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運命のモントフォード家
フランス革命下で生き別れた伯爵家3兄妹がついに巡り合う――人気作家が紡ぐ〈運命のモントフォード家〉、感動の終幕! 亡き恋人ギルを想い独身を貫いてきた令嬢ニコラは、妹の家へ馬車で向かう道中、憂鬱になっていた。妹の夫こそ、かつてギルを死に追いやった憎い男なのだ。そのとき急に馬車が止まった。外を見ると黒覆面の盗賊の一団に囲まれている。その優雅な物腰から“紳士”と呼ばれる賊の首領は馬車から金品を運び出し、さらにニコラに要求した。「あなたから頂きたいものがもう一つある」彼はそう言ってニコラの唇を奪った。その口づけは彼女を罰するようで……。 ■キャンディス・キャンプの人気シリーズを復刻! 『黒い瞳のエトランゼ』、『盗まれたエピローグ』に続く、〈運命のモントフォード家〉第3話をお届けします。ヒロインの令嬢ニコラは10年前に恋人を亡くし、以来独身を貫いています。そこに謎めいた盗賊が現れて彼女の唇を奪って……。亡くなった恋人を想い続けるニコラの一途な姿に、胸を締めつけられました。フランス革命の混乱のなかで生き別れてしまった伯爵家の3兄妹のその後、そして陰謀のすべても明らかになります。どうぞご期待ください。 *本書は、MIRA文庫から既に配信されている作品のカバー替え版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。 -
運命の指輪【ハーレクイン・セレクト版】
同居している親友がロッドという青年と婚約し、サビーナはバカンスへ旅立つふたりを見送ったばかりだった。ロッドから贈られた婚約指輪は、紛失を恐れて家に置いてある。ある日、息をのむほどハンサムなヨークと名乗る男性が現れ、あの指輪は祖母のものだから、返してほしいという。聞くと、なんと従弟のロッドが盗んだというのだ。重い病で入院している祖母は、ヨークが婚約者にその指輪を贈り、ふたりで見舞いに来てくれるのだけを心待ちにしている、と。サビーナは件の指輪をはめ、婚約者を演じることになってしまう。次第にことが大きくなって引き返せなくなるばかりか、本当にヨークに恋してしまうことになるとは思いもせずに。 ■一度きりのはずの“嘘”の上塗りで、追いつめられてゆくふたり。婚約者として両親に紹介され、家に泊まり、わななく唇に唇を寄せられて、胸に募る想いに気づかされたサビーナは――。ジェシカ・スティールが描くピュアな恋に癒やされる1997年初版の名作です。 *本書は、初版ハーレクイン・クラシックスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。 -
失われた地図
探検家の父が行方不明になった。1枚の謎めいた地図を娘に遺して。モルベナはそれだけを頼りに父を捜す旅に出たが、船は珊瑚礁で座礁――気づくと彼女は白く輝く砂浜に漂着していた。目もくらむばかりの蒼く高い空、生い茂る熱帯の樹木。鮮烈な色彩の鳥が飛び交い、猿がするりするりと木の枝を渡る。もしかしたら、私はもう天国にいるの……?朦朧とした意識の中でそう思ったとき、たくましい青年の影が差し、はっと見上げた彼女の目に、褐色の肌の男性が飛び込んできた。漆黒の髪と、かわせみの翼のような碧眼の世にも美しい男――この楽園の支配者ロッケ・デ・ブラス・フェルロだった。 ■不世出の作家ヴァイオレット・ウィンズピアが描く原始的なまでに荒々しい愛の世界。極彩色の楽園を舞台に惹かれ合う領主ロッケと美しい乙女モルベナを、ほかの漂流者と島の娘たちはこぞって妨害しようとし……。生と愛を謳う壮大なドラマをお楽しみください。 -
情熱は嵐のあとで
