あらすじ
月への一歩となるNEEMO訓練――。この訓練に参加するため六太(むった)、そしてケンジと新田(にった)はフロリダへ旅立った。しかし……つらく苦しい葛藤が、そこには潜んでいた。強い絆で結ばれた仲間たちに重い試練がのしかかる。
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あなたの幼いころの将来の夢は何ですか?もし叶わなかったのなら、その夢をあきらめたのはいつですか?「夢を持ちなさい。」、「夢を簡単にあきらめるな」と人は言うが、そう簡単に誰しも夢が叶うわけではない。一度現実を見てしまうと人は、夢を追いかけることを捨て「どうせ無理だ」とブレーキを踏んでしまうものである。
宇宙飛行士の弟・日々人を持つ兄・六太は、幼いころにした「二人で宇宙飛行士になる」という夢を果たせず、また一人先に宇宙飛行士になってしまった弟に対し嫉妬心を抱いている・・・。そんなある日、六太のもとへ新規宇宙飛行士選抜試験の書類審査通過の通知が届く。六太は兄として日々人に引っ張られることを嫌がりながらも、忘れたふりをし続けた「宇宙飛行士になりたい」という思いを抑えられずにいた。
立ちはだかる数々の試験を突破し、六太は無事宇宙飛行士になるという夢を叶えることができるのか!?挫折と苦悩が入り混じる、31歳無職の男の挑戦に目が離せない。
感情タグBEST3
これは!
実物に勝る知識はないのかもしれません。四角い物体がロケットの一部なのですが、これが宇宙まで行って還ってきたものかと思うと、質量以上の重さを感じます。本の内容もちょうど表紙のように奥深いのですが、やはりロケットが最高です。
Posted by ブクログ
NEEMO訓練、一気に気まずい雰囲気になってしまったのが辛すぎる。
絵名ちゃんもサブクルーに選ばれてよかった!センスがいいって嬉しいよね!
Posted by ブクログ
グッときたセリフ
「先のこと考えるのやめたんだ わかってたけど••• 大事なのは結局••• “今”だ」
「ちょっとだけ 無理なことに挑戦してこーぜ」
Posted by ブクログ
NEEMO訓練開始!
ウミガメを見ると幸福がもたらされる@ハワイ
「俺はなんで今ここにいるのか」「目の前にある訓練や仕事を増やして それで頭をいっぱいにした」「ちょっとだけ無理なことに挑戦してこーぜー」「無理してね」「スーパンダマン」
ムッタVSケンジ
Posted by ブクログ
いよいよNEEMO訓練が始まります。
ふうちゃんは「かぺ」って言わなくなったけれど、
ケンジとムッちゃんの間では合言葉のように伝わって
二人で「かぺ」と握手するのがなんだか良いです。
ケンジがふうちゃんの髪をとかしているのが
福田さんに言われたからかなぁとふと考えます。
折角コンビネーション良く訓練を進めていた
ムッちゃんとケンジなのに、見ていてすごく辛いです。
アンディは言う必要はなかった、言っていなくても
二人から良いアイディアが出ていたと思ってくれていそうで
私も同意見なのでそういう人がチーム内にいてくれたというだけで、少し救われる思いです。
一人しか月へ行けないと聞いて思うことがあるのはわかりますが、
いつものように差出したムッちゃんの手を
ありがとう大丈夫と言って取らないケンジが悲しい。
先に月の訓練を始めていたのはケンジな訳で、
順当に行けば選ばれるのはケンジです。
ならなんでお俺が呼ばれたのか、
シャロンとの約束を伝えれば、と脳裏に過ぎり、
馬鹿か俺はと思うムッちゃんが見ていて辛くなります。
アンディが、自分もなぜ選ばれないのか苦しんだ
と話してくれるシーンは良いです。
ムッちゃんの救いにもなりますし、一般的な会社などでもありうるリアルな話です。
俺はなんでここにいるのかと思い、
ペンを落としただけでも注意力散漫だと思われているのではと悩み、そして考えるのをやめたというアンディ。
それを聞いてムッちゃんは、前向きに今あるこの訓練をうまくいかせることだけを考えようと、吹っ切ろうとします。
俺ら宇宙飛行士は宇宙に行けるかわりに
誰かの願いに応えないと、という言葉が
ムッちゃんらしくて良いです。
家族の思いの分僕は強い、というケンジの言葉が
ちょっと嫌だなぁと思いました。
裏を返せば家族がいないムッちゃんは弱いということになってしまう訳で、ちょっと傲っていう感じがしてしまいましたが
それだけケンジも悩んでいたということなのでしょう。
チーム内での生活リズムは狂わせないほうがいい
