中山宥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コロナ禍初期におけるアメリカ衛生当局の動きを描写したノンフィクション。
一見退屈そうなこの話題だが、さすがはマイケル・ルイスというべきか、そのストーリーテリングの技は今作でも冴えている。
特にマン渓谷の山火事の比喩は印象に残る。
本書はトランプ政権(第一次)批判の書でもあるのだが、その支持者たちにとっては、本書は「ディープステイト」の手先が書いた偏向本である、と位置付けられるのだろう。
ゆえに、本書から読み取れる教訓が今後生かされるかどうかについては悲観的にならざるを得ない。
以下に本書の金言を幾つか引用する。
「”あわや事故”の事例を把握してこそ、本当の事故を未然に防ぐことができる。」
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Posted by ブクログ
資金力の乏しいメジャーリーグ球団であるアスレチックスのチーム作りを扱ったノンフィクション。
結局はアービトラージを狙う手法なので、ここに書かれてしまうとその効力はなくなってしまうだろうが、それまでの伝統的な手法、誰もが当たり前と疑わない勘と経験の世界に新しい科学的な方法を持ち込むことで成功を得ることができるというのは示唆に富む話だった。
そういう話も面白かったが、データ自体に意味があるものかどうかという視点は目から鱗だった。中でも、守備のデータは信頼性がない、つまり、エラーという人の判断が入るデータは、最初から諦めてしまえばエラーにならずヒットとなるし、役に立たないという話はなるほど、と唸 -
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匿名
購入済み池上彰氏の解説が・・・
日本政府のコロナ対策、その元となった理論がどのようなものかが本書に書かれている。
中でも面白いのが、計算の上ではパンデミック対策で一番有効なのが学校の閉鎖であったこと。
本書の中では、アメリカでは政治的な思惑から学校閉鎖は実行できず、コロナのパンデミックを抑えることができなかった。
日本では学校を休校してある程度抑えることに成功したが、本書解説の中で池上氏は「唐突であった」と批判的に書いている。
ちなみに当時のことを思い返すと、対策が1日遅れれば感染者が増加し死者が増える状況であった。
つまりは本書の内容と池上氏の解説が、相反とまで行かないがすれ違っているのである。 -
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Posted by ブクログ
野球の見方だけでなく、慣習やしきたり、固定観念に対する意識が変わる一冊でした。
主人公のビリーは、それまでの野球界の常識とは異なる客観的な数字による尺度を用いて選手を評価し、乏しい資金の中で常勝チームを作り上げます。
球界だけではありません。
我々の身の回りにも慣習や、「伝統」という名の固定観念が溢れています。
最適解を求めようとしているのに、その判断基準はとても曖昧で、「慣習」からはみ出さないことを大切にして、いつの間にか最適から大きく外れたところに着地している。
慣習や伝統を見つめ直し、新たな常識を受け入れるのはとても難しいことです。
でも、変化の激しい昨今、その勇気が必要なのだとはた -
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Posted by ブクログ
中国における新しいデジタル経済社会の到来を解説する書
40年間における変遷を「旧中国農業経済」→ 「1980年以降 ローエンド輸出経済」→ 「モバイルインターネット経済」 → 「AIデジタル経済」と定義している。現在は、AIデジタル経済の時代の始まりとしている。この段階ではいままで遥か遠くにいたアメリカが射程距離内に入ってきており、追い抜くことも視野にとしている。
AIが成果を結ぶには大量の使えるデータが必要とされる。中国では他国に比してその入手が容易であるという優位性があり、かつ国をあげてのAIの推進体制やヨーロッパとアメリカを合わせても敵わない人口、沿岸地域だけでなく内陸部にまで及び初めた -
Posted by ブクログ
・不遇な選手を偏見から解き放って、真の実力を示す機会を与えた
・人間社会における理性の可能性-と限界-を如実に表す縮図
・神々は、破滅させたい人間をまず「前途有望」と名づける。
・力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックにある。
・スカウトはつい、必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。
・自分の体験こそ典型的な体験だと思いがちだが、実際はそうでもない。
・心の奥深くにあるカジノで、賭け金を減らし始めた。
・いままで起こっていないことは、今後も起こらない。うまく対応できなかった事柄があるなら、そもそも対応能力がなかったのだ
・結果につながらない才能なんて、才能とは呼べない。 -
Posted by ブクログ
セイバーメトリクスの古典としてリスペクトされる本書ですが、「マネー・ボール」なのであって「データ・ボール」ではありません。債券トレーダー出身のマイケル・ルイスはおそらく、割高な選手を売却して割安な選手を購入し、最安値のポートフォリオで最高の成果を出そうとするビリー・ビーンの姿にこそ興味を持ったのではないか、と思われます。
その割高・割安を弾き出す手段がデータ分析。債券の世界には価格を理論的に算出するモデルがあるが野球人には勘と目利きしかない。そこでビリー・ビーンのアスレチックスはオタク通信に過ぎなかったビル・ジェイムスの知見を掘り起こし、大卒アナリストに託した。そこからセイバーメトリクスとい -
Posted by ブクログ
マネーボールという映画になった本のことは、
何年も前から知っていました。
改めて、LearnBetterを読んでいて興味を惹かれて読んでみました。
この本は、ブラッドピッドが映画にしたことからも多くの方がご存知の通り、
メジャーリーグ球団をテーマにした
球団経営を巡るテーマが主眼です。
けれども、巻末の解説にあるとおり、
もっと大きなテーマとして、
既存の考え方に捉われるな!
という大きな問題提起をしていることから
米日英など世界各国で読まれた作品になりました。
経済でも、社会でも、既存のやり方を変えられずに、
停滞が続く世界が多数存在しますが、
それを打破するために必要なやり方は、
それ -