作品一覧

  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選
    3.3
    1巻1,500円 (税込)
    人新世とは、「人間の活動が地球環境に影響を及ぼし、それが明確な地質年代を構成していると考えられる時代」、すなわちまさに現代のことである。パンデミック、世界的な経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題……未来が破滅的に思えるときこそ、サイエンス・フィクションというツールの出番だ。本書に収められた短編10編とインタビューで、不透明な未来を見通し、それが社会や家族や個人にどんな影響を与えるか、そして希望をもたらすにはどうしたらよいか、グレッグ・イーガンを始めとする気鋭の作家たちが探ってゆく。/【目次】序文――人新世におけるサイエンス・フィクション=ジョナサン・ストラーン/シリコンバレーのドローン海賊=メグ・エリソン/エグザイル・パークのどん底暮らし=テイド・トンプソン/未来のある日、西部で=ダリル・グレゴリイ/クライシス・アクターズ=グレッグ・イーガン/潮のさすとき=サラ・ゲイリー/お月さまをきみに=ジャスティナ・ロブソン/菌の歌=陳楸帆(チェン・チウファン)/〈軍団(レギオン)〉=マルカ・オールダー/渡し守=サード・Z・フセイン/嵐のあと=ジェイムズ・ブラッドレー/資本主義よりも科学――キム・スタンリー・ロビンスンは希望が必須と考えている=ジェイムズ・ブラッドレー/謝辞=ジョナサン・ストラーン/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介
  • 白熱光
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。衝突事象によると思われる惑星の地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、“白熱光”からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界“スプリンター”の農場で働くロイ―彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが…
  • アロウズ・オブ・タイム
    値引きあり
    4.5
    1巻1,265円 (税込)
    発進から六世代かけ、直交星群の反物質を扱う技術をも発展させた〈孤絶〉の科学者たち。ようやく故郷の惑星を救う目処がつき、帰還の途につくことに。だが、「時の矢」の反転で航宙に危険が増すくらいなら、母星が破滅してもかまわないと主張する帰還反対派もあらわれていた。対立が激化する〈孤絶〉で、未来からのメッセージを受けとるシステムの建設計画が発表される。稼働すれば、未来の事象のすべて、〈孤絶〉と故郷の運命もわかるというが……。わたしたちとは異なる時空の法則から構築された奇妙な宇宙で、奔放にアイデアをかけめぐらせた〈直交〉三部作、堂々の完結篇!
  • エターナル・フレイム
    値引きあり
    4.4
    1巻1,210円 (税込)
    故郷の惑星を直交星群との衝突による滅亡から救うため、巨大ロケット〈孤絶〉が飛び立って数世代後。いまだその解決策が見つからないなか、〈孤絶〉の天文学者タマラは、近傍を通過する天体〈物体〉を発見する。この宇宙の特異な性質から、直交星群の物質でできた〈物体〉はただの岩ではなく、母星帰還への道をひらくエネルギー源になるかもしれない! 光と物質の新たな法則を見いだそうとしていた物理学者カルラは、タマラとともに〈物体〉探査チームに加わるが……。現代ハードSFの旗手イーガンが、我々の世界とは異なる物理法則に支配される宇宙を描いた〈直交〉三部作、第二弾!
  • クロックワーク・ロケット
    値引きあり
    4.7
    1巻1,155円 (税込)
    わたしたちの世界とは少し違う、別の物理法則に支配された宇宙。奇妙な現象「疾走星」の増加を調べる女性物理学者ヤルダは、彼女たちの惑星が壊滅間近であることを知る。危機回避のための策は、いまのヤルダたちにはない。しかし巨大ロケットを建造して深宇宙に送りだせば、この宇宙の特異性のためロケット内では無限の時間が生みだされる。惑星上での数年のうちに現在よりはるかに科学技術を発展させ、惑星を救えるにちがいない!計画への無理解と批判にさらされながら、ヤルダたちはこの前代未聞の大事業に取りかかるが……。現代最高のSF作家イーガンの宇宙SF三部作、開幕!
  • TAP
    3.0
    脳に作用して究極の言語表現を可能にするインプラントTAPの使用者が死んだ。その事件に秘められた真相とは?変わりゆく世界、ほろ苦い新現実……世界最高のSF作家が贈る名作全10編。
  • シルトの梯子
    値引きあり
    4.5
    1巻671円 (税込)
    今から2万年後。量子グラフ理論の研究者キャスの実験は、新たな時空を生み出してしまう──それから数百年後、人類は拡大し続ける新たな時空の脅威に直面し、人類の生存圏の譲渡派と防御派が対立していた。観測拠点〈リンドラー〉号にて譲渡派のチカヤは幼なじみのマリアマと再会し動揺する……解説収録/前野昌弘
  • ディアスポラ
    値引きあり
    4.3
    1巻660円 (税込)
    30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。
  • ゼンデギ
    値引きあり
    4.0
    1巻605円 (税込)
    脳マッピング研究を応用したヴァーチャルリアリティ・システム、ゼンデギ。だが、そのシステム内エキストラたちは、あまりにも人間らしかった。妻を事故で亡くした上、余命を宣告されたマーティンは、幼い息子の成長を見守るためヴァーチャル・マーティンを作りあげるが……。科学の可能性と限界を探った意欲作
  • 白熱光
    値引きあり
    -
    1巻583円 (税込)
    はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に使者がやってきた。未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるという。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人とともに銀河系中心部をめざす! ……現代SF界最高の作家による究極のハードSF。 解説/板倉充洋
  • ビット・プレイヤー
    値引きあり
    4.2
    1巻572円 (税込)
    重力が変化した世界で目覚めた主人公を待っていたものを描く表題作など全6篇収録。ハードSFの雄、イーガンの7年ぶり日本オリジナル短篇集! 解説収録/牧眞司
  • 順列都市〔上〕
    値引きあり
    4.0
    1~2巻539円 (税込)
    記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。その“コピー”たちに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われた……。
  • ひとりっ子
    値引きあり
    4.0
    1巻539円 (税込)
    待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が選択した行動とは!? 子どもへの“無償の愛”を量子論と絡めて描く表題作、星雲賞を受賞した数学SF「ルミナス」、アイデンティティ・テーマSFの傑作「ふたりの距離」他、論理を極限まで突き詰めた七篇を収録する、日本オリジナル短篇集。
  • 祈りの海
    値引きあり
    3.9
    1巻528円 (税込)
    二万年前に惑星コブナントに移住し、聖ベアトリスを信奉する社会を築いた人類の子孫たち。そこで微小生物の研究を始めた敬虔な信者マーティンが知った真実とは? ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した表題作、バックアップ用の宝石を頭のなかに持った人類の姿を描いた「ぼくになることを」ほか、遙かな未来世界や、仮想現実における人間の意志の可能性を描く作品までをテーマにしたヴァラエティにとむ全十一篇を収録
  • しあわせの理由
    値引きあり
    3.8
    1巻506円 (税込)
    12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、全九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。

