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Posted by ブクログ
再読(高一ぶり)
東京藝術大学 私にとっては未知の世界だけど、蓋を開くとこんなにも興味深い世界が広がっている。
藝大と聞くと、俗世間とはかけ離れた人たちが住む世界だと思っていたけれど、将来のことだったり自分が突き進む世界を恐れていたり……悩んでいる人が意外といたのがびっくりした。高校時代に読んだ時より、藝大生の悩みにより注目して読めた。
ある学生は藝大という世界があまりにも特殊すぎて、当たり前とは何なのか、一般的な世界と隔絶されるのを恐れていた。またある学生は、「美しいものを作る人は美しくなければならない」という、強迫観念に近いモットーを掲げていた。その学生にフォーカスした章はより興味を持って読むことが出来た。美しいとは何かを追求し尽くし、心の内を作品として表す。フォーカスされた彼女の姿勢には何か惹かれるものがあった。
何かを生み出すことは苦しみを伴う。それは美術も音楽も一緒だと感じた。私は小中高校と美術部に在籍していたが、芸術の道に進むことはなかった。あくまで趣味として楽しんでいるのであって、その道を極めようとしたらいつか対面するかもしれない壁を乗り越えられるのか。好きなことが嫌いなことに成り下がるのは耐えがたい。音校のピアノ科のある学生はピアノをやりたくて藝大に来たわけではない。それまでずっとピアノをやってきたが、本当に自分がピアノをやりたいのかは分からない。ただ、不思議とやってしまう、と述べた。そのようなスタンスもあるのかと驚いた。藝大生は必ずしも好きでキャンパスにいるわけではない。迷いながら、悩みながら自分の道を追求する。卒業後の行方不明者が多数いる東京藝術大学。その懐の大きさと、だから皆やりたいことが出来るのだろうと思った。