とムッちゃんに言ってくるのもちょっとイチャモンめいています。
二台の手押しカートがあったから使ってたけど
よく考えたら月面でカートなんておかしいといいうムッちゃん。
JAXAでの閉鎖環境でもそうでしたが、ムッちゃんはいつでもちゃんと月にいるつもりで発想していて恰好良いです。
ギスギスするケンジに対して、只管海が好きなハミルトンが可愛いです。
ちゃんと海の怖さも知っている好きだから信用できます。
そんなハミルトンの立場は技術支援。
同じ基地に暮らすクルーなのだからというのも
目からうろこです。
ここでもわざわざ反対意見を言うケンジ。
でも自分で、情けないとわかっています。
アンディと話して目が覚めた
大事なのは結局いまだ
ちょっとだけ無理なことに挑戦していこう
というムッちゃん。
その言葉から娘の言葉を思い出して、やはり目が覚めるケンジ。
そしてそこに海亀が来てくれるのも良い演出です。
忘れた訳じゃない、思い出さないようにしてるだけ、
でも二人は元の良いコンビネーションの二人に戻って、
今度はケンジから手を差し出すところがほっとします。
どういう結果になってもケンジは最高のパートナーだよ
奇遇だね僕もそう思ってた
という会話が最高です。
やっと二人の関係が元に戻って安心かと思いきや
今度はシャロンの月面望遠鏡が不採用になったとの知らせ。
本当に、現実は厳しいです。
約束を叶える自信も確率もどんどん小さくなって消えてしまいそうだというムッちゃん。
それでもムッちゃんもシャロンも、頑張って前を向いています。
近いうちに実現可能な基地を目指したムッちゃんの班。
ナンバ・ムッタは他の誰よりも月面にいたという言葉が印象的なラストです。
Posted by ブクログ
先のことを考えないよう、いまに集中するって大事な事だと思う。
「こうありたい」を迷いながらも通して行こうとするムッちゃんは、いつでも読んでいて励ましになります。
Posted by ブクログ
月面のための海中でのNEEMO訓練。訓練の内容が擬似的な基地建設であるためそれぞれの思いが乗っかるのも面白いが、ケンジと直接競い合う展開に持っていったのがまたその要素と巧く絡み合っている。事前に娘との描写を入れていたり、真壁家の事情を描くことでその辛い状況が沁みる。本人がそれを知らされる前に読者が知っており、その中で二人の深い関係を示す描写が多いのもまた感情移入に繋がる。
単なる癒し要素に見えるハミルトンが展開に活きてきたり、発言が問題解消後の演出に使われたりというキャラの動かし方が良い。
Posted by ブクログ
15巻が自分的にはあまりよくなかったのですが、16巻、きましたねー♪ムッタの葛藤の後の前向きな言葉と、ケンジとの友情。泣かされました…。次巻、そして5月公開の映画がとても楽しみでなりません!!
Posted by ブクログ
新刊が出ていた。16巻は貸出中
昔むかし
この本の11巻くらいにcansatがとりあげられていて
背表紙にcansatの絵が描かれていたのでためしに買ってみたのがこの本との出会いのきっかけ。
最初に読んだのが11巻という変な読み方だったけど
それでも面白い。
1話1話にこめられた作者のメッセージが好き。
最近映画化などで有名になってしまったので若干の寂しさを感じる。
Posted by ブクログ
NEEMOでの訓練で、どちらか一人しか選ばれないと真相を告げられ、葛藤する。
けど、かっこいいケンジとムッタはの2人は、最後には、お互いを高めあう方法を選んだ。
他の誰よりも月面にいた
ってかっこいいセリフで次巻へ
Posted by ブクログ
海底での研修となるが、二人のうち1人は落とすという。ここは総合判断ではないんだ。ちょっとセンセーショナルのためのセンセーショナルか。作業効率の関してムッタがいい提案をする。実力はあるんだ。まぁここでリタイアの線はないんだろうから安心してん読んではいられが。
Posted by ブクログ
おすすめ度:85点
NEEMO訓練が始まる。ダイビングスーツで潜水し、六太とケンジが海底施設に入ると、2名のベテラン宇宙飛行士と1名のダイバーが待っていた。リーダーのジョージ・ラブ(宇宙飛行士)と、巨大な身体を持つアンディ・タイラー(宇宙飛行士)、そして海が大好きなハミルトン(技術支援・ダイバー)である。
NEEMO訓練1日目——。
今後は船外活動が2割、残りの8割は同時に訓練をしている他2チームと競い合う形式になるらしい。チームの評価はそのまま月ミッションのアサイン順につながる可能性が高く、他のチームには負けられないという。六太は最強の味方・ケンジがいるから大丈夫、と自信満々の顔。