ユーザーレビュー

  • しあわせの理由

    Posted by ブクログ

    イーガンはもっと難解で何のこっちゃわからん感じかと思っていたが、文章自体が思いがけなく読みやすかったので、理系の専門知識部分以外は問題なく理解できた。
    読んでいると人間という存在の悲哀を感じて、自分の人生を含めたこの世界をとても切ない気持ちで見てしまうようになる。
    全編に通じるテーマとして、人間は「自分のしたことは間違っていない」と思わないと生きていけない、という真理を感じた。

    0
    2025年11月09日
  • シルトの梯子

    Posted by ブクログ

    グレッグ・イーガンはハードSFの極北なので一般人の私には理解できるレベルでないのだが、自分の理解への助けに概略をまとめておく。

    二万年後の未来の話。人類は宇宙全域に播種し、もはや人格をデータ化しバックアップ、光速で移し替えたりでき肉体はもはや意味を持たず、肉体を持つことなく存在する人もいる。寿命も数千年にわたる。肉体ももはや男女の別はなく、性行為をしたい時はそれ用に性器を作り出す世界となっている。そういう世界が嫌で自らの肉体をコールドスリープし宇宙を漂流し続けるアナクロノートと言われる人類も登場、後に彼らが騒動を引き起こすこととなるのだが。

    ミモサにてサルンペト則(架空の物理法則)に基づく

    0
    2025年07月14日
  • 順列都市〔下〕

    Posted by ブクログ

    SF的アイデアの宝庫。
    科学的というよりは形而上学的に難解であり、登場人物の感覚や推論を理解しながら読むのが困難。
    人間の意識をコンピューター上にコピーするという、ありふれた出発点からは想像もつかないような展開と着地。

    0
    2025年01月05日
  • しあわせの理由

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ハードSF作家としてよく名が挙がるグレッグ・イーガンの短編集。自分にとって初めてのイーガン作品だ。ハードSFという言葉から予測していた難解で合理的な科学的描写で埋め尽くされたような硬いイメージとは違い、意外にも容赦無く万物を物質的に還元していく科学に引き裂かれる人間の、不合理で、不完全で、柔らかな"こころ"が主題になった短編が多かった。全体的な感想としては、その"こころ"の探求が見事で、科学を通じてなされる哲学的な思案が心地良かった。

    ・適切な愛
      女は、事故で死にかけた夫の治療の為に、彼の脳のクローンを孕む事になるが、妊娠に起因する胎盤ホルモンの

    0
    2024年11月14日
  • ディアスポラ

    Posted by ブクログ

    初イーガン、あらすじがとんでもないこと書いてあるので気になって読んだ。最新物理学の上に架空の物理学が乗っかっていたり、幾何学の説明が図もなしに地の文で何ページも書かれていたりするがわりと読み飛ばしても主題は追える。主題の「そこまでテクノロジーで出来たとして、あなた(私)は何をしたいのか(するべきなのか)」は西暦3000年を待たずに、もう全人類に突きつけられつつあるのではないかと思う

    0
    2024年10月28日

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