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Posted by ブクログ
ミーハー極まり無いけど『PERFECT DAYS』で作家に興味がわいて。
登場人物たちの日常の、流れるように移ろい行く様を利発な女中の主人公の視点で柔らかく描く。
舞台となる芸者置屋のちょうど転換期を描いてはいるけど、派手な事件が起きるでも無く、淡々と日常が過ぎていく。
芸妓の着物や持ち物や化粧の艶やかさ、表情や声色や仕草から溢れる心情、花街の情景が主人公の目を通して鮮烈に綴られて読み手を本の世界へ引き込む。
主人公の過去は細やかに仄めかす程度で、読み手に想像させる余白のバランスも良い。
読み進める内に構造や雰囲気に映画と共通するものが見つかり実に興味深いと感じた。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白い。
それからすごく不思議。
1955年に書かれた小説なのに、すごく今風っていうか、
なんかね、すんごい面白いお姉さんのツイッター見てる感じ。
何十年も昔の小説だなんて思えない。
……って考えてたら、高橋義孝先生の巻末の解説でちゃんとした文章で説明されてた笑
「文字によって構成される文章というもののロジックではなしに、話される生きたことばのロジックに従って文章となったというのが幸田さんの文章である。」
それそれ!!!
多分ね、生のことばで書いてあるから、古い感じがしないの。
すっごく新しいの。
今も昔も、人間の思考回路なんてそう変わんないんだなって感じする。
しろうとの主人公の目で語られる花柳界の雰囲気がすごくリアルで面白い。
私は冒頭の「猫だわよ!」と、
駐在さんに出す志那そばをとんでもないところから手渡しするシーンが好き。
声上げて笑っちゃった。
作者の分析的な視点も効いてる。
ま~~~~~芸者衆の性格が良かったり悪かったりするんだけど、
そのキャラクターデザインが優れてて、
「確かにそういう人生を歩んでたらこういう性格になって、こういうことも言うだろうな」
って納得しちゃう。
Posted by ブクログ
名作だった。名作ゆえに、読み終わった途端、もう一度じっくり読んでしまった。私の思う名作とは、味わいのある言葉遣いがあること、何度も読み返したくなること、人にすすめたくなること。美味しくて、足繁く通い、友達にも教えたくなる、名店と一緒だ。
物語も、女中が見た没落しかかった芸者置き場という、下世話ながら惹かれる内容だ。そこには上流へ流れる者、下流へ流れる者、それぞれのストーリーがある。
最後の著者の言葉、「水は流れるし、橋は通じるし、『流れる』とは題したけれど、橋手前のあの、ふとためらう心には強く惹かれている。」という文章に、この物語の全てが凝縮されているように感じた。ふとためらう繊細な心を細やかに描写している。
Posted by ブクログ
やっと手に取った幸田文。期待を裏切らない面白い作品だった。漢字変換されてない言葉が多々あるので慣れるまで少し読みにくかった。意地があって口が達者な女しかいない置屋の内情。主人公:梨花が素人で所謂普通の感覚を持っている人、という設定が読む側が素人であるだけにスッと話に入っていきやすかった。会話の箇所を読むと往年の女優が喋っているのが容易に想像できる。この頃の人はみんなこんな早口でスパッと話したもんなんだなぁ。裏の中華料理店と五目そばの受け渡しをするシーン、可笑しくて可笑しくて声たてて笑ってしまった。途中、同映画も観てみたが、そのシーンがちゃんと入っていてムフフとなる。映画も素晴らしかったけれど原作の方が梨花の黒い部分も出てて好きかな。他の幸田作品も楽しみ。
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