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知の巨人と脳科学の第一人者が、語り尽くした「脳・こころ・言葉」。茂木健一郎「追悼・吉本隆明さんのこと」収録。吉本―ぼくはいま、おサルさんと分かれたときからの歴史をやる以外にないよと考えているわけです。そうすれば未来のことについても誤解・誤用が少なく観測できるはずです。茂木―脳科学をふくむ科学主義と、吉本さんが展開されてきたような非常に精緻で深い思考の間になんとか補助線を引きたいと思ってきました。
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Posted by ブクログ
6年前に行われた対談。両者がともに小林秀雄賞を受賞しているということもあって、この対談が企画されたのだろうか?
フーコーに関する吉本の言及を引き出しているのが、この対談の白眉だと感じられた。フーコーはマルクスを「19世紀の風景の中に埋まってしまう」と言ってのけてあっさりと相対化した上で、人間の歴史をぶっ通す(吉本の表現)ことをするために、ギリシアまで遡って考察しようとした巨大な思想家であると評している。フーコーの思想の本質を端的に指摘していて見事と言うほかない。
「自己慰安のために書いている」という言葉も印象的だ。常に思索する思想家は、次々と湧き出してくる発想を言葉を選んで表現するために、「書くこと」を選び取るしかなかったということらしい。だから、講演では訥々と語られることになるのだろう。
吉本の思想の底には親鸞と宮澤賢治の思想が流れていることもよく分かる。知を追求する「往相」に対して、非知をも包括して全体性を獲得する「還相」の重要性が語られ、矛盾を矛盾のままに「ほんとう」という言葉を重ねるしかなかった宮澤賢治が語られる。
吉本隆明の晩年の思索の到達点が率直に語られていて、貴重な対談集となっている。
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