あらすじ
爆発に巻き込まれ、美鈴は記憶を失っていた。濱島与右衛門はそれを利用して敵は卯之吉だと思い込ませ、美鈴を世直し衆の剣客として手元に置く。皆で捜しても見つからないわけである。世直し衆を操り、謀略を企む尾張藩附家老・坂井は浪費で更に幕府を弱体化させるため、将軍の日光社参を推し進める。それに対抗し、上様に翻意を促すのは老中・甘利とまさかの卯之吉!? 後がない世直し衆は大金を運ぶ三国屋を襲う。「三国屋ッ、覚悟!」美鈴が卯之吉に刀を振り上げたそのとき……。ドラマ『大富豪同心 参』の終盤に当たる原作本!
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Posted by ブクログ
大富豪同心シリーズ、29作目。4部作の最終回。
ドラマ原作とあってか、連作完結編は見事な大団円。殺陣のアクションは脇役陣が活躍しつつ、肝心の卯之吉も持って生まれた才智が見事に生かされた采配ぶりで、良き纏め方でした。今回の4部作、祖父の徳右衛門が甲府に行ったきりで淋しく思っていたら、今作でようやく帰ってきてくれました。徳右衛門の甘利備前守と卯之吉に対する人物評が嬉しい限り。にしても、甘利さんってこんな感じの人だっけ?と思っていたら、何か本多出雲守と勘違いしていたみたい。ドラマ版に合わせた配役陣なのかな。まぁ、でも面白く読めたので良きです。
シリーズ自体はまだ続きそう?卯之吉の同心のお仕事、まだ辞めないでいてほしいな。
Posted by ブクログ
連ドラ「大富豪同心3」の原作、4部作の最終巻。多分このドラマのために書いたものだと思うので、ドラマ通り、いや、ドラマは原作通りだったわ。これで本当に終わり?
ちょっと
今回の卯之吉は、真面目で、ハチャメチャ度が、鳴りを潜めて、ちょっと面白くなかったかも….….悪の親玉、坂井と、彼に利用されていた濱島と世直し党を、ぶっ潰せた事には、スッとしたけど。美鈴さんも、帰ってきたし、次は、パーっと、はっちゃけた卯之吉に会いたいな。
Posted by ブクログ
シリーズ第29弾。
前巻で利根川の爆発に巻き込まれて安否がわからないままになっていた美鈴さんですが、なんと記憶を無くして、“世直し衆”の濱島先生の元で洗脳されてしまいます。
一方、“世直し衆”を操る、尾張家附家老・坂井主計頭は幕府弱体化への謀略を推し進めていて・・・。
前半は坂井主計頭の悪だくみや、やたら腕の立つ清少将の暗躍にヤキモキさせられましたが、後半以降は“チーム卯之吉”(勿論、幸千代様も含む)の面々が其々まんべんなく活躍して悪事を阻止するという、胸のすく展開となっております。
そして、いつもだったら“チーム卯之吉”の主要メンバーのはずの美鈴さんが、濱島先生に“三国屋は敵”だと洗脳されてしまって、どうなることかと心配しましたが、結果(まぁ、表紙でネタバレではあるのですが)、卯之吉を目の前にしたとたんに、あっさり記憶を取り戻して(早っw)、めでたしめでたしの大団円でございました。
何だかんだで、卯之吉も美鈴さんがいないと遊びに行く元気もなくなってしまっていたので、美鈴さんが帰ってきて良かったですね。
さて、根は正義感のある人なのに、“世直し衆”として坂井の言いなりになって悪事に手を染めてしまった濱島先生ですが、今まで私が濱島先生に対して思っていたことを、悪徳商人・香住屋が「あんたは阿保か!坂井様は最初から悪人でしょうよ!・・」と代弁してくれましたw。
てなわけで、ドラマのノベライズだった「世直し衆編」もこの巻で完結ということのようです。
今後、シリーズとしてまだ続いていくのかわかりませんが、卯之吉達(個人的には弥五さん&由利之丞)の活躍(?)をまだまだ読みたいと思っておりますので、続巻をよろしくお願いいたします~。