コンラッドと出会ったときから、エマの葛藤が始まった。■母親の女手ひとつで育てられたエマは、母が亡くなる直前、自分に大富豪の祖父がいることを知らされる。母の最期の願いは、その祖父とエマが一緒に暮らすこと。そこでまずは素性を隠し、エマは祖父に近づくことにした。首尾よくアシスタントとして採用され、祖父の家に向かうと、エマを出迎えたのは祖父の腹心のコンラッドという男性だった。人目を引かずにはおかないほどハンサムで魅力的。だが傲慢で見るからに遊び人の彼に、エマは一目で反発を覚えた。何も知らない祖父はエマを気に入り、徐々に心を開いてくれるが、ある日、持病が悪化して倒れる。コンラッドは祖父の体を案じ、エマにあるとんでもない計画を持ちかけた。 -
身も心も
アンジェリーナは天涯孤独の身となり、寄宿学校へと送られて教育を受けた。アレクサンダー・セントクレア――第9代スタワーブリッジ公爵の計らいのおかげだ。3年後、彼女はロンドン随一の高級住宅街にある公爵の屋敷を訪れた。恩に報いて身を捧げるために。 -
ハーレクイン・ロマンス特選
『危険な再会』―若くして結婚したジェイムは夫から酷い暴力を受け、心身共にぼろぼろになっていた。そんな彼女の唯一の救いが、義弟のベンの存在だった。だが、ある夜を境にふたりは離れ、15年後──ひとつの命が再びふたりを引き合わせる。『シンデレラの恋』―借り物の高価なドレスに身を包み、別人のように変身して、あるパーティに出席した貧しい秘書のジェーン。理想の男性アダムと出会い惹かれるが、身分違いに怯むあまり、偽の連絡先だけを残して彼の前から姿を消す。 -
過去のある情熱
苦い十代のころの思い出――それは、今なお二人にわだかまりとして残っていた。■「この写真、よく撮れてるじゃない!レイチェル、特にあなたが」共同経営者のアリスが歓声をあげた。レイチェルは、地元の新聞に載った、自分たちの不動産会社の記事をのぞきこんだ。女性ばかりの三人で始めた会社のすべりだしとしては順調といえる。アリスはご機嫌の様子で、声に出して記事を読み始めた。しかし、レイチェルの耳には、その声はもう聞こえていなかった。同じページにある、別の記事に気をとられていたのだ。そこには、開発業者として成功したリーの写真が載っていた。記事は、彼が今度は大規模な分譲住宅を建設中だと伝えていた。その住宅の販売を担当できれば、会社には大きな利益となる。十代のころ、リーは父の薬局でアルバイトをしていたことがある。レイチェルはすぐにでも連絡して、仕事の話を持ちかけたかった。だが、二人の間には、その十代のころ、彼女の両親によってつきあいを禁じられた、苦い思い出があった。彼女はリーのことを思うと、今でも心が乱れるのにとまどいながら、彼に連絡をとるべきか、ためらいを感じてしまうのだった。 -
異文化への旅路
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「言語は文化の乗り物」といわれるが、著者は「心をつなぐことば」といいかえる。 異文化へのあこがれから、英語・ドイツ語を学び語学教師としてまた通訳・翻訳者としての体当たりの記録エッセイ。留学を志す若い人に参考になればと世にだしました。 -
ナチュラルな家事の秘訣
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 モノをムダに捨てない、化学物質はいっさい使わない生活術。家中の掃除にすぐに使える方法で、光り輝くマイ・ホームにしてみませんか。本書は、現在の家庭用品に不満で、家を大事にし、安全でナチュラルなものを求めている方のためにつくられました。伝統的なナチュラルな家事技術の秘けつを学べます。ぴかぴかでよい香りのする家にしましょう。簡単な手入れで家具が新品同様になります。壁を美しくよみがえらせましょう。自家製の安全でナチュナルな洗剤をつくりませんか。家の手入れにいろいろ使えるハーブを育てましょう。材料は、すべてふだん家庭で使うもので間にあいます。 -
復讐を誓う花嫁
