あらすじ
思い出の味は忘れがたく、あの日の団欒を呼び覚ます――。父母の故郷・天草の雑煮、今はなき三浦屋のレバカツ、母にねだった塩おにぎり、少年期の大好物焼き蓮根、自ら絶品と称した手製の豚ロース鍋……。食を通じて蘇る記憶はどれも鮮やかに「家族の日常」を浮かび上がらせる。あわせて長女・ハルノ宵子が、父・隆明の晩年の姿をユーモア溢れる筆致で瑞々しく綴る。胸と胃袋を打つ、珠玉の食エッセイ。
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Posted by ブクログ
単行本の時から読みたくて仕方がなかった本。文庫になったので、購入。楽しく読めました。吉本隆明さんという方はもっと難しいことをたくさん書くようなイメージがあったのですが、エッセイという形だからか、読みやすくて驚きでした。ハルノ宵子さんの文章も非常に読みやすくて、他の作品も読みたくなってしまいました。
Posted by ブクログ
ハルノさんの容赦ない、そして愛に満ちた文章が胸を打つ。平松洋子さんの解説もいつにもましてキレッキレ。隆明さんの文章は、病気と老いを抱えている時期とあって、少し息切れしている感じだった(それもまたファンにとっては新たな一面という意味でたまらないのでは)。