NEEMO訓練2日目——。
最終日を除く12日間でやる課題は、『三分の一スケールの月面基地、および周辺設備のモデルを船外に建設すること』、そして『各チームの新人飛行士2人が、基地の新しい設備などのアイデアを出し合い、先輩飛行士2人が採用案を検討すること』だった。
新人である六太とケンジは、さっそく互いの意見を出し合い、新しい施設案を検討する。2人とも、いま実在している月面基地を発展させる方向でいくことで意見が一致し、将来的に実現可能な基地の設備を考えることに決めた。そして、大容量通信アンテナ、ローバーなどの充電ポスト、シャロンの月面望遠鏡など、互いを尊重しながら、次々とその内容を決めていく。意見をぶつけることもないため、サクサク決まり、どんどん進む。互いに最高のパートナーと感じており、このコンビで月に行けたら楽しいだろうなと思っていた。
しかし、そんな六太とケンジのコンビの状況に、先輩飛行士たちは危機を感じていた。船外活動中にも関わらず、アンディから作戦会議ができるガゼボ(酸素補給場所)に呼ばれた六太とケンジ。そして集合した六太とケンジに、アンディからとても信じたくない発表があった。
「お前ら二人のうち、月に行けるのは、どちらか一人だけだ」
この事実を聞き、六太は驚愕の顔でケンジを見る。視線の先のケンジは六太を見ず、ただ茫然自失でうつむいていた。お互いを最高のパートナーと感じていただけに、ショックを隠せずにいたのだ。
NEEMO訓練3日目——。
互いを最高のパートナーだと思っていただけに、ショックを隠せない六太とケンジ。
六太はシャロンのため、ケンジは家族のため、これまで辛い訓練も互いに励まし合い、頑張ってきた。これからどう接していけばよいのか、なかなか答えをだせないまま、相手の差し伸べた手も掴むことができず、すれ違うようになってしまった。
応援してくれる家族のためにも、六太と競うことを決意したケンジは、今回出した3つの案で、必要なものと、そうでないものを考え直すことにした。その結果、少ない時間でより良いものを作るため、大容量の通信アンテナと、六太が切望していたシャロンの月面望遠鏡を、建設しないことを提案する。ケンジの指摘通り、限られた時間ではいくつも施設を作ることは厳しい。六太は反対意見を出すことができず、肯定してしまう。
船外活動中、ガゼボでアンディと一緒になった六太は、『選ばれなかった方は、この先ずっと月へは行けないのか』と聞いた。アンディから返事は『いつ誰を何のミッションに任命するかなんてことは、誰にも分からない』ということだった。
事実アンディ自身も、なかなかアサインされず、随分待たされたという。同期の仲間がどんどん先に選ばれる中、なぜ自分だけ選ばれないのか、考え、苦しんだ時期もあったらしい。そんな辛い時期、アンディは考えるのをやめ、いま目の前にある訓練や仕事をさらに増やして、それで頭をいっぱいにしたという。
アンディの言葉を受け、ようやく自分の信念を取り戻した六太は、大容量通信アンテナも、月面望遠鏡も本当は必要だと思っていることを伝えた。
「時間内でどこまで作れるのか、みんなであがいてみませんか」
自分たち宇宙飛行士は、宇宙へ行けるかわりに、誰かの願いに応えないといけないのだ。
NEEMO訓練7日目——。
六太の新しい案は、アンディのおかげで順調に作業を進め、ほぼ完成することができた。それは、SEVの荷台に搭載する新しい荷台だった。実はこれまで、資材は海中にある資材置き場から、手押し車に積んで運んできていた。そのため六太は、積んで戻ってくるだけで2時間近くかかった運搬作業を、SEVの荷台で大幅に短縮しようという。しかもSEVにロボットアームを取り付けるため、4人は組み立て作業に集中でき、運搬はハミルトンに任せられることまで考えられていた。
NEEMO訓練8日目——。
ハミルトンが資材を運んできてくれるおかげで運搬作業がなくなり、基地制作に集中できるようになった六太たち。人材も機材もフル活用することができ、管制からの評価も上がっているようだった。しかし、ケンジは悩んでいた。六太が時間を作ろうと必死だった時、自分が選ばれることだけを思っていたからだ。
アンディに話しを聞いて、先のことを考えることをやめ、今を大事に考えることにしたという六太。六太の無理なことに挑戦していきたいという考えに、ケンジは、自分の娘・風佳が思い描いたヒーロー・スーパンダマンの姿を思い出していた。ケンジを励まし見送ってくれた風佳のためにも、ケンジは無理して頑張るヒーローになることを決意した。
