【感想・ネタバレ】宇宙はなぜ哲学の問題になるのかのレビュー

あらすじ

「宇宙に果てはあるのか」「広大な宇宙の片隅に住む私たちとは何者なのだろう」──誰もが一度はとらえられるこうした問題。プラトンもカントもウィトゲンシュタインも、その哲学の原点は宇宙への問いだった。宇宙を切り口に学ぶ、いちばんやさしい哲学入門。

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Posted by ブクログ

帯に「いちばんやさしい哲学入門」とあるけれど、ひらがなの「やさしい」を「易しい」と勘違いすると読み出してすぐに投げ出したくなるはず。全然「簡単に理解できる」話ではないから。でも「優しい」だと思えば、嘘とは言えないものの、著書の丁寧で熱心で面白い話に「よく分からないけどもう少し読んでいたい、先を見てみたい」と思うようになるはず。
本書は古代ギリシアの哲学からはじめて「宇宙は無限か」「宇宙が無限の広がりを持つなら知的存在がいるはずだけど私たちはその宇宙人とコミュニケーションとれるのか」という問いに進んでいく。
私は「学問は哲学として始まった、具体的な対象や方法が固まると〇〇学として独立していった、最後に残った『よくわからないもの』を研究するのは今日でも哲学」という話が好きです。本書もその一つ。
ただし、第一章の古典〜近代科学と哲学の関係や第三章の宇宙の無限性や宇宙人とのコミュニケーションについては面白く楽しく読めたのに対し、第二章のカントの説明は理解できた気がしない。他の哲学入門書を読んでもそうなので私のツボ(の反転)がそこにあるのだろう。

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2020年05月26日

Posted by ブクログ

わかりやすく哲学の思考や実例を紹介し、科学との関係を説明してくれています。カント哲学における宇宙の有限性と無限性の話、大学の研究室に入った頃から科学的に証明することの正しさや限界についてあれこれ思案してきましたが、それらに着地点を与えてくれたような気がします。哲学入門にもってこいの一冊です。

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2020年03月30日

Posted by ブクログ

宇宙をどのようなものととらえるかについて、カントの論を中心に、それ以前のギリシア古代とそれ以後の現代の論についてもとりあげている。カントについては、一般的なカントの解説書では見ることのない『天界の一般自然史と理論』等への言及など、新しく知ることがけっこうあった。また、現象世界と物自体の関係についての説明も丁寧で、すっきりわかるとまではいかないが、類書よりも、その辺りのところをきっちり説明しようとしていると感じた。

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2020年09月03日

Posted by ブクログ

宇宙の捉え方を哲学、科学をもとに説明されている。歴史的に哲学者たちが宇宙を論題にしてきた例をあげて最後には地球外生命体の存在にも触れている。哲学について触れたことのない自分にとってとても難しい内容であった。

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2021年02月22日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれる。哲学は天文学や科学と常に番いとして在る学問であり、科学の変遷はそのまま哲学の変遷でもある。それを宇宙と結びつけて紐解いていくのが面白かった。全体的にカントの理論が多かったけど、言語哲学からのパラダイムシフトの話も充実していた。

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2019年11月24日

Posted by ブクログ

タイトルからして「宇宙をどう認識してきたか」が展開されるのかと思ったら、がっつり哲学。それもカント哲学ときた。いけません。「純粋理性のアンチノミー」を展開されてもね。ちくまプリマー新書なのに難しくなってしまう。とはいえ、宇宙認識が人間の思考そのものに与える影響を無視できるはずもない。人間の認識力も宇宙と同じように拡大してきている、のかな。

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2019年10月05日

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