青山文平の作品一覧

「青山文平」の「読楽」「鬼はもとより」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

配信予定・最新刊

作品一覧

  • 底惚れ

    底惚れ

    小説・文芸

    4.2
    1巻880円 (税込)
    2022年、柴田錬三郎賞と、中央公論文芸賞をW受賞! 伊集院静氏は「この作品の価値は冒頭の数行にある。五両と小作農という仕事は江戸期の経済に通じる作家の視点がある。…事件、物語があり、さらに色気がある。これほどの作品を柴田錬三郎賞に迎えられたのは、選考委員として喜びである」とまで評価。 大沢在昌氏は「一読、参りましたといいたくなった」、村山由佳氏「文章は、その人の歌う旋律でありリズムであり呼吸である」、林真理子氏「もはや完成形といおうか名人芸といおうか、『うまい』ととうなるしかない」と高評価。 浅田次郎、桐野夏生、篠田節子、逢坂剛ほか、各選考委員も大絶賛した時代小説の傑作! 村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。主人公は四十過ぎのそんな男のひとり。根岸にある小藩の屋敷で奉公中、訳ありのお手つき女中の道連れを命ぜられ…男の運命が変わる。純愛とビジネス成功譚! 一作ごとに進化し続ける青山文平の語り口に酔いしれる! 女への思いをつのらせながら、はぐれ者だった男が、一途に自分を刺した女の行方を求める。女を捜す方便として、四六見世という最底辺の女郎屋を営みながら、女が現れるのを待つ。その仕儀を薦めてくれたのは、路地番の頭・銀次だった。ビジネス成功譚の側面と、女への思いを貫く純愛を縦線として、物語はうねり、意外な展開をみせ、感動の結末へ。魅力的な時代長篇。 蜂谷涼 (北海道新聞2021年1月30日付) 「『底惚れ』なんとすごみのある言葉だろう。恋い焦がれて、惚れぬいて、首っ丈になっても、まだ及ばない。魂をひりひりさせる言の葉だ。」 細谷正充 (東京新聞2021 12月11日) 「ラスト一行にたどり着いたとき、いい話を読んだという満足感を得られるのだ。タイトルそのまま“底惚れ”してしまう作品である」 大矢博子 (小説すばる 2022年2月号) 「痺れた。  何に痺れたって、主人公だ。自分を刺した女を探す男だ。その思いに、生き方に、そして何よりその語りに、痺れた」 縄田一男 (日本経済新聞 1月27日) 「ラストで「俺」を襲う虚脱感がジワジワと比類無き感動へ変貌していくさまに接し、主人公の幸せを願わずにはいられないだろう」 「この場末のどこがいい?」 「ここはどこでもねえからね。なにしろ岡場所だ。あるはずのねえ場処さ…」
  • 鬼はもとより

    鬼はもとより

    小説・文芸

    4.2
    1巻737円 (税込)
    どの藩の経済も傾いてきた宝暦八年、奥脇抄一郎は江戸で表向きは万年青(おもと)売りの浪人、実は藩札の万(よろず)指南である。戦のないこの時代、最大の敵は貧しさ。飢饉になると人が死ぬ。各藩の問題解決に手を貸し、経験を積み重ねるうちに、藩札で藩経済そのものを立て直す仕法を模索し始めた。その矢先、ある最貧小藩から依頼が舞い込む。三年で赤貧の藩再生は可能か? 家老と共に命を懸けて闘う奥脇がみたものは……。
  • 跳ぶ男

    跳ぶ男

    小説・文芸

    4.1
    1巻800円 (税込)
    切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛。15歳の剛は、急逝した藩主の身代わりとして江戸城に送り込まれた。「能」を使った秘策によって、貧しい藩は生き延びることができるのか。 藩の命運を握った剛は、「想いも寄らぬことをする」決意をした――。 天保年間の土地も金もない弱小藩を舞台に、ひとりの少年武家が辿る過酷な運命が、圧倒的リアリティを通して描かれる。 謎と謀(はかりごと)、美と畏れ。研ぎ澄まされた文章と壮大なる謎、唯一無二の武家小説! 「弱冠十五歳の少年が、柳営の棟梁たる将軍に対して、己の能の技量のみを武器に文字通り徒手空拳で命がけの闘いを挑む。しかも与えられた期間は、わずか七ヶ月しかない。これぞまさにミッション・インポッシブル 」  ――川出正樹 (解説より) ※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 白樫の樹の下で

