中山宥のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『死と奇術師』トム•ミード
楽しかったー!!
娘の習い事の待ち時間、ふらっと本屋に立ち寄り
ボーッと眺めてた新刊コーナー。
一冊だけ、小説なのに変わったポケットサイズに
透明ビニールカバーのかかった本が…
『なんだろ?この本?』
手に取ると、本の帯にイギリスのミステリーとの紹介が。しかも、解決編が赤い袋とじになってるぅぅぅー!!
『なにっ?この本?すごく気になるっ!』
娘のお迎えの時間までしばらく悩みに悩んで、買ってしまいました…。
本格ミステリ…よく分からないのですが、読んでる途中わくわくしっばなし。
そして、最後の解決編、
赤い袋とじに、『名探偵ジョセフ•スペクターが導き出した答えにたどり着いたという自信のある方は封を切り、先へお進みください。』
という言葉をスルーして、謎は全く解けないまま、袋とじをピリピリっと破く楽しさったら!
一体どんな答えがまってるのー!
ほぇぇぇぇー!
そんな答え全然思いつかなかった!
えっ?この謎を解いて、袋とじ開けられる人いるの?
いま、私はこの本の謎を解いて、袋とじを開けられる人がいるのかが気になってます。(^^)
袋とじ頼りでしたが、それでも全ての謎が解けた時の心地よさ、たまりませんでした。
楽しかったです。
-
Posted by ブクログ
袋綴じですぜ親分、ぐひひひ
(嫌われてる方の親分についてる岡っ引きのイメージで!好かれてる方の親分に対する妬みや対抗心から町人たちにつらく当たってしまうけど実は情に厚く、今回も夫が殺されて幼い娘と二人残され悪人たちに付け狙われる後家さんを助けるため奮闘するが、実力不足で悪人たちに取り囲まれたところを好かれてる方の親分に危機一髪で助けられ、美味しいところを持っていかれた上にほのかな恋心を持っていた後家さんは親戚筋を頼って江戸を離れることになり、町人たちには「あの野郎が人助けなんてするもんか」と信じてもらえないが、最後の最後に母娘を見送った峠で最初は嫌われていた幼い娘に「親分ありがとう」と一輪の野菊を手渡され涙ぐむ親分を見て、親分の心の底にある優しさを最初から信じていて一緒に涙ぐむところを、照れ隠しに「おい、ぼやぼやすんな!江戸の町が心配だ行くぞ!」といつもの調子で怒られ、グスンと鼻をすすって「へい、親分!」と親分を追って日が昇る江戸の町に戻って行く方の岡っ引きのイメージで!)
前にもどこかで書いたんですが、自分(基本的には)推理しない読者なんですね
犯人は誰だ!?とかこのトリックは?!とかに興味がないわけじゃないんですよ
むしろ本格ものは大好きです
人より好きな自負もあります
自分で解き明かしたいと思わないだけで
なので急に「名探偵ジョセフ・スペクターが導き出した答えにたどり着いたという自信のある方は、封を切り、先へお進みください。」とか言われても困るわけです
こちとら袋綴じと言われたら下衆な考えしか思い浮かばない側の人間ですからね
トリックを解き明かすのが一番の目的ではないんですよ!
カーやクイーンやクロフツの先人たちの名作の数々が名作として語り継がれるのはなにもそのトリックの秀逸さだけが要因ではないわけですよ
そこにある人間ドラマが魂を揺さぶるからですよ!
では本作に魂を揺さぶる人間ドラマがあったのか?というとそこはイマイチでした
なので名作とまでは言えませんが、やはり古典的本格推理を彷彿とさせる内容には好感しかなく、面白かったです
とくにジョン・ディクスン・カーへのオマージュが半端なく、本家を読み返したくなりました
また作者は「謝辞」の中で刺激を受けた作家として島田荘司さんを挙げていて、イギリスの作家に影響を与える島田荘司さんてやっぱすげーな『占星術殺人事件』もやはりどこかで読まねばなと思うのでした
ぐひひひ -
Posted by ブクログ
【解決篇袋とじ】黄金時代の本格ミステリーを楽しもう! あなたは密室殺人事件が解けるか #死と奇術師
■きっと読みたくなるレビュー
まず、こんな本格ミステリーを体験させてくれたことにお礼を言いたい。
密室殺人、不可能犯罪、怪しい容疑者と背後に見える秘め事、タレント性抜群の名探偵。そしてなんといっても、袋とじの解決篇ですよ。こんなのワクワクが止まらない。
実際に読み進めてみると、期待通りのプロットが展開されます。かつて私が若かりし頃のミステリーがそこにあり、夢中になって読み漁っていたのを思い出しました。
本書はミステリーに対する「潔さ」が素晴らしいんです。
強引に社会性を入れたり、無理な動機付け、奇妙なキャラ立てなどの小細工を行わず、実直に不可能犯罪だけに向き合っている。作品としての筋が通っていて、読んでいて気持ちがいい。
またありがたいことに、かなり優しい文章や構成で読みやすいんですよ。
古典ミステリは味わいがあっていいんですが、当時の文化や文体などわかりづらいことも多く、粘り強く読むことも必要だったりします。本書は初心者さんにも理解しやすくて、おすすめできます。
