繋がりに興味を持っていると言っていた気がするが、結婚制度について書かれている、宗教→法律→近代国家みたいな流れは、そんな気がすると思わされた。

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    2012年11月11日
  • 超恋愛論

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    単純に、恋愛の話もしているが、あとの方にいくにつれて文学と絡めても書いてある。
    結論、吉本隆明を読むにはまだまだ遠すぎる。日本を、歴史や文学から見るほどの知識がない。
    その中で自分でもわかる話として、恋愛は、遺伝子同士が惹かれ合うこと、という主張には吉本さん特有の大きさを感じました。
    追いつきたいなあ。でも吉本隆明さんや勢古浩爾さんには、まだまだ程遠い。

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    2012年11月10日
  • 日本語のゆくえ

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    「日本語における芸術的価値とは何か」というテーマ自体を日本語として理解できない自分がいる。「における」はどう意味なのか、言葉が分解してしまう。「日本語にとっての」なのか?詩人が用いる言葉の意味の厳格さが新鮮であり、興味深くある。

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    2012年10月25日
  • 真贋

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    世の中のすべてには、善悪二面性がある。 どちらか一方にしか目を向けずに判断、理解する事の危険性を知る。清濁飲み込み、自分の毒と向き合い続ける。 やがてその生き様は顔に現れる

    いいことしか言わないのは、世に中に悪いことがたくさん現れて来たため。釈迦、親鸞、キリスト、孔子。 確かに、いずれも乱世に登場している。

    読書も利を得ると同時に、毒もまた得る。

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    2012年10月01日
  • 「すべてを引き受ける」という思想

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     6年前に行われた対談。両者がともに小林秀雄賞を受賞しているということもあって、この対談が企画されたのだろうか? 
     フーコーに関する吉本の言及を引き出しているのが、この対談の白眉だと感じられた。フーコーはマルクスを「19世紀の風景の中に埋まってしまう」と言ってのけてあっさりと相対化した上で、人間の歴史をぶっ通す(吉本の表現)ことをするために、ギリシアまで遡って考察しようとした巨大な思想家であると評している。フーコーの思想の本質を端的に指摘していて見事と言うほかない。
     「自己慰安のために書いている」という言葉も印象的だ。常に思索する思想家は、次々と湧き出してくる発想を言葉を選んで表現するため

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    2012年09月15日
  • 読書の方法~なにを、どう読むか~

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    ネタバレ

    偶然、古書店で見つけ購入。出逢い方もいかにもな感じ。


    書物に含まれている世界。

    吉本隆明はそれを
    「書き手が幾度も反復して立ちどまり、また戻り、また歩き出し、
    そして思い煩った場所」
    と捉える。

    そこに迷い込んだり、
    佇んだりすることが読書の楽しみである。


    「実際は広場のようなものではなく、
    ただの踏み溜まりしかないほど小さな場所で、
    そこからさきに道があるわけでもない。
    たぶん書き手ひとりがやっと腰をおろせるくらいの
    場所にすぎない。
    けれどそれは世界なのだ。」

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    2012年09月29日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    思想以前に、戦中戦後を生きた方の話は、その考え方の違いを触れられるという意味でも面白い。
    とても易しい文書で書かれているので、おそらく深い示唆があろう内容であっても今の私にはあまり読み取れなかったのは残念。もっとこの方の文章を読んでみようと思う。

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    2012年08月30日
  • ひきこもれ~ひとりの時間をもつということ

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    概ね共感したが、昔の人だなぁ、という感じは拭えなかった。
    心の病気の人とそうでない人ときっぱりと二分したり、
    家族を持てば働く気にもなるだろうというような楽観視、
    これらの発想はやはり昔の人のもので、
    現代は、もっともっと複雑に入り組んで繊細で、
    昔ほど単純ではないと反発したくなってしまった。

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    2012年08月16日