    白樫の樹の下で

    小説・文芸

    4.1
    1巻611円 (税込)
    江戸幕府が開かれて180年たった、天明期、最下級の御家人で小普請組の3人の幼馴染が活躍。当時は竹刀剣法花盛りの中で、彼らはいまだ木刀を使う古風な道場に通っている。ある日、江戸城内で田沼意知を切った刀を手にしたことから物語が動き始める。いまだ人を斬ったことがない貧乏御家人が刀を抜くとき、なにかが起こる……。傑作時代ミステリー。第18回(2011年)松本清張賞受賞作。
  • 本売る日々

    本売る日々

    小説・文芸

    4.0
    1巻800円 (税込)
    本を愛し知識を欲する村人たちを描く! 文政5(1822)年。月に1回、城下の店から在へ行商に出て、 20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の「私」。 上得意先のひとり、小曾根村の名主・惣兵衛は 近頃、孫ほどの年の少女を後添えにもらったというが、 彼女に何か良い本を見繕って欲しいと言われ―― 用意した貴重な画譜(絵本)が、目を離した隙に2冊なくなっていた。(本売る日々) 村の名主たちは、本居宣長の『古事記伝』、塙保己一が編纂した『群書類従』など 高価な本を購い、書店主と語り合う。 村人が決して実用的でない知識を求めるのはなぜなのか。 徐々に彼らが知識を、特に古代や朝廷を研究する「国学」を求める 理由が分かってくる。 江戸時代の豊かさは村にこそ在り、と 考える著者が、本を行商する本屋を語り部にして 本を愛し知識を欲し人生を謳歌する 人びとの生き生きとした暮らしぶりを描いた中編集。 解説 平松洋子 単行本 2023年3月 文藝春秋刊 文庫版 2025年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 下垣内教授の江戸

    下垣内教授の江戸

    小説・文芸

    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。
  • やっと訪れた春に

    やっと訪れた春に

    小説・文芸

    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。
  • つまをめとらば

    つまをめとらば

    小説・文芸

    3.9
    1巻713円 (税込)
    第154回(2016年)直木三十五賞 女という圧倒的リアル! 直木賞受賞作 去った女、逝った妻……瞼に浮かぶ、獰猛なまでに美しい女たちの面影はいまなお男を惑わせる。 江戸の町に乱れ咲く、男と女の性と業。 女が映し出す男の無様、そして、真価――。 太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。 身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか――。 時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。 男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。 選考会時に圧倒的支持で直木賞受賞。遂に文庫化! 解説・瀧井朝世
  • 父がしたこと

    父がしたこと

    小説・文芸

    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    目付の永井重彰は、父で小納戸頭取の元重から御藩主の病状を告げられる。居並ぶ漢方の藩医の面々を差し置いて、手術を依頼されたのは在村医の向坂清庵。向坂は麻沸湯による全身麻酔を使った華岡流外科の名医で、重彰にとっては、生後間もない息子・拡の命を救ってくれた恩人でもあった。御藩主の手術に万が一のことが起これば、向坂の立場は危うくなる。そこで、元重は執刀する医師の名前を伏せ、手術を秘密裡に行う計画を立てるが……。御藩主の手術をきっかけに、譜代筆頭・永井家の運命が大きく動き出す。
  • 泳ぐ者(新潮文庫)

    泳ぐ者(新潮文庫)

    小説・文芸

    3.8
    1巻781円 (税込)
    離縁して三年半もたつのに、なぜ元妻は元夫を刺したのか。事件の「なぜ」を追う徒目付、片岡直人は真相を確信するが、最悪の事態が起きる。そんな折、奇妙な噂が耳に入る。毎日決まった時刻に大川を泳ぐ男がいるというのだ……。違和感の向こうに見えてくる狂おしい人生と、封印された秘密。心に「鬼」を抱えて生きてきた男と女が、最期に見せた真実とは。江戸の人々の翳(かげ)を鮮やかに描く傑作。(解説・木内昇)
  • 遠縁の女

    遠縁の女

    小説・文芸

    3.8
    1巻700円 (税込)
    五年の武者修行から帰ってみれば……。 直木賞作家が贈る濃密な傑作時代小説集。 寛政の世、浮世離れした武者修行から五年ぶりに帰国した男を待っていたのは、美貌の女が仕掛ける謎――。 表題作ほか、二十俵二人扶持の貧しい武家一家で、後妻が生活のため機を織る「機織る武家」、新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主を描く「沼尻新田」。 閉塞した武家社会を生きる人間の姿が鮮やかに立ち上がる傑作三篇。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 半席(新潮文庫)

