伊藤邦武のレビュー一覧

  • 世界哲学史 別巻

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    昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。

    前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。

    もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。(

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    2021年03月10日
  • 宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

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    宇宙の捉え方を哲学、科学をもとに説明されている。歴史的に哲学者たちが宇宙を論題にしてきた例をあげて最後には地球外生命体の存在にも触れている。哲学について触れたことのない自分にとってとても難しい内容であった。

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    2021年02月22日
  • 世界哲学史 別巻

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    世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろ

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    2021年01月05日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    “世界哲学”というくらいなので、東洋や中東の思想にも触れている。マニ教についてあまり学んだことがなかったので、そこは読んでいて面白かった。

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    2020年08月13日
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展

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    全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。

    第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?

    「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。

    19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
    ・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
    ・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
    ・進化

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    2020年07月13日
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学

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    タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?

    西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン

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    2020年06月11日
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒

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    全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。

    第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。

    なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?

    さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。

    むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい

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    2020年04月13日
  • 宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

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    タイトルに惹かれる。哲学は天文学や科学と常に番いとして在る学問であり、科学の変遷はそのまま哲学の変遷でもある。それを宇宙と結びつけて紐解いていくのが面白かった。全体的にカントの理論が多かったけど、言語哲学からのパラダイムシフトの話も充実していた。

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    2019年11月24日
  • 宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

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    タイトルからして「宇宙をどう認識してきたか」が展開されるのかと思ったら、がっつり哲学。それもカント哲学ときた。いけません。「純粋理性のアンチノミー」を展開されてもね。ちくまプリマー新書なのに難しくなってしまう。とはいえ、宇宙認識が人間の思考そのものに与える影響を無視できるはずもない。人間の認識力も宇宙と同じように拡大してきている、のかな。

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    2019年10月05日
  • プラグマティズム入門

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    今は『プラグマティズム入門講義(仲正昌樹)』があるので、
    初めてプラグマティズムに触れる方は、
    そちらから手をつけたほうが良いと思いますが、
    コンパクトにまとまった「新書」らしいこちらも捨て難い。

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    2017年07月19日
  • プラグマティズム入門

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    19世紀末にアメリカで誕生した独自の思想プラグマティズムについての入門書。高校の倫理で触れてから、何となく興味があったものの放置状態であり、なおかつアメリカという社会が形成される中でプラグマティズムが果たした役割は何なのか、というあたりを知りたくセレクト。

    20世紀~21世紀のプラグマティズムの流れについて、
    ・源流のプラグマティズム(パース、ジェイムズ、デューイ)
    ・少し前のプラグマティズム(ロールズ、クワイン等)
    ・これからのプラグマティズム
    という3世代の歴史変遷を追うことで、プラグマティズムという思想が実は一様ではなく、かなりの拡がりを持つ思想運動であるということを理解することができ

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    2016年08月08日
  • プラグマティズム入門

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    ネオプラグマティズムあたりまでは、ざっと復習してるイメージ。ブランダムら名前は聞いたことあるけど...といった現代の部分もかなり解説していて面白い。ただ、数学の哲学から民主主義まで少し欲張りすぎなイメージも。一般読者にこれはキツイだろう。個人的にはパースをポパーの発想と絡めてその違いを解説して欲しかった。

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    2016年03月02日
  • プラグマティズム入門

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    プラグマティズムの源流から,少し前のプラグマティズム=ネオ・プラグマティズム,そしてこれからのプラグマティズムを通観できます。

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    2016年02月25日
  • プラグマティズム入門

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    16/02/19。
    文章達者。読みやすい。

    p20 実証主義特有の「事実と価値の峻別」を認めないプラグマティズム。

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    2016年02月27日
  • 物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために

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    「心」の存在論について、ソクラテスやプラトンから現代までどのようなことが考えられてきたのかを、螺旋と円環を組み合わせたかのような流れとして記した本。何を言っているのか(説明不足で)分かりにくくなっているところもちらほらあるが、きれいにまとまっていて、誰と誰が、何と何が、どう関係するのかがわかりやすい。

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    2014年05月16日