佐野洋のレビュー一覧

  • 見習い天使 完全版

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    天野さんのイラストが描かれた表紙で思わず購入。クスッと笑えるショートミステリ集で、見習いの天使の視点で描かれた人間界の伝聞話が収録されてます。

    ミステリや謎解き、話の裏を描くオチがあって、分かると痛快。見習い天使によるミニ解説がついてるので、オチが分からないというのは少ないのでは。だから安心して読めます。

    不倫や不貞、殺人など穏やかでないテーマも多いから、大人が読む短編集って感じでしょうか。息抜きに1話ずつ読むのがおすすめ。寝る前に1話というのもあり。

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    2023年10月08日
  • 完全犯罪研究

    購入済み

    佐野洋という推理作家を読まんとする人がどれだけあるか。鮎川よりは格段に少ないだろうが、しっかりしたプロットで練りに練られた完全犯罪掌編6作は小粒ながらもぴりりと辛い。犯人当てという本格推理とはちょっとちがうけれども2転3転するストーリーテリングの巧みを味わうのにもってこいの1冊。

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    2021年06月05日
  • 検察審査会の午後

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    とにかく引き込まれる、とにかく上手い、とにかく面白い!勉強にもなるし、考えさせられる。そして後味がいい。

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    2011年02月23日
  • 新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選

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    ネタバレ

    推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。

    【◯看破 △引き分け ×お手上げ】

    ×高木彬光「妖婦の宿」
    名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
    気づかない伏線があったのかな

    〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
    イージー

    △土屋隆夫「民主主義殺人事件」
    冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた

    ×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
    穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった

    〇飛鳥高「車中の人」
    イージー

    ×佐野洋「土曜日に死んだ女」
    部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?

    ×菊村到「追悼パー

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    2025年09月13日
  • 見習い天使 完全版

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    佐野洋さん凄いなあ。良く考えられていて面白い。
    良くこんなに面白い色んなはなしが思い付くなあ。
    なお、天使は狂言回し。話の最初と最後に出てきてお話には直接出てこない。でも、いないとさびしいと思う。そんな感じ。ミステリショートストーリー。
    個人的に表紙イラストは解説読み終わったあとだと宮永さんが良かったなあとちょっとだけ思いました。

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    2024年02月05日
  • 見習い天使 完全版

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    見習い天使というタイトルに惹かれて購入。
    ほんわかした優しい物語とおもいきや、男性にウケそうなショートミステリーでした。
    1話毎にオチがあり、クスッと笑いながら読みました。
    次第に作者の考えていることがわかり、オチが想像できましたが、それも楽しみの一つになっていました。

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    2023年11月09日
  • 蝉の誤解

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    佐野洋の連作ミステリ短篇集『蝉の誤解』を読みました。
    佐野洋の作品は、『ミステリー傑作選・特別編〈5〉自選ショート・ミステリー』に収録されていた『若いオバアチャマ』以来なので、約1年振りですね。

    -----story-------------
    息子に届いた絵葉書には、怪獣のように大きな蝉の抜け殻が写っていた。
    パソコンを使い、巧妙に作られた合成写真―その夜、私は悪夢にうなされた。
    なぜ、蝉の抜け殻などに恐怖を覚えるのか?
    私は、心の奥底に封じ込まれていた、ある記憶を辿り始める…(表題作)。
    昆虫に題材を取り、紡ぎ出された男女の多様なドラマ九編。
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    2022年03月31日
  • 推理日記 VI

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    相変わらず厳しい論調で各作家を3枚にも4枚にも下ろしてしまう。失われる日本語を平成の世に正しく伝える最後の長老かのような微に入り細を穿つ、その選文眼は今回も健在だ。
    やはりこういうのは非常に勉強になるし、編集者や校正の方々にとっても身が締まる思いがしているのではないだろうか。