NEEMO訓練も9日目——。
復活したケンジのやる気もあり、六太たちは最初の計画通り、大容量通信アンテナ、ローバーなどの充電ポスト、シャロンの月面望遠鏡の3つを制作することにする。
やる気に満ちたケンジは、常に時間短縮、作業の効率化に結び付くアイデアを出し続ける。さらに呪文のように『スーパンダマン』言葉を発してはニヤけていた。
ケンジと共に力を出し合った時こそ、いろんな事がうまくいく。どういう結果になっても、2人は最高のパートナーだ。
しかしその夜、シャロンからとても辛い、悲しい報告が入る。
月面望遠鏡を月で建設するという案は問題点を多数指摘され、NASAの協議の結果、不採用となってしまったというのだ。
NEEMO訓練も終盤にさしかかった頃——。
六太のもとに、シャロンから連絡がくる。いまは仲間と協力し、新たな月面望遠鏡の建設案を考えている最中で、次こそNASAに認められるものを目指して、シャロンは諦めないという。
『It's a piece of cake!』
NEEMO訓練完了後——。
NASAの会議室では、訓練成果を検討していた。中でも注目されていたのは、六太が訓練終了間際に出した新設備案だという。
「ナンバ・ムッタは、この2週間、他の誰よりも月面にいた——」
Posted by ブクログ
ケンジとムッタ、いいコンビだから、一緒に月に行けたらいいのに、競争させるなんて酷だと思ったけれど、競争心が良い方向に出ていた。さすがだ。ピリピリした空気ではなかなかうまくいかなくて、いままでのチームワークとライバル心、どちらもが良く作用してすごいものを作り上げた。二人が一緒に月に行ける日が来ればいいのに。そんなストーリーになることを期待したい。
Posted by ブクログ
パニック障害になったヒビトのことが気になりますが、今回はムッタの話。 海底20mの極限環境下で月面基地の模型を作ります。
アイディアを出し、不具合を改善し、仲間と作り上げる...もの作りの楽しさがありますね。宇宙とはあまり関係ないですがこういうところが好きです。
Posted by ブクログ
親友のケンジさんがライバルになってしまい読んでるこちらも辛かったが、この二人が葛藤の末にとても気持ちのよい回答を出してくれたのに感動。
海を愛するハミルトンにも癒された。
Posted by ブクログ
水中で月面基地の模型製作に取り掛かるムッタとケンジ。しかしこの訓練中、月に行けるのはふたりのうちひとりだけだと告げられる。それまで協力的だったふたりの間に亀裂が入るのだが……。
Posted by ブクログ
ケンジとムッタの海底での協力作業
片方しかつきに行けない事実を知らされ、
一時は不安に悩むが、最後は協力して海底に
宇宙基地のモデルを完成させる。
宇宙望遠鏡を変更して何を作ったのかとても気になる終わり方だった
Posted by ブクログ
ムッタとケンジの友情と夢に対する思いに苦しむ2人の姿が描かれている。
夢や未来に悩み、振り回されるのではなく
大事なのは「今」である。
Posted by ブクログ
NEEMO訓練スタート!
ムッ君はやっぱりすごい!
大事なのは今。
本当にその通りだと思う。
そしてお父さんに「ムリしてね」と声をかける風佳ちゃんもすごい。
いろいろ教えられた16巻。
Posted by ブクログ
月ミッションのアサイン順 バラクーダ ”危機感のない者には“”成長もない“ あれは目の乾き防止と_余分な塩分を排出する働きなんだけどね ”大容量通信アンテナ“も”月面望遠鏡“も ”福を呼ぶ海亀“交換か スーパンダマン ”ナンバ・ムッタはかいてい20mでのこの2週間_“”他の誰よりも“”月面にいた“_
Posted by ブクログ
ヒューストンに帰ってきた日々人は他には内緒でローリーと共に訓練をはじめる。
南波六太と真壁ケンジはNEEMOの訓練で同じ班となる。最強のコンビの二人。しかし、同じ班の新人からはひとりしか選抜されないことを知らされ、二人は気まずくなるも、なんとか連携を取り戻し、訓練を無事終わらせる。また、ムッタは訓練中、シャロンの月面望遠鏡の企画が頓挫したことを知る。その土壇場でムッタが考えた案が、会議で噂になる。
Posted by ブクログ
海中での月面基地建設、そしてムッタとケンジが月への切符をかけたライバルとしてお互いを強く意識し合う今巻。
最後の試験官の言葉が強い引きになっていて次が気になる。