佐藤健太郎(ライター)のレビュー一覧

  • ふしぎな国道

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    本書は、日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し、何ごとか物申すような本ではない。各地の絶景やグルメを楽しむための、ドライブガイドのような本でもない。本書は、「道路」そのものを楽しむために書かれた、「国道マニア」の入門書だ。(裏表紙裏より)

    何とも奇怪な、でも手を出してみるとちょっと面白そうな「国道趣味」の本です。国道◯号線って、欠番もあるんですね。1から順番に並んでいるのかと思ってました。
    そういえば、数年前に鉄オタ友達と二人で「寝台特急で青森まで行って、津軽半島の先っぽにある階段国道を見に行こう」というおバカな企画を実行したなぁと思い出しました。旅行は点で、鉄道マニアは線で、道路マニ

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    2016年08月11日
  • 化学で「透明人間」になれますか?~人類の夢をかなえる最新研究15~

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    錬金術。不老不死。宇宙旅行。モテ薬。人工ダイヤモンド。痩せ薬。花粉症の根治。頭のよくなる薬。ドラえもんの道具。若くて美人になる薬。美味しい物。風邪の特効薬。がん征圧剤。ストップ地球温暖化。地球的エネルギー問題の解決。人類の夢について、現実をみつめ夢を描く。いずれも壁は厚く高いが決して乗り越えられないものばかりでもなさそう。人類の叡智に俄然期待が膨らむ。

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    2015年07月24日
  • 化学で「透明人間」になれますか?~人類の夢をかなえる最新研究15~

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    会話形式にすることで、一般からの無茶振り質問に応えるという意図に成功している。この形式はうまくやらないと背中がかゆくなるような出来になるのだが、自然に読める。
    カネボウの白班事件について、テスト人数の少なさを批判しながらも、有効成分を積極的に探す姿勢を研究者として好感が持てるとしているのは意外。そういう考え方もあるのか。

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    2015年03月19日
  • ふしぎな国道

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    国道とは、ある地点からある地点までをつなぐ道を、国が整備したもの。
    国道を通る多くの利用者には、起点と目的地がある。
    しかし本書は、国道を利用する目的を、その国道そのものとする国道マニアによる、国道探索の入門書である。
    非常に有名な、階段国道やループ橋、海の上を渡る国道から、盲腸のように少し突き出しただけの国道まで、様々な国道が紹介されている。
    また、広いバイパスの横に、狭い国道がそのまま指定されている理由、細い山道が国道に指定されている理由など、多くの情報が網羅されているので、いちど見に行きたいと国道目的の旅へ読者をいざなう。
    ただ、筆者が国道マニアになった理由として挙げる、鉄道は展と点を結

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    2015年03月15日
  • ふしぎな国道

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    内容紹介

    空気のように、非常に身近でありながら、ほとんどその存在を意識されることのない「国道」。その国道を真っ正面から扱った記念碑的作品。

    実は、国道には不可思議なことが数多く存在する。
    ・国道246号は存在するのに、なぜ国道60号や国道99号はないのか?
    ・圏央道やアクアラインは高速道路なのになぜ国道指定されているのか?
    ・車が通れない商店街や階段がなぜ国道指定されるのか?
    ・道路すら走っていないフェリー航路が国道扱いされるのはなぜなのか?
    など、いちいち挙げれば、数限りない。
    国道をこよなく「国道マニア」として知られる佐藤健太郎氏が、こうした国道にまつわる、様々な謎を読み解くととも

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    2014年11月23日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    製薬業界内にいた筆者が、不偏・理性的に中立の立場で功罪を述べている。薬害の悲劇、インパクトに心を奪われるのは人間である以上仕方がないが、分母(救われた人)の多さにきちんと目を向けるのも人間の役割である。
    やや専門的で不親切と思われるところもあるが、読みやすくて得るところの多い本と思う。

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    2014年09月27日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    例えば、発癌性のカビが生えている可能性のあるパンを食べるか、安全が確認された防腐剤が入っているパンを食べるか。筆者は誤判断の原因を日本人の気質や「マスゴミ」としている。しかし、人間の脳は、元来こわがりなので、適切に科学教育を受けなければそうなるものなのだ。子供を見ていると、公教育やマスコミには全く期待できない。つまり家庭の責任である。

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    2014年08月02日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    有機化学美術館で知られる著者による業界実体験記。文章の調子や内容はブログのとおりなのだが、ひとつのテーマについてまとまって書かれているので読みやすい。あくまで研究者目線に徹して書かれているので、新薬開発の難しさとそれに対する経営陣や世間の無理解、というのが基本線。新薬開発に限らず開発一般についても言えるが、自称「開発」は新薬ほど難しくは無いケースがほとんどだろう。仕様書がなければ開発できない、とか、アホかバカかと。

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    2014年08月02日
  • 炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす―

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    題名からは意外な流れで有機物(炭素化合物)が歴史に果たした役割を開設している。参考文献の最初に出てくるのが「銃・病原菌・鉄」で2番目が「スパイス・爆薬・医薬品」で似たような雰囲気ではある。他にも参考文献には読んだ本がいろいろ入ってたが帯の「今年度No1のサイエンス本の呼び声!」と言うのはちょっと言い過ぎだろう。化学式はちょっと出てくるがあまり専門的ではない。

    序章のアヘン戦争にはじまり、デンプン、砂糖、芳香族化合物(香辛料)、グルタミン酸という食品のグループ、次にニコチン、カフェイン、尿酸(これだけちょっと毛色が違う)、エタノールと言うドラッグ、嗜好品、そしてニトロ、アンモニア(炭素ではない

