小説・文芸 - 小松左京 - KADOKAWA作品一覧
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4.7巨大な剣竜や爬虫類がいた六千万年も前の中生代の岩層から、奇妙な砂時計が発見された。その砂は、いくら落ちても減らず、上から下へ間断なく砂がこぼれおちて、四次元の不思議な世界を作り出していた。常識では考えられない超科学的現象……! さらに不可解な事件が起きた。この出土品の発見場所の古墳へ出向いていた関係者が、次々と行方不明となり、変死を遂げてしまったのだ――。強大な内なる闇に対抗するための、遥かな時間と空間を超えた壮大な戦いを、迫力に満ちたイマジネーションで描く日本を代表するSF長編作。偶然発見された、貴重な創作メモを収録。作家の思考の流れを詳細に辿り、創作の原点を明らかにするエキサイティングな特典解説つき!
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-人類は今や絶頂期にある。だが、「完全」ではない。技術文明の発展速度にくらべ、人間の叡智は常にそれに追いつくことができず、ますます制御不可能になっている。このままでは、人類の限界が必ずくる――。「チャーリイを殺す」。世界各地の大学で奇妙な予告があいつぎ、しかも現実のものとなっていた。このヴァージニア大学でも、優秀な学生であるチャーリイが、研究中に高圧電流に感電してしまった。予告通り、彼は殺されたのだ! これは、極度に巨大化・複雑化したコンピュータ社会を密かに狙う新人類の出現なのか? 文明の最先端をよりどころとし、彼らは人類にとってかわるのだろうか? 小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。
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3.91993年4月の創刊以来、わが国のホラー・エンターテインメントとともに歩んできた無二の文庫レーベル、角川ホラー文庫。その膨大な遺産の中から、時代を超えて読み継がれる名作を厳選収録したベストセレクションが登場。大学助教授の〈私〉が病院で知り合った美しい女性、由尹。ミステリアスな雰囲気をたたえた彼女は、自分の体は呪われていると告げる。ともに暮らし始めた二人だが、やがて悲劇的な事件に見舞われて……。ミステリとホラーの巨匠・綾辻行人90年代初頭に執筆した傑作「再生」をはじめ、『リング』の鈴木光司が東京湾のクルーズ船を舞台に戦慄の一夜を描いた「夢の島クルーズ」、故・今邑彩が角川ホラー文庫のために書き下ろした不穏な物件ホラー「鳥の巣」、の第72回日本推理作家協会賞に輝いた澤村伊智の学園ホラー「学校は死の匂い」など、バラエティ豊かに、ホラージャンルの面白さと可能性を示す全8編。最高にして最恐、これが日本のホラー小説だ。ホラー評論家・ライターの朝宮運河セレクション。 収録作は以下の通り。 綾辻行人 「再生」(『亀裂』、『眼球綺譚』) 鈴木光司 「夢の島クルーズ」(『仄暗い水の底から』) 井上雅彦 「よけいなものが」(『怪奇幻想短編集 異形博覧会』) 福澤徹三 「五月の陥穽」(『怪談歳時記 12か月の悪夢』) 今邑彩 「鳥の巣」(『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』) 岩井志麻子「依って件の如し」(『ぼっけえ、きょうてえ』) 小池真理子 「ゾフィーの手袋」(『異形のものたち』) 澤村伊智 「学校は死の匂い」(『などらきの首』)
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4.0夜の11時になると、まもるの家の下から怪しい震動音が聞こえてくる――。調査に乗り出したまもるは、古文書などから、この地域には何百年も前から60年ごとに不思議な現象がおきていたことを知る。怪現象の中心地に調査にむかうまもるたちの前に、古い子守歌どおりのねじれた松葉や強い磁性をおびたくぎがあらわれ、謎はますます深まっていく。冒険、友情、そしてほのかな恋を、宇宙と人類という壮大なスケールの中で描く、小学生でも楽しめるSFエンターテインメント大作。小松左京がモリミノル名義で出版した漫画『ぼくらの地球』のワンシーンを引用した詳細解説つき。