10歳の誕生日、生け贄を強いられたレイモンドは、命令した兄に対して殺意を抱く。あれから20年たった今も、兄への反逆心は日に日に強くなるばかりだった。そんな折、ウェールズのモーガン卿が協定を結ぶ交換条件として、娘と領地を提供すると言ってきた。兄に反旗を翻すならば、モーガン卿の戦力は心強い。レイモンドは協定を受け入れた。その娘がかつて戦で親友を殺されたことで、イングランドの騎士に強い復讐の念を抱いていることも知らずに。■12世紀のイングランドとウェールズの国境地帯で、心に傷を負った騎士と花嫁は情熱的な愛を誓い合い、育みます。 -
セニョール・サタン
スペインで修道女見習いをしている身寄りのないトニは、いわれのない差別を受け、つらい毎日を送っていた。ついに園丁の服を拝借した彼女は修道院からの脱走を企てるが、途中、紛れこんだ祭りの喧噪のなかで盗人に間違われてしまい、美貌の貴族ルークの手によりなんとか救われる。トニは彼の船でスペインからイギリスへ向かうことになり、身の安全のため、少年のふりのままルークや周囲の人々を欺いた。だが一方で、ルークへの思いは日々膨らんでいくばかりだった。そんなある日、彼らを乗せた船が嵐に巻きこまれてしまい……。 -
砂漠のドクター
★私を、現実を知らない子供としか見てくれない。彼を愛するなんて、悲しくてつらいだけだ。★灼熱のカサブランカの空港に、青い目をした若い女性が降り立った。マドリン・ページ、二十歳。イギリスから着いたところだ。ロンドンで知り合ったハンサムなアメリカ人青年ブルックの紹介で、彼の叔母アマリアが、夫の伝記を書くのを手伝いに来たのだ。頼まれてマドリンを出迎えたのは、アラブ人の姿をした長身の男性だった。猛々しく鮮烈な迫力を発散する男の存在感に、彼女は一目で圧倒された。彼は砂漠のオアシスにある病院のフランス人医師、ビクター・トウレル。砂漠の住民の医療に命を捧げる人らしいが、マドリンを完全に子供扱いする。その後、マラケシュを中心に美しい砂漠の国でアマリアと行動をともにしながら、マドリンは優しいブルックのプロポーズに心を乱された。本心は、厳しく激しい砂漠の鷹のような医師ビクターに惹かれずにはいられない。ビクターにはいつも、妖艶な美女がしっかりと寄り添っているというのに。 -
旅立ちは風のように
「妹の純潔を奪ったからには、責任をとって結婚してもらおう」身分を偽ってメキシコ国境に潜入し、麻薬捜査をするコーディは、友人アルフォンソ・ラミレスの激しい口調におののいた。アルフォンソにはひどく可愛がっている20歳の妹がいる。そのカリーナがコーディの命が狙われていると偶然にも知り、夜中に知らせに来てくれたのを、アルフォンソが誤解したのだ。実際は指一本触れるどころか、敵に襲撃されて窮地にいたのに。世間知らずで純真無垢なカリーナはとても美しい娘だが、正体すら明かせないこの僕が、結婚などできるわけないだろう! -
貴婦人の素顔
アッシュ家の末娘メグはいつも美しい姉たちと比較され、母親にもないがしろにされて窮屈な日々を送っていた。だから幼なじみのサイモンが求婚しにやってきたとき、メグはロマンチックな告白を期待して胸をときめかせた。ところが――「わたしたちの友情がより親密なものになることを望んでいます」それは、とある国の王子と恋に落ち、お姫様になる夢を見ていた少女にとって、あまりに味気ないプロポーズだった。メグはがっかりして申し出を断り、パリに渡った。一方、サイモンも自堕落な放蕩者に変貌し、ついに二人が再会する時がやってきた! -
愛の足かせ
アントニアは幼いころからフィリップとの結婚を夢みていた。それなのに、のほほんと年月を重ね、気がつくと二十四歳になっていた。大変!ぐずぐずしてはいられないわ。幸い、フィリップにはまだ結婚を約束した相手はいないらしい。ここで私が彼の花嫁にふさわしいレディで、男爵の妻としても立派にやっていけると証明できたなら、求婚してくれるかもしれない。かくして二人は八年ぶりに再会したのだが、彼はアントニアのことをなかなか思い出してくれず……。★ステファニー・ローレンスの三部作〈三人の求婚者〉の最終話をお届けします。放蕩者を気どっていたフィリップもついに年貢の納めどきのようです。ヒロインのアントニアが仕掛けた愛らしい罠とは? 恋人たちがついばむ協奏曲をお楽しみください。★ -
