佐藤健太郎(ライター)のレビュー一覧
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本書は、日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し、何ごとか物申すような本ではない。各地の絶景やグルメを楽しむための、ドライブガイドのような本でもない。本書は、「道路」そのものを楽しむために書かれた、「国道マニア」の入門書だ。(裏表紙裏より)
何とも奇怪な、でも手を出してみるとちょっと面白そうな「国道趣味」の本です。国道◯号線って、欠番もあるんですね。1から順番に並んでいるのかと思ってました。
そういえば、数年前に鉄オタ友達と二人で「寝台特急で青森まで行って、津軽半島の先っぽにある階段国道を見に行こう」というおバカな企画を実行したなぁと思い出しました。旅行は点で、鉄道マニアは線で、道路マニ -
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国道とは、ある地点からある地点までをつなぐ道を、国が整備したもの。
国道を通る多くの利用者には、起点と目的地がある。
しかし本書は、国道を利用する目的を、その国道そのものとする国道マニアによる、国道探索の入門書である。
非常に有名な、階段国道やループ橋、海の上を渡る国道から、盲腸のように少し突き出しただけの国道まで、様々な国道が紹介されている。
また、広いバイパスの横に、狭い国道がそのまま指定されている理由、細い山道が国道に指定されている理由など、多くの情報が網羅されているので、いちど見に行きたいと国道目的の旅へ読者をいざなう。
ただ、筆者が国道マニアになった理由として挙げる、鉄道は展と点を結 -
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内容紹介
空気のように、非常に身近でありながら、ほとんどその存在を意識されることのない「国道」。その国道を真っ正面から扱った記念碑的作品。
実は、国道には不可思議なことが数多く存在する。
・国道246号は存在するのに、なぜ国道60号や国道99号はないのか?
・圏央道やアクアラインは高速道路なのになぜ国道指定されているのか?
・車が通れない商店街や階段がなぜ国道指定されるのか?
・道路すら走っていないフェリー航路が国道扱いされるのはなぜなのか?
など、いちいち挙げれば、数限りない。
国道をこよなく「国道マニア」として知られる佐藤健太郎氏が、こうした国道にまつわる、様々な謎を読み解くととも -
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題名からは意外な流れで有機物(炭素化合物)が歴史に果たした役割を開設している。参考文献の最初に出てくるのが「銃・病原菌・鉄」で2番目が「スパイス・爆薬・医薬品」で似たような雰囲気ではある。他にも参考文献には読んだ本がいろいろ入ってたが帯の「今年度No1のサイエンス本の呼び声!」と言うのはちょっと言い過ぎだろう。化学式はちょっと出てくるがあまり専門的ではない。
序章のアヘン戦争にはじまり、デンプン、砂糖、芳香族化合物(香辛料)、グルタミン酸という食品のグループ、次にニコチン、カフェイン、尿酸(これだけちょっと毛色が違う)、エタノールと言うドラッグ、嗜好品、そしてニトロ、アンモニア(炭素ではない -
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僕はリスクを結構気にしちゃうほうなのですが、リスクに丁寧に対応する社会的コストを考えてみろ、という前書きに、む、そうかもしれないなと納得する。リスクとのつきあいかたを考える本。
中身はバイアスのかかり方や、いくつかのリスクの具体的数値、そしてプラセボ効果のことなど。ちょっとありがちな感じで、前書きほど興奮はできませんでした。マスメディアのリスクの伝え方に苦言が呈されていますが、裏を返すと、そういう演出の仕方の勉強になるかもね。
兎も角、リスクがない、なんてことは証明するのが難しいのだと。
本書ではありませんが、僕の好きな言葉に、運が悪ければ瓦が落ちて人が死ぬ、というのがあります。作り手がいうと -
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家人は震災以降やたらとリスクに敏感である.いささか辟易気味の私は味方を得ようとこの本を読む.それほど新しい視点があるわけではないが,化学,製薬分野の出身ということで,四章の発がん物質の章はなるほどと思わせるところがある.全体は一般向けにやさしく書いてあるので,こういう本を家人には読んでほしいと思う.無理だろうな.
最初の方に,ハーバードのリスク解析センターというところが発表しているリスク認知因子10ヶ条というのが興味深いので引用しておく.
(1) 恐怖心が強いほどリスクを強く感じる
(2) 自分でコントロールできないリスクほど強く感じる
(3) 自然のものより人工のものにリスクを強く感じる -
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ネタバレ薬とは人智を遥かに超えて複雑な生体に副作用なく必要な部分にのみ作用する奇跡の産物。しかも経口の手軽さだ。誰しも頭痛、腹痛、風邪になれば必ずお世話になっている。ところが、このお薬、世に出るまでは様々な艱難辛苦を乗り越えなければならない。動物実験、臨床試験、副作用、役所の承認などなど。今や製薬は人類のあらゆる事業のうち最も困難なものの一つとなっている。入社以来、数十年毎日実験を繰り返しながらも、新薬を一つも生み出すことなく研究の現場を去る者がほとんどというのが、この医薬の世界。まったくのギャンブル。「薬九層倍」なる言辞が如何に一面的偏向的な誤謬に満ちたものであるかがよく分かる。2010年問題を境に
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前半はちょっと薄いが、後半の現状分析と今後について、諦めと希望の入り混じったような態度には共感できる。病態が解明されているような分野は既にやりつくされており、ゼロリスク症候群とでもいうべき安全基準の厳格化やモデル動物の不在などもあいまって、新薬は年々少なくなってきている。開発費の負担は重く、巨大メーカーにならないと「化合物を医薬へと進化させる」ことも難しい。ハイスループットスクリーニング(オートメーション化により数万件の化合物をスクリーニングできるようになった)、コンビケム(複数の側鎖を順列組み合わせで変更してゆく?)などの技術革新、抗体医療(大きい分子なので臨床試験で予想外の副作用が出にくい