    しかしこれだけ色んな作家の慣用句や副詞の使い方を徹底的に取り上げ、論破しているのに対し、髙村薫氏の使い方に対してはあまり強い口調で間違いを正さなかったのは何故か?寧ろ新しい日本語を作ろうとしているのかといった表現で好評している傾向にある。佐野氏自身が彼女の文に惚れたのか、扱うテーマや小説観に惹かれたのかもしれないが、ち

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    2021年03月22日
  • 最後の夜~短編一年に一つ×25(下)~

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    ネタバレ

    男女が絡んでくる作品です。
    結構おっかない作品も含まれています。

    基本恋の遍歴で終わるものが多いですが
    最後に出てくる作品に関しては
    性表現が出てきます。
    ただしこれはマイナスの方面で(脅しのネタに使われるので)

    完全犯罪が崩壊する「声の通路」も面白いですし、もてあそんだものの恨みを買った「死者の電話」もまたおっかないです。

    万人受けはしないけど。

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    2021年01月04日
  • 推理日記 V

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    「小説を読む」もしくは「小説を書く」ということが如何に困難であるかを思い知らされた。しかし、佐野洋氏はここまで深く考えながら小説を読むのか…。ひたすら脱帽である。
    特に視点の問題。これに関しては非常に参考になった。が同時に自分も以前のようには己の湧き出る文章に委ねて文章を書けなくもなった。

    ここであえて5ツ星とせず、4ツ星にしたのは、そのくどいまでの追求性にある。「何もそこまで…」と感じる部分が随所に見られたからだ。
    だが、このシリーズ、全て通読はしてみたい。

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    2018年07月10日
  • 幻の殺人

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    ミステリーだけじゃない佐野洋の魅力たっぷりの1冊。
    短篇5編。
    この5つの話、
    “後に全てが長編化されている”
    という豪華短篇!!

    <事故埠頭>
    えぇぇぇえぇ・・・っていう展開。
    ちょっと大人のミステリー。

    <幻の殺人>
    これはよく出来てる!!
    最後のするする紐を解くように解決してく有様は圧巻。

    <不完全試合>
    野球の話。
    ミステリーじゃないから、
    ちょっとした休息になる♪
    報われない感じがシュール。

    <肌色の殻>
    これはSF。
    今までの話とは雰囲気がガラリと変わる。
    あー、佐野洋は心理学科だったなぁって思える作品。

    <紫の針>
    これまたうま

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    2009年10月04日
  • 白い刑事

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    誘導尋問や偽証による冤罪に立ち向かう刑事
    =白い刑事。

    冤罪をテーマにしてる小説で、
    “白い刑事”とは
    うまく言ったもんだ
    なんとも斬新だーと思って読んだ本。

    今時のミステリーみたいに、
    巧妙な計算されたテクニックみたいなものは感じなかったけれど、
    人間のあったかさとか、
    シンプルだからこそ伝わる緊迫感とかあって、
    私はかなり好きだった◎

    佐野洋さんという方は、
    もう80歳になる方なのに、
    文章が生き生きしていてすごく魅力的☆

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    2009年10月04日
  • 見習い天使 完全版

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    全23話。見習い天使は案内役で、連作短編ではない。
    いずれも軽くセンスのいいミニミステリ。各話15ページほどなので寝る前に最適。
    犯罪にかかわる暗さや懊悩・切迫感のようなものが書き込まれた作品はないが、その種の短編は、今後の編集発行を期待したい。

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    2025年06月09日
  • 墓苑とノーベル賞~岩中女史の生活記録~

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    佐野洋の連作ミステリ短篇集『墓苑とノーベル賞 岩中女史の生活記録』を読みました。
    佐野洋の作品は昨年11月に読んだ『様々な別れ』以来ですね。

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    岩中妙子は56歳の専業主婦。
    転居先の自治会で防犯部長を押しつけられる。
    だが、持ち前の好奇心から、次々と謎を追いかけていくことに……。

