流れる(新潮文庫)

流れる(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る……。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。(解説・高橋義孝)

...続きを読む

流れる(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月27日

    ミーハー極まり無いけど『PERFECT DAYS』で作家に興味がわいて。

    登場人物たちの日常の、流れるように移ろい行く様を利発な女中の主人公の視点で柔らかく描く。
    舞台となる芸者置屋のちょうど転換期を描いてはいるけど、派手な事件が起きるでも無く、淡々と日常が過ぎていく。

    芸妓の着物や持ち物や化粧...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月08日

    芸者置屋で働くことになった梨花という女性のお話です。華々しい世界の裏側の描写も面白かったし、梨花の心理描写も小気味良いテンポで描かれていて、読んでいて飽きなかったです。筆者の流れるような美しい文章に圧倒されました。とにかく物語の世界に没入できましたし、読んだあとの余韻が凄くて中々現実世界に帰って来れ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月15日

    めっちゃ面白い。
    それからすごく不思議。
    1955年に書かれた小説なのに、すごく今風っていうか、
    なんかね、すんごい面白いお姉さんのツイッター見てる感じ。
    何十年も昔の小説だなんて思えない。

    ……って考えてたら、高橋義孝先生の巻末の解説でちゃんとした文章で説明されてた笑
    「文字によって構成される文...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年08月08日

    凋落していく置屋で、くろうとを眺めるしろうと主人公の視点が巧み。芸妓たちの時に激する直接的な台詞よりも、交わされる無言の視線が彼女たちの関係性、そして内面感情をはっきりと指し示している。間と目線を行間にありありと浮かび上がらせる幸田文の表現に敬服。

    0

    Posted by ブクログ 2018年09月26日

    零落してゆく置屋の景色と時間を、女中 梨花の視点で華麗に切り取った小説。書かれたのは1956年だが、すでに古典と呼んでも違和感のない風雅さがあり(恥ずかしながら、幸田文はもっと前の時代の作家だと思い込んでいたこともあり…)、現代エンタメ小説が失なってしまった純朴な読書の時間を与えてくれる佳品。

    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年08月20日

    名作だった。名作ゆえに、読み終わった途端、もう一度じっくり読んでしまった。私の思う名作とは、味わいのある言葉遣いがあること、何度も読み返したくなること、人にすすめたくなること。美味しくて、足繁く通い、友達にも教えたくなる、名店と一緒だ。

    物語も、女中が見た没落しかかった芸者置き場という、下世話なが...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2015年11月22日

    やっと手に取った幸田文。期待を裏切らない面白い作品だった。漢字変換されてない言葉が多々あるので慣れるまで少し読みにくかった。意地があって口が達者な女しかいない置屋の内情。主人公:梨花が素人で所謂普通の感覚を持っている人、という設定が読む側が素人であるだけにスッと話に入っていきやすかった。会話の箇所を...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2013年10月18日

    女性たちばかり出てくるのに、
    どうしてこんなにはきはきと
    輝いて見えるのか。

    登場人物の人間らしさが
    どろどろ絡み合うのに
    情とか、主人公のさっぱりした
    強さとかが心地よく読める。

    他の作品も読みたい。

    0

    Posted by ブクログ 2018年05月24日

    初めて読んだのは中学の時です。難しい話ではないけれど、古い言い回しや物の名前等、分からない部分も結構ありました。
    でも時にたゆたい、時に蕩々と流れる文章のリズムが心地よくて。
    何度も読み返し、少しずつ腑に落ちて、そのたび味わいが増すように思います。

    0

    Posted by ブクログ 2021年09月20日

    主人公 梨花を通して描かれる置屋の芸者たちの生活。

    梨花の鋭い観察眼と何重にも機転を利かせる様子がリアルに描写されています。

    ここまで読むか、ここまで考えるか、とハラハラしながら読みました。

    気働きとはこういうことを言うのかな、と思わせられました。

    0

流れる(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

幸田文 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す