幸田文の作品一覧
「幸田文」の「季節のかたみ」「おとうと(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「幸田文」の「季節のかたみ」「おとうと(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
木を見て人の生き方を思い、それを文章に変えて表現するその才能が素晴らしい。
私はよく山に行く。山に行くと、木を見て、触ったりもする。
「これは◎◎だ」などと木や草花の名を言えたらカッコいいかなという下心で、ポケット図鑑片手に山を歩いて、勉強している。
そもそも、木というもの自体が好きだ。
人の一生なんかでは追いつかないほど長い間そこにあるということが、なぜだか惹きつけられる。
ゆっくりじっくり時間をかけて育ち、虫や気候条件、場所などの環境に耐えて生き残った木々が山にあり、それを見て癒されたり、材として活用したり。
人間の長い長い歴史の側には必ず木の存在があり、人はそれを節度を持って使うことで、繁栄してきた。
建築にしろ道具にしろ、木がなければ人の生活は成り立たない。
そのはずなのに、森林や木はなんだか縁の遠いもののようになってしまっていると感じる。
私は日本の木の家具雑貨のインテリアブランドを運営しているが、その立ち上げの理由の一つは、「国産材のことをもっと知ってほしい」というものだ。
意外と、身近にある森林のことを知らないよだ。
まだまだ勉強中で、先をいく方々のお話を伺うと、本当に木の世界は奥深いなと痛感する。
この本の中に、法隆寺の宮大工である西岡棟梁のエピソードがある。
「木は生きている」と西岡棟梁は言い、それは立木の時も、材になってからもそうだと言う。
長い時間かけて育った木を、有り難く大切に使い、長く使われるものを作る。そして山にまた木を植えて未来につなぐ。
言葉にすれば簡単だが、多くの人間と商流が絡み合い、一筋縄にはいかない課題だ。その課題の解決に、多くの人が尽力している。
私もその課題の解決のために多くの人が積み上げてきたものに、石の一つでも置けるような人間でありたい。
Posted by ブクログ
映画『PERFECT DAYS』で登場した一冊。何気なく読み始めてみたらとんでもない良書に出会ってしまって、嬉しい。
花や木など植物、自然に真摯に向き合うことはこのことだと感じさせられた。そんな情景描写や自然への愛を語る著者の文章や文体に引き込まれ、これから植物や自然の見方や価値観を刺激する読書体験だった。
それぞれの木をじっくり観察したいし、その木にまつわるストーリーを想像し感じたい。そして1回きりではなく、1本の木を四季を通して様々な角度・姿で観察しないと本当の理解はできないのかと感じさせられる。
同時に自然からの学びは、人生にも通ずるところがあるのだろう。
著者の文章や心や人となりが心地よかった。何度も読み直したい1冊になった。
7000年の屋久杉、ぜひともリアルで見てみたい。
Posted by ブクログ
某百貨店に催し物を見に行った帰りに店内の書店に立ち寄ったら、真っ先に木漏れ日の表紙が目に飛び込んできて即購入した。
幸田文は好きな作家だし、何より数年前に観た映画『PERFECT DAYS』で役所広司演ずる掃除夫が読んでいた本として忘れられない。いつか読みたいと思っていた。
ある本を読む日というのはこんなふうに訪れるんだと思った。
木について15篇のエッセイで構成されている。
1つ目の「エゾマツ」の倒れた樹木の上に芽吹く倒木更新のことから最後の「ポプラ」の不運な境遇まで、
節度ある擬人化で、樹木についてだけでなく人の一生についても考えさせられた。
日頃知ることのない職人さんたちの叡智にも深く静かに感動した。
杉の章では、確かに3000年も生きる生物ってそうはないと改めて思ったし、他の樹木にしても長い年月を生き抜く樹木の知恵というか苦闘が木肌や幹、根の張り具合に出るところも、当然と言えば当然だけれど面白かった。
作者の年齢60代後半から80代に書かれており、気になる木があれば全国各地を訪れていた著者の意欲的な様子にも感心した。
170ページ足らずの厚さの本だが読み応えあり
端正で品格のある文章に心が洗われた。