完全なる騎士
12世紀、フランスはエレオノール女王の宮廷。ここでは日々、廷臣たちが貴婦人に詩と花を捧げ、恋の駆け引きに興じている。その噂はヨーロッパ全土に轟き、“愛の宮廷”と呼ばれるほどだ。女官アレインも女王の庇護を求めて、この宮廷に身を寄せた。しかし彼女は男女の愛の戯れになど興味はなく、むしろ、どんな男性も愛せない秘密がある。そこへイングランドから折り目正しい騎士がやってきた。聞けば、ヘンリー~世の使いだという。彼の放つ磁力にアレインはたちまち吸い寄せられ……。★本書に出てくる吟遊詩人は、ヨーロッパの宮廷において、おもに恋愛を主題とした詩を楽器の伴奏に合わせて吟じました。詩には見目麗しく颯爽とした騎士が登場し、乙女の胸を焦がしたと言われています。★ -
反抗的な花嫁
アイルランドの母の領地を訪れたレイヴンスフォード伯爵は、屋敷の誰かが盗みを企てているのを図書室で偶然耳にした。聞き覚えはないが、女のほうのかすれ声はひどく興味をそそる。猫が喉を鳴らすようなあの声音で誘惑されてみたいものだ……。一瞬あらぬ想像をした自分を戒め、声を頼りに女の正体を探ると、母の新しい話し相手、メアリー・マーガレットだとわかった。いっぱしのマナーを身につけているが、しょせんは身分の低い者。ふしだらに違いないあの女を、しっかり見張るべきではないか?使いでロンドンへ行くという彼女に、伯爵は同行することにした。 -
レディ・アニカの謎
伯爵の血筋を引くアニカは、ロンドンの社交界でもとびきりの変わり者として知られていた。その美貌と知性は輝くばかりだというのに、どんな男性も彼女に指一本触れることはできない。ひと目でアニカに惹かれた貴族のトリスタンは、口実を設けて彼女に接近した。自立心旺盛なアニカは決して意のままにならないが、そんな彼女に、トリスタンは尊敬の気持ちすら抱く。だがアニカを知るにつれ、トリスタンは驚きを隠せなかった。わが妻にと望んだ女性が途方もない企てにかかわっていたとは! -
うぶな愛人
レティシアは母親の庇護から逃れ、自立して暮らしてきた。女性は結婚がすべてと考える母親への反発心から、恋愛の経験はない。だが実は、レティシアには秘密の顔――大胆な男女の描写で知られる恋愛小説家という顔があった。ある日、友人の城を訪ねたレティシアは中で迷ってしまい、偶然通りかかったシートン・レイン卿に助けてもらう。レイン卿は、レティシアの妹の花婿候補と噂される次期侯爵で、いつもなにかと彼女にあざけりの目を向けてくる男性だ。まるで、男性を知らないレティシアをからかうかのように。しかし次の瞬間、相変わらず皮肉の笑みを浮かべた彼に唇を奪われ、レティシアは思いもかけなかったほど恍惚となった。■いつも読みごたえのあるストーリーを届けてくれるジュリエット・ランドン。今月は、純粋でいながらもちょっと大胆なヒロインが登場します。ロンドンの街のさまざまな描写も盛り込まれています。 -
幻のかなた
セリーナは幼いころ事故で両親を失い、母の年の離れた姉である伯母一家に引き取られた。伯父は血のつながった伯母よりもセリーナをかわいがってくれ、今では彼女は伯父の会社でやりがいのある仕事を任されている。その敬愛する伯父が、ある日心臓発作をおこして倒れた。アダム・チューダーという男が接触してきたせいだった。伯母と、その息子ドミニクの話によれば、彼は伯父が若いころ、よくない女性にひっかかってもうけた子供で、長年にわたって伯父にお金をたかり続けてきたのだという。そして、あろうことかチューダーはこんなことを言い出した。伯父さんを守りたければ、ぼくと結婚するしかない、と……。 -
許されなかった二人
