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堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤
南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。 【目次】はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進/第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹/第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍/第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂/第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎/第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿/終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館/おわりに/【年表】堀田善衞の足跡/付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから…… -
南の島のティオ
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。 お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。 この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子 ※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。 -
無垢の歌
たくさんの喜びがありますように。あの名作が父娘共訳でよみがえる! 「この詩を読む時は、どうか目と声で、音と文字で楽しんでみてください。そうしたらきっと、これらの優しい言葉はもう一度きれいな水となって、あなたの心にしみ通ってゆくと思います」(池澤春菜「まえがき」より) 2020年、初の共著『ぜんぶ本の話』で話題を呼んだ作家・池澤夏樹と声優、エッセイスト・池澤春菜親子。ふたりのはじめての共訳となるのが、この『無垢の歌』です。18世紀にイギリスで発表され、世界中で読み継がれてきたウィリアム・ブレイクの名作が、親しみやすく、みずみずしい新訳でよみがえりました。200年の時を超え、わたしたちに届いた詩の贈りもの。読者の心をしずめ、うるおす「きれいな水」のような言葉がつまった一冊です。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
名句の所以
井月・子規から今日活躍する俳人まで、近現代の珠玉の300句を、俳句革新の旗手・小澤實が解説。今読んでも新鮮に味わうことのできる秘められた名句を厳選し、季節ごとに配列。一句一句を丹念に読み解きながら、詠まれた背景や俳人同士の関わりまでが鮮やかに描き出される。今、俳句を楽しむために必要な鑑賞眼が身につく一冊。明治から大正、昭和を経て、平成に至るまでの俳句を取り上げた。近現代の俳句の流れを形作っている代表的作家をピックアップしたつもりだ。子規・虚子門が連なる主峰はもちろんのこと、虚子への反発から生まれた、新傾向俳句、自由律俳句、新興俳句などの作家も掬い上げた。小説家などの余技の俳句、いわゆる文人俳句も取りあげた。さらに注目している久保田万太郎の師弟の流れは積極的に取り上げている。季節順に句を並べた一冊を通して、近現代俳句の多様な響きが、聞こえてきたとしたら、とてもうれしい。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
もうおうちへかえりましょう
人気歌人穂村弘、衝撃のダメエッセイ第二弾! 正義の味方はもういない。金利はまったくゼロに近い。高度成長期に育ち、バブル期に青春時代を過ごした40代独身男は、デフレとスタバとケータイに囲まれて、ぼろぼろの21世紀を生きている。永遠の女性は、きらきらした「今」は、いつ目の前に現れるのか? 故郷も、家族も、夢も、希望も、志も、野望も、立身出世も、革命も、維新も、なにもなくなってしまった「今」という時代。白馬に乗ったお姫様がいつか現れて、僕を幸せにしてくれるはず、なのに。 衝撃のダメエッセイ『世界音痴』に続く、人気歌人「ほむほむ」こと穂村弘のエッセイ集第二弾。 -
ワカタケル
『古事記』現代語訳から6年、待望の小説が紡がれた! 神話から歴史へのあわいの時代に 森羅万象を纏った、若く猛る大王が出現した 暴君であると同時に、偉大な国家建設者。 実在した天皇とされる21代雄略の御代は、形のないものが、形あるものに変わった時代。 私たち日本人の心性は、このころ始まった。 時代の転換点の今こそ、読まれるべき傑作長編! ! 時は5世紀、言葉は鳥や獣、草木たちにも通じていた。歯向かう豪族たちや魑魅魍魎を力でねじふせ、國を束ねるワカタケル大王(雄略天皇)。樹々の合間から神が囁き、女たちは夢の予言で荒ぶる王を制御する。書き言葉の用意のない時代、思いを伝える歌と不思議な伝説、そして残された古墳の遺物や中国の史書……。作家は言葉の魂に揺さぶりをかけ、古代から現在に繋がる、「日本語」という文体の根幹に接近する―― 令和改元をまたいで日経新聞朝刊に連載された小説がさらにパワーアップして単行本化。