登場人物のイチオシは女優のデラ・クックソンですね~ ど真ん中の本格ミステリーの登場人物。自身の環境、背景に揺れに揺れながらも、熱い精神で凛として立っている姿が想像できる。一輪の薔薇のようで、超カッコよくないですか。もう惚れちゃう。
そして待ちに待った、解決篇袋とじですよ。
まずはメイントリックがポイントなんですが、読者を考えさせる仕掛けが上手い。なんとなーくは見えた気がしてたのですが、こんな真相が待ち受けているとは…
そして隠された謎解きロジックも、かつての名作を思い出させてくれるような内容で素敵でした。
今年を代表する海外版 本格ミステリーになりそうで、これからの作品にも期待しちゃいますね。
■ぜっさん推しポイント
書評家千街さん解説がめっちゃ面白い。ミステリーをこの上なく愛する人たちの歴史、研究を垣間見ることができて、超胸アツですよ。ファンとしてはこれだけで価値がある。
本格ミステリーは一般ウケされづらかったりして、いつも残念な気持ちになるのですけど、本書は謎解きを楽しんでもらおうとする仕掛けが嬉しいですね。ミステリー愛が溢れる作品に出会えてうれしかったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトム・ミードの初翻訳。
解決編は袋綴じで、早川書店さんの本気が垣間見える(ポケミスがあんなに平積みされてたの初めて見ました笑)。
舞台は1930年代と、いわゆる黄金期。密室で首を切られた博士の死体が発見される。いかにして犯人は密室から消えたか。また、直前まで博士を訪問していた謎の男。外連味ある不可能犯罪に挑むのは引退した年齢不詳の奇術師スペクター。読者への挑戦に加え、解決編が袋綴じになった作品。
よくぞここまでカーの作品に寄せたなと笑!
正直、全体としては面白いけど残念な時のカー作品のよう。それでも楽しめたのは、なんとなくみんな推理できる、そのちょうどいいレベルにあったんじゃないかなと。
パズラーとしての完成度の高さはホロヴィッツに軍配が上がるが、これからが楽しみな作家。次作もぜひ袋綴じで笑 -
Posted by ブクログ
※私が読んだのはランダムハウス講談社から出版されたものです。
野球好きの上司から、マネジメント的な要素もあるよ、とお借りした一冊。
映画を見たかったのに見逃しており、興味があったので読んでみました。
野球が好きなら、試合のシーンは情景が目に浮かぶのでそれだけでも楽しめると思います。
また、メジャーリーグのトレードを目の前で覗き見してるかのような、スピード間のある描写も楽しめました。
個人的にカタカナの名前を覚えるのが苦手で読み終えるまでに時間が必要でしたが読んで満足の一冊。映画も是非見てみたいです。
終盤にあった
「どの数字を金庫の中にしまい、どの数字をクズカゴに捨てるか。大切なのは数字を万物の神として奉ることではなく、数字に意味を持たせることだ。理論武装することだ。数字の奥にひそむ真実を読み解き、時には行間にまで思索のメスを入れる。それが賢者の振る舞いだ。」
のくだりは、野球チームのマネジメントだけでなく
普通のビジネスにも通ずるものがあると思い、勉強になりました。
野球界を描いたエンターテイメント作品と
ビジネス書としての要素を兼ね備えた一冊です。 -
Posted by ブクログ
生物学的な死を考えるというコンセプトのもと、様々な生物の生と死について著者の取材内容をまとめた一冊。読みやすくわかりやすい。ただ、ネタがネタだけにギョッとするところも多少あるので好き嫌いは分かれるかもしれない。
カラスは仲間の死を弔うのか、ロバはパートナーの死を悲しむのか、腐敗の進む豚の死骸の下で繰り広げられる虫たちの繁殖、500年以上生きた貝から考える長寿、スガの幼虫から紐解く虫と植物の生存競争、アカトビやホリッド・グラウンド・ウィーバーの保護活動から見る生物の絶滅などなど、知らない世界ばかりで面白い。
「なぜ人は死ぬのか?」「死ぬってどういうことか?」といった死に関する疑問が解消するわけではないけど、いろんな死のエピソードを読んで、死について考えるヒントときっかけをもらえた。
(本書を読んで、カツオブシムシはタンパク質を食べるから骨格標本の掃除に活用するというのを知った。古文書や古美術の世界だとその特性ゆえに害虫扱いだけど、捨てる神あれば拾う神ありなんだな。) -
Posted by ブクログ
ロンドンで暇を持て余すアンティ・ブジュレーのもとに、貴族の末裔である旧友フィドルズの伯父が謎の転落死を遂げたことを知らせる電報が届いた。厄介ごとの解決を得意とするアンティは、旧友の為にひと肌脱ぐべく、一路由緒あるキャンターフェル家の屋敷へと向かうのであった...
1920年代を舞台にした古色蒼然たる本格ミステリではあるのだが、全編に渡って繰り広げられるブラックジョークによって決してシリアスになりきらないユーモラスな作風。
ミステリとしては小ぶりでやや無理があるような気もするが、動機やいくつかの伏線には冴えたところもあり、なによりユーモアが良い目くらましになって充分以上に楽しめる。妙に不穏なエピローグも楽しい。