    墓苑のセールス電話が引き起こす脅迫騒動(「墓苑とノーベル賞」)、生垣に貼られた犬の糞尿への過激な警告文(「警告と署長感謝状」)など、日常の些細な出来事から広がる事件を鮮やかな推理で解明する連作ミステリー。
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    光文社が発行

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    2024年09月10日
  • 様々な別れ

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    佐野洋のミステリ短篇集『様々な別れ』を読みました。
    佐野洋の作品は今年2月に読んだ『思い通りの結末』以来ですね。

    -----story-------------
    血液型ABの男を捜し求め、数度の関係の後に姿を消した女。
    他人の子供を宿した女と、それを承知で出産後の離婚を前提に結婚した男。
    恋人とその叔母との異常愛を知って別れた女が、その男に再会。全く身に覚えのない行動調査報告書を妻に突き付けられた男。
    一度だけ関係を持った男と自分の娘が結婚―。
    短編ミステリーの名手が、男と女の別れをテーマに捻る傑作集。
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    光文社が発行している小説誌『小説宝石』

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    2023年11月28日
  • 招いた女

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    佐野洋の連作ミステリ短篇集『招いた女<街の中の声シリーズ>』を読みました。
    佐野洋の作品は今年3月に読んだ『蝉の誤解』以来ですね。

    -----story-------------
    ホテルの喫茶ルームで向かい合う中年の男女。
    「二十八日の夜は?」との女の問いに、男は「二十八日?ああ、用がある」と答えた。
    漠然とした『用』という言葉で片付けた点に、この二人の関係が見えた…。
    作者が街の中でふと耳にした会話。
    そこから想像がふくらみ一編の小説が生まれる。
    短編の名手ならではの好評新スタイルミステリー第三弾。
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    光文社が発行している小説誌『小説宝石』に

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    2022年07月26日
  • 歩け、歩け

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    ネタバレ

    娘が着メロに入れてくれた昔の唱歌「歩くうた」が、老父との思い出を甦らせた。ふとしたことで知った、子供時代の父の身に起きた事件とは?(表題作)子供はいらないと言い続けてきた夫が、突然「子供を作ろう」と言い出した。妻の脳裏を、15年前に起きたある殺人事件が過る―(「十五年目の子」)。読後、深く心に残る人生の機微。単行本未収録作9編を収録。(裏表紙)

    表題作兼1つ目の「歩け歩け」が良い。
    …と思っていたら、以降はちょいと趣味が合わず、しょんぼりだった。

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    2021年09月09日
  • 検察審査会の午後

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    裁判員制度はよく知られていますが、この検察審査会は知りませんでした。

    検察審査会とは、検察庁が不起訴にした事件について、その処置が妥当かどうかを、裁判員制度同様、法律には素人の方々が集まり、審査する機関、どのこと。

    本作は、検察審査会を舞台に、8つの事件を通してその事件の裏を探っていくもの。
    それぞれの謎が、最後に驚きの展開に...一部、謎が謎のままの話もあり、そこは読者におまかせ(?)とのこと。楽しめます。

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    2020年06月16日
  • 推理日記 II

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    初めて『推理日記』シリーズに接したⅤの時よりも、読み手としての佐野洋氏に少々辟易したような感が残った。
    それは都築氏との名探偵論争に顕著なように、あくまで自論を正当化させるためにありとあらゆる知識を総動員して論破しようとする点が今回特にくどく感じたからだ。時には偏屈爺の説教のようになり、食傷気味であった。

    しかし、「同一トリックの再使用について」の見解は白眉である。平成の世に到来した新本格ムーヴメントを考えれば途轍もない先見の明である。

    これだから『推理日記』は止められない。

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    2019年01月31日
  • 墓苑とノーベル賞~岩中女史の生活記録~

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    全盛期の佐野洋のファンには、物足りなく口説い感じがする。それでも、佐野洋らしさのある楽しくひねりのある短編集。

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    2014年05月04日