滝口悠生の作品一覧

「滝口悠生」の「愛と人生」「高架線」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

プロフィール

  • 作者名:滝口悠生(タキグチユウショウ)

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作品一覧

  • ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(新潮文庫)
    3.8
    1巻440円 (税込)
    夢みたいに流れる風景にみとれた私は、原付バイクごとあぜ道へ突 っ込む。空と一緒に回転し、田んぼの泥に塗れた19歳だった私と、14年後の私がつかの間すれ違う。互いの裸を描き合った美術講師の房子や、映画監督の夢をかかえて消えた友の新之助、そして旅先で触れた様々な言葉。切れ切れの記憶を貫いて、ジミヘンのギターは私のそばで静かに発火する。寡黙な10代の無二の輝きを刻む物語。(解説・近田春夫)
  • 愛と人生
    3.3
    1巻660円 (税込)
    「男はつらいよ」シリーズの子役だった「私」が27年の歳月を経て、当時の話を伊豆の温泉宿で「美保純」とする。「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛され山田洋次監督も共感した、独創的"寅さん小説"。表題作の他、「かまち」「泥棒」の3作を収録。野間文芸新人賞受賞作。
  • 高架線
    3.9
    1巻715円 (税込)
    新刊『長い一日』が各紙誌で大評判。 若手随一の小説の名手、芥川賞作家の滝口悠生、初の長編小説。 思い出すことで、見出され、つながっていくもの。注目の芥川賞作家、初めての長篇小説。 風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。 人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。
  • 死んでいない者
    4.1
    1巻743円 (税込)
    通夜が奇跡の一夜に。芥川賞受賞作 ある秋の日、大往生を遂げた男の通夜に親戚たちが集った。 子、孫、ひ孫三十人あまり。 縁者同士の一夜の何気ないふるまいが、死と生をめぐる一人一人の思考と記憶を呼び起こし、 重なり合う生の断片の中から、永遠の時間が現出する。 「傑作」と評された第154回芥川賞受賞作に、単行本未収録作「夜曲」を加える。 解説・津村記久子
  • 茄子の輝き
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    旅先の妻の表情。大地震後の不安な日々。職場の千絵ちゃんの愛らしさ――。次第に細部をすり減らしながらも、なお熱を発し続ける一つ一つの記憶の、かけがえのない輝き。覚えていることと忘れてしまったことをめぐる6篇の連作に、ある秋の休日の街と人々を鮮やかに切りとる「文化」を併録。芥川賞作家による会心の小説集。
  • 寝相
    3.8
    1巻1,584円 (税込)
    人生最後の日々を過ごす老人とその孫娘の静かな同居生活を描く「寝相」。失業中の男、元女番長、なぜか地面を這うようになった小学生が織り成す異色の群像劇「わたしの小春日和」。奇妙な美しさを放つ庭を男女四人の視点で鮮明に描き出す「楽器」(新潮新人賞受賞作)。目を凝らし、耳を澄ませるための三つの物語。瞠目のデビュー作。
  • ラーメンカレー
    3.9
    1巻1,800円 (税込)
    「すべての出会いは運命的だ」 35歳、9月。ロンドンで高校の同級生の結婚式に参加した。 仁と茜の夫婦は、茜の古い友達を訪ねてペルージャまで足を延ばす。 そして窓目くんは、結婚式でシルヴィに出会ってしまったのだった。 ――言葉と記憶があふれだす、旅の連作短編集。
  • 鉄道小説
    3.3
    1巻1,936円 (税込)
    1872年、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業。2022年、この国には世界に類をみない鉄道網が広がっています。150年の間、枝葉をのばすように広がってきた鉄道は、線路の数、車両の数、駅の数だけ、そして列車に乗った人の数だけ物語を生み出してきました。個人史と鉄道のさまざまな風景が交差する、“人と鉄道の記憶”についての物語を5人の作家が執筆。「これは、自分の/あの人のことかもしれない」と各々の記憶に思いをはせることができるような、長い歴史のレールの先につづくあたらしい「鉄道小説」をお届けします。
  • 掌篇歳時記 春夏
    3.3
    1巻2,090円 (税込)
    麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る"季節の名前"。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
  • たのしい保育園
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    三歳のももちゃんとお父さんは日々、川べりや公園を歩く。過ぎていく時間と折々の記憶は、いつしか祈りへと昇華していく――。ニュートラルに子育てにたずさわる、新時代の「父」の物語。
  • 水平線
    4.4
    1巻2,750円 (税込)
    祖父母の故郷・硫黄島を墓参で訪れたことがある妹に、見知らぬ男から電話がかかってきた頃、兄は不思議なメールに導かれ船に乗った。戦争による疎開で島を出た祖父母たちの人生と、激戦地となった島に残された人々の運命。もういない彼らの言葉が、今も隆起し続ける島から、波に乗ってやってくルルル――時を超えた魂の交流を描く。