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-その男は「青ひげ」と呼ばれた。過去6人の妻たちは、みな死んでいた。「妻殺し」の容疑で警察に調べられたこともあるが、犯罪の痕跡は発見できなかった。しかし、全員が同じ状況で、同じ症状で亡くなっていた。みな妊娠中毒症を起こしていたのだ――。その男がホテルのバーで知り合った7人目の女は「あなたの子を産むわ」と言い放つと「青ひげ」の7人目の妻となった。おれの子を孕むと死ぬ、という男の忠告もなんのその、しばらくして女は妊娠した。女は次第に生活の主導権をにぎり、ある種の危険な兆候をみせはじめた……。種の保存の本能の、新しい形が戦慄を呼ぶ表題作の他、全8編をおさめたSF短編集。書き下ろし解説を収録。
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5.0寒気が訪れ雪が降り始めた。誰もいない林の中で、縄文期の老人が静かに息をひきとろうとしていた。その時老人は、奇妙な夢を見ていた。それは、ずっとずっと先の世の夢で、暮らしむきは今より少しはましになっていたようだった。その夢の中で、またその先の未来の夢の続きをみていると、さらに暮らしは楽になっていたようだったが――。明日こそは住みよい社会が来ると信じて、見果てぬ夢を追い続けた人間を待っていたものとは? 小松左京が京都大学の学生時代に発表した漫画の一部を始め、貴重な資料とともに、作品の深い理解を助ける詳細な解説を付した決定版。
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-K団地の13号館で、どうにも説明のできない奇妙な事件が起こった。5歳の子供が階段の途中から転げおち、おちたとたんに消えていなくなった。消えた瞬間を、母親も団地の誰も見ていない。だが、耳を澄ましていると、5階と4階のあいだ、階段の裏側あたりから、子供の泣き声がかすかに聞こえてくる! どこがどうなっているのか、誰も知らない秘密のどんでん返しがこの建物にはあるのだろうか……? 変わり映えのしない日常生活の中で起きた不思議な事件を描く表題作の他、SFでアジアの世界観に挑んだ初期の意欲作全5編を収録。詳細な解説を付した決定版!
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-冥王星から500万キロ離れた宇宙灯台の緊急ブザーがけたたましく鳴った。巨大宇宙船が操縦不能におちいり、常識では考えられない光の30倍以上のスピードで、ジャンプを繰り返しながら突っ走っているのだ! 太陽系から何万光年も離れ、7人の子供たちを乗せたまま漂流を続ける「宇宙のよび声」号。食糧を食いつないでも、あといくらももたない。この原因不明の猛烈な宇宙船の推力の秘密は、いったい何だろう――? 少年少女だけが乗った宇宙船が広大な宇宙を突き進み、困難に立ち向かっていく、著者会心の宇宙冒険小説。ほかに、「カチカチ山」や「浦島太郎」「金太郎」など、おなじみの昔話をモチーフに独特のひねりをきかせた「SF日本おとぎ話」7編を収録。巻末には小松左京ライブラリによる詳細な書き下ろし解説が入った決定版!
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-物体が飛んだり、突然激しい物音がしたり――。ポルターガイスト(騒霊)現象は、実際に見た者でなければ、信じられないだろう。神経科医で私の友人の田村は、霊媒能力を持っている美しい女性患者に魅入られてしまった。彼女と結婚したいとまで思いつめていたが、とうとう、忌まわしい事件が起こってしまう。「あちら側の住人が、しきりに私をよんでいる……」という彼女を、田村は幸せのためだといって絞殺してしまったのだ。衆人環境の中で神秘的な現象にとらわれた男女の、あの世とこの世の不思議な交流を描く表題作の他、さまざまな味わいが楽しめるホラー短編全14編。小松左京が描いたユーモラスなホラーイラストも収録!
