伊藤邦武のレビュー一覧
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昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。
前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。
もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。( -
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世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろ
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全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。
第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?
「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。
19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
・進化 -
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タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?
西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン -
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全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。
第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。
なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?
さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。
むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい -
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19世紀末にアメリカで誕生した独自の思想プラグマティズムについての入門書。高校の倫理で触れてから、何となく興味があったものの放置状態であり、なおかつアメリカという社会が形成される中でプラグマティズムが果たした役割は何なのか、というあたりを知りたくセレクト。
20世紀~21世紀のプラグマティズムの流れについて、
・源流のプラグマティズム(パース、ジェイムズ、デューイ)
・少し前のプラグマティズム(ロールズ、クワイン等)
・これからのプラグマティズム
という3世代の歴史変遷を追うことで、プラグマティズムという思想が実は一様ではなく、かなりの拡がりを持つ思想運動であるということを理解することができ