キリアは物心ついたころから、人里離れた場所に暮らしてきた。人の心を読む特殊な能力を、誰にも知られたくなかったからだ。だがあるとき、深く危険な湖を越えて侵入してきた男性を見て驚いた。子供のころから何度も夢で会っていた男性――私の運命の人だわ!その男性グラントは、キリアの能力が必要な事態に陥っていると言い、二人は、彼の国までの旅路をともにすることになる。もう二度と故郷の土を踏めないかもしれないけれど、グラントと一緒にいられるのならかまわない。キリアは胸をはずませ、意気揚々と出発するが、なぜかグラントの顔に浮かぶ暗い表情が気にかかってしかたなかった。◆美しき三姉妹それぞれの恋模様を描くルース・ランガンのラブストーリーをお届けいたします。憧れの男性との旅に出発したキリア。その先には何が待っているのでしょうか?◆ -
運命の指輪
サビーナが同居している親友のナタリーは、いつも人に裏切られてきた。そのナタリーが、今度こそは本物の愛を見つけたと宣言し、ロッドという青年と二人で、自由な旅へと出発していった。ナタリーがロッドから贈られた指輪は、紛失を恐れて家に置いてある。ある日、息をのむほどハンサムなヨークと名乗る男性が現れ、あの指輪は瀕死の重病で入院している祖母のものだと言い出した。ヨークはロッドの従兄で、ロッドが祖母の指輪を盗み取ったようだ。祖母は、ヨークが結婚したい女性にその指輪をつけてもらい、二人で病院に見舞いに来てくれるのだけを待っているという。ナタリーを裏切ることはできないが、病重い老婦人のことも心配だ。サビーナは問題の指輪をはめ、ヨークの婚約者役を務めるしかなかった。だが事態が複雑に展開し、つらい恋の悩みまで抱えることになるとは……。 -
買われた令嬢
その日、放蕩者で鳴らすチェイス・ボストンが訪ねてきて息子が彼に莫大な借金を負った顛末を淡々と説明するのを聞き、スティーブン・チェスターは顔面蒼白になった。娘のカテリーナは十七歳で歌姫として華々しくデビューし求婚が殺到したものの、二度も土壇場で婚約を破棄。結婚はしたくないと言う。おまけに息子までこのていたらくとは。頭を抱えるスティーブンに、チェイスは話を持ちかけた。「娘さんを妻に迎えたい。代わりに借金は帳消しにしましょう」チェイスが優しくカテリーナに結婚したくない理由を尋ねると、彼女は突然、絶望の嗚咽をもらして走り去った。結婚恐怖症の歌姫か。おもしろいことになってきたぞ。★HS~316『放蕩貴族の愛人』で美しい歌声を披露し観客を沸かせたカテリーナ。その奔放なる情熱を受け止めるには、放蕩者で有名なチェイスなら不足はなさそうですが……。★ -
囚われた貴婦人
夜の闇のなか、馬車が急停止した。強盗に襲われたのだろうか?だが御者を脅す男の声を聞いて、リリスは賊の正体を悟った。パース伯爵。10年前に深く愛し合いながら結ばれなかった相手だ。当時は彼を捨て、別の人と結婚せざるをえない事情があった。夫の喪がちょうど明けたこのときに、彼がまた現れるなんて……。彼は昔から悪党だった。そしてそれが最大の魅力だった。今、馬上の伯爵は冷酷さをたたえ、復讐の念をみなぎらせている。「もう逃げられないぞ。わたしがきみに飽きるまで」彼はリリスを乱暴に抱えあげると、そのまま彼女を誘拐した。 -
富岡多惠子の革命
2023年4月8日に87歳で死去した作家、富岡多惠子の評伝。 54年をともに暮らした夫、現代美術家・菅木志雄へのインタビューを中心に、文学者や編集者など、親交の深かった関係者へ取材。 上野千鶴子が「戦後文学史の中で唯一無二の存在」とする作家の生涯を描く。 【富岡多惠子】 1935年大阪市生まれ。詩人の小野十三郎の影響を受けて詩を書き始め、58年詩集『返礼』で史上最年少、女性初のH氏賞を受賞。その後、小説を手掛け、73年『冥途の家族』で女流文学賞、97年『ひべるにあ島紀行』で野間文芸賞。鋭い批評眼と文学性を持った評論も評価が高く、94年「中勘助の恋」で読売文学賞、2001年「釋迢空ノート」で毎日出版文化賞、05年「西鶴の感情」で伊藤整文学賞、大佛次郎賞。92年刊行の上野千鶴子、小倉千加子との共著『男流文学論』はフェミニズム批評の先駆けとして大きな話題となった。 【菅木志雄】 1944年岩手県生まれ。