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-楽しい渓流釣りは、一瞬で悪夢に変わった。釣り糸の先にあらわれたのは、思わず悲鳴を飲み込むほどの「怒れる魚」の顔だった。釣り上げられたそのヤマメは大口をあけ、いきなり指に噛みついた。魚が人間に襲いかかるなどという話は、ほら話にしても聞いたことがない。しかし、それだけではなかった。雄猫三匹が幼女を襲い、飼い犬が鰻に絞め殺された。スズメバチは人間を攻撃し肉を喰い、一日のうちに骨だけにした。生きものはすべて、虫ケラから人間にいたるまで、染色体の異常で巨大化し狂暴になっていった――。この不気味な変動の陰で、何かが静かに起こりつつあった。恐怖の時代の前兆を描いた表題作のほか、読者を荒涼たる混乱の世界におとしいれる全6編。書き下ろし解説を収録。
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5.0青白く燃える14個の恒星からなり、まるで空中に浮かぶ水晶のような大宇宙の奇蹟、結晶星団――! その中心部にはブラックホールともつかぬ謎の暗黒部分があった。だが、奇妙なことに、この部分には質量の増減があり、たった一度だけ赤い光を放ったことが観測された。太陽系からはるかに離れているこの結晶星団の周囲には多くの知的種族が住んでいる。彼らの間で神秘と呼ばれ禁忌とされている結晶星団に、今、全宇宙の中の最初の探索者として、太陽系から来たアイが挑もうとしている! ハードSFの白眉とされる表題作の他、全4編を収録。小松左京本人の手による昭和四十三年の大阪万博関連資料など、貴重な図版の入った解説つき。
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-氷結した暗い湖面の底に沈んでいる、青みがかった灰白色の巨大な「顔」。長さ十数キロ、幅7から8キロもある途方もない大きな「顔」だ。どう見ても、人間の、地球人の痩せた男の顔だった。今にも死にそうな重病人の、苦痛にみちた表情をしている。なぜ、そんな巨大な「顔」が、それも銀河系をはるか200万光年も離れているNGC244(アンドロメダ星雲)の中の小恒星のわびしい惑星上にあるのか。また、これほどスケールの大きい彫刻を、誰がどんな技術を駆使して作ったのだろうか。地球上のビーヴァーに似たこの星の原住民たちも、その成因をまったく知らないという。一惑星上にあらわれた巨大な「顔」の謎と心を感ずる木が解き明かす秘密とは? 本格SFの金字塔!
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4.0一昨晩おそく、泥酔して地下鉄の階段から転げ落ち、気を失ったようだ。やっと意識を取り戻すと、街が異様な様子に一変していた。市街のあちこちで、タクシーが電柱にぶつかってぐしゃぐしゃになり、無人となった住宅の密集地あたりでは、黒煙があがっている。大阪じゅうの人間が、僕ひとりを残して消えてしまったのだろうか? あらゆる都市の知人宅や会社に電話をかけまくったが、誰も出ない。緊張と興奮の連続でくたびれ果てていたとき、突然、電話のベルが鳴った――! 日本が空っぽになる異常事態。残されたわずかな人間たちは、極限状態をどう生き延びるのか? SF長編の金字塔!
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5.0小学生のころ初めて小松左京に出会い、夢中でつぎからつぎへと読んできた哲学者・東浩紀が「小松SFのような小説は、じつは小松左京しか書いていない。そういう意味では、あのころの興奮はもうずっと味わえていません」と語る、あのころの感動と驚きを詰め込んだワン・アンド・オンリーな短編集。 「進歩と科学技術」への違和感、焼け跡を原風景とした戦争体験、そして上方落語をはじめ伝統芸能への深い造詣――。 複雑で多面的なテーマを変幻自在の文体で読ませる、「地には平和を」から「ゴルディアスの結び目」まで、4番バッターばかりを集めたような贅沢なセレクション! 紙版角川文庫に換算すると700ページ以上にも及ぶ、長大な15編を1冊にまとめた、電子書籍ならではの必携の1冊! 【序文】東浩紀 【特典】生頼範義による迫力のメガイラスト口絵、小松左京本人による、貴重な手描きイラスト図版を収録。 【収録作品】 「地には平和を」 「御先祖様万歳」 「物体O」 「アダムの裔」 「神への長い道」 「人類裁判」 「戦争はなかった」 「静寂の通路」 「東海の島」 「お召し」 「結晶星団」 「お糸」 「ゴルディアスの結び目」 「大坂夢の陣」 「華やかな兵器」 姉妹編『小松左京短編集 大森望セレクション』も同時発売!
