小説 - 折口信夫作品一覧
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-「優れた著作である、というより怖ろしい力を秘めた本である」――三浦雅士(新版解説) あるものを発生させる力というのは、その発生自体が目的で終息するわけではない。発生した後もその力は一つの傾向を保ち、発生させたものの変化を促し続けるのである――。古代人が諺や枕詞、呪詞に顕した神意と神への信頼を、折口は「生命の指標(らいふ・いんできす)」と名づけ、詩歌や物語の変遷を辿りながら、古代より脈打つ日本文学の精神を追究する。生涯にわたり書き改め続けた貴重な論考。 解説・井口樹生/三浦雅士 (目次) 詞章の伝承 文学様式の発生 律文学の根柢 声楽と文学と 小説戯曲文学における物語要素 文学と饗宴と 異人と文学と 翁舞・翁歌 日本文学の内容 日本文学発想法の一面――誹階文学と隠者文学と 笑う民族文学 追い書き 解説「日本文学の発生 序説」の課題 井口樹生 新版解説 凝視と方針 三浦雅士 著者略年譜
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4.2民衆の紐帯であり自然の宝庫でもある社(やしろ)の破壊に反対する、南方熊楠の画期的論考「神社合祀に関する意見」。 伊良湖岬の浜辺で目にした椰子の実から日本人の来し方を想起する、柳田國男「海上の道」。 後に中将姫と呼ばれる藤原南家の姫君と、非業の死を遂げた大津皇子の交感を軸に綴られる、折口信夫「死者の書」。 近代女性の生き様を活写する「海女たち」「出稼ぎと旅」「女工たち」ほか、宮本常一「生活の記録」。 神話、伝承、歴史、生活、自然など、日本のすべてを包摂する厖大な文業から、傑作29篇を精選。 【ぼくがこれを選んだ理由】 民俗学は文学のすぐ隣にある。 南方熊楠の鎮守の森を擁護する論は今のエコロジーにつながっている。 柳田國男と宮本常一の論考を連ねると、正面から描かれた近代日本人の肖像が見えてくる。 折口信夫はもうそのまま文学。読んでいると古代の日本人とすぐにもハグできるような気持になる。(池澤夏樹) 解説=池澤夏樹 解題=鶴見太郎 月報=恩田陸・坂口恭平
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3.0昭和初期――オカルト、猟奇事件、ナショナリズムが吹き荒れる東京。 民俗学者の折口信夫は古書店「八坂堂」に迷い込み、その棚にあるはずのない、未だ構想中の自分の小説『死者の書』を見つける。 「何が書いてあるか読んでごらんなさい」 奇怪な仮面を被った店の主人、木島平八郎に促され、その奇妙な書の頁をめくった時から、折口のまわりで奇怪な出来事が起こり始める……。 「あってはならない物語」へ誘う傑作文豪怪奇ミステリ! 書き下ろしの〈自著解題〉を付す改訂新装版で復活。 【目次】 第一話 死者の書 第二話 妣が国・常世へ 第三話 古代研究 第四話 水の女 第五話 若水の話 〈自著解題〉物語を供養する
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-※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。
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4.0序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世 死生観表出の時代 自然災害のインパクト どこから来てどこへ行くのか 二つの立場 テクノロジーの進化の果てに 1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に 岸本英夫の実践 合理性の納得 頼藤和寛の世界観 はじまりのニヒリズム 「にもかかわらず」の哲学 自由意志の優位と揺らぎ 多田富雄の受苦 人格を破壊から守る サイコオンコロジー 医療の現場で ホスピスとデス・エデュケーション 遺族外来、がん哲学外来 禅の否定するもの 「わたし」を「なくす」 河合隼雄の遍歴 ユング心理学と仏教 切断せず包含 2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論 オルタナティブな知 理解できないものへの態度 時代という背景 第三の項へ ポストモダンの現象 ベクトルの交わるところ 島薗進の視点 「精神世界」の隆盛 個人の聖化と脱産業化 鈴木大拙の霊性 宗教的でなくスピリチュアル 玄侑宗久との往復書簡 「而今」の体験 「いのち」との関係 潮の満つるとき 海のメタファー 親鸞の絶対他力 生死の中で生死を超える 日本的発現 ゆりかごとしての風土 3章 時間を考える 代々にわたり耕す 柳田国男の「先祖」 個体から集合体へ つなぐラフカディオ・ハーン 田の神と山の神 時代からの問い 四つの類型 折口信夫の「海の他界」 野という中間地帯 身近な行き来 かのたそがれの国 うつし世、かくり世 帰ってゆく場所 先祖の時間 線をなす時間 層をなす時間 輪をなす時間 自然との親和性 季語のはたらき、リズム 津波を詠んだ句 山川草木悉有仏性 「衆生」の範囲 貞観地震と津波 暴れる国土 山川草木悉有神性 瞬間瞬間にふれる 不動の中心 技法としての行 色即是空 井筒俊彦による視覚化 縁起という実相 根源のエネルギー 式年遷宮 「木の文明」 生の造形 宣長の「悲し」と「安心」
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-懐かしの童謡、唱歌の世界。歌でたどる都市の風俗――折口信夫の高弟にして、日本芸能研究の重鎮である著者の歌と言葉をめぐる軽妙なエッセイの数々。小学生時代と重なる大正期、その時、口ずさんだ童謡や唱歌を記憶のなかから甦らせ、都市の風俗と言語生活の変遷をたどり、宝塚少女歌劇から戦後の歌謡曲まで、そこに息づく庶民の心を読み解く。軍歌の一方的排斥に異を唱え、歌詞のなかの言葉遣いへの辛辣な評言も著者ならでは。 ◎「文学の歴史の叙述にも、文学作品そのもの、あるいは作者の歴史に対して、読者の歴史が書かれなければならないように、歌の場合にも、それを聴き、習い、歌った、つまり与えられた側の歴史が書かれてもいいと、わたしはかねて思っていた。わたし達のまわりにあるものは、それを制作して与えてきた側の記述が多く、それを聴き、習い、歌った側の記述がほとんどないからである。それには、わたしはかなり不満であった。」<「あとがき」より>
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-「文字による文字のための文字のサイト」type.centerが、文字にまつわる小説・随筆などをまとめた「文字文学」のシリーズ第2弾。収録作品は、「楽書」薄田泣菫/「余と万年筆」夏目漱石/「辞書」折口信夫/「黄山谷について」高村光太郎/「神神の微笑」芥川龍之介/「梔子」ナベタン・ヘッセ/「新作いろは歌留多」阪口安吾 の7篇。解説は出宰漱太郎。