ユーザーレビュー

  • たのしい保育園

    Posted by ブクログ

    子育てにおけるかけがえのない瞬間が幾重にも重なっていくような、素敵な本だった。自分の子どもとの思い出を追体験している部分もある、という自覚もあるが、毎日通った保育園への坂道、抱っこしたときの重さ、一緒に見た飛行機、そんな小さい子供と過ごした日々のディテールがまざまざと思い出された。
    ただ一方で、子育てのキラキラした部分だけを切り取ったものというわけでもなく、小説家ならではの表現も随所に見られかなり読みごたえもあった。
    神聖さすら感じる保育室での赤ちゃんの昼寝、パレスチナの少年に思いをはせながら見る空高く飛ぶ凧、半分になった紙に書かれたももちゃんの「も」。
    描き下ろしとして書かれた「名前」のラス

    0
    2026年02月03日
  • 死んでいない者

    Posted by ブクログ

    葬儀に集まった親族達の所作や心模様 
    故人とのエピソードが語られていく物語
    場面 視点 会話 可視化された想念が
    いつのまにか切り替わっていく文体
    脳内映像は俯瞰したりズームアップしたりと
    忙しない
    けれどそれが時間経過や人々の浮かんでは消えていく想いのリアルそのものだと思いました

    故人への想いが強烈に伝わってくる
    わけではないけれど
    ふと湧き上がってくる思い出で生前の故人を偲ぶ
    そこに現れる故人は死んでいない者たちと同じ強さで心のうちに現れていました

    人々の想念が移ろっていく様を読みながら
    今まで参列してきた葬儀で
    死んだらどうなるのだろう
    生まれ変わりってあるのかなぁ
    などと頭をよぎっ

    0
    2026年01月28日
  • 茄子の輝き

    Posted by ブクログ

    映画に作品が登場したことで興味を持ち、手に取る。
    妻と離婚し、職を失う男のストーリー。特に象徴的な事件は起きないが、訥々と主人公の心情が語られていく。

    少しずつ味わいながら読み進めていった。
    男の視点を追体験するような本。世間一般では悲しい、傷を負う経験をしていると思うが、それに真正面から向き合うわけではなく、付き添いながら人生を進めていく人間の物語と感じた。
    悲しいことを悲しいというのではなく、別の行動で表現する。消化する。
    この人の行動が気持ち悪いと思ってしまうとこの小説を楽しめないと思うが、自分はなんだか楽しめた。

    0
    2026年01月24日
  • たのしい保育園

    Posted by ブクログ

    前半は2歳の娘ももちゃんの保育園での
    送り迎えに奮闘するお父さんの悲喜交々
    ままならない娘の感情に直面したお父さんの戸惑いに悲哀を感じつつ
    娘との冷静なやりとりに
    おおらかな愛情を感じました

    後半は3歳になったももちゃんとお父さんの
    日常風景
    対話のシーンやふと感じてしまう不安が
    とてもリアル

    今でこそお父さんの保育園の送り迎えの姿は
    良く見かけるけど
    私の子育て時代は結構珍しかった
    夫が送り迎えをすることが多かった我が家は一時期保育園のお友達にはお母さんのいない子として
    認知されてたなぁ

    実はこの物語
    単なるお父さんの子育て奮闘記に留まらない
    ももちゃんのお父さんは我が子を一人の人間と

    0
    2026年01月23日
  • たのしい保育園

    Posted by ブクログ

    筆者の他のエッセイを読むに、この作品は実際の生活に基づいた、限りなくエッセイに近い物語なのかなと思う。
    お父さんがももちゃんに向ける姿勢が、視線が、「育てよう」という上から目線のそれではなく、客観性のあるものなのが、新鮮に感じた。
    お父さんの、保育園の先生たちに対する観察眼や親しみの情は、保育園で働いている自分からすると嬉しさと、少し身の引き締まる感もあった。
    こういう風に、大人たち皆で、子どもたち皆を、見ていけたらいいなと思う。

    0
    2026年01月10日

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