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-身の毛のよだつ怪談から、大笑いのコメディ、ひねりの効いたアイデア・ストーリー、じんわり沁みる普通小説、実話テイストの落語小説などなど……。 傑作が多すぎて、どれから読んでいいのか分からない……。そんな読者のために、大森望が腕によりをかけて厳選した、小松左京の多種多様な側面を一望できるショーケース! ページ数を気にせずに、本当におもしろい和ものとホラー系を中心に据えた、大森望ならではのセレクション。小松左京の「SFの巨匠」という顔しか知らない読者は、きっと新鮮な驚きを味わえるはず! 【序文】大森望 【特典】生頼範義によるカバーと、迫力のメガイラスト口絵、小松左京本人による、貴重な手描きイラスト図版を収録。 【収録作品】 「夜が明けたら」 「日本売ります」 「模型の時代」 「終りなき負債」 「牛の首」 「兇暴な口」 「骨」 「旅する女」 「流れる女」 「明烏」 「くだんのはは」 「召集令状」 「一生に一度の月」 「天神山縁糸苧環」 「氷の下の暗い顔」 姉妹編『小松左京短編集 東浩紀セレクション』も同時発売!
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-あの、ゴエモンが、またニッポンへ帰ってきた! にわかじこみの奇妙な日本語、コウモリ傘を斜めに背負い、モーニングに下駄履きの宇宙人。一万年ぶりのニッポン探訪、見るもの聞くもの、すべて仰天することばかり。そんなゴエモンを自らの家に下宿させたのは、小松左京その人。ゴエモンがトイレットペーパーにひそかに書き記した日記を盗み読んで、わかりやすく紹介した異色の記録。痛快SF長編『明日泥棒』の姉妹編。本作の真骨頂、ゴエモンと小松左京の掛け合い漫才のルーツになったと思われる、ラジオ番組の台本のための直筆メモ画像を収録した完全版!
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-たった一枚の古ぼけた写真が、この大騒動の発端だった――。僕は失業して故郷へ帰っていたが、納戸で見つけた100年前の曾祖父の写真を見て驚いてしまった。こともあろうに「新幹線」が写っている!これが刺激になって、僕は我が家の持ち山の通称「神隠しの山」の麓にある洞窟に入ってみた。洞窟のあちら側では、100年前に僕の家で謀議がこらされていた。ちょんまげを結った侍姿の壮漢たちに見つかったので、あわてて洞窟を抜け逃げ帰ってきたが、村じゅう驚天動地の大騒ぎ。早速、新聞社の音頭取りで学者をまじえて「調査隊」があちら側を調べることになったが……。傑作痛快短編全12作。小松左京と山上たつひこの意外なつながりを明かした書き下ろし解説も収録。
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-ぼくは、いわばやとわれ調査員だ。相手の視線をとらえると、何でも喋らせてしまう特技を買われて、この仕事を引き受けた。今も、酒好きの退役アメリカ陸軍大佐からアメリカについての情報を聞き出している。話の途中、ふと何かの気配を感じて外をのぞくと、人通りの絶えた暗がりに乗用車がとまっている。どうもつけられていたらしい。今まで取材と称して、有力上院議員や「黒い回教徒」のメンバーに会って、必要以上に喋らせたのがまずかったようだ。ついにぼくは、世界中の諜報機関から追われる身となった――。だが、取材データをこんなにも欲しがる理由は何なのだろうか……? あっと驚くどんでんがえしが待ち受ける表題作の他、「フラフラ国始末記」「時間エージェント」八話を収録。解説:モンキー・パンチ。小松左京ライブラリによる書き下ろし補足解説つき。
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-その女には、タヒチに到着した晩、ホテルのバーで出会った。「地球って、意外にさびしい星なのね……」と、なげやりに口にした彼女は、4年前のある日、パリの雑踏の中でひとり息子が行方不明になったという過去を語りはじめた。それ以来、子どもを探して旅を続けているのか、子どもを失った悲しみをまぎらわすために旅をしているのか、わからないのだと言う――。気品と威厳に満ちたちょっと風変わりな女との出会いから、学生生活の終わり近くに知り合った年上の女のことを思い出させられ、思いもよらぬ過去と現在とのつながりが、鮮やかにうきぼりになる表題作の他、女にまつわる短編全5編を収録。小松左京ライブラリによる解説つき。
