中山宥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ体裁はエッセイ風で、専門用語などもほとんど出てこず、とても読み易い。
生き物たちの営みを”死”という観点から改めて俯瞰する枠組みは期待を抱かせるし、イギリスでもゴケグモモドキにまつわるフェイクニュースが伝播したんだ…という話や、腐肉を喰らうコンドルの腸内環境についての説明、最近のアンチエイジングに対するアプローチなどなど、生き物ネタから派生する豆知識を色々と知ることができ、素直に「ほー」と感嘆する。
が、シヴィアな言い方をすると得たものはそれだけ、というか、小さなトピックスを四方山話として積み重ねることに終始し、冒頭で著者がぶち上げた”生き物はなぜ死を免れる方向に進化しなかったのか”という大命 -
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Posted by ブクログ
生物とは何だろうか。それは生きているものである。
「生きている」とは何かといえば、一般には、「自己と外界を分ける境界があること」「エネルギーや物質を代謝すること」「自己複製すること」などの特徴が挙げられる。英語圏では運動(Movement)、呼吸(Respiration)、感覚(Sensitivity)、成長(Growth)、再生・生殖(Reproduction)、排泄(Excretion)、栄養(Nutrition)の7つの現象での定義があり、頭文字を取ってMRS GREN(グレン夫人)とも称される。
けれども、突き詰めて、一体生きているって何なのかというと、実のところ曖昧で未整理な部分も多 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最新の科学的知見を、哲学や動物学の議論を交えてわかりやすく紹介……なんてしておらず。
ふわっとした個人エッセイに、毛が生えたような
『身近で解りやすい話題』
だけど、私にとっては、
『死についてより考えが深まったりはしない』
本でした。故に、毒にもならないが薬にもならない星三つ、と評価します。
生についてよく考えるためには、死についてもよく考えねばならないと、自覚的に色々考えてみたことがある人には、向かない内容。
普段の生活で、気持ち悪い生き物は避けて当然、死や病のことなんて考えたくもない、心構えなんてしたくない。
ていうか、仏教に触れたことがない。
そういう人が初めて手に取ってみるには -
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Posted by ブクログ
独自の統計データに着目し、低予算でオークランド・アスレチックスを常勝集団へと変えたゼネラルマネジャー、ビリー・ビーンが主人公。ビリーの球団運営方針の原点は、ビル・ジェイムズが70年代から80年代にかけて自主出版した書籍「野球抄」に遡る。ジェイムズは野球のデータ研究を、SABR「アメリカ野球研究協会の略称」からセイバーメトリックスと命名した。
セイバーメトリックスの専門家ピート・バーマーの計算では、選手の技能の違いによって生じる得点差よりも、運の違いによって生じる得点差は4倍。短期決戦だと、つきの要素のほうが大きい。ポストシーズンを勝ち抜くことがいかに大変なのかを示唆しており、今年のCSの結果