あらすじ
私たちはしばしば「働かない」ことに憧れながらも、成果を追い求め、今を犠牲にしてゴールを目指す。しかし世界には、そうした成果主義や資本主義とは異なる価値観で人びとが豊かに生きる社会がたくさんある。「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済圏……。彼らの生き残り戦略から、働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。
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Posted by ブクログ
タンザニアの零細商人を中心に、情報・構成が整理されていて読みやすかった。Living for Today(その日その日を生きていくこと)を基盤に、絶えず試しにやってみて、稼げるようなら突き進み、稼げないようなら撤退する。仕事は仕事。どれかは/誰かは成功することで、その分だけ誰かの余地が生まれる。対面交渉による「信頼」がすべて。失敗しても誰かの稼ぎで食いつなぐ。インフォーマル経済の違法性は「法的な違法性」と「道義的な違法性/合法性」で区別され、人々の受け止め方も違う。後者のほうがNG行為なよう。
Posted by ブクログ
Living for Todayを生きる人々は逞しい。
決して恵まれている環境ともいえない中で、文字通りの意味で生きていく糧を探している。
216p
不安定で不確実な生活は、人びとに筋道だった未来を企図することを難しくさせるが、代わりに好機を捉え、その時々に可能な行為には何でも挑戦する大胆さをも生み出す。不確実性が不安でしかなく、チャンスとはとらえようのない社会は病的であるのかもしれない。
人間は本来みなLivingforTodayだったはずである。
「その日暮らし」であることの不安や焦りを低減するため、計画主義的で合理主義的な社会システムを構築し主流資本主義体制を生きてきたのだろう。
いま、日本社会は経済大国としての存在感を年々、日に日に失い続けている。
LivingforToday(その日暮らし)=負け組という価値観に縛られていて身動きが取れなくなってやしないだろうか。
今さら、この巨大な経済システムから抜け出すことはできないけど、これからの生活における局地戦においては「Living for Today」のマインドセットで生きていこうとおもう。
楽しんだモン勝ちですよね!