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4.0浦島太郎のお伽話は、誰でも知っているに違いない。でも、ここに出てくる太郎はひと味もふた味も違います。たくましい海女たちにいじめられ、浦島太郎は極度のおんな恐怖症にかかっている。それもそのはず。太郎の悩みはかなり深刻。理由は、ひとなみはずれた「あれ」の短さ小ささお粗末さのせい。医者にたのめば銭がかかるし、もういっそ、死んでしまいたい……。そんなある夜、声がしてふと目覚めると、股ぐらに巨大な「倅」がそそりたち、昼間助けられた亀からのお礼だと言う。さあ、巨大な息子の持ち主になった太郎が向かった先は――?! 奇想奇抜、ユニークな視点と鋭い風刺で描く、小松左京の芸道小説集! 書き下ろし解説つき。
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3.4あと5時間でこの世界は消滅する――。歴史を正しい方向に戻さなければ! 直木賞候補作となった記念碑的作品。 「あの戦争」で無条件降伏したはずの日本が本土決戦をしている――! 「その年」の10月にはいると、ソ連軍は敦賀に、アメリカ軍は四日市に大上陸作戦を展開した。18歳までの男子で本土防衛特別隊が組織されたが、ほとんどは全滅。いまや、山奥の農村の村民までもが敵に通じている。俺は敵弾をあび、頻死の重傷だ。その時、Tマンと名のる男が現われ、「この世界はまちがっている」と告げた――。時空を超えて日本の歴史の変革を謀る男の見たものとは?! 第50回直木賞候補作となった小松左京初期の傑作。貴重な図版を含む解説も収録。
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5.0僕は40世紀の「時間局員」だ。自由自在に何世紀にもわたって、過去未来へ行き来できる超能力時代に生きている。そんな僕の親友のカズミが、ある一定の周期で、激しい疼痛感と痙攣発作に襲われている。特殊病理学者もサジをなげてしまった奇病だった。苦しみもがく彼をどうしても救ってやりたい。僕は、あてずっぽうに19世紀の幕末に病因解明の手がかりを求めた。しかし、大飢饉の余波が残っていた江戸の街で、僕はカズミの陰惨な過去、双生児にまつわる呪われた影を目撃してしまった――! 40世紀の人間の、呪われた複雑な過去を見つめる表題作のほか、デビュー直後の作品を含め、初期に発表された短編全7編を収録。書き下ろし解説つき。
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-【収録書籍】 『羅生門・鼻・芋粥』著者:芥川龍之介 『新訳 マクベス』著者:シェイクスピア 訳者:河合祥一郎 【映画紹介】 映画「羅生門」 芥川龍之介の同名作品を基に、1950年黒澤明監督により三船敏郎、京マチ子の出演で製作された時代劇大作。その強烈なテーマ、独特の映画手法によって公開時に大きな話題となった。1951年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得、51年度のアメリカのアカデミー賞外国映画賞を獲得し、世界の評価も集めた。 映画「蜘蛛巣城」 1957年、黒澤明監督によりシェイクスピア作「マクベス」を日本の戦国時代に翻案し、能の様式美を取り入れ制作された作品。監督が得意とする強烈な人間描写が凄まじいまでに迫り来る。特に、主演の三船敏郎によるラストシーンは圧巻!
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-みんなをアッといわせるものをつくらなきゃ! 今や世の中は総模型づくりの時代。ぼくは顕微鏡をのぞきながら、長さ0.5ミリのロールスロイスの精密モデルをつくるのが生きがいだった。だが、上には上がいるものだ。戦艦大和の原寸大モデルをつくったやつがいた! しかも、これがほんものそっくりに動くのだ。でも、みんなが道楽でつくった模型が、それぞれ「実用性」を持ちはじめて、やがて途方もないことに……。根っからのプラモ好きだった横顔を持つ小松左京ならではの表題作「模型の時代」のほか、奇想天外な傑作SF全12編。小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。