あらすじ
林田先生、二海堂、川本家の三姉妹…。周りの人々の温かさに少しずつ心溶かされ、学校生活・棋士生活の両面で前を向き始める零。しかし、そんな零の心を乱す事件がひなたに振りかかる…。
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これは、様々な人間が「何か」を取り戻していく、優しい物語。そして、戦いの物語。(公式サイトより引用)
主人公の桐山零は、将棋界史上5人目となる中学生でプロ入りした若手棋士。幼くして家族を亡くしてから深い孤独を抱えていた彼が、三月町に住む川本家の三姉妹と出会った。健気であたたかい三姉妹との交流を重ねるうちに、人の優しさを改めて知り、人間的に成長していく、というヒューマンドラマである。
棋士たちが背負う想いがぶつかり合う熱いバトルがメインのお話だが、三姉妹との出会いとほのぼのしたかけ合いが、バランスよく描かれている。将棋漫画でありながら、人と関わる大切さを教えてくれる、儚さと強さを秘めた作品である。
いろいろ疲れていた心にじわじわと染み入る特効薬はいかがですか。
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Posted by ブクログ
感想
将科部に入部して学校に居場所ができた。少しずつではあるものの着実に成長していっている。こんな平穏が続けばよかったが、新たな問題発生。ひなちゃんは強い。辛いだろうに自分を曲げず、友達を守ろうと戦っている。頑張れ!!
匿名
「不思議だ ひとは こんなにも時が 過ぎた後で 全く 違う方向から 嵐のように 救われる事がある」
作中のこのシーンが凄く好きです。
いじめ
ひとりぼっちで生きてきた零が学校で部活を通じて野口先輩たちと新たな人間関係を築き始めているのと対照的にひなたが学校でいじめにあってしまいます。
これは結構きつい描写です。
みんな
「俺はそんな正論を聞きたいんじゃないんだよ」
って、先生が言うギャップとか、本当に面白くて鋭くて言葉のセンスに溢れてるなぁと思います。
こんな会話ができるくらい、零がすでに明るい場所に来てることが楽しい。
野口英世(実物は身長153センチ!)に似た先輩の口調と雰囲気も…存在だけで笑かしてくれます。そしてほっとさせてくれます。相手が変わり者でもプロでも先生でも既に分け隔てなくて。そして科学という名の収穫と料理の数々。ステキです。
ひなちゃんのひたむきさも、とても考えさせられました。重たい社会的テーマを我が事のように考えさせてくれる漫画ってそうはないでしょう。そしてひなちゃんは負けてない。
また、田舎の過疎化の問題もサラッと出てきます。島田さんの想像力と現実的な対応が生きてる様は、実際にも応用できそうなほど具体的でした。
隈倉さんも闘ってる。
一見そうとは分からないけど闘志の塊で。
見えないバネをたくさん持ってて。
怒りと救い
アニメでもそうだったが、陰湿で、陰惨ないじめのリアルなシーンに、フィクションと分かっていても、感情を揺さぶられた。そして、屈辱に塗れ、怒りに震えながら、道理を貫き決し挫けないヒロインの闘いぶり、彼女を見守り、寄り添い、救おうと動く主人公、家族、友人、教師達のドラマに、思わず感情移入してしまった。
ラムネといじめと
このマンガを読むきっかけとなった、部活でのラムネ作りの話が読める5巻。そしてひなちゃんにいじめの問題が降りかかる。辛いテーマを美化するでもなく誇張するでもなく、正面から描いていく作者はすごい。
Posted by ブクログ
・44 ひなたが和菓子屋さんをめざすのは、遠い伏線?
・47 対局のおやつには、制限は無い?
・48 柳原は、後藤と香子のことを知っている?
・52 零はひなたの行動によって救われたみたいですが、零≠ちほという酷い現実が。
面白い
これまでは零だけが薄曇りであったけれど、この巻からは川本家にも影がかかりだす。当初はこのあたりでくじけてしまったのですが、ここから現在刊行されている14巻まで一気に読むと、登場人物達の成長を眩しく感じる。