あらすじ
本人の強い希望で銭天堂に居つくことになった少年健太。紅子は墨丸に彼の監視役を命じます。はたして健太は何者か? そしてその目的とは? 最終話ですべての謎が明かされます。
駄菓子にまつわるエピソードは、6話収録。ひと粒食べると一日晴れるキャンデイ「天晴れレモン」、ひそひそ話を聞き取れるようになる「聞き耳グミ」など、さて今度の駄菓子は、お客様に幸運をもたらすでしょうか。
巻末に、招き猫たちの座談会がついています。
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Posted by ブクログ
今回は特別の特別に好きな巻となる。
自分と同じ名前のかほちゃんが登場。しかも頼りなさげと思われていたけど、遠足の登山で迷子に、しかも銭天堂で購入した女の子ともう1人のわがままな子に振り回されていたにも関わらず、持参した毛布とチョコを渡して大丈夫だよと慰めて動かないでいたら見つけてくれるよと2人を励ます。そして愚痴もイライラもせずに恩着せがましいこともない。
名前が同じでも自分と全然違う性格もいい女の子が登場しうれしくなり長々と書いたけど、この巻は全部の話がいい。銭天堂に居着いた男の子は母親が昔銭天堂で購入したお菓子を友だちじゃなく自分のために購入したのを悔やんで家族を置いて銭天堂を探す。男の子はここにいたら母親に会える期待を込めて紅子さんに追い出されないように働く。そして男の子の失敗からお金を使うのだけど、母親の銭天堂に行く前の時間に戻すことによってまた母親が友だちのために購入した事によって違う人生を歩み幸せな家庭を築く事ができた。
ほっこり話と最後に今までのお客様のエピソードも書いてあり思い起こす事ができ特別な10巻。
この巻は購入価値あり⁉️
Posted by ブクログ
いきなりやってきた健太くん。
何が目的なのか。
悠然と構えて追い出そうとしない紅子さんってやっぱりさすが。
家カエルの子供たちがみんな可愛い。
おとなしくてたよりなさげな香穂ちゃんが実はっていうのが好き。
最終話、健太が銭天堂にいる理由が判明。
ああ、なんていう、、、
よかったね。
Posted by ブクログ
2と同じく『若い肌』が気になってしまうけど、回数は減っていた。2と違って『迫力ある女性』の表現が多いような気がした。
印象に残ったものから感想。
『コントロールケーキ』だけは、家族の対応が酷いように感じてしまった。家族だから許される……のかもしれないけど、娘まで『痩せて綺麗になりたい』と思ってしまうのは、やはり家族内の対応のせいもあるのではと思う。この辺り、何もなしに『娘が痩せようとするのをやめて良かった』と書かれているのがモヤる。
::あらすじ::母親が銭天堂で食欲がコントロールできる『コントロールケーキ』を買う。どんどん痩せていく母を見て、娘も真似する。それを止めようとして、母親はコントロールケーキの力で娘の食欲を元に戻させる。その話を娘に話し、銭天堂を二人で探すが見つからなかった。しかし、筋肉がついて痩せる事が出来た。
筋肉は重いので痩せはするけど、体重はそれほど減らない。体のラインは綺麗になるけど、体重の数字だけを見てると変わらない。なので、運動で痩せる=体重を減らすを目的にしてると思った通りに行かないかも。健康的になるという利点はある。
『コントロールケーキ』のラストも『健康的にスマートになったからだ。』と書いてあるだけで、体重が減ったとは書いてない。よく読んだら、体重についてはどこにも書いてなかった。……配慮?
『天晴れレモン』
晴れになるレモンの形のキャンディ。雨女で悩んでいる女性が買っていく。友人の結婚式を晴れにしたくて使うが、雨になってしまう。雨になった事で落ち込んでしまうが、友人は彼のマザコンの本性が分かってよかったと主人公を慰める。
雨も悪くないという話。突然のハプニングは人の本性をさらけ出す。
レモンキャンディが欲しくなった。
『家カエル』
ぼぅっと歩いてしまって迷子になる主人公は、家カエルというキーホルダーを買う。遠足で意地悪な子とわざとはぐれて、困らせようとする。家カエルで帰る事が出来ると思っていたが、雨が降り出し山の中で迷ってしまう。一緒にいた子が意外としっかりと準備をしていてくれたので、雨宿りをすることができる。やがて意地悪な子とも合流し、雨が止んで山を下りる。
雨が人の意外な一面を見せてくれる話と言う意味では天晴れレモンと同じ。
天晴れレモンの対になりそうと思った。
『聞き耳グミ』
クラスの女子のひそひそ話が気になる男の子は銭天堂で聞き耳グミを買う。女子たちが話していたのは、自分を好きだという事を知るが、一方は自分を嫌っていることも知る。嫌っている女子に仕返しをして、味を占めた主人公はクラス中の秘密を暴露して、クラスの空気を悪くしていく。やがて、それに気が付いたクラスメイト達は男の子をのけ者にする。気を付けなくてはいけなかったと気が付いた男の子だが、後の祭りだった。自分を好きだった女の子も他の子と付き合ったと聞くが、聞き耳グミの効果が消えてしまう。
人の話って、気になるよねぇ……すごく分かる。暴露はともかく、子どもの頃の小さな気になる事を上手く拾って物語が作られてるような気がしてしまった。
大人になると下手に聞き耳を立てて不安を増やす方が面倒になる。
『アドベン茶~』『やりなおしおこし』
2作続きものの作品。お店に居候していた男の子が、賞味期限切れの商品『アドベン茶~』を他の子供に渡してしまう。
アドベン茶~で怖い世界に行ってしまった男の子。やり直すことを決心した事で、銭天堂のおかみが『やりなおしおこし』を持って現れる。どこからやり直すべきかと考えていたが、母親が後悔していた時間まで戻る事にする。母親は自分のための商品ではなく、親友のための商品を選ぶ。
この10巻はずっと『お店に居候している男の子、健太』が出てくる。最後に商品を買って『なかった事』になるのだけど……そうするとこの10巻のお客様たちはどうなるのだろう。健太に出会ってなかったことになるのか。そもそも、銭天堂に来ていない事になるのか。
時間を戻す話はパラドックスが出来てしまう。
そして、よく考えれば健太はある意味では虐待された子供で『酷い親』だな……という身も蓋もない話にもなるのだけど。うーん。母親が病む理由(自分一人だけが幸せになってしまった後悔)がちょと無理やりすぎる感じがする。父親もそれにうんざりして出ていくって……子供連れて行けと思ってしまうのだけど。病んでる女の元に子供を置いていく神経どうかしてる。
細かい事は考えてはいけない。考えてはいけない。
児童書なのだからそこを突っ込んだら、話が成り立たないというのも分かるけど……モヤモヤはする。