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    2014年11月16日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    製薬者目線。まあ当たり前だけど、確かに新薬開発への科学者のモチベーションは維持する必要あるし、そのための環境づくりも必要だとは思いました。

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    2013年09月26日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

    購入済み

    リスク認識が変わる

    世の中に存在するいろいろな説に対して、独自の視点で展開する。なんでもかんでも鵜呑みにしてはいけないということがわかる。

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    2013年01月14日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    人が無意識に感じてしまうリスクの傾向を解説し、様々な事例を挙げてその論理の適切さを確認していく形式。
    放射線影響リスクについて極度な危険視と全く問題ない意見が対立する中、客観的・定量的なスタンスでどんな解を出すのか知りたくて手にとった。
    例えば、過去の疫学統計と今わかる情報から、何かしら体調不良になる確率は、〜という条件で自動車事故に遭う確率の何分の1、等の具体的見解が知りたかった。
    内容に異論はないが、今の人智では何とも言えないとしか書いておらず残念。

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    2013年01月06日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    僕はリスクを結構気にしちゃうほうなのですが、リスクに丁寧に対応する社会的コストを考えてみろ、という前書きに、む、そうかもしれないなと納得する。リスクとのつきあいかたを考える本。
    中身はバイアスのかかり方や、いくつかのリスクの具体的数値、そしてプラセボ効果のことなど。ちょっとありがちな感じで、前書きほど興奮はできませんでした。マスメディアのリスクの伝え方に苦言が呈されていますが、裏を返すと、そういう演出の仕方の勉強になるかもね。
    兎も角、リスクがない、なんてことは証明するのが難しいのだと。
    本書ではありませんが、僕の好きな言葉に、運が悪ければ瓦が落ちて人が死ぬ、というのがあります。作り手がいうと

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    2013年01月06日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    家人は震災以降やたらとリスクに敏感である.いささか辟易気味の私は味方を得ようとこの本を読む.それほど新しい視点があるわけではないが,化学,製薬分野の出身ということで,四章の発がん物質の章はなるほどと思わせるところがある.全体は一般向けにやさしく書いてあるので,こういう本を家人には読んでほしいと思う.無理だろうな.

    最初の方に,ハーバードのリスク解析センターというところが発表しているリスク認知因子10ヶ条というのが興味深いので引用しておく.

    (1) 恐怖心が強いほどリスクを強く感じる
    (2) 自分でコントロールできないリスクほど強く感じる
    (3) 自然のものより人工のものにリスクを強く感じる

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    2012年12月15日
  • 「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~

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    リスク管理は大切だけれども、リスクを完全に排除するのは難しい。無駄に恐れを抱きすぎなのは間違いない。放射能汚染についても、安心を促す内容でした。化学など専門用語が出てくるだけで、緊張感が高まってしまう。ゼロリスクなんて、やっぱりありえないのだ!と理解出来ました。

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    2012年10月12日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    ネタバレ

    薬とは人智を遥かに超えて複雑な生体に副作用なく必要な部分にのみ作用する奇跡の産物。しかも経口の手軽さだ。誰しも頭痛、腹痛、風邪になれば必ずお世話になっている。ところが、このお薬、世に出るまでは様々な艱難辛苦を乗り越えなければならない。動物実験、臨床試験、副作用、役所の承認などなど。今や製薬は人類のあらゆる事業のうち最も困難なものの一つとなっている。入社以来、数十年毎日実験を繰り返しながらも、新薬を一つも生み出すことなく研究の現場を去る者がほとんどというのが、この医薬の世界。まったくのギャンブル。「薬九層倍」なる言辞が如何に一面的偏向的な誤謬に満ちたものであるかがよく分かる。2010年問題を境に

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    2012年06月26日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    医薬品と市場原理の関係が良くわかります。
    日本でももっと医薬品を早く市場に出そうと思えば出せるはずなのに・・。

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    2012年06月23日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    シュウカツで企業側にすすめられて読んだ。
    すごくわかりやすく噛み砕いてあり、医薬品業界の現実、内部事情を知ることができました。
    作者の方も研究開発の経験があるために、説得力もあり、本質をついていると感じる。

    新薬を作るって一生をかけてもできない、でも挑戦する、それってすごいなー

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    2011年03月10日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    クスリ業界についてわかりやすく書かれている。

    おわりに述べられていた、例えガンを完治させる薬が完全したとして、それは人類に幸福をもたらすのか。って、確かにて思った。

    長生きして自然破壊したりエネルギー消費したりでたくさん有害物質うみだしてしぶとく生き残る、まさにガン細胞みたいな存在。

    自分の進路のことも考えさせられた。

    何のためのクスリか。

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    2011年01月20日
  • 医薬品クライシス―78兆円市場の激震―

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    前半はちょっと薄いが、後半の現状分析と今後について、諦めと希望の入り混じったような態度には共感できる。病態が解明されているような分野は既にやりつくされており、ゼロリスク症候群とでもいうべき安全基準の厳格化やモデル動物の不在などもあいまって、新薬は年々少なくなってきている。開発費の負担は重く、巨大メーカーにならないと「化合物を医薬へと進化させる」ことも難しい。ハイスループットスクリーニング(オートメーション化により数万件の化合物をスクリーニングできるようになった)、コンビケム(複数の側鎖を順列組み合わせで変更してゆく?)などの技術革新、抗体医療(大きい分子なので臨床試験で予想外の副作用が出にくい

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    2011年08月07日