    半席(新潮文庫)

    小説・文芸

    3.8
    1巻693円 (税込)
    御家人から旗本に出世すべく、仕事に励む若き徒目付の片岡直人。だが上役から振られたのは、不可解な事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用だった。職務に精勤してきた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の侍が堪えきれなかった思いとは。人生を支えていた名前とは。意外な真相が浮上するとき、人知れずもがきながら生きる男たちの姿が照らし出される。珠玉の武家小説。(解説・川出正樹)
  • 励み場

    励み場

    小説・文芸

    3.7
    1巻682円 (税込)
    智恵は、勘定所で普請役を務める夫・信郎と、下谷稲荷裏でつましくも幸せに暮らしていた。信郎は若くして石澤郡の山花陣屋元締め手代まで登りつめたが、真の武家になるため、三年前に夫婦で江戸に出てきたのだ。そんなある日、三度目の離縁をし、十行半の女になった姉の多喜が江戸上がりしてきた。一方、その頃、信郎は旗本の勘定から直々に命を受け、上本条付にひとり出向いていたが……。己の「励み場」とは何か?家族とは何か?──直木賞作家が描き切った渾身の長篇小説。(解説・池内紀)
  • 春山入り(新潮文庫)

    春山入り(新潮文庫)

    小説・文芸

    3.6
    1巻572円 (税込)
    藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱した行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た刀の交換と、劇的な結末を描く「三筋界隈」。城内の苛めで病んだ若侍が初めて人を斬る「夏の日」。他に、「半席」「約定」「乳房」等、踏み止まるしかないその場処でもがき続ける者たちの姿と人生の岐路を刻む本格時代小説の名品。『約定』改題。
  • かけおちる

    かけおちる

    小説・文芸

    3.6
    1巻662円 (税込)
    妻はなぜ逃げたのか。最旬作家の傑作時代長編 藩の執政として秘策を練る重秀はかつて、男と逃げた妻を斬った。二十年後に明らかになる女心の真相とは。松本清張賞作家の傑作。
  • 江戸染まぬ

    江戸染まぬ

    小説・文芸

    3.5
    1巻800円 (税込)
    江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。 “青山流時代小説”の真骨頂! 旗本の次男坊で部屋住みの俺は、武家であらねばならぬ、などとは思っていない。 堅物の兄が下女に好意を寄せているのを見て取って、 わざと下女にちょっかいを出そうとするが、気づくと女は身籠っていた。 しかも父親は、隠居の祖父だという。 六十九歳の老人に女で負けた俺がとった行動は――。 直木賞受賞作『つまをめとらば』に連なる傑作短編集。 史実から生まれた圧巻の7編。 ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 伊賀の残光

    伊賀の残光

    小説・文芸

    3.4
    1巻605円 (税込)
    その誇りに、囚われるな――。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。伊賀衆ながら伊賀を知らず、門番の御役目とサツキ栽培で活計(たつき)を立てていた。だがある日、伊賀同心の友が殺される。大金を得たばかりという友の死の謎を探る中、晋平は裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、そして大火の気配を嗅ぎ取った。老いてこそ怯まず、一刀流の俊傑が江戸に澱む闇を斬る。『流水浮木―最後の太刀―』改題。
  • 読楽2026年5月号
    続巻入荷

    読楽

    小説・文芸

    -
    70~75巻200円 (税込)
    【豪華執筆陣!】伏尾美紀 柏井壽 赤川次郎 【大藪春彦賞受賞記念特別読み切り】 伏尾美紀 荷物 スカウト業の野口は自分より格下のティッシュ配りのおっさんと出会う 【好評連載】 柏井 壽 三日月旅館 念願の京の都での民泊開業前。大物客来訪で掬月に試練が迫る─! 【歴史&時代】 坂井希久子 夜鷹狩り あさのあつこ おもみいたします 参 梶 よう子 とむらい屋颯太 門田泰明 覚悟召されよ権中将殿 【風味絶佳】 吉田篤弘 月とコーヒー 【警察&ミステリー】 赤川次郎 盗みと恋の手ほどきは 【マンガ】 サメマチオ 追読人間臨終図巻