68年に初の個展を開催、以来、数多くの展覧会で発表を続ける。「もの派」を代表するアーティスト。2012年ロサンゼルスの「太陽へのレクイエム:もの派の美術」へ参加、再評価の機運が高まった。同年ニューヨーク近代美術館で開催された「Tokyo 1955-1970: A New Avant-Garde」に参加。16年にはイタリア・ミラノで大規模個展「Situations」が開催され、17年ヴェネチア・ビエンナーレ「VIVA ARTE VIVA」にも参加。08年、栃木県那須塩原市に菅の作品を常時展示するスペース「菅木志雄 倉庫美術館」が開館した。16年、毎日芸術賞受賞。 【池田満寿夫】 1934年旧満州国生まれ。画家・版画家・挿絵画家・彫刻家・陶芸家・作家・映画監督など、芸術家として多彩に活躍。50年代後半から版画家として東京やパリなど各地のビエンナーレで入賞。65年ニューヨーク近代美術館で個展を開催、翌年ヴェネチア・ビエンナーレで国際大賞受賞。77年『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞。97年3月8日死去。 -
まぼろしの枇杷の葉蔭で 祖母、葛原妙子の思い出
「おばあちゃんとのことについて、色々な人が色々なことを言っているだろう。あれはみんな違うんだよ」 「幻視の女王」とも評された、戦後短歌史を代表する歌人、葛原妙子。彼女には家族にしか見せなかった別の姿があった──。チャーミングで愛おしい、「異形の歌人」の横顔。 子どもの頃、大森の祖母の家に行く時には何か冒険に出かけるような気持ちになった。かつての病院の敷地内にあった、広い平屋住宅。周囲には枇杷の大樹が緑の葉をさかんに茂らせていた。 孫である著者から見た葛原妙子とは──。戦後短歌史を代表する歌人と、その家族の群像がここにある。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 はじめに 大森の家 大森の家/祖母の思い出 祖母の生い立ち 葛原妙子の生い立ち/二枚の写真 軽井沢のこと 軽井沢のこと/眩しき金 朱と咲きいでよ ふたつの雛/朱と咲きいでよ/かけす/酒瓶の花/多擵のみづうみ/栗の木はさびしきときに/しずくひとつ、取りさった幸福/切手のこと/素晴らしき人生 室生犀星と祖母 イシのようなひと/畳の上の伊勢えび/實となりてぞ殘れる まぼろしの枇杷 銀靈/貞香と妙子/祖父の思い出/まぼろしの枇杷 あとがき 【著者】 金子冬実 1968年東京生まれ。旧姓勝畑。早稲田大学大学院で中国史を学んだのち、東京外国語大学大学院にて近現代イスラーム改革思想およびアラブ文化を学ぶ。博士(学術)。1995年より2014年まで慶應義塾高等学校教諭。現在、早稲田大学、東京外国語大学、一橋大学等非常勤講師。1996年、論文「北魏の効甸と『畿上塞囲』──胡族政権による長城建設の意義」により、第15回東方学会賞受賞。 -
「我が道」宇津木妙子
日本女子ソフトボール界の「顔」と言っても差し支えないだろう。女子日本代表を率いて2000年シドニー五輪で銀メダル、04年アテネ五輪では銅メダルを獲得した。しかし、その華々しい実績の陰には、多くの苦悩が詰まっている。 五輪初採用の1996年アトランタ五輪でメダルを逃した悔しさ。金メダルに指を掛けたシドニー五輪の決勝で経験した金縛り。優勝候補筆頭として臨んだアテネ五輪での後悔…。08年北京五輪では、テレビ解説席で金メダルの瞬間を見届けた。 1953年、埼玉県生まれ。中学で出合ったソフトボールでは、チームを強くしたい一心からの行動で、多くの軋轢を生んだ。だが、そのすべてを結果に変えるだけのリーダーシップと、愛情があった。そして今、筆者は色紙にこう書き添える。「努力は裏切らない」。そう思うに至った壮絶なソフトボール人生が、この本に詰まっている。
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