ユーザーレビュー

  • 泳ぐ者(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    とても感慨深い本でした。
    「半席」の続きです。徒目付の、片岡直人が主人公の江戸時代を舞台にした話です。
    今回は上司の内藤はあまり出ませんが、海防の話が下地にあり、そのために長崎に行って来た話をし、直人に意見を求めます。
    それとは別に、夫殺しの「なぜ」を調べ見抜こうとします。しかし、考えに考え、調べたり話を聞いても、完全には納得いかず、犯人の妻には死なれてしまいます。
    その後、訳あって、川を泳いでいる男と知り合い、その男に何かを感じたのですが、結局は切り殺されます。死ぬ間際の「笑み」に何故を感じ、殺された男の過去を深くさかのぼり、その笑みの理由に行き着きます。暗闇を理解して、「見抜く」ことができた。
    このことによって、ようやく夫殺しの妻の「なぜ」も理解できたが、ずっと心に留めなくてはならなくなったのです。
    作者は、とてもきめ細やかに、丁寧に、事実や直人の心情を描いています。前作は爽やかな終わりでしたが、本作はとても深い、考えさせられる終わり方でした。

    0
    2026年09月17日
  • 下垣内教授の江戸

    Posted by ブクログ

    人を斬ったらどんな思いになるのか。
    幕末の豪農の剣豪が美術批評の大家になるまでの心の葛藤が、描かれている。
    幕末の世間、というものが、目の前で展開される面白さに目を見張った。
    時代の中で変化していく価値観、本質とは何か、ほとばしる憧れへの筆致がみずみずしくて、なんかスッキリした読後感。

    0
    2026年09月15日
  • 半席(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これまで読んできた時代小説の中でも変わってるけど、とても何か爽やかな小説でした。
    どこかで藤沢周平に似ていると書いてあったから読み始めたのかもしれません。
    主人公の片岡直人は半席という身分であり、とても苦労して徒目付となり、勘定方の偉い人になることを目標にして、旗本への昇格を狙っています。
    しかし、上司の内藤から、事件の真の動機を調べるように言われるのです。その短編が6つあり、その過程で、直人は成長して、「見抜く者」になってゆくのです。事件の動機を探すのは、すでに事実は分かっているので、見抜くのが主体です。そこがサスペンスです。
    武士の小説としては、戦さなどのない日常的な出来事が主で、作者が丁寧に説明してくれて、分かりやすく、さまざまな苦悶する人達をやさしくしかし真実味をもって描いています。
    続編もあるので、近いうちに読みたいです。

    0
    2026年08月23日
  • 下垣内教授の江戸

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     斬新ではないが新しい。
     幕末史を、このような角度で切り取るという視点が。豪農・農兵隊・小作といった人たちの存在は知らなかった。が、それを極めてリアルに感じることができた。
     ストーリーの展開は、もしかするとありきたりかも知れない。「絵師」の描写に、多くの読者は気付くところがあっただろう。その意味で、謎解きはあまり期待しない方が良い。
     しかし、それでも自立した江戸から明治の人が、この作品の中に存在していることに心から驚きを覚える。

    0
    2026年02月10日
  • 鬼はもとより

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった!
    最初から先が気になってどんどん読み進めた。

    藩札掛として貧乏藩を立て直す話だったんだけど、主人公の聡明さと覚悟が伝わって来て痛快だった。

    殺陣の描写もあって楽しかった。

    清明の人生どうなっちゃうの〜って気になってたら、最後はああやっぱりね……でもどうすんの……って終わり方だった。
    そしたら主人公が全く私と同じ気持ちで終わってて、すげ〜ってなった。

    すげ〜ってのは、私は小説を読んでて登場人物に感情移入したことがほぼ無いんだけど、これは人が人に向ける感情において、私の気持ちと差異がないのがすごいなって思った。
    私が青山文平を読んでる理由はそこだな。

    前読んだ『乳付け』でもそうだったけど、そんなこと人生で経験したことないが、そうなったら嫌だなって思う感情を自然に思わせてくれる文章、感動する。

    『乳付け』では主人公のお乳が出なくて我が子の乳を別の乳母に頼むんだけど、その乳母が旦那の昔馴染みの美女で、うまくいかない自分がたいへんよそ者に感じられて寂しいって描写。

    そんな状況になったことないけど、もしなったら自分は悔しいし悲しいし寂しいし、お世話になってるのに乳母に出てって欲しくなっちゃうなって思った。

    多分状況は違えど、人生で似たような疎外感を覚えることはあるんだろうね。
    その気持ちを読み手に感じさせるための文章力? 表現力?があるのかなと思